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2/6【全日本】12年ぶり三冠挑戦へ永田がダブルグランドスラム達成&最年長戴冠後のビジョンを披露 「異分子による変化を」

 2・19後楽園大会での三冠ヘビー級選手権試合が決まった王者・宮原健斗、挑戦者・永田裕志が6日、東京・湯島の全日本事務所で会見。三冠史上最年長戴冠と前人未到のダブルグランドスラム達成に挑む永田は「内部が凄く充実してる。果たしてそれが外部の人間、異分子が入った時にどう変化するか。僕自身がそこに変化という色をつけてて、よりまた違ったファイトというか、そういうものをお客様に披露したい」と戴冠後のビジョンを描いた。

 2・4八王子大会で宮原が青柳優馬を退け、三冠王座4度目の防衛に成功。試合後、永田が挑戦を表明した。1・3後楽園大会で永田が名乗りを上げた際は拒んだ宮原だが、今回はプロレスの日2・19後楽園大会での迎撃を宣言。この日、両者によるタイトルマッチが正式決定した。

 永田の三冠挑戦は2011年6・19両国大会の諏訪魔戦以来、12年8ヵ月ぶり3度目。89年4月の三冠統一をファンとしてリアルタイムで目撃した永田にとって、全日本の至宝ベルトは団体こそ違えど「非常に思い入れの深いというか好きなベルト」と特別な思いがある。

 これまで新日本のIWGPヘビー級、ノアのGHCヘビー級の両王座を戴冠してきた永田がここで三冠ベルトも手にすれば、史上5人目の3団体シングル王座戴冠のグランドスラムを果たすことになる。しかも新日本、全日本、ノアのシングルリーグ戦の優勝経験者でもあり、前人未到のダブルグランドスラム達成もかかる。永田は「そのグランドスラムというものがどれだけ価値のあるものなのか、獲った時にね、しっかりと味わってみたいと思います」と色気を見せた。

 永田は現在54歳。三冠ベルトを手にすれば、第29代王者・天龍源一郎の52歳2ヵ月を超える史上最年長戴冠記録も更新することになる。今の自分と同じ年齢の天龍と戦った時のことを「年齢と反比例する形の真価というものを見せつけられた」と回想した永田は「まさにそのテーマというのはぜひ成し遂げたい」と言い切った。

 三冠初戴冠を果たし、二つの新たな歴史を作ったその先もすでに見据えている。昨年6月から全日本に本格参戦して以来、宮原を中心とした三冠戦線を目撃し、「改めてここの柱というか、チャンピオン、大黒柱は宮原健斗選手だなと思いました」、「非常に好勝負というかね、いい試合が続いてた」と評する一方で、「だいたい色が一緒」との印象を抱いた。

 そこで永田は自身が王者となることによって三冠戦線に大きな変化をもたらすつもり。自らを「異分子」と称し、「もしこのベルトを戴冠した時に全日本の他のメンバーがいろいろ来るじゃないですか。そこで戦った時に僕自身がそこに変化という色をつけて、よりまた違ったファイトというか、そういうものをお客様に披露したい」とのビジョンを描いた。

 そんな「大きな野心」を胸に永田は54歳10ヵ月にして全日本の至宝獲りに挑む。


【会見の模様】
▼永田「本日は大変天気も良く、記者会見日和だったなと。その中で改めて2月19日、後楽園大会において三冠ヘビー級王座に挑戦することになりました永田裕志です。全日本プロレスのリングに上がりながら、ずっと三冠ヘビー級選手権はしっかりと見てる中で、改めてここの柱というか、チャンピオン、大黒柱は宮原健斗選手だなと思いました。1月3日、挑戦表明した時は若干チャンピオンにとって時期尚早だったようで、改めて2月4日、八王子大会で挑戦表明したところOK取れたということで。その中で身が引き締まる思いで。とともに気持ちがあふれんばかりに日々、日に日に盛り上がっております。この2月19日、プロレスの日ではとんでもない試合をしてベルト奪取させていただきたいと思います」

▼宮原「まずはV4を達成することができてうれしく思います。応援していただいたファンの皆様、本当にありがとうございました。そして次のチャレンジャーは新日本プロレスの永田裕志さん。あなたはグランドスラムを達成するために、この三冠ベルトが欲しいんでしょ? 果たしてあなたのグランドスラム達成を期待する新日本プロレスのファンの人はいるんでしょうか? いるのであれば2月19日、プロレスの日、後楽園ホールに連れてこいよ。僕からは以上です」

――宮原選手が言うようにグランドスラム達成がかかるが?

▼永田「僕自身がね、三冠ヘビー級王座を奪取することによって、グランドスラムということになるわけですけど、結果的には。それはこの全日本プロレスのリングに上がった昨年6月の時点でマスコミの人がいろいろ聞いてくるわけで。昨年6月頃か、ウチの小島選手がプロレスリング・ノアでグランドスラム達成したと。で、僕自身が確かに全日本プロレスに上がって三冠ベルトを獲ればグランドスラムになるということで見られちゃうのは仕方ない状況でしたね。昨年6月からそれは散々言われてきてますので、今さら宮原健斗君から言われたところで、そうなるだろうなと想定してましたよ。いいじゃないですか。そのグランドスラムというものがどれだけ価値のあるものなのか、獲った時にね、しっかりと味わってみたいと思います」

――天龍さんのもつ52歳2ヵ月の最年長記録更新にもなるが意識する?

▼永田「あぁ、それは確かに今言われて気がつきましたけど、偉大な天龍源一郎さんと最後に戦ったのが天龍さんが新日本に上がってる時ですけど、54の時にシングルやらせてもらったけど、全盛期の頃から比べたらね、スピードとかそういうものは衰えたかもしれないですけど、それ以上に威力のあるチョップとか、あと新しい技を開発して。54歳なんて技もありましたしね。そういう技を食らったりして日々、年齢と反比例する形の真価というものを見せつけられたのを覚えてます。そういう中で天龍さんが52歳で獲った年齢を超えられるという話を今回聞いて、まさにそのテーマというのはぜひ成し遂げたいと思います。いい質問してくれてありがとうございます」

――今回が3度目の挑戦になるが、三冠ベルトに対する思いは?

▼永田「三冠ヘビー級王座というのは確か1989年4月でしたっけ。大田区で統一されたんですよね。当時は学生でしたけど、全日本プロレスの試合見てました。テレビで。当時はベルトが3つでしたし、インター、PWF、UN、そのベルトに対する思い入れはファンの時に強く持ってましたし。ベルトが一つになってしまいましたけど、その証となる各ベルトのデザインがついてるこのベルトは非常に思い入れの深いというか好きなベルトですね」

――永田選手の挑戦をプロレスの日で受けようと思った動機は?

▼宮原「今このプロレス界の昭和を知る人間というスーパースターたちが何かこの業界が変わろうとしている今、昭和を知る、昭和の匂いがする永田裕志さんとの戦いであるのならばプロレスの日がふさわしいと思って指定しました。2月19日まで前哨戦もなく、大事なのは永田裕志さんのこの三冠奪取を期待して応援する新日本プロレスファンの皆様がいらっしゃるのかが大事ですからね。その間、永田裕志さんは2月19日までどう過ごされるのか、新日本プロレスファンの皆様にどう三冠挑戦への期待感を上げてくれるのか、僕はそこを楽しみにしてるので」

――ベルト流出の危機でもあるが、対新日本という意識はある?

▼宮原「それはあるでしょう。いくら永田裕志さんが全日本プロレスにレギュラーのように上がっていると言えども、団体が違いますから。だから僕はしつこく新日本プロレスのファンという言葉を発してるわけで。これで永田裕志さんが何となく挑戦してきたら何の意味もないですから。新日本プロレスのファンの皆様、果たしてどれぐらい三冠挑戦に期待してるのか。僕は新日本プロレスファンがどれぐらい永田裕志さんに期待してるのか、どれぐらい会場に駆けつけるのかを楽しみにしてますよ」

――昨年6月から全日本に上がった永田選手と王道トーナメントでも対決しているが、どんな印象がある?

▼宮原「上がり始めてからシングルマッチの試合ってのは僕はお見掛けしてないし、王道トーナメントもあれもちょっとね、優勝へ向けての1回戦ということで、またシチュエーションが全然違ったんで。おそらく昨年6月から見たことない永田裕志さんを僕は引っ張り出そうと思ってるんで、それは期待してほしいなと思いますよ。かつて永田裕志さんを応援していた皆様がどれぐらいいるのか知りたいですけどね」

――三冠を獲った後にやりたいことは何か見えている?

▼永田「獲ったあとにというか、ぶっちゃけこないだの八王子大会も大変素晴らしい試合でしたし、それまで半年以上、僕は全日本プロレスに上がって三冠選手権を見てきましたけど、非常に好勝負というかね、いい試合が続いてたけど、だいたい色が一緒なんですよね。それは当然のことなんだけど、まず内部が凄く充実してる。果たしてそれが外部の人間、異分子が入った時にどう変化するか。それはチャンピオン宮原健斗だけではなくて、自分自身がもしこのベルトを戴冠した時に全日本の他のメンバーがいろいろ来るじゃないですか。そこで戦った時に出てくるカラーというか色。果たして今までと同じカラーになってしまうのか、僕自身がそこに変化という色をつけて、よりまた違ったファイトというか、そういうものをお客様に披露したいと思います。確かに好勝負はたくさん見てきました。だけどだいたい色が一緒なんですね、それをやってみたいという大きな野心はあります」

――あえて自分に逆風を吹かせようとしているように感じるが?

▼宮原「挑戦を認めた以上は相手に不満があるとかゼロですし、やっぱり今のコメントを聞いても三冠ベルトをもし獲ったあとのビジョン。それは叶わないんですけど、ただ見えてる絵は修羅場をくぐった男しかわからない。そのような考え方を持ってるレスラーなんだなというのは感じましたね。ただ、大事なのは今ですから。過去の栄光を引っ提げてこの2月19日のリングに立つのか。果たして…僕は何度でも言いますよ。今の新日本プロレスのファンの皆様がどれだけ永田裕志さんが挑戦することに期待して会場を青く染められるのか。それが勝負ですよ。前哨戦もありませんから、2月19日ですから。次、永田裕志さんとリングで会うのは。果たして会場はどちらの色に染まるのか。そして永田裕志さんは今までの三冠戦は同じカラーだと言いましたけどね。それは当たり前ですよね。僕がチャンピオンですから。僕がチャレンジャーを自分の色に染めてきてますから。果たして2月19日、永田裕志さんの過去の栄光だけで、その僕の色を変えることができるのか。今の発言を聞いて楽しみが一つ増えましたよ」

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