【NOAH】目指すはNOAHの「起爆剤」 潮崎戦へ晴斗希インタビュー 2025/8/7

 8・11川崎大会での潮崎豪復帰戦で、『N-1 VICTORY 2025』出場権を懸けて潮崎と対峙することになった晴斗希。

 道頓堀プロレス所属の晴斗希は、昨年からNOAH参戦をスタート。清宮海斗率いるALL REBELLIONにも加入し、ここに来てチームに勝利をもたらす機会を増えるなど結果も出始めてきた。

 N-1出場も熱望した矢先、潮崎が「N-1を見据えて」復帰を表明。かつて『LIMIT BREAK』での世界ヘビー級王座戦で潮崎に敗れている晴斗希は、「N-1に出るために、もう一度あなたとシングルマッチをします」と申し出てN-1出場権を懸けての雪辱戦をつかんだ。

 大阪から夢見たNOAHのリングに立って約1年半。大きな岐路を自ら引き寄せた道頓堀の新鋭に、その胸中を聞いた。


【晴斗希インタビュー】

――NOAH参戦から約1年半が経った

▼晴斗希「大阪のリングでいろんな団体に上がらせてもらって、いろんな選手なり、お客さんなり、スタッフから『今後上がりたい団体あるの?』みたいなことを聞かれた時に、僕がそれこそ初めてプロレスを見たのがプロレスリング・ノアやったんで、やっぱりそこから僕のプロレスについての人生が始まったと思うので、『いつかNOAHのリングに上がりたいです!』みたいな、何気ない言葉だったと思うんですけど、そういう話をいろんな人にしてたっていうのはあって。去年の春に道頓堀プロレスから『NOAHから(LIMIT BREAK参戦の)オファーがあったんですけど出られますか?』って話をもらった時に『これほんま?』みたいな。ちょっとぐらい関わってたりしてたら何かあるかも…って雰囲気があったと思うんですけど、急に連絡がきたんで、すごいビックリして。不思議な気持ちというか。それが最初の頃でしたね」

――LIMIT BREAK、NOAH初参戦の日のことは覚えていますか?

▼晴斗希「はい。お客さんもそうですし、選手も今まで僕と関わったことない人たちばっかりだったんで。『本当に僕のこれまでやってきたプロレスって通じるのかな』と。大阪の晴斗希ってレスラーを、ほぼほぼ知っている方がいない中でやったんで、もうめちゃめちゃ緊張しました」

――NOAHに参戦して一番驚いたことは?

▼晴斗希「そうですね…リングが大きいとか(笑) 単純なことかもしれないですけど、最前列のお客さんとリングとの距離がちょっと遠いな、とか。リング上で僕が発した声が届かないですし、逆に言うとお客さんの声も聞き取りにくい。慣れないところがあって、そういう部分もすごい驚いたなって。選手に対してだったら、大阪だと僕が大きい方の部類に入るんですけど、(NOAHは)大きい選手がいっぱいでフィジカル的にも強い選手も多いから、なかなか一人倒すのにも苦労するし、投げるのにも苦労する。もう本当に初めての経験、いろんな経験をさせてもらったなって」

――それでもここで一花咲かせてやろうという野心は折れなかった?

▼晴斗希「これまで僕が大阪でやってきてお世話になった先輩だったり、精一杯試合をしたライバルとか、そんな大阪のレスラーがたくさんいる中で、みんな僕がNOAHに上がる時には『頑張って』とたくさんの言葉と一緒に背中を押していただいて。大阪を代表して僕は今戦ってるんだろうなっていうのを改めて感じた時はあって。だからこそ僕がいま戦っているリングで頑張ることによって、大阪のリングも注目されるだろうし。うまく頑張れたら、そこにも繋がるんじゃないかなと思うんですよね」

――かつて世界ヘビー級戦で敗れ、NOAH本戦参戦へのきっかけともなった潮崎豪という存在を、改めてどう捉えている?

▼晴斗希「それこそLIMIT BREAKに去年上がって、定期的に参戦させてもらってて。僕が初めて後楽園ホールのリングに上がったのが、去年6月の潮崎豪20周年記念大会ですね。僕ら大阪、地方のレスラーが後楽園ホールのリングに上がる機会が最近少なくなってきたなかで『大きい団体に上がってるんだな』っていうのを感じて。潮崎さんがメインイベントで戦われてる姿も見て、すごい団体に上がってるなっていうのを僕は感じ取ったんですよ。闘う潮崎さんの姿にもすごいなと思って、その後に、あの世界ヘビー級のベルトに潮崎さんが挑戦するって決まって。そのあと、まさか自分がそのベルトに挑戦することになるとは。ひとつのターニングポイントですね。かつてファン目線で、レスラーとして見ていた選手と戦えるっていうのは、これは全力を出して頑張らなあかんなって思ったのを覚えてます」

――潮崎豪は自身にとって節目にいる存在なのかもしれない

▼晴斗希「いや本当に、やっぱり大切な存在で。潮崎さんといえば象徴的な存在である選手だから。初めて後楽園ホールに出たときも潮崎さんの冠が付く大会で、(NOAHのリングで)初めてヘビー級のタイトルマッチをしたのも潮崎さんが相手で。やっぱり意識せざるを得ないなと」

――その潮崎との一騎打ちは、潮崎復帰戦であると同時にN-1出場者決定戦の側面も含むことになった

▼晴斗希「もしかしたらN-1でしかシングルマッチができない選手がいっぱいいるかもしれない。NOAHの選手とたくさん試合がしたいって一番最初に言葉にしてNOAHの本戦のリングに上がり始めたんで、このN-1の機会を逃したら、いろんな選手とシングルマッチいつできるか分からない。もうここしかないだろうっていうのは正直思いました。いつ参戦選手が発表されるか分からないけど、やっぱり言葉にする大切さというか、LIMIT BREAKの時もそうだし、声を上げる、言葉にしてたからこそ繋がったことや実現できたことが多かったと思いますね。僕としては、まだ結果を残せていないので、これはチャンスなんじゃないかなって。潮崎さんが復帰するタイミングで、僕も名乗りを上げさせてもらって。潮崎さんとシングルマッチしたいと。潮崎さんがこの前、後楽園で復帰宣言した時も潮崎コールが(自然と湧き上がった)。やっぱりお客さんの期待、待ってたっていうのがすごい僕にも伝わって。逆にそこを僕が名乗り上げることによって、この試合がもっともっと注目されるんじゃないかなと。いろいろ考えた中で行動に移しました。復帰一戦目であれど、潮崎豪は潮崎豪かなと思うんで。その選手にシングルマッチで勝つことができれば、N-1に出場する権利は事実上をもらえるのかもしれないですけど、お客さんにも納得してもらえるんじゃないかなと。『N-1に出る』と僕自身も胸を張って言えますね」

――潮崎選手は、先日のインタビューで『今の晴斗希からは“何のためにNOAHに上がっているのか"が見えない。仲間を作りにきたのかい?』と言っていた

▼晴斗希「自分としても、NOAHのリングに上がってから『自分の立ち位置ってどういうところなんだろう』と模索しながら、毎試合毎試合やっていたというのは事実としてはあるんです。だけど、僕としては、いつ何どきチャンスが来るかわからないプロレスのリングで、いつでも準備をしておくっていうのが重要なのかなと思っていて。今回もN-1に出場するって思った時に行動に移して、潮崎さんとシングルマッチを申し出たわけですし。『勝って、N-1に出場するぞ』と言葉にする大切さっていうのは、今回身に染みてわかったし。今後、NOAHの中心にいけるように、タイトルマッチもしっかり見据えていけるように、このN-1に出たいなと思ってます』

――改めて自身がN-1の舞台に立つ意義は?

▼晴斗希「僕にしかできないことは“初出場・初優勝"しかないんじゃないかなって。NOAH全体の雰囲気やお客さんも賑やかに変わってきた中で、僕が出場して優勝すれば、もっといい起爆剤になれるんじゃないかなと。このN-1でレスラーとしての順位をどんどんどんどん上げていくためにも、すごく良いタイミングなんじゃないかなって思うんです。自分のこれまでやってきたプロレスを信じて、そしてこれからの晴斗希を見せるためにも、このN-1で新しい自分を作っていきたいなと』

――改めて“潮崎豪を倒すこと"は、どんな未来につながるもの?

▼晴斗希「潮崎選手といえば、プロレスリング・ノアっていうイメージもあるし、だからこそ、超えたいし超えなきゃいけない壁だと思う。今後、僕がNOAHのリングでトップを目指していくなかで、必ず名前が出てくる選手と思うんで、この潮崎戦に勝って、今後、タイトル戦にも絡んでいけるようにしていきたいなと思います」

――最後にファンのみなさまへメッセージを

▼晴斗希「9ヵ月越しの潮崎選手とのシングルマッチ。僕もすごく気合いが入ってます。カルッツかわさきの会場に来て、潮崎選手と戦ってる姿を生で見ていただきたいです。僕のNOAHに対する思いをリング上でぶつけますんで、この熱いリングをぜひ会場まで観に来ていただければと思います」