6/9【ALL TOGETHER】“初出場"オカダが「1、2、3ダー!」締め 11年ぶりオールスターで「愛と元気と勇気」の誓い
『ALL TOGETHER AGAIN 元気があれば何でもできる!』両国国技館(2023年6月9日)
○オカダ・カズチカ&青柳優馬&拳王vs宮原健斗&清宮海斗&棚橋弘至×
約11年ぶりとなる新日本、全日本、NOAH3団体によるオールスター興行『ALL TOGETHER AGAIN』が開催され、メインイベントではAT初出場となったオカダが棚橋を下して、3団体エーストリオを粉砕。「1、2、3ダー!」で大会を締めくくり、「愛と元気と勇気」の誓いを立てた。
東日本大震災の復興支援を目的に2011年、2012年に行われた『ALL TOGETHER』が、コロナ禍からのリビルドを目的に約11年ぶりに復活。昨年亡くなったアントニオ猪木さんの名言「元気があれば何でもできる!」の名のもとに、国内主要3団体が一堂に会した。
平日にも関わらず6569人の観客が詰めかけ、メインでは棚橋&宮原&清宮の3団体エーストリオが実現。オカダ&青柳&拳王組と対決し、夢対決ならではの場面の連続となった。
「世代交代」を通告していた拳王が棚橋に突っかかれば、青柳もウクレレのように“逆"エアギターを奏でて棚橋を挑発。一方で注目のALL TOGETHER初出場となったオカダは拳王との合体攻撃でまったく息が合わず、慌てて青柳が仲裁に入る場面もあった。
日本プロレス界の大黒柱・オカダは、雪辱を狙って激しく突っかけてきた清宮を客席に投げつけたものの、清宮も中盤すぎに猛烈なドロップキックを顔面に叩き込んで譲らず。
さらに終盤にはオカダと宮原のマッチアップが実現。「全日本は良く知らない」と話していたオカダが宮原を押し込んで「こんなもんか!」と挑発したものの、宮原もレインメーカーをカウンターのブラックアウトで阻止。続く棚橋の呼びかけで、エーストリオのトリプルドロップキックも実現した。
ところがオカダもハイフライフローを剣山で撃墜。そのままリング上では6選手が次々に入り乱れる乱戦状態となったが、拳王が輪廻で棚橋を止めると、オカダのヘビーレイン→拳王の蹴暴→青柳のダイビングエルボードロップと波状攻撃。最後は旋回式エメラルドフロウジョンからのレインメーカーでオカダが棚橋から3カウントを奪ってみせた。
試合後にはこの日出場した3団体の出場選手が揃いの『ALL TOGETHER』Tシャツに身を包んで登場。貫禄のメイン締めとなった日本プロレス界の大黒柱・オカダは「熱い、熱い、熱い声援、本当にありがとうございました。プロレスで愛と元気と勇気を皆さんに届けることができた、そういう闘いができたと僕たちは胸を張って言えます」と出場選手を代表してマイクで言い切り、場内も歓声に包まれた。
オカダは続ける。「でも、本当にコロナで歓声がないときも皆さんから愛と元気と勇気をもらってリング上でしっかりと戦うことができました。本当にありがとうございました。今日はALL TOGETHERとして新日本、全日本、NOAH、夢の闘いが繰り広げられたと思いますけど、僕らはやっぱりライバル同士。プロレス界を盛り上げるために切磋琢磨していきますので、これからも歓声、ブーイングお願いします」と呼びかけた。
そして最後は「元気があれば何でもできるでしょう? 元気があれば何でもできるっていうことは、できますよね?」と切り出し、アントニオ猪木さんの孫二人をリング上に呼び込んだうえで「1、2、3ダー!!」を唱和して約11年ぶりの3団体オールスター戦を締めくくった。
“密"になって声援を送るのが醍醐味のプロレスは、コロナ禍で大きな打撃を受けた。新型コロナの影響が薄れゆく今でも、客足や声援が戻りきらない状況が続いている。いわゆる“Z世代"の躍進も目立った今大会。プロレス界の“リビルド"を図りながら、世に『元気』を届けるプロレスの役割を担うべく、それぞれの持ち場に戻る。
【オカダの話】「しっかりとプロレスの力っていうの、パワーっていうのは、今回に関しては本当にプロレスファンの皆さんが支えてくれたからこそできたことだと思いますし。もしかしたらね、もうギブアップですっていう団体があったかもしれないし。そんな中で、本当にしっかりと声も出せない、もしかしたらストレスがたまって、耐えるってことがずっと続いてかもしれない中でも応援してもらって、支えてくれたからこそ、今こうやって僕たちもプロレスもできますし、こうやって大会をすることができたんで。本当に今日に関しては凄い皆さんの愛を感じた……まあ、いつも感じますけどね。ただ、本当に皆さんのおかげでできた、プロレスファンの皆さんが好きでいてくれた、愛していてくれたからこそ、僕たちもこうやってできるんだなってことを、当たり前のことを改めて確認できる。僕は本当にコロナ禍っていうのをポジティブに考えたいですし、改めてプロレスの良さっていうのをわかることができた3年間だったと思いますし。その分、いろいろまた感じさせてもらえなかったら、ただの生意気な、調子に乗った新日本プロレスだったかもしれないし、調子に乗ったオカダ・カズチカだったかもしれないですけど、改めてこうやってしっかりしなきゃダメだなと思うことができたんで。またこの皆さんにいただいたパワーっていうのを、僕たちがプロレスで返していきたいなと思います。本当に今日は3団体合同オールスター戦でしたけれど、また明日からはライバルですし、『うわー、あそこ凄いな』『あんな凄い戦いしているんだな』という戦いもたくさん見たいですし。そんな中でね、また切磋琢磨し合って、お互いを、プロレス界を盛り上げていって。そうしたらまた違うオールスター戦ができると思いますんで。別に『ALL TOGETHER』という形じゃなくてもね。オールスター戦っていうのをまたやったらいいと思いますし。本当にいろんな戦いが今日見ることができましたんで。ちゃんと全日本プロレス、覚えましたよ。いい選手がたくさんいたと思いましたし。こうやってオールスターってやったいけば、面白いは面白いかもしれないですけど、それで、じゃあ、見飽きた時にどうしようってことにならないように。やっぱりたまに行うからこそのオールスター戦だと思うんで。またどこかで交じ合うことができたらいいなと思います。それぐらい楽しい……本当に入場する前にモニターを見ていて、やっぱり新日本プロレスとは違うオールスターの雰囲気っていうのは感じましたんで。本当に今日の対戦相手だったり、タッグパートナー。拳王選手と……誰だっけ? 青、青? 青柳……名前がわからない。まああの、いいパワーもらって、また明日から新日本プロレス大会がありますんで、またそのパワーをまた全国に届けにいって。また僕も僕でいろいろ次が決まってますんで、そこに向かっていきたいと思います。ありがとうございました」
【青柳の話】「2人は? あれ? 来る来る。待ちましょう。潤滑油として待たせてください。(しばらく待つと)来ないみたいですね。ちょっと大輔もカズチカもどうやら素直じゃないみたいで。リング上ではあんなにいい感じだったのに。まあでも、本当に今日は『ALL TOGETHER AGAIN』、このような素晴らしい大会に僕みたいな無名な男がリングに上がらせてもらえて、本当に心の底から光栄でございます。ここからどんどんどんどんと青柳優馬もプロレス界を盛り上げられる一員になれるように、今後とも頑張っていきたいと思います。潤滑油ではなく、プロレス界を潤せるような、そんな男になりたいと思いますので、今後ともよろしくお願いします」
【拳王の話】「プロレスの力はすげぇよなって言いたいところだけどな。もう前のほうに全員同じこと言って、何が聞きたいんだ? 何も聞きたくねえだろ。もういいだろ。だからな、続きは拳王チャンネルでやるから……って言いたいことだけど、ここは言っておかないとね。本当にプロレスの力凄かったよね。プロレスの力。あんな我が強い6人が、俺もそうだけど集まったから、やっぱスゲェいい試合になったよ。それがてめぇら見ているクソヤローどもの力になっただろ。そして、棚橋を倒すって言ってたけど。倒したあと、このベルトに挑戦させてやろうかなって思ってたけど、オカダにやられちまった。まあ、いいよ。もう長いな。あんな長い……試合も長い、喋りも長い5人のあとに、誰もてめえら聞きたくねえよな。そうだよな! 簡潔に今日の『ALL TOGETHER』の感想、俺が今心に思っていることを言ってやる。6月24日、徳島市立体育館、拳王15周年記念大会。てめぇらクソヤローども、ご来場心よりお待ちしております。プロレス最高」
【棚橋の話】「11年という時間の流れを感じました。ただ、この『ALL TOGETHER』、プロレス界にとってのとても大事なものだっていうのは、今日感じました。これから先、また不測の事態が起きるかもしれない。でも、そういう時こそ力合わせて、もう一回やっていこうよっていう、今日はその大切な意思の確認、意思疎通ができたと思うんで、『ALL TOGETHER』、今日の敗戦をバネにして、また這い上がっていきます」
【宮原の話】「『ALL TOGETHER AGAIN』を体中で感じましたよ。普段闘わない相手、今日、新日本プロレス、オカダ・カズチカさん、プロレスリング・ノア、拳王選手、そしていつも闘う青柳選手。味方には新日本プロレス、棚橋弘至さん、そして清宮海斗さん。プロレスファンの歓声は宮原健斗とオカダ・カズチカが向き合った時、地響きのような歓声だったね。まぁこの先、あるかないかは分からないけれども、プロレスに絶対はないからね。同じ時代を生きるプロレスラーとして、気にしてこれからは見てますよ。まぁそんなたくさんあればいいってもんじゃないからね。みんな今日リングに上がった選手それぞれ、自分のリングに戻ってそれぞれがそれぞれのリングを盛り上げて、またこのプロレスというジャンルを盛り上げて盛り上げていこうと思います。今日、“元気があれば何でもできる!"だから。プロレスラーは元気を発信できたと思います。コロナ禍の中、歓声がない中、もうプロレスができないかと思ったことが、俺は正直あったからね。今日の歓声を聞いて改めて思ったよ。プロレスはまだまだ元気だね。そして、明日からも俺たちは日本プロレス界をさらに元気に盛り上げる!」
【清宮の話】「今日で『ALL TOGETHER』は終わりです。スイッチ切り替えます! (※声を張り上げて)オカダッ! 逃げてんじゃねえぞ、オイ! G1、オカダをぶっ潰す!」