9/20【DDT】工場プロレス初体験・ノア丸藤が“フォークリフト式"不知火でKO-Dタッグ初防衛 石灰、クレーン、公道何でもアリの乱戦制す
ノアの丸藤正道が20日、都内昭和島の宮地鉄工所で“工場プロレス"を初体験。HARASHIMAと保持するKO-Dタッグ王座初防衛戦に臨み、高木三四郎&男色ディーノ組の挑戦を“フォークリフト式"不知火で退けてみせた。
8・20両国大会で“ハラシマルフジ"がKO-Dタッグ王座を奪取。プロデューサーの男色ディーノが「DDTの洗礼」として丸藤に工場プロレスでの防衛戦を提案し、その場にいた内田雅之ノア会長も快諾した。かくして丸藤が工場&路上プロレス初挑戦することになった。
札止めとなる230人の観衆がぐるりと見守る中で、まずは工場の入り口付近で試合開始。高木と握手を交わしてからリストを奪い合いあった丸藤は、側転やネックスプリングを駆使した得意の切り返しを披露したものの、アスファルトの摩擦に思わず「いてっ!」と漏らして早くも洗礼を浴びた。
丸藤の苦境は続く。戦場が工場内に移ると、高木から“アツアツ"の石灰粉をスコップでぶっかけられて、またたく間に“コウメ太夫状態"に。丸藤も石灰攻撃で報復したものの、激しくせき込みながら「あつっ! あつっ!」と悲鳴を上げた。
再び工場外へと出るや、今度は鉄材運搬用の大型クレーンに高木がよじ登る。丸藤もはしごを昇って追いかけて今度は高所での攻防へ。高木が丸藤を落としにかかったものの、丸藤もクレーン上で反撃し、一人残された高所恐怖症の高木が悲鳴を上げた。
その後はディーノがセコンド業務に勤しんでいたノアの新人・宮脇純太の唇を奪いつつ、高木が自転車を持ち込んで丸藤に突進。ならばと丸藤も自転車を奪って駆け出すと、疾走しながら高木に逆水平を発射だ。ならばとディーノは“カウンター"のキス攻撃で丸藤の唇を奪いにかかったものの、丸藤も間一髪で回避してみせる。
さらにヒートアップした丸藤と高木は、工場敷地を出て公道へと突入だ。炭酸ガス噴射機攻撃で丸藤の動きを止めた高木は、一般車両も走る公道上にラダーとテーブルを設置。丸藤をテーブルの上に載せてのダイブ攻撃を狙ったが、丸藤は高木が背を向けたスキにセコンド・伊橋剛太をテーブルの上に載せ換えて“誤爆"も誘ってみせた。
公道から丸藤と高木が戻ってくると、ホース片手のディーノが水噴射で“お出迎え"。敵味方関係なく、観衆にも水をぶっかける暴走状態で、さらに戦場は混乱を極める。
一行はもみ合いながら工場入口のステージ上へと移動。丸藤がディーノに高速逆水平を連発したものの、ディーノも反撃に転じるや「長年の思いを遂げる時が来た!」と叫んで、丸藤の唇を奪いにかかった。
必死に丸藤も抵抗。HARASHIMAのカットで難を逃れ、そのHARASHIMAもステージ上からダイブしての蒼魔灯を高木めがけて発射だ。
ところが混乱のスキにディーノが丸藤の唇を奪うことに成功。そのまま“リップロック"で魂を吸い取って3カウントを迫ったが、丸藤もかろうじて肩を上げる。ならばとディーノは付近のフォークリフトまで丸藤を連行し、フォークリフトを上下させての“ナイトメア"(※生尻を近づけたり遠ざけたりする攻撃)で丸藤の精神状態を極限にまで追い込んだ。
だが、さらにフォークリフトの落差をつけたところで、待ち構えていたHARASHIMAが三角コーナーをディーノの肛門に突き刺して形勢逆転。すかさず丸藤が道路標識ごと虎王でディーノを打ち抜くや、フォークリフトの上下を利用した不知火発射に成功。見事に3カウントを奪ってみせた。
泥や水、そして石灰にまみれる“DDTの洗礼"を浴びつつ、最後は見事な“ひらめき"をみせた丸藤がHARASHIMAとともにKO-Dタッグ初防衛に成功。“グチャグチャ"になりながらベルトを掲げた丸藤に「これがDDTですよ」とHARASHIMAから声をかけたところで、余韻に浸る間もなく次なる相手が飛びこんできた。
KUDO、坂口征夫、高梨将弘の“酒呑童子"3人がフォークリフトに乗って乱入。高梨は丸藤を散々罵倒したうえで「殴りたいか!? ハハハハ! でもお前は俺に指一本触れることはできねえ。なぜなら挑戦するのは坂口とKUDOだからだ!」と高笑いを決め込んだ。
…が、坂口は「ここ数年、タッグ挑戦してきて、この間も自分、樋口に取られてるんですよ。次こそ…と言いたいところだけど、ここは兄弟(高梨)が挑戦して、兄貴を男にしてやってください」と辞退。高梨が青ざめるなか、KUDOも「丸藤さん、覚えちゃいねえかもしれねえけど、俺はあんたに借りがあるんだよ。俺と高梨でそのベルト、はぎ取ってやるよ!」と高梨との挑戦を表明した。
錯乱する高梨をヨソに、ハラシマルフジの王者組も承諾。男色ディーノ・プロデューサーもゴーサインを出し、10・9札幌大会でのKO-Dタッグ王座戦「(王者)HARASHIMA&丸藤vsKUDO&高梨(挑戦者)」がその場で決定した。
最後は「絶対僕らハラシマルフジが勝ってやるさ〜! 俺と丸藤さんは路上でもどこでもやってやるさ〜!」(HARASHIMA)、「日本だけじゃない、DDTだけじゃない。俺たちハラシマルフジ、世界じゅうに風を吹かせてやるさ〜」(丸藤)と叫び、「なんでかって? それは鍛えているからだ〜!」とHARASHIMA流の締め口上を唱和して工場プロレスは幕。初の工場・路上プロレスを体験した丸藤は「今年で俺もキャリア19年なんですけど、まさかこんなところでプロレスをやるとは思わなかったし…痛かったっす。痛いし、汚いし…でもなんか、気持ち良かったです。石灰も熱かったし、プシュー!っていうのも鼻に入って痛かったし、最初に腕取られて前転しただけで、腕擦れて痛いし…。なかなか過酷な現場でした」と振り返った。
一方でプロデューサーのディーノは「DDTの底がここだと思ってもらっちゃ、まだまだ困るわ。まだまだ手を用意しております」とも明言。またひとつ幅を広げた方舟の天才が、さらなるDDTの“深部"に突入する。
☆9/20(水)東京・昭和島・宮地鉄工所『工場プロレス in 宮地鉄工所』
[観衆]230人(超満員札止め)
▼KO-Dタッグ選手権試合
[第62代王者]
HARASHIMA
○丸藤正道
(27分21秒)
×男色ディーノ
高木三四郎
[挑戦者組]
※フォークリフト式不知火→体固め
☆HARASHIMA&丸藤組が初防衛に成功
【試合後のHARASHIMA&丸藤】
▼丸藤「今年で俺もキャリア19年なんですけど、まさかこんなところでプロレスをやるとは思わなかったし…痛かったっす。痛いし、汚いし…でもなんか、気持ち良かったです」
▼HARASHIMA「工場でこのベルトを防衛できて、次は坂口&KUDO…と思いきや高梨&KUDO。僕としては坂口&KUDOより逆にやりづらいかな…と思ってるんで。高梨巧いんで。次は札幌」
▼丸藤「札幌は普通のリングですか?(笑)」
▼HARASHIMA「今のところ(笑) そこはちょっと確認の上」
▼丸藤「着替えの量が違ってくるんで、お願いします(笑) 札幌でまたお会いしましょう」
――一番きつかったのは?
▼丸藤「ディーノのキス…。石灰も熱かったし、プシュー!っていうのも鼻に入って痛かったし、最初に腕取られて前転しただけで、腕擦れて痛いし…。なかなか過酷な現場でした(笑) まぁ結果オーライですね、勝てたんで」
――HARASHIMA選手も工場は初めてだったが?
▼HARASHIMA「楽しかったですよ。他の路上に比べて汚れ方がハンパないですね(笑)」
【試合後の高木&ディーノ】
▼ディーノ「私たちが思っていたより適応力あったわねえ」
▼高木「思ったよりあったなあ。石灰かぶせたらこっちの勝ちだと思ってたけど、石灰かぶせてからが強かったな、アイツ。丸藤正道、さすが方舟の天才。恐るべし」
▼ディーノ「しかし! DDTの底がここだと思ってもらっちゃ、まだまだ困るわ。まだまだ手を用意しております。DDTを骨までとことん味わっていただく。覚悟をもって皆さん、笑顔で家に帰りましょう。家に帰るまでが路上プロレスです」
▼高木「そして丸藤正道! 路上プロレス、参戦ありがとう。まだまだDDTはこんなもんじゃねえからな! もっともっと恐ろしいモノを男色Pがテメーに味わわせてやる」