5/27【スターダム】たむが史上2人目の赤白二冠王に「スターダムの歴史創っていく」 “白"懸けてMIRAIと激突へ
『STARDOM Flashing champions 2023』大田区総合体育館(2023年5月27日)
ワールド・オブ・スターダム&ワンダー・オブ・スターダム選手権試合 ○中野たむvs白川未奈×
たむが白川を下し、史上2人目となるワールド王座&ワンダー王座の赤白二冠王に。「この2つのベルトを背負って、皆さんとスターダムの歴史を創っていきます」と高らかに宣言した。さっそくシンデレラトーナメント2連覇のMIRAIが白いベルトに挑戦表明。V1戦が決定的となった。
4・23横浜アリーナ大会でたむがワールド王座を、白川がワンダー王座をそれぞれ初戴冠。たむ率いるCOSMIC ANGELSを離脱した直後に結果を出した白川は、なつぽいを下して初防衛に成功すると、たむとの二冠戦をアピール。たむも受けて立つ構えを見せ、実に4年8ヵ月ぶり史上2度目となるワールド王座&ワンダー王座の二冠戦が実現した。
元同門対決は白川がヒザ攻めで先制。場外では床直撃のニークラッシャーまで強行する。白川は入場ゲート上でもニークラッシャーを仕掛けるが、寸前で切り返したたむが起死回生のバックドロップをズバリ。リングに戻っても急角度のジャーマンスープレックスでどよめきを誘った。
たむペースが続いたが、白川はコーナー上でビンタを乱射すると、最上段から雪崩式インプラントDDTを敢行。猛攻に転じる。ローリングエルボーから正調インプラントDDT、グラマラスドライバーMINAと惜しげもなく大技を連発。たむを肩車で担ぎ上げると、そこから回転させながらドラゴンスクリューを決め、足4の字固めで長時間絞め上げた。そして、総仕上げとばかりにフィギュア・フォー・ドライバーMINAで突き刺す。
だが、たむはギリギリで執念のキックアウト。トラースキック、スピンキックで挽回すると、バックハンドブロー連打に被弾しても止まらず、タイガードライバーで反撃に成功した。互いに手首を取った状態でエルボーを打ち合うと、たむはタイガースープレックス、バイオレットシューティングと一気呵成に猛攻。バイオレットスクリュードライバーからトワイライト・ドリームにつなげて3カウントを奪った。
4年8ヵ月前の二冠戦(花月vs渡辺桃)は両者KOで決着がつかなかったが、今回はたむが勝利して二冠王に。2017年6月に達成した岩谷麻優以来、6年ぶり史上2人目となる快挙を成し遂げた。
マイクを持ったたむは「宇宙の皆さん、そして大田区総合体育館の皆さん、中野たむが史上2人目の赤白二冠チャンピオンになりました!」と喜びを爆発させる。そして、元同門の白川には「中野たむを追いかけてきた白川未奈は中野たむを超えることができない。これが現実だ。未奈、未奈がもしいいなら、Club Venusごとコズエンに戻ってきてくれてもいいんだよ。ただし、コズエン第4の女になるけどね」と呼びかけた。
号泣した白川は「私は白川未奈だぞ。こんなことでくたばってたまるか! 次は絶対に中野たむに勝つ。コズエンに戻ってこい? 第4の女? なめんじゃねえ!」と絶叫すると、リングを降りた。たむは「さよなら」と去りゆく白川にメッセージを送る。
入れ代わるように、花道からシンデレラトーナメント2連覇を果たしたMIRAIが登場した。次なる目標にシングル王座獲りを掲げていたMIRAIは「中野たむ、二冠王おめでとうございます。シンデレラトーナメント2連覇、この灰被りリアルシンデレラのMIRAIがここに出てきた意味、わかりますよね? さあ、挑戦させてください。その……白いベルトに」とワンダー王座に挑戦表明した。
たむは「二冠チャンピオンだよ。白だけでいいの?」と確認するも、MIRAIは「欠場前の自分だったら、中野たむが二冠王になったと聞いたら飛び出てきて、その2つ懸けて戦えって言っていたと思います。でも、今の自分にはその白いベルトが欲しい理由がある。あと自分、あなたたちみたいに焦ってないので。まだ23歳っていう若さがあるので、1つ1つ確実にそのベルトを手に入れていきたい」と理由を説明。「魂込めて、その中野たむが持っている白いベルトに挑みます」と改めて迫った。
たむは「若さか。いいなあ」とこぼしつつも、「でもね、たむはいろんな人生の修羅場を潜り抜けて、ここにやっとたどり着いたの。MIRAIちゃんなんかね、バブバブの赤ちゃんですよ。あなたにいろんな挫折を乗り越えてきた人間の強さを思い知らせてあげましょう」と通告。MIRAIも「中野たむの人生、楽しみにしてます」と言い返して去っていく。
リングに残ったたむは「皆さん、今日は長い時間、私たちとともに戦ってくれて本当にありがとう! 若さに変わる才能はないけど、でも人生っていつか終わりが来るまで無限に夢を叶え続けられるんだよ。私はこれからいろんなヤツの魂がこもったこの2つのベルトを背負って、皆さんとスターダムの歴史を創っていきます。だから、これからも私たちと一緒にたくさん夢見てください!」と決意を告白。4・23横浜アリーナ大会と同じように最後は「BELIEVE IN たむ!」の大合唱で興行を締めくくった。
史上2人目の二冠王となってもたむの戦いは続く。MIRAIとの防衛戦が決定的となったが、赤いベルトに狙いを定める相手も現れるだろう。7月からは『5★STAR GP 2023』も開幕するが、たむはすでにエントリー済み。昨年は準優勝という悔しい結果に終わったが、当然王者として初優勝を狙うはず。「歴史を創る」と宣言した通り、たむは激闘を重ねて、スターダムのリングをけん引するつもりだ。
【たむの話】「ブスですよね? かわいいですか? こっちがちょっとブスだから映さないで。岩谷麻優に次ぐ史上2度目の二冠チャンピオンになりました! ありがとうございます。白川未奈、さよなら。大切な人の大切なものを奪うことほど苦しいことはないけど、でもこれが私たちのケジメです。未奈はもう中野たむのあとを追うのはやめなよ。白川未奈はさ、コズエン辞める覚悟でここまでやって、白いベルトを巻いて、強くなったんだからさ。もう白川未奈の道を行きなよ。それでまた地獄から這い上がってくるのが白川未奈でしょ。待ってるよ。次の挑戦者も決まりました。白いベルト、シンデレラ2連覇のMIRAI。MIRAIはさ、シンデレラ2連覇しているのに、史上最高に結果出してない史上稀に見る選手。なんか凄い変なヤツ。でも、ジュリアとか、岩谷麻優に勝っている凄い変なヤツ。なんか若いから白いベルトだけって言ってたけど、でもあっと言う間に人生なんか終わっちゃうから、欲がないのはプロレスラーにとって致命的だよ。白川未奈、見てみなよ。歩く欲望だよ。まあ、いいや。人生の修羅場を潜り抜けてきた中野たむの怖さ、強さを思い知らせてあげましょう。酸素が薄くない? この赤いベルト、白いベルト、二冠チャンピオン。この2つのベルトにこもったたくさんの選手の魂を背負って、これから私はスターダムの歴史を創っていく。皆さん、中野たむを信じてついてきてください。ありがとうございました」
【白川の話】「悔しい。悔しい。自分から二冠戦ぶち上げておいて、凄いたくさんのファンの人たちが応援してくれてたのを知っているし、白いベルトを獲ったばっかりだけど。つらい。申し訳ないです。つらいです。中野たむに勝てない。今日も勝てなかった。とにかく申し訳ない気持ちしかない。ファンの人、Club Venus。みんなに希望を見せたいんだよ。なんとか頑張って這い上がったら、デカくなって頂に立てるというのを見せたいんだよ。本当にごめんなさい。次に何をするべきか。自分のこれからをちょっと考えさせてください。負けることは考えてなかった。次はIWGPに挑戦する予定だった。憧れの新日本プロレスのリングでまだ試合したことないから、試合しに行くつもりだった。本当に、本当にごめんなさい。こんな姿しか見せれなくてごめんなさい。ちょっと待っててください」