6/23【WRESTLE-1】W-1GPへ「優勝して新しいベルト作る」 河野インタビュー
7・12後楽園大会で開催される『WRESTLE-1 GP 2017』に出場する河野真幸。新世代勢の前に高い壁となって立ちはだかる構えの河野は「優勝して、新しいベルトを作る」との青写真を披露し、「芦野が逆指名してくれたけど、俺もあいつがチャンピオンのうちにまた挑戦したいし、そのためには俺が初代王者として巻いたW-1チャンピオンシップに負けないぐらいの価値のベルトを持って反対側に立ちたい」とW-1王者・芦野祥太郎とのダブルタイトルマッチ実現を描いた。W-1提供の河野インタビューは以下の通り。
【河野インタビュー】
──今年も『W-1 GP』の季節がやってきましたがどのような心境ですか?
▼河野「……」
──イマイチ燃えてない感じですか?(笑)。
▼河野「いやいや燃えてないことはないですよ」
──3月に芦野選手にタイトルマッチで負けてW-1チャンピオンシップから陥落しましたけど、その芦野選手から「勝ち上がってくるなら河野さんに来てほしい」というリクエストがあったんですから、燃えてもらわないと。
▼河野「だからチャンピオンが逆指名してきたんだったら、トーナメントなんてしないで普通にタイトルマッチでしょう。なんで私はトーナメントに出なきゃいけないんですか? チャンピオンの逆指名だったらいいじゃないか……って思いますけどね。どうでしょう?」
──いやあ、チャンピオンは「勝ち上がってきてほしい」っていうリクエストを出してきているわけですから、トーナメントありきなんでしょう。
▼河野「そうなっちゃいます?(笑)。でも、『W-1 GP』から文体に向けて、盛り上がってくる感じはあるので楽しみではありますよね。ただ、トーナメント自体は1回目と2回目と全然ダメなんですよね。W-1チャンピオンシップ初代王者決定トーナメントでは優勝できたんですけど、それ以降はあんまり芳しくない成績で、しかも今回に至っては1日に3試合しなきゃいけないんでしょ?」
──ワンデートーナメントですからね。
▼河野「なぜ、ルールを過酷にしたのかなって思いますけどね(笑)」
──ちなみに今回はワンデーゆえに1回戦が15分1本勝負となりますけど、これに関してはいかがですか?
▼河野「危険ですよね。だって、引き分けの場合は両者失格でしょ? 前回稲葉とタイトルマッチをやった時は勝つのに15分以上かかってますからね。とても危険な第一関門ですよね。だから、そこは作戦とか勝負をかけるタイミングとかいろいろ考えないといけないですよね。あいつはゾンビのように這い上がってくるし、なかなか心が折れないので、ちゃんと考えないとヤバイなっていう感じがしてますけど。1回戦は重要ですね」
──稲葉選手のここ1年の印象はいかがですか? 昨年文体で急遽メインを務めるという大役を果たし、W-1チャンピオンシップのベルトも巻いて、急成長を遂げた1人だと思いますけど。
▼河野「NEW ERAっていうチーム作ったり、タイトルマッチも経験してますからね。だから、文体は彼にとって何かしらのターニングポイントになったんでしょうね。まあ、NEW ERAは今はゴタゴタしているみたいですけどね(笑)。そちらはそちらで大変そうですけど、チームを作ってW-1の中心を動かしていこうっていう気持ちになったわけですからね」
──今のW-1はチャンピオンの芦野選手を中心として若手の台頭が凄いですけど、稲葉選手の昨年のW-1王座戴冠がそのきっかけになっているところはありますよね。
▼河野「そうですね。芦野、イケメン、稲葉、そして多少歳を食っているけど征矢という俺がベルトを持っている時にタイトルマッチをやった4人は元気ですよね。彼らが今のW-1の中心で動いている主要どころなのかなっていう印象はありますよ。だから、そこをバッタバッタと倒して、俺は俺でドカッと居座ってやろうかと思っていたんですけど、ダメでしたね(笑)」
──でも、タッグのベルトを取ったし、オッサンたちの逆襲だという発言もありました。まだまだ若手に負けてられないという気概を河野選手には感じますよ。
▼河野「逆襲しないとね。この時代の流れに逆行しないとダメでしょう。だって、この1回戦で稲葉に負けたら、それこそ去年の11月に稲葉からベルトを取って以降のことがすべてひっくり返されちゃうじゃないですか? がんばらないといけないですよね」
──ただ、この間の6.18清水大会では稲葉選手に負けちゃったんですよね。
▼河野「負けちゃいましたよ。まああいつの脳震盪からの復帰戦だったから、戻ってきてどんなもんかなっていうのがあったんですよ。NEW ERAもゴタゴタしているし、メンタルも疲れているんだろうなって思って、そこを探りながらやっていたんですけどね。まあ、最後の最後であいつが本気出してきたっていう感じでしたね。だから、100%の状態で戻ってきたんでしょうね」
──脳震盪の影響もなさそうでしたか?
▼河野「なさそうでしたね。だから、あれが清水で良かったですよ。グランプリの1回戦が復帰戦だったら、余裕かまして挑んでいたかもしれないし。グランプリ前に闘えたことが参考データになりましたね」
──なるほど。そういう意味では負けも無駄ではなかったと。そして、準決勝に勝ち上がると近藤選手とACEの選抜選手の勝者との対戦になります。
▼河野「まあ、近藤さんでしょう。意地があるから、ACEの選手には負けないでしょう」
──でも、今一緒にタッグを組んでいる出場者決定トーナメントを伊藤選手が勝ち上がってきたら、河野vs伊藤をもう一回やってみたいなっていうのはないですか?
▼河野「ああ、それはおもしろそうですけどね。たぶん4月にやったシングルマッチとは違う感じになるだろうし。お互いにそこで当たる時はすでに1試合こなしているわけだから、状況がどういうふうになっているかわからないしね。俺も稲葉戦のダメージがあるし、向こうもたとえ近藤修司に勝てたとしてもぐちゃぐちゃになってくるかもしれないですからね。でも、一応俺は近藤修司を想定しています。まあ、ACEのトーナメントは誰が上がってくるかわかんないっていうのはありますけど、あのメンツの中で順当にいったら伊藤だと思うんですけど、まあ、勝負は時の運ですからね」
──なるほど。では、決勝戦は誰とやりたいとかありますか?
▼河野「征矢vs熊だったら征矢でしょ、普通に考えれば。土肥vsイケメンだったらどっちかな? 土肥が芦野とのタイトルマッチの敗戦を吹っ切れていればいいですけど。まあ、イケメンのほうが乗っている感じはありますよね。近藤さんに勝っているわけだし。ということは征矢vsイケメンになるかな。まあ、そうなると順当にいけば征矢か……。ああ、わかった! 征矢が3連覇するんじゃないの?」
──それを食い止めないとダメでしょう(笑)。でも、ベテランと若手だったらどちらとやりたいとか希望はありますか? 勢いのある若手を潰してやりたいとか。
▼河野「やっぱりお客さんが求めてないオッサン同士の対戦でしょうね。時代は若い奴を求めてるんでしょうし、会場の雰囲気もそうですからね」
──そういう空気を感じますか?
▼河野「感じる。凄く感じる。だって、6月の後楽園でやったタッグのタイトルマッチだって、伊藤と岩石のほうが応援されていたもん、俺と征矢よりも。近藤vsイケメンでもみんなイケメン支持でしょ? だから、流れは若手に傾いているんですよ」
──でも、その流れをぶっ壊してやろというお気持ちはあるんですよね?
▼河野「僕の若手時代の師匠は究極の天邪鬼ですからね。空気を読まないイズムを引き継いで、客の支持なんてクソ食らえでいきますよ。なんなら優勝しても文体のメインには出ないぐらいのへそ曲がりでやってやろうかな? それぐらいグッチャグッチャにW-1を捻じ曲げて、ひん曲げてやりたい。これがオッサンの意地ですよ」
──お前らの希望通りにはさせねえぞと。
▼河野「そう簡単にいくかバカ野郎っていうのはありますよね。若手が台頭してますとか、引っ張ってますみたいな空気? そういう“よくある感じ"がつまんない。すんなり進むとおもしろくないでしょう。俺は引っ掻き回す気満々だから。まあ、俺も若かった頃は、そんなベテランたちの壁をぶち破ってやるって思ってたけど」
──全日本時代は新世代軍とかやってましたもんね。
▼河野「あれは僕のNEW ERAですからね(笑)。あの時は上の先輩方がいっぱいいて、その人たちから主役を奪ってやるっていう感じでやっていたけど、彼らも今はそんな気持ちなんだろうなって。自分がやっていたからわかるんですけど、時が経って今は挑まれていたあの時の先輩方の気持ちがわかりますね」
──でも、河野選手は時代をぶち破ることの難しさを経験しているわけじゃないですか? 今の若い選手たちにもそう一筋縄ではいかないよということを教えるのも河野選手の役割だと思いますけどね。
▼河野「いずれ超えられていくのは仕方がないと思うんですよ。こっちは歳を取っていくわけだから。でも、超えるものは高いほうがいいわけでしょ? 高い障害を乗り越えたほうが彼らの達成感も違うし、感動も違うと思うから。ドデカイ障害になりたいですよね。『これは簡単に超えられるね』っていうような段差程度の障害だとまずいですからね。ドデカイ障害でありたい。そうしないと、挑んでくる彼らにも失礼だから。思いっきり突き放してやりますよ。『どうぞどうぞお通りください』なんてゆるいことはしないから。俺の手が届く範囲だったら、手当たり次第に手を伸ばして、片っ端から邪魔してやりますよ」
──河野選手にとってはこのグランプリは自分が高い壁であることを証明するための闘いでもあるというわけですね。ズバリ優勝する自信はありますか?
▼河野「俺には優勝して、新しいベルトを作るっていう目標がありますから。王座の新設を考えてるんですよ。それぐらいの意気込みがありますからね。そもそもこれは文体でやるW-1チャンピオンシップの挑戦者決定トーナメントではないんです。そこを観ている人にも勘違いしないでほしい。あくまで『W-1 GP 2017』です」
──そこをハッキリさせたいと。
▼河野「そこで新たな価値を見出だせれば、王座新設に会社も動くんじゃないかと」
──どうしても王座新設をしたいんですね(笑)。
▼河野「業界をザワザワさせたいですからね(笑)。まあ、芦野が逆指名してくれたけど、俺もあいつがチャンピオンのうちにまた挑戦したいし、そのためには俺が初代王者として巻いたW-1チャンピオンシップに負けないぐらいの価値のベルトを持って反対側に立ちたいよね。だから、W-1が認めなくても武藤会長に認定してもらってベルトを作ってもらいます」
──武藤敬司認定王座(笑)。
▼河野「そう、『610』って入ったベルト。優勝したら新王座を作る。そして、武藤敬司を初防衛戦の相手に指名する。僕は何があろうとあの人の名前を出し続けますよ!」