6/24【新日本】髪を切らせてエレベーター送り…ヒロム二人三脚で“バーバー矢野"料理
『NJPW WORLD Special NEW JAPAN CUP 2020』会場非公表(6月24日※無観客TVマッチ)
2回戦 ○高橋ヒロムvs矢野通×
セコンドの辻陽太とテーピングで足を結ばれ、二人三脚状態になったヒロムは、矢野に髪を切られてしまったものの、エレベーター送りに処してリングアウト勝ちで料理。『NEW JAPAN CUP』(NJC)準々決勝に駒を進めた。
2011年に“バーバー矢野"を名乗った矢野は、若手選手の髪をバリカンで刈る凶行に出て、当時ヤングライオンだったヒロムもその餌食に。当時のヒロムは雪辱を誓って一騎打ちに臨んだものの、敗北して丸刈りにされた。そんな2人がNJC2回戦で激突。矢野は“バーバー矢野"復活を予告し、前夜の前哨戦ではバリカンを投入。トラウマが蘇ったヒロムは恐怖のあまり逃げ惑って錯乱し、出場拒否まで示唆していた。
ヒロムは頭部をしっかりとヘルメットで守り、周りを必要以上に警戒しながらリングイン。コーナーに上がっても場内を見渡してビクつく。対する矢野が満面の笑みを浮かべて入場すると、ヒロムは早くも後ずさりした。「なんもしないから大丈夫だよ」とうそぶいた矢野だったが、ゴングが鳴った瞬間、バリカンを投入。ヒロムは溜まらず場外に退避し、「もうやらねえ。終わりだ、終わり。帰るぞ」とリング下に逃げ込んだ。
しかし、これはヒロムの作戦だった。矢野がバリカンをリングに置いたまま、あとを追ってくると、ヒロムは反対側のエプロンから姿を現し、放置されたバリカンをゲット。これで不安がなくなり、笑顔まで覗かせた。が、バリカンの電源は入らない。矢野はすかさず別のバリカンを持って襲いかかると、ヒロムはまたも涙目に。
それでもスピードでかく乱しつつ、正攻法で反攻したものの、場外戦で矢野が続いてハサミを投入すると、再びトラウマが蘇る。ヒロムはリング上に逃げ戻り、「もうイヤだ」「こんなことをやるためにプロレスラーになったんじゃない」と頭を抱えるばかり。ヒロムはその後もあくまでプロレス技で挽回を図るが、矢野がタイツに手を伸ばしただけで狼狽した。
策士ぶりを発揮する矢野は、またまた場外戦になると、入場ステージ横に設置されたトロフィーに隠しておいたハサミとテーピングを手にしてニヤリ。テーピングでセコンドの辻とヒロムの足を固定すると、遂にヒロムの髪をハサミで切ってみせ、ご満悦の表情を浮かべた。しかし、これにブチ切れたヒロムは、辻を引きずりながらバックステージに矢野を追い詰め、両手をテーピングで絞め上げる。さらに、顔面にも巻きつけて視界を奪うと、エレベーターに押し込み、会場1階までそのまま下ろして排除に成功。自分は辻ともに二人三脚の要領でリングに帰還し、どうにかリングアウト勝ちを手にした。
「肉を切らせて骨を断つ」ならぬ「髪を切らせてエレベーター送り」で勝利したヒロム。辻と二人三脚状態のままバックステージに下がってくると、「とても喋れる状態じゃありません」と辻に耳打ちしてコメントを発表することに。
「俺が対応できない選手なんてこの世には存在しない! でも…ハサミ、バリカンを使う矢野通は大嫌いだ。あんなレスラーとは二度とやりたくない。俺が唯一対抗できない選手なのかもしれないな、フッフッフ」と耳打ちながらも多弁になって矢野との一戦を振り返ると、「俺の夢が叶うトーナメント、負けるわけにはいかないんだ。次の相手、真壁なのか石井なのかいまだに把握できてないけど、俺は必ず勝って夢を掴む」と辻の口を借りて視線を前に向けた。
準々決勝(7・2TVマッチ)の相手は石井智宏。矢野以上の難敵だが、ヒロムはヘビー級からの3連勝を狙う。
【試合後のヒロム】
※辻と二人三脚状態でコメントブースにやってくると
▼ヒロム「フザケやがって! 最後合わせろキッチリと!」
▼辻「ハイ!」
※タイミングを合わせて2人で座り込むと、ヒロムは辻に何度も耳打ちしてコメントを代弁させる
▼辻「とても喋れる精神状態ではありません。だけど俺はプロなんでコメントを出します。俺は世界中のレスラーといろんな戦いをしてきた。俺が対応できない選手なんてこの世には存在しない! でも…ハサミ、バリカンを使う矢野通は大嫌いだ。あんなレスラーとは二度とやりたくない。俺が唯一対抗できない選手なのかもしれないな、フッフッフ。今日は9年前のリベンジを果たせたのかもしれないが、俺はこれが勝利だとはなかなか思えない。かと言ってリベンジだとか、矢野通ともう1回やりたいとかそういう気持ちは全然ない。とりあえず、俺は勝ちを欲しかった。俺の夢が叶うトーナメント、負けるわけにはいかないんだ。次の相手、真壁なのか石井なのかいまだに把握できてないけど、俺は必ず勝って夢を掴む。今日はそれぐらいにしときます」
※ヒロムは立ち上がると再び辻に耳打ちして
▼辻「とても話せる精神状態ではありませんでした。失礼します」
※足が結ばれた状態のまま控え室へ消えていく
※矢野はノーコメント