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6/23【大日本】TAJIRIがジュニア王座V1 吉野&関札の挑戦表明に「まとめてやってやる」

東京・後楽園ホール(2019年6月23日)
BJW認定ジュニアヘビー級選手権試合 ○TAJIRIvs谷口裕一×

 谷口相手に思わぬ苦戦を強いられたTAJIRIだったが、最後はグリーンミストからジャックナイフ式エビ固めで丸め込んでジュニア王座V1達成。試合後、吉野達彦&関札皓太が挑戦表明をぶち上げると、TAJIRIは「2人まとめてやってやる」と3WAYでの防衛戦を提示した。

 TAJIRIは5・5横浜文体で和樹を下し、ジュニア王座戴冠。実に21年ぶりに大日本ジュニアのベルトを腰に巻いた。試合後、バックステージをたまたま通りかかった旧知の谷口と舌戦を展開。不信感をあらわにする谷口に対し、TAJIRIは「俺たちは知り合いじゃん? 俺は君の友達なんだよ」と呼びかけ、6・9仙台ではタッグ結成が実現した。しかし、試合後にTAJIRIが赤い毒霧を噴射して裏切り。キレた谷口が対戦要求をぶち上げると、TAJIRIがジュニア王座の挑戦者に指名し、初防衛戦が今大会で行われることになった。

 谷口は真っ赤なガウンを着て登場。大日ジュニアの橋本和樹、吉野、関札がセコンドに付く。TAJIRIがリングに上がったところで、谷口はショルダータックルで奇襲。止めるレフェリーを突き飛ばし、TAJIRIのガウンを使って首を絞め上げた。スクールボーイでニアフォールを奪い取り、場内をどよめかせると、TAJIRIが場外に転落した場面では珍しいスライディングキックをぶち込む。場外戦では止めるレフェリーに声を荒らげるなどなりふり構わぬ攻撃で王者を攻め込んだ。

 だが、TAJIRIもレフェリーのブラインドを突いて、急所攻撃でお返し。チョーク攻撃を決めると場外に叩き落とし、観客席や鉄柱にぶん投げた。リングに戻ると胸板への張り手合戦で火花。谷口はサミングからコーナーに上がるが、TAJIRIはデッドリードライブでマットに投げ捨てる。

 粘る谷口は丸め込みを連発して反攻。TAJIRIはレフェリーとの交錯を狙うと、隙を突いてグリーンミストを噴射したが、谷口は両手を使ってガードに成功する。さらに谷口は緑色に染まった両手をTAJIRIの顔面に擦りつけて追撃。視界が遮られ、フラフラのTAJIRIがレフェリーと衝突してしまい、リング上は無法地帯となるが、ここがチャンスと谷口はチョークスラムを繰り出すと、師匠ケンドー・ナガサキ仕込みのパイルドライバーを敢行して決定機を掴む。

 谷口はすぐさまフォールに入るが、レフェリー不在で幻の3カウントに。それでもバックドロップやランニングボディプレスで畳みかけると感情的になり、フォールをキックアウトされると、カウントが遅いとレフェリーを蹴り飛ばした。しかし、これが結果的に仇となる。

 谷口は再びパイルドライバーの構えに入るが、TAJIRIがリバース。それを読んだ谷口は回転エビ固めに絡め取るも、TAJIRIはそのまま後転し、再度グリーンミストを噴射する。谷口に蹴り飛ばされたレフェリーはこれに気づかない。TAJIRIが即座にジャックナイフ式エビ固めで丸め込むと、レフェリーはそのまま3カウントを数え上げ、TAJIRIの勝利となった。

 谷口に攻め込まれる場面もあったが、最後は丸め込みで技あり勝利。TAJIRIが初防衛を果たした。この結果に納得がいかないのが吉野と関札だ。マイクを持った関札は「毎回姑息な手ばっかり使いやがって。俺は1回負けてるけど、いつでもベルトに挑戦する準備はできてる」とアピール。吉野も「俺もやってやるよ。俺たち2人でやってやるよ」と続き、挑戦に名乗りをあげた。

 すると、TAJIRIは「またお前らかよ…」とこぼしたが、「2人まとめてやってやるよ」と3WAYでの迎撃を断言。「だけど知ってる? 3WAYって勝ったヤツがチャンピオンになれるから。意味わかる? 君がこっちに勝ったら、こっちが君に勝ったらチャンピオンになれるんだよ」とパーティーボーイズとして共闘する吉野&関札の気持ちをかき乱すような発言で由鯖売りをかけた。

 「もう1人どこに行ったんだよ? 俺の中で一番肝心なもう1人はどこに行ったんだよ?」と意中の相手が不在なことに触れつつも、「まあ、いいか。神は多忙だから。今週からなんと1ヵ月も外国に行かなきゃならない。君たちと違って忙しいんで」と次期防衛戦の舞台を7・30後楽園に指定した。

【試合後のTAJIRI】
▼TAJIRI「谷口、久々のチャンスで相当緊張しただろうね。もうベルトを懸けてやることはたぶんないと思う。だけど、こんなことプロに対して失礼かもしれないけど、もっとあいつがリラックスして、落ち着いた環境でやってやってもいい、俺はね。もしかしたら、あいつは『やっぱり神の領域は俺が手を触れちゃいけない世界だな』って思ったんじゃないかな。どう思う、皆さん? まあ、いいや」

――パイルドライバーなどを仕掛けてきたが谷口選手の印象は?

▼TAJIRI「パイルドライバーやってたけど、やっぱ俺は思ったんだけど、ある程度、時々場数にカウントされるような緊張感ある試合をやらないと、レスラーってこうなるのかなって感じが俺は谷口にしたね、悪いけど。気を遣わずに、かつての仲間だからあえて言うけど、彼は俺より全然若いんだから、まだまだもう1回自分に試練を与えて、周りも彼に試練を与えてやっていってもいいんじゃないかなっていう。そういう器量ではあると思うんだよね、僕は。だけど、さっきも言ったように、久々のビッグチャンスで本人は頭飛んじゃったんじゃない? 最初からそんな感じだったよ。これ以上言わないけどね」

――試合後、パーティーボーイズが挑戦表明してきたが?

▼TAJIRI「まあ、まとめてやってやりますよ、まとめて。だけど、さっきも言ったけど、王者権限であえて3WAYでやらせてもらうよ。3WAYって勝ったヤツがベルトを巻けるんだよ。意味わかるかな? 2人で俺を潰すのも可能だけれど、実はぶら下がっている…。さあ、人間こういう時に本性が出たり、面白いんじゃないの、これから。彼らがなにをどう考え、2人がどういう関係で生きていくのか? 当日、俺はね、できたら高みの見物をしたいな」

――気になる人間がリングにいなかった?

▼TAJIRI「何人かいなかったね。誰かは言わないよ。だけど、いい意味で気になってるとは言ってないよ。悪い意味で、どん底の最低のヤツだと思っているのかもしれないよ。ここから先は言わない。そのうちわかってくるかもしれない」

――豚の生き血は捧げられた?

▼TAJIRI「汚かったね、豚の血が。いらないわ。いらない。汚れちゃう。いらない。あの豚の血は。もっといいものをなにか捧げなきゃいけないなと。俺に捧げるならね」

【谷口の話】「負けた俺に何も言う権利はないけど。やっぱりさ、あいつは鴨居の田尻じゃなくて、世界のTAJIRIだよ。わからないけど、獲れなかったのに言うのもなんだけど、あいつがチャンピオンでいる間、いろいろあいつに触れたいよね。あいつにしてみたら、何でもないことかもしれないけど、やっぱり数少ない先輩だし、あいつから教わることはいっぱいある。チクショウ、もう1回って言いたいところだけど、違う。負けたから違う。あいつから教わらなきゃいけないこともいっぱいあるから。チクショウ。悔しいけど、これ以上、俺に言えることは何もないから。わざわざ取材しに来てくれて申し訳ないけど、言うことは何もないよ」

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