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6/4【新日本】凱旋・辻の奮闘に沸騰も…SANADAがIWGP世界ヘビー死守 「大阪メッチャ好きやで」

『DOMINION 6.4 in OSAKA-JO HALL』大阪城ホール(2023年6月4日)
IWGP世界ヘビー級選手権試合 ○SANADAvs辻陽太×

 凱旋帰国の辻が規格外の暴れっぷりを見せ、土俵際まで追い込まれたSANADAだったが、最後はデッドフォールでIWGP世界ヘビー級王座を死守。大阪城ホールで恒例の“ギフト締め"を見せたSANADAは「ハッキリ言って日本で一番ここ大阪がメッチャ好きやで」と関西弁で告白した。

 SANADAは5・3博多大会で高橋ヒロムを破り、IWGP世界ヘビー級王座初防衛に成功した。試合後、メキシコ遠征から電撃帰国した辻がSANADAを襲撃し、スピアーでKO。タイトル挑戦を表明し、大阪城ホール大会でのIWGP世界ヘビー級戦が決まった。辻は2年10ヵ月ぶりの凱旋で、前日会見でL・I・Jに正式加入。満を持して至宝に挑み、想像を超える暴れっぷりを見せた。

 辻はL・I・Jの面々とともに自信に満ちあふれた表情で入場。セコンドについた仲間たちと拳を合わせると、観客も「陽太」コールで後押しする。先に仕掛けたのも辻。SANADAのリープフロッグを読んで、スピアーで撃墜して不敵な笑みを浮かべると、その巨体からまさかのブエロ・デ・アギラを敢行。場内は大歓声に包まれた。

 スピアー狙いをかわしたSANADAはSkull Endに持ち込んで挽回。長時間絞め上げると、一気にラウンディングボディプレスを投下するが、辻はヒザを立てて撃墜した。リバースカンパーナやリバースゴリースペシャルなどメキシコ流の荒技で王者を圧倒。ムーンサルトプレスが自爆となり、プランチャやスワンダイブ式ミサイルキックに被弾したが、辻はトラースキックを即座に返して流れを渡さず。チョップ合戦も辻優勢で進んだ。辻は打ち合いながら不敵な笑みを浮かべる。

 辻は荒々しく蹴り飛ばし、踏みつけたと思いきや、一転して豪快なオレンジクラッシュで叩きつける。そしてコーナー最上段からスパニッシュフライを敢行。絶叫すると大阪城ホールは歓声に包まれた。「陽太」コールの中、辻はスピアーの体勢に。

 屈んで避けたSANADAはドロップキックを返すが、辻はドラゴンスクリューをガードすると、デッドフォールは側転で回避。飛びヒザ蹴り、トラースキックから、中腰になったSANADAの後頭部を躊躇なく踏みつけた。そして、ロープを往復してスピアーで突っ込んだが、SANADAは低空ドロップキックで迎撃すると、ラウンディングボディプレス、シャイニングウィザードと一気にラッシュ。デッドフォールで突き刺して逆転の3カウントを奪った。

 辻の猛攻に追い込まれながらも、最後はSANADAが勝負所を逃さずIWGP世界ヘビー級王座V2。大声援を背に大きなインパクトを残した辻は、敗れても不敵な表情でリングを去っていく。その背中にSANADAは「辻、またこれから実績を残して、ロス・インゴも盛り上げてもらって、いつでも挑戦待ってるよ。またやろうぜ」と呼びかけた。

 SANADAは「次はここに帰ってくるのはG1ですかね。今年のG1、チャンピオンのSANADAが優勝して、チャレンジャーをチャンピオンの俺が指名させていただきます」と王者としてのG1初制覇を予告した。

 SANADAが「最後にあれ、やりませんか? ギフト、お願いいたします」と呼びかけると、場内が暗転。観客がかざしたスマートフォンのライトが大阪城ホールに星空を作り出す。SANADAは観客に確認しつつ、DREAMS COME TRUEの名曲「大阪LOVER」の歌詞を引用し、「今日は皆さんに大事な報告があります。近そうでまだ遠い大阪、恋しくて憎らしい大阪……だったんですけども、ハッキリ言って日本で一番ここ大阪がメッチャ好きやで」と告白。大歓声の中、「おい、大阪、See you next time!」と締めくくった。

 バックステージで「ウイスキーもワインも熟したほうが色気あってよくないですか」とお酒をたとえに出したSANADAは「何もかもが新しければいいって問題じゃないんですよ。やっぱ熟したものがいいっていうのが今日の試合でわかったんじゃないでしょうか」と満足げ。辻を高く評価しつつ、「前回初防衛したあと、スピアーだけもらったんですけど、あれで頭を打って、本当に動けなくなっちゃったんで。あれだけは警戒するように試合してました。それだけ警戒していればなんとかなるだろうと。熟されてるんで」とここでも“円熟味"を強調した。

 リング上でも言った通り、今後の青写真は王者としてG1 CLIMAX初制覇を成し遂げてからの挑戦者指名。盟友・タイチとの対戦を示唆すると、タイチも「SANAやんの横にいて、このIWGP世界の戦いを見てて、初めて俺も欲しくなってきたよ」と乗る気を見せた。

 Just 5 Guys対決を実現させるためにも、今後の防衛ロードが大事になってくるが、今のSANADAに死角はない。「次はどこで防衛戦があるか、ちょっとわからないんですけど。ヘタしたら、G1の前にもあるかもしれませんし。まあ、いつでもチャンピオンなんで、戦う準備はできております」とどこまでも前向きだった。

【試合後のSANADA】
※Just 5 GuysのメンバーがSANADAを囲み、缶ビールを手にし、防衛を祝福すると

▼タイチ「さっそくだけど乾杯しようか。じゃあ、乾杯の音頭を取らせてもらってよろしいでしょうか?」

▼金丸「ちゃんとやれよ」

▼タイチ「わかってるよ。何回も何回もスベってられないんだから。じゃあ、今日もSANAやんの防衛を祝して、乾杯の音頭を取らせていただきます。(缶ビール温度を確認して)8度…」

▼金丸「その音頭じゃねえって言うんだよ!」

▼タイチ「乾杯!」

▼金丸「ちゃんと音頭取れよ」

※全員で乾杯してそれぞれビールを飲み始めると、タイチたちは周囲を確認する

▼SANADA「今日じゅうたんだからダメですよ。ダメなんですよ。じゅうたんだから」

▼タイチ「敷いてあるな。(テーブルを動かすと、SANADAの頭にみんなでビールをかけて)おめでとう! おい、俺にかけるんじゃないよ。ほら、やんなさいって準備されてるもん。(拍手すると)ナイス横綱相撲。素晴らしい」

▼SANADA「今日の大阪城のメインは辻も俺も初めてで。向こうはまだデビューしてちょっとしか経ってなくて。俺は結構ベテラン気味になってきたんですけど。まあ、俺あんまりお酒強くないんでわかんないですけど」

▼金丸「なに言ってんだよ?」

▼タイチ「最後のマイクも酔っ払ってたんじゃないの? 何を言ってるんだ、さっきから君は」

▼SANADA「自分、あんまりお酒詳しくないんですけども、俺もちょっとベテラン気味なんですけど、ウイスキーもワインも熟したほうが色気あってよくないですか。金丸さん、どう思います?」

▼金丸「いやあ、まさにそうだね。ウイスキーはやっぱ寝かさないと。寝かして寝かして、そして味が出る」

▼SANADA「寝かして寝かしてやっとチャンピオンになった。そんな感じでしたもんね」

▼金丸「まだまだこれからですよ、SANAやんも」

▼SANADA「まだこれから価値が出てきますね」

▼金丸「寝かし中だよ、今は」

▼タイチ「まだ樽に入ったばっかだよ」

▼SANADA「何もかもが新しければいいって問題じゃないんですよ。やっぱ熟したものがいいっていうのが今日の試合でわかったんじゃないでしょうか」

――改めて挑戦者の辻選手と戦ってみて、どんなことを感じた?

▼SANADA「前哨戦ゼロのまったくわからない状況だったんで。本当に何が出てくるかわからなくて、一発一発が強烈で。前回初防衛したあと、スピアーだけもらったんですけど、あれで頭を打って、本当に動けなくなっちゃったんで。あれだけは警戒するように試合してました。それだけ警戒していればなんとかなるだろうと。熟されてるんで」

――いきなりの大技の連発もがあったが、チャンピオンとしては動じることなく戦えた?

▼SANADA「いや、動じてました。正直言うと。本当に全部強烈で。でも、噂ではアクロバティックなことをするっていうのは聞いてたんで。それも頭に入ってたんですけども、まさかあんなに飛んでくるとは思わなかったです」

――その中でやっと獲ったベルトを譲るわけにはいかないという思いは強かった?

▼SANADA「そうですね。さっき金丸さんも言ったんですけど、熟されたほうがいいんですよね」

▼金丸「熟さなきゃダメだね」

▼SANADA「まだまだですか?」

▼金丸「まだまだ。まだまだ足りないよ」

――上半期総決算の大阪大会となったが、SANADA選手がチャンピオンになって激動の前半だったと思う。この先に向けてチャンピオンとしてはどう考えている?

▼SANADA「さっきリングでも言ったんですけど、G1をチャンピオンで優勝して、チャンピオンの俺がチャレンジャーを逆指名したいなと思っております(タイチに視線を向ける)」

▼タイチ「(視線を逸らしつつ)私? 私かい?」

▼SANADA「はい」

▼タイチ「俺もさっき言ったんだけど、SANAやんの横にいて、このIWGP世界の戦いを見てて、初めて俺も欲しくなってきたよ。次、G1あるから、結果を残さないと、俺だってSANAやんに挑戦させてくれって言えないからさ。東京ドームで挑戦しようかなってことはおぼろげながら浮かんでいるけど。だからもう、欲しくなってきたよ、俺も見てると。やっぱりSANAやんがやってる姿を見るとさ」

――この先、タイチ選手も含め、狙われる立場だと思うが、次なる戦いに向けて

▼SANADA「次はどこで防衛戦があるか、ちょっとわからないんですけど。ヘタしたら、G1の前にもあるかもしれませんし。まあ、いつでもチャンピオンなんで、戦う準備はできております」

【辻の話】「(ティタンの肩を借りて引き揚げてくる。崩れ落ちるようにフロアに大の字になって、ティタンと拳を合わせると、ティタンは先に控室へ。辻は上半身を少し起こして髪をかき上げ)いいか、これは始まりだ。世代交替、若手の筆頭、そんなもんじゃない。俺は、この新日本プロレスを、世界一の団体にしてみせる。俺の闘いは今日、始まったんだ。(壁にもたれかかるように座って)覚悟はいいか、新日本プロレスよ。そして……世界よ」

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