8/6【新日本】オーカーンが関節技合戦制して3勝目 タイチがまさかのコマンド・サンボ殺法披露も

『ヤマダインフラテクノス Presents G1 CLIMAX 33』エディオンアリーナ大阪(府立体育会館)(2023年8月6日)
Bブロック公式戦 ○グレート-O-カーンvsタイチ×

　タイチがまさかのコマンド・サンボ殺法を駆使して関節技合戦を仕掛けてきたものの、オーカーンが肩固めで接戦を制し、今G1を3勝4敗で終えた。

　2勝4敗のオーカーンと3勝3敗のタイチは、昨年に続いて最終公式戦での対決に。前回は「レスリングvs相撲」勝負の末にオーカーンが丸め込んで勝利している。脱落が決まっているオーカーンはここまでノーコメントを貫いてきた。対するKOPW王者のタイチは勝ち越しを狙い、秘策を公開した。

　レスリング技術を活かしてオーカーンが先手。タイチが蹴り技で反撃に出ても、猫だましから組みつき、場外に排除する。打撃は一切使わず、何度もタイチを鉄柵やエプロンに投げつけた。場外戦を皮切りに左腕を攻めると、肩固めで絞め上げる。

　厳しい時間が続いたタイチだったが、カウンターのバズソーキックを合わせて反撃開始。ロングタイツを脱ぎ捨てて、「やってやるよ!」と叫び、普段は見せていない引き出しを開ける。いきなり首極め腕卍固めに捕獲。ヴォルク・ハンばりのコマンド・サンボ殺法を駆使して絞め上げた。「てめぇに付き合ってやるよ」とアピールしたタイチは、オーカーンのタックルを読んでスタンディングアームロックに固めると、グラウンドに引きずり込む。さらに、巧みな動きで腕ひしぎ十字固めに絡め取った。

　まさかの関節技攻撃に後手に回ったオーカーンは、フロントスープレックスや一本背負いで反攻。肩固めでペースを奪い返す。オーカーンも「とことんやってやる!」と言い返すと、俵返しの構え。これを読んだタイチは変型IVニーロックで捕獲。さらに、天翔十字鳳をフェイントにしてカニバサミで飛びつき、クロスヒールホールドに絡め取った。

　オーカーンも同じくクロスヒールホールド応戦し、互いに悲鳴。ロープエスケープになると、今度はエルボー合戦に。両者の蹴りも交錯するが、タイチはジャンピングハイキックを一閃。アックスボンバーを狙って突っ込む。が、回避したオーカーンは再び肩固めに捕獲。残り3分がコールされると、立ち上がろうとするタイチを押し潰し、さらに絞めに絞めてギブアップを奪った。

　タイチがまさかのコマンド・サンボ殺法を披露し、関節技で猛攻を仕掛けたが、しのいだオーカーンがギブアップを奪って3勝目。昨年に続き、タイチを破って、G1最終公式戦を締めくくった。

　オーカーンは今G1で初めてコメント。「なぜノーコメントだったか。それは、試合だけで評価されるため。それだけだ。結果はたしかに、さんざんだったかもしれん。じゃが、試合の内容は雄弁に語っていたはずだ。相手によって、ラフファイトでいったり、飛んだり、珍しく丸め込みをやったり、ヒザ一点攻めやったり、今宵のレスリングで闘ったり………そう、プロレスラーっていうのは、リング上がすべてなんだよ」と無言を貫いた真意を説明した。そのうえで「バックステージコメントも、SNSも、メディアに出るのも、全部オマケ。そんなもの、テメェが一番よくわかってるよ。それでも、まず見てもらわなきゃ始まらねぇだろ。この、G1のシリーズの、客入りが……ヒントだ」と新たな仕掛けを示唆していた。

【オーカーンの話】「なぜ(G1期間中)ノーコメントだったか。それは、試合だけで評価させるため、試合だけで評価されるため。それだけだ。結果はたしかに、さんざんだったかもしれん。じゃが、試合の内容は雄弁に語っていたはずだ。相手によって、ラフファイトでいったり、飛んだり、珍しく丸め込みをやったり、ヒザ一点攻めやったり、今宵のレスリングで闘ったり………そう、プロレスラーっていうのは、リング上がすべてなんだよ。バックステージコメントも、SNSも、メディアに出るのも、全部オマケ。そんなもの、テメェが一番よくわかってるよ。それでも、まず見てもらわなきゃ始まらねぇだろ。この、G1のシリーズの、客入りが……ヒントだ。あと、オカダ・カズチカに言われた言葉が、引っかかってる。『この客入りもヒントだ』って言ったのは、答えじゃなくてヒントだっていうのが、まだ自分の中に、わからないことと理解したことがあって……。あと1週間、またじっくり考えさせてもらおうか……」

※タイチはノーコメント