3/11【新日本】ドリームタッグ5日ぶり結成で完勝 海野&成田へオカダ「これが君たちの目指すレベル」
『NEW JAPAN CUP 2023』愛知県体育館(ドルフィンズアリーナ/名古屋市)(2023年3月11日)
○オカダ・カズチカ&棚橋弘至vs海野翔太&成田蓮×
オカダ&棚橋のドリームタッグが海野&成田の新世代タッグに完勝。オカダは「これが君たちの目指すレベル」と海野&成田にさらなる奮起と成長を促した。
2・18サンノゼ大会でIWGP世界ヘビー戦を争ったオカダと棚橋は3・6大田区大会でドリームタッグを結成し、IWGPタッグ王者・後藤&YOSHI-HASHIに挑戦。ベルト獲りはならなかったものの、この日5日ぶりにタッグを再結成した。相手は海野&成田の新世代タッグ。海野はNJC1回戦で裕二郎を破ったばかりで、3・15岡山大会でTV王者・ザックとの2回戦を控える。成田はEVILに敗れ、1回戦敗退に終わったものの、鈴木&デスペラードとのストロングスタイルトリオでNEVER6人タッグ王者に君臨している。
新世代タッグがドロップキックの同時発射で奇襲すると、オカダにダブルドロップキック、棚橋にダブルバックエルボーを見舞って先手。オカダ相手に成田がサッカーボールキック、海野が低空ドロップキックの連続攻撃を浴びせ、ダブルブレーンバスターを決めて攻め立てた。
オカダがフラップジャップで成田を止めると、棚橋はドラゴンスクリューからのテキサスクローバーホールドで捕らえる。オカダは成田と海野に場外ボディスラムを次々に決める厳しい攻めを見せた。成田が棚橋にニールキックで反撃すると、海野が棚橋をフィッシャーマンスープレックスで攻め立て、返す刀で控えのオカダを殴りつけた。鬼の形相となったオカダは頭部への非情なストンピングでカットしたが、海野はドロップキックで返り討ちにしてみせた。
棚橋がツイスト&シャウトで海野に逆襲すると、オカダが満を持して登場。マネークリップで絞め上げる。ローリングラリアットを読んだ海野はTボーンスープレックスで投げて譲らない。成田はハーフハッチ、ダブルリストアームサルトなど投げ技を連発。オカダがショートレンジラリアット連打を浴びせたが、レインメーカーをかいくぐった成田はスリーパーで絡みついた。
オカダもコブラツイストは決めさせず。開脚式ドライバーで成田を突き刺し、レインメーカーを叩き込んだ。海野が飛び込んでも棚橋がスリングブレイドで返り討ち。オカダがダイビングエルボードロップ、棚橋がハイフライフローを立て続けに放って海野を排除すると、オカダが2発目となるレインメーカーを叩き込んで成田を料理した。
オカダ&棚橋が完勝。「こんな若い二人にね、負けてるようじゃ、またあのタッグのベルトを巻くわけには、まだまだ遠いぞと言われてしまう」と差を強調したオカダは「しっかりとタッグの力も見せつつ、個の力も見せつつ、いいタッグチームになってきたんじゃないかなと思います」と手応えも十分でIWGPタッグ再挑戦に色気を見せた。
棚橋が「今日はもう完全にオカダの空気に、戦いに引っ張られた。これがベルトを巻いている人間の緊張感であり怒り」と脱帽したように、若い二人を相手にオカダの強さと怖さが際立った。当のオカダは「今日の二人、気合い入ってたね。噛みついてくれたんじゃない?」と成田&海野にそれなりの歯応えを感じたようで、「あの二人のレベルが高いのは認めてあげるよ。時代が違えばIWGPというものを獲ってたかもしれない」と評価した。
一方でオカダは「新日本プロレスのレベルも上がってんだよ、このヤロー。わかるか? 俺が上げてんだよ」IWGP世界ヘビー級王者の誇りをむき出し。「まだまだ若いよ。目指しなさいよ。これが君たちの目指すレベル。このレベルで戦っていけない限り、このベルトの戦いというものに入ってこれない」と二人に向かって高い基準を提示し、「どんどん練習して強くなって、カッコよくなって、また俺の前に立ちなさい」と注文を付けていた。
【オカダの話】「(IWGP世界ヘビーのベルトを肩にかけて現われて)まぁドリームタッグとしてね、復活の狼煙を上げることができたんじゃないかと思います。こんな若い二人にね、負けてるようじゃ、またあのタッグのベルトを巻くわけには、まだまだ遠いぞと言われてしまうと思いますんで、しっかりとタッグの力も見せつつ、個の力も見せつつ、いいタッグチームになってきたんじゃないかなと思います。あとはしっかり大きな舞台で闘う経験を増やしていって。ただタッグを組んでいるだけでは、やっぱり今のタッグチャンピオンやタッグ戦線にいる人たちの所にはまだまだ行けないと思うんで、しっかりとまた個と個を高めつつ、二人のチームというのも磨いて、また戻れたらと思います。まぁタッグばっかやって、タッグばっか自分の中で楽しんでしまってますけど、今はNEW JAPAN CUPという中で、何でこのトーナメントの中、俺がタッグでできるかと言うと、(IWGPのベルトを叩いて)これがあるから。トーナメントが……誰でもいいっすよ。また今までにない経験をね、タッグであるけども、また経験して一段と強くなってますから。楽しみっすね、誰が優勝するか。あと今日の二人、気合い入ってたね。噛みついてくれたんじゃない? まぁ前回噛みついてきた男は甘噛だったけどね。今日はしっかりと牙で…歯じゃないね。牙で噛みついてくれたんじゃないかなと思います。ただ、ただもっと尖らせといてくれよ。そんなちょっと鈍った牙じゃね、俺んとこ噛みついてもすぐ外れますよ。まぁ、あの二人のレベルが高いのは認めてあげるよ。時代が違えばIWGPというものを獲ってたかもしれない二人の強さだし。でもね、新日本プロレスのレベルも上がってんだよ、このヤロー。分かるか? 俺が上げてんだよ。まだまだ若いよ。目指しなさいよ。これが君たちの目指すレベル。このレベルで戦っていけない限り、このベルトの戦いというものには入ってこれないし、新日本プロレスでもすぐ埋もれてしまうでしょう。どんどんどんどん練習して強くなって、カッコ良くなって、また俺の前に立ちなさい。(帰り際に)東スポーッ!」
【試合後の棚橋】
▼棚橋「今日はもう完全にオカダの空気に、戦いに引っ張られた。これがベルトを巻いている人間の緊張感であり怒りであり、ちょっと今日はね、オカダの戦いに気持ちの部分でね、ついていくのがやっとだった。あぁ、これがチャンピオンの戦いだわ。賛成」
──新世代タッグに関しては?
▼棚橋「あの二人の今置かれている立場っていうのは、もちろん俺も通ってきた道だからアドバイスはないし、自分で道を切り開くしかないよ」
【海野の話】「(中島に肩を借りて現われると床に尻をつき)今、見たこれが現実だよ。新日本プロレスのトップとの差は歴然だな。でも一つ今日の負けを味わえたのはとてもデカいな。噛みつくのなんか誰にでもできるんだよ。噛みついて負けるために苦しい思いをして海外遠征を過ごしてきたわけじゃねえんだよ。必ずトップを獲るために、新日本プロレスの時代を変えるためにこっちはやってんだよ。(立ち上がって)今日の負けはしっかり認めます。ただ、これが次に戦う時、どれだけ縮められているか、あるいは超せるか。必ず時代を変えるとともに、このプロレス界にパラダイムシフトを巻き起こしてやるからな。それまでめちゃくちゃ強い、カッコいい棚橋さんとオカダさんでいてくれよ」
【成田の話】「(大岩に肩を借りて現われて片ヒザをつきながら)オカダ…オカダ・カズチカ! クソッ、ぜってえリベンジしてやる! クソッ!(と吐き捨てながら大岩の肩を借りて控室へ)」