プロレス・格闘技の情報満載!全日本・ノア公式モバイルサイト

8/2【WRESTLE-1】3人目のパートナーにMAZADAを選んだ理由とは… 8・11後楽園UWA世界6人タッグ王座戦へカズ・ハヤシ インタビュー

 カズ・ハヤシ&頓所隼のコンビが8月11日の後楽園ホール大会で、またもやUWA世界6人タッグ選手権に挑戦する。同じタイトルに3回連続で挑戦するのも異例なことなら、そのパートナーにMAZADAを選んだのも意外なところ。なぜ、MAZADAなのか? そして、三度目の正直はなるか? カズに話を聞いてみた。

──8月11日の後楽園ホール大会で、MAZADA選手と頓所選手と組んで、またもやUWA世界6人タッグ選手権に挑戦することになりました。ここのところ頓所選手を気にかけていらっしゃって、一緒に組んでUWAに挑戦するのもこれが3度目になります。現状の頓所選手をどのように見ていらっしゃるんですか?

▼カズ「うん、前にも言ったかもしれないですけど、とても器用な選手なんですよ。やろうとすることはなんでもできちゃうというか、こなせちゃうんですよ。ただ、次のステップに進む時に、こなせるだけじゃダメなんだよっていう感じですね」

──こなせるだけじゃダメ。

▼カズ「はい。そこにプラスアルファが必要になってくるんですよね。こなせちゃう人って、ある程度まではできちゃうんですけど、それ以上にいけないんですよね」

──次の段階に進むためにはそのプラスアルファが必要だということですね。

▼カズ「そうですね。そのプラスアルファがどのように生み出されるかっていうと、プレッシャーなんですよね。お客さんが彼に望むプレッシャー、彼自身が自分に望むプレッシャー、そしてUWAという重みのあるベルトを獲りに行くプレッシャー。まあ、彼がこのUWAのベルトをどれだけ重く感じているかはわからないですけど、その重みを感じてほしい。そういういろいろなプレッシャーがかかる中でプロレスをすると、もうプロレスをすることに精一杯になっちゃうんですよね」

──要は追い込んでいくということですか?

▼カズ「うん。そうやって追い込まれた状況でプロレスをしていると、彼みたいになんでもこなせちゃうタイプの人はある時に変化が起きて、劇的に変化していくんで。今はそれがいつ起きるのか、楽しみにしている状況ですよね」

──なるほど。つまり、こうしてタイトルマッチというプレッシャーのかかる場面を経験させて、追い込んで、変化を促すということですね

▼カズ「そういうことになりますね。そして、今回はプラスMAZADAさんというルードでもテクニコでもなんでもできるルチャマスターがパートナーにいますからね。その中に入るって相当な圧力があると思うんですよね」

──デビューしてキャリア1年とちょっとの選手が、カズ選手、MAZADA選手という20年以上のキャリアを誇る人たちと組むこと自体、プレッシャーですよね。

▼カズ「だから、そういう状況に身を置くことは非常に大変なんですけど、普通じゃ絶対にあり得ない体験ができるし、そこを肥やしにしてくれたらドンドン伸びて、とんでもない化物になっていきますよ」

──なるほど。でも、もうこのカズ&頓所のコンビがUWAに挑むのは3回目ですよね? ここ最近で2回連続で負けているのに、3回連続で挑むということってなかなかないと思うんですけど、これは社長権限で文句は言わせないということですか?

▼カズ「そういうことかな(笑)。でも、それだけ彼に期待しているっていうことですからね。今回はMAZADAさんが加わるし、こなすだけでも精一杯になりますよ。今まで天才肌でなんとかこなしてきた人間が、ここでどう変わるかっていうところなんで、凄く期待していますね」

──過去2回のタイトルマッチでは、タッグ王座も獲った鼓太郎選手や、付き合いの長い河野選手を3人目に入れてきましたけど、ここでMAZADA選手を選んだというのはどういう理由があるんですか?

▼カズ「やっぱりルチャですね。ルチャという空間を味あわせてやりたい。頓所選手自身が元々やりたいのはルチャではないんですよね。身体を大きく見せたいとか、速い動きをしたいっていうのがある。ただ、そういうのもルチャのエッセンスとしてあるし。だから、ルチャの空間に入ることによって、自分の弱さや弱点、あるいはこれから必要なもの見つけられるんじゃないかと思います。というか、僕ら2人を食うぐらいのことをやってもらいたいんですよ」

──ルチャという空間がそれを促せるということですね。でも、MAZADA選手と組むっていうのは意外でしたね。わりと闘っているイメージが強かったので。

▼カズ「まあ、ここ最近は組むこともなくはなかったんですけど、反対側のコーナーにいることが多かった人なので、ファンの人はそう思うかもしれないですね」

──6月の後楽園大会ではクルーザー王座を懸けて闘われましたけど、改めてその凄さを味わったことで、今回の役割に適任だと感じたわけですね。

▼カズ「そうですね。とにかく世界中を飛び回っていろいろなことを見てきた人ですし、いろいろなテクニックを持っていますからね。本当に凄い人なんですよ。まあ、MAZADAさんはフリーなんですけど、僕の中ではW-1の人だと思っていますから。自由な人ですけど、8月の後楽園大会には来てくれるし、最高の舞台で組んでもらえて僕としてもうれしいですよ」

──MAZADA選手と組んでタイトルマッチをやるのは初めてですか?

▼カズ「初めてなんですけど、凄い何かが生まれそうな予感はしてますね。闘った者にしかわからないものなのかもしれないんですけど、前回クルーザーのベルトを懸けてタイトルマッチをやった時に、こうなるのかっていうようなことをいろいろやられてきたんで、凄く楽しみなんですよね」

──わかりました。もう一つ、MAZADA選手がアンディ選手とタイトルマッチをやる前に、「メキシコのマスクマンはマスクをしていても表情が見える。アンディには見えない」というようなことをおっしゃっていました。頓所選手はマスクマンではないですけど、同じようなことが言えるんですかね?

▼カズ「感情的なことですかね。それはでかいですね。彼に関しては学院の頃から感じていたことなんですよ。立花と一緒にスタートしても、その部分で言うと立花は素晴らしかったですから。なんでもこなせちゃうけど、何を考えて生きているかわからない。飄々として生きちゃっているみたいな感じがして」

──自分をさらけ出せないというか。

▼カズ「でも、これが難しいんですよね、口に出して言うのは」

──その部分に気づいてもらうためにもMAZADA選手が必要ということなんですか?

▼カズ「そうなんですよ。それにプラスして、あの存在感ですよね。MAZADAさんの隣で闘って、もし僕らを食っちゃったら、本当に彼はガーッといきますよ。あの存在感を超えて、彼が秘めているものを出すか、出さないか。そこにかかっていますよね」

──なるほど。今回の挑戦含めて、カズ選手はUWAのベルトが欲しいという気持ちと、頓所選手の覚醒を促すという親心的なものと、どちらが強いんですか?

▼カズ「いや、UWAのベルト自体はずっと持っていたいという気持ちがあるんですよ。だって、UWAですよ?」

──やはりメキシコを経験した人にしてみれば、UWAという名前は大きいですか。

▼カズ「普通彼ぐらいのキャリアだったら、挑戦すらできないベルトなんですよ。その価値を僕やMAZADAさんは凄く感じている。それを頓所選手にも感じてほしい。そして、タイミング的にちょっと彼の周囲を見たら、同期の立花、後輩の岩石、伊藤に追い抜かれているような状況なんでね。もし、この歴史の重みがあるベルトを巻けば、一気に追いつけるいいチャンスなのかなと思っていますね」

──自分も欲しいし、頓所選手のためにもなるということですね。

▼カズ「はい。僕だってなかなか挑戦できなかったし、やっと獲ることができたんですから。正直、羨ましいですよ。こういうチャンスが巡ってくる彼の境遇がね」

──ちなみにチャンピオンチームについてはどのように見ていらっしゃるんですか? これまで2度もあのチームに挑戦してきたわけですけど。

▼カズ「征矢&岩石&NOSAWA組。あれはあれで岩石をうまく使っていて素晴らしいなと思いますね。みんな個性がバラバラじゃないですか? あれは凄いですよね。似た者同士で集まるのはキレイですけど、お互いに補っているようなチームを作りましたよね。3人で完璧なチームを作り出したなって気がしますね。敵ながらできあがっていますよね」

──一方でこちらのチームは体格的にも似ているし、バランスが良さそうですけど。

▼カズ「ああ、そうですね。なんて言ったらいいんですかね? 3人とも飄々と生きていません?」

──飄々とですか?(笑)。いや、MAZADA選手と頓所選手はわかるんですけど、カズ選手はあまりそういうイメージはないですね。

▼カズ「僕は飄々と生きているつもりなんですけどね。あまりそう見られてないのかな?(笑)」

──でも、頓所選手のそういう飄々としたところをぶち破ってほしいんじゃないですか?

▼カズ「そうじゃないんですよ。だって、武藤さんだって飄々と生きているじゃないですか?」

──そういう意味では一番W-1らしいチーム?

▼カズ「そうかもしれない(笑)。でも、性格の問題じゃなくて、武藤さんも飄々としてはいるけど、自分の感情がしっかりしていて、それがリング上で出るじゃないですか? 頓所選手にもそうあってほしいんですよ」

──いざリングに上がれば感情が出ると。つまり、そのお手本のようなMAZADA選手やカズ選手と一緒に闘うことで学び取ってほしいということですか。

▼カズ「そういうことですね。そのためのMAZADAさんなんで。でも、自分は手応えを感じていますから。7月30日の新百合ヶ丘大会でシングルマッチをやったんですけど、緊張感を感じましたからね。プラス、試合に挑む姿勢、気持ちも感じられたんで、僕はぶち破ってくれると思っていますね。飄々としてる中で、何かを見せなきゃいけないんです。その何かを掴み取ってほしいですね」

プロ格 情報局