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4/21【全日本】ジェイクの帝王級ヒザに苦もんも諏訪魔意地の4勝目でBブロック首位タイ浮上

『2019 Champion Carnival』北海道・ホテルエミシア札幌(新札幌)(2019年4月21日)
「2019 Champion Carnival」Bブロック公式戦=○諏訪魔vsジェイク・リー×

 諏訪魔がジェイクの帝王級のヒザ攻撃に苦しみながらも意地の4勝目を挙げ、Bブロック首位タイに浮上した。

 2008年優勝者の諏訪魔だが、ここまで3勝3敗。前夜のレッドマン戦で痛恨といえる3敗目を喫したばかりだ。7戦目となったこの日はジェイクと対決。この春、新世代台頭の機運が高まっている中、諏訪魔が意地をみせた。

 だが、覚醒間近を予感させるジェイク相手に苦闘を強いられた。序盤のタックル合戦に競り負け、右腕に攻撃を集中されて諏訪魔は苦もん。それでもスリーパーでジェイクの動きを止め、逆エビ固めで捕獲。ダブルチョップを連発し、串刺しラリアット、フロントスープレックスの連続攻撃に出ると、ジェイクの反撃をフライングショルダーでせき止め、打撃戦を頭突き連打で制した。

 だが、ここからジェイクのヒザが冴え渡る。諏訪魔のラリアットが空を切った次の瞬間、ニーリフトがさく裂。諏訪魔がジャーマンで投げても、すぐさま立ち上がったジェイクはジャイアントキリングをさく裂。ブレーンバスターで叩きつけられた瞬間、諏訪魔の胸に激痛が走ったか苦痛に顔がゆがむ。見逃さないジェイクはすかさず追尾式ニーリフトを連発して狙い撃ち。諏訪魔がタックルで飛びついてもニーリフトで迎撃して胸板を打ち抜いた。

 すかさずジェイクがジャイアントキリングを連打したが、諏訪魔は電光石火のバックドロップで引っこ抜いて反撃ののろしを上げた。拳に力を込めて立ち上がるとドロップキックを発射し、串刺しラリアット、高速ジャーマン、ローリングラリアットの猛攻で挽回。ジェイクの蹴り足をキャッチしてのハイアングルパワーボムも敢行した。

 粘るジェイクはバックドロップを食い止め、レッグラリアット、ランニングローキック、胸板への掌底と打撃に活路を求めたが、諏訪魔も必死。久々にかんぬきスープレックスを敢行した。前夜の万力固めに続き、引き出しの奥底に眠っていた得意技をまた一つ繰り出して流れを引き寄せた。そしてラリアット、バックドロップで一気に流れを引き寄せ、完全に動きが止まったジェイクにバックドロップホールドを爆発させてようやく3カウントを奪った。

 熱戦の末にジェイクを破った諏訪魔がこれで4勝目。勝ち点を8に伸ばした。接戦を制したのは新世代に対する意地と優勝にかける執念。「ジェイクの一発が胸を突き抜くという久々の感覚。昔、高山善廣にやられたこの胸の傷。骨折られたからね実は。言ってないけど。それと同じぐらいの衝撃があった」と振り返った諏訪魔は、かつて味わった帝王・高山の代名詞であるヒザ攻撃をジェイクのそれに重ね合わせた。ジェイクに賛辞を送る一方で「まだまだ若い奴らに負けらんねぇっつうのがあるんだよ。ジェイクもそうだし、野村も宮原もそうなんだよ」と意地をむき出しの諏訪魔は「もう負けらんないんだよ。ホントに崖っぷちなんだ」と変わらぬ危機感とともに言い切った。

 これでBブロック首位タイに浮上した。とはいえ同じ8点のヨシタツとは2失点差。まだまだ予断を許さない。残る公式戦は4・28後楽園大会の野村戦のみ。11年ぶりV2達成に望みをつなぐには勝利するしかない。リーグ戦中にこの日フィニッシュとなったバックドロップへの自信をさらに深めた。最後の公式戦へ向けて諏訪魔は「野村に俺の気持ち込めた技一発一発、重いのぶつけてやろうと思う。そして俺が優勝する」と宣言してみせた。

 一方、ジェイクは3敗目を喫し、勝ち点6止まり。公式戦は残り2試合で、次戦は4・24長岡大会のアドニス戦。優勝戦線に生き残るには残り全勝が絶対条件となりそうだ。

【試合後の諏訪魔】
▼諏訪魔「よし、勝った。もう負けらんないんだよ。ホントに崖っぷちなんだ。ジェイクの一発が胸を突き抜くという久々の感覚。昔、高山善廣にやられたこの胸の傷。骨折られたからね実は。言ってないけど。それと同じぐらいの衝撃があった。ただ、このダメージに心折れなかったんで。まだまだ若い奴らに負けらんねぇっつうのがあるんだよ。ジェイクもそうだし、野村も宮原もそうなんだよ。俺も石川選手も、青木だって、みんな全盛期証明してるわけで、その精神は一生変わんないな。何としてもこのカーニバル、あと相手は野村か。時間もあるし、野村に俺の気持ち込めた技一発一発、重いのぶつけてやろうと思う。そして俺が優勝する。石川選手待ってるよって、その気持ちだけです」

――バックドロップにはこだわった?

▼諏訪魔「チャンピオン・カーニバルだからね。やっぱりバックドロップこだわりたいね。それはバックドロップホールドもそうなんだよ。ジェイクがバックドロップがフィニッシュって部分、今日はそこは意識した。バックドロップ対決じゃないけどさ。あいつはまだそこまで、先輩として意識してるかもしれないけど、先輩としてはそういう部分はかなり意識する。そこは言わねぇつもりでいたことを聞かれたんで。その通りだよ。まだまだ、やっぱね思った。最近、ブリッジ利かすレスラーがいねぇなって。どんどん自分のよさっていうのはブリッジが強くて、引きつけるスピードが強い。そこだなと最近気づいた。だからどんどんヘソで投げるジャーマン、バックドロップ、そこはやっていって、まだまだ進化していくよって。精度は今の方が若い頃より上がってるんだから。そういう実感あるよ。危なくない。危なくなくて仕留められるっていうちょうどいい具合にやっとこれたんだよ。そこはここの場から伝えてもらいたい」

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