8/25【全日本】ひと夏のかげろうがジュニアタッグリーグ優勝、岩本は世界ジュニア初戴冠による「夏完結」誓う

『2018 SUMMER EXPLOSION』
宮城・夢メッセみやぎ西館ホール(仙台)(2018年8月25日)
「Jr.TAG BATTLE OF GLORY」公式戦=○岩本煌史&TAJIRIvs青木篤志&佐藤光留×

　岩本&TAJIRIのひと夏のかげろうが青木&佐藤を破り、ジュニアタッグリーグ戦に優勝。岩本は明日8・26流山大会での世界ジュニア初戴冠と「俺の夏完結」を誓った。
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　長かったジュニアタッグリーグ戦もこの日が最終戦。4チームが首位タイの混戦模様だったが、望月&シュン、近藤&鼓太郎がともに3敗目を喫し、勝ち点6止まり。この青木&佐藤と岩本&TAJIRIによる最終公式戦が事実上の優勝決定戦となった。

　主導権を握ったのは青木&佐藤。岩本の左足に的を絞り、青木が低空ドロップキックで狙い撃ちし、佐藤は逆片エビ固めで絞め上げる。代わる代わるドラゴンスクリューを連発し、青木が逆片エビ固め、佐藤がローキック連打で徹底的に痛めつけた。岩本がTAJIRIにつないでも、青木がドロップキック、ミサイルキックを立て続けに放ってペースを渡さない。佐藤は水車落としからの腕ひしぎ逆十字で絞め上げた。

　耐えたTAJIRIがハンドスプリングエルボーで突破口を開くと、岩本がニーアッパー、ブレーンバスターで巻き返しを図る。佐藤がジャンピングハイキックで反撃すると、岩本は青木のダイビングボディプレス、佐藤のランニングローキックを連続して食らったが、一本背負いを連発して徹底抗戦。佐藤の腕ひしぎ逆十字に捕まっても意地で耐え抜いた。

　ここでTAJIRIが好フォローをみせた。ハイキックで佐藤の動きを止め、青木が飛び込んでもトラースキックで返り討ち。岩本もワンツーエルボー連打、ネックスクリューで続き、佐藤が飛びつきヒザ十字を仕掛けてもジャーマンで引っこ抜く。再び青木が飛び込んでも裏投げで返り討ちにし、TAJIRIがバズソーキックで排除。ラリアットを叩き込んだ岩本は左右のミドルキックで応戦する佐藤を電光石火の孤高の芸術で叩きつけて3カウントを奪った。

　この結果、ひと夏のかげろうが勝ち点8をマークして公式戦全日程を終了。単独首位で優勝を決めた。栄冠を手にした岩本とTAJIRIだが、それが二人の別れの瞬間でもあった。試合後、優勝トロフィーを手にした二人は無言で拳と拳を合わせると、TAJIRIが先にリングを降りた。「この1ヵ月、俺と組んでくれてありがとうございました」と感謝した岩本が「明日、自分は世界ジュニアの選手権があります。セコンドについてくれとは言いません。でも会場のどこかで俺の試合を観ててください。お願いします」と訴えると、TAJIRIも入場ゲート前で親指を立てて呼応した。

　これから二人は別々の道を歩むことになる。そして岩本は明日8・26流山大会での世界ジュニア再挑戦へ向けて弾みをつけた。試合後のリング上で「明日、世界ジュニアを獲って、今年の俺の夏は完結する。俺が完結させる」と誓った岩本は、「今日の結果は今日で終わり。トロフィーもない、TAJIRIさんもいない。今日この時点から俺は一人、岩本煌史としてイチプロレスラーとしてやっていくし、名を上げていくし、結果を残していく。そのスタートが明日、流山だ」と宣言。4度目の挑戦へ向けて「ここ獲らなくちゃ今日の優勝もTAJIRIさんとのひと夏のかげろうも意味をなさなくなってくる」とTAJIRIへの感謝も込めて全日ジュニアの頂を目指す構えをみせた。ひと夏のかげろうを有終の美で飾った岩本は新たなスタートを切るためにも、不退転の覚悟で世界ジュニア初戴冠に挑む。

【岩本の話】「ひと夏限りのTAJIRIさんとのタッグ、もともと俺が実績がほしいと言っていて、TAJIRIさんは俺と組んで優勝させることが使命だと言った。自分も実績がほしい、自分の目標のためにも今日こうやって結果を出したし、TAJIRIさんの思いにも応えるために俺はこの夏、一生懸命やってきた。7月、俺、TAJIRIさんを裏切ってるからね。実績獲るとか言ってTAJIRIさんが立て続けにGAORA、世界タッグ挑戦したとこにちょっと焦った気持ちもあったかもしれない。それで挑戦したけど落とした。そこから1ヵ月とちょっと、何とは言わないけど、俺の中で変わったものがあった。だから今日この結果になったと思う。でも今日の結果は今日で終わり。トロフィーもない、TAJIRIさんもいない。今日この時点から俺は一人、岩本煌史としてイチプロレスラーとしてやっていくし、名を上げていくし、結果を残していく。そのスタートが明日、流山だ。ここ獲らなくちゃ今日の優勝もTAJIRIさんとのひと夏のかげろうも意味をなさなくなってくる。だから今日の結果、しっかり受け止めて今日は今日で終わり。明日で岩本煌史個人として始動する。ひと夏のかげろうは今日でフィニッシュだ」
※TAJIRI、青木&佐藤はノーコメント