【NOAH】目指すは“ノアのタッグ=武藤&丸藤"、2022年通年防衛 元日武道館へ“天才タッグ"インタビュー 2021/12/19 18:00

 ノアの元日武道館では、田中将斗&望月成晃とのGHCタッグ王座初防衛戦に臨む“天才タッグ"武藤敬司&丸藤正道組。M's alliance同門対決に向けた見解や、元日にビッグマッチを行う意義、天才タッグとしての到達点を語らったうえで、早くも2023年の元日武道館に向けて“通年防衛"すら見据えた――。


【武藤敬司&丸藤正道インタビュー】

――まず元日にノアが日本武道館で大会を行うことについて、どんな印象がありますでしょうか?

▼武藤「新日本は1月4日と5日に東京ドーム、全日本は1月2日と3日に後楽園をやっていて、そして今回ノアが1日に日本武道館でやると。その他にも年末年始でやってる団体も多いと思うし、ある意味WWEのレッスルマニアじゃないけど、そういうウィークが定着すれば、地方からもプロレスファンがわっと集まったりだとか。そういう風にプロレスというワードが、これを機にまた広がってくれたらいいなあ、なんて俺は思ってますね」

▼丸藤「まず元日に武道館という会場を押さえられるだけの力をつけてこれたっていうのは、ひじょうに嬉しいことであって。数年前、ノアどうなることか…って状態から、ここまで来られたって部分で感慨深い部分はあるんですけど、その状態の時は『目指せ武道館』ってことでやってきた。武道館がひとつのゴールみたいな感じでやってましたけど、今回は武道館が(1年の)スタートになるんで。そこから365日あるわけじゃないですか。だから1年通して、元日の武道館に負けないものを創っていかなきゃいけない…っていう良いプレッシャーになるんじゃないかなと」

――これを機にノアの“元日武道館"が定着するかもしれない

▼武藤「でもさ、俺は昭和の古い人間だからさ。1月1日って親戚がみんな集まったり、初詣みたいなこともあって(※プロレスより優先する行事が多いかもしれないという点で)もしかしたら鬼門じゃねえかな?なんて思ったりする部分もあるし、でも今の時代の人たちはそうやって集まったりしないで遊びに行くのかな?なんて思う部分もあって。だから1月1日っていうのが良いのか悪いのか、フタを開けてみないと俺の中ではまだ分からないね。もしかしたら、プロレスファンであっても元日は行けない…っていう可能性もあるじゃん。1月1日くらいは遠いところから親戚が集まってさ。ましてや今年はコロナで会えなかったから、なおさら会いたいだろうし。それが分からないよな、フタ開けてみないと」


――逆にいうとABEMAなどの配信で“元日に茶の間"に入り込む余地はあるのかもしれない

▼武藤「そうだよな。箱根駅伝みたいに観てくれたら最高だよね。まぁみんな親戚で集まって酒飲んでるなか、ひとりコソコソとケータイで見たりする人もいるかもしれないけど(笑)」

――肝心の試合はM's alliance対決でのGHCタッグ王座戦となる

▼武藤「たぶん大変な試合になると思いますよ。(田中と望月は)同じコーナーに立ってやってきたからこそ、弱点も見られてきたワケであって。この二人は特にコンディションがいいからな。常に全力投球で来るからさ」

▼丸藤「この間、実際に前哨戦(のシングルマッチ)で田中選手には負けてるし、いつも組んでてひじょうに心強い存在。…ということは敵になったら大変だっていうのは、やっぱりそこはイコールになると思うんで。でも、意外とプロレス的には“楽しい試合"になるんじゃないかと思ってますね。この間のシングルは負けましたけど、田中さんとやってみてまだまだ歯車が合うようなものがあるんじゃないかと思ったんで。その歯車が4人分そろった時、ひじょうに面白いタッグマッチになるんじゃないかと。結果、勝たなくちゃいけないですけどね」

――達人が4人揃っているようにも見えるが、キャリアを重ねてきたからこその駆け引きが楽しみ?

▼丸藤「この4人のなかじゃ僕が年齢もキャリアも下なんで。キャリアを積んだ4人が…って言ってますけど、まだ僕はベテランじゃないので…。この中に入ってしまえばスーパールーキーです」

▼武藤「んなこたない(笑)」

――丸藤選手とのチーム、組んでしばらく経つが、手応えは?

▼武藤「手応えはあるけど、この前、俺は望月とシングルやって、今の俺をさらけ出して勝ってんだけど、シングルで勝ったからといって組んで闘ったらどうなるか分からない。やっぱりタッグってのは、プラスアルファがいっぱい生まれてくるチームが強いのであって。マルちゃんとのコンビも、その点でも負けない自信はあるけど、そういうぶつかり合いにはなるよな」

――あえて試合前に『こうしよう、ああしよう』とは決めずに、“天才タッグ"らしく始まってからの互いの感性で勝負していく…というのは元日も変わらない?

▼丸藤「うん。っていうか、そもそも俺は武藤さんの連絡先知らないですもん」

▼武藤「いや、ツイッター見てるよ俺。でも、いっぱい(ツイートを)飛ばしてくるからさ、(タイムラインが)丸藤丸藤丸藤…って全部マルちゃんで埋まっちゃうんだよ(笑)」

▼丸藤「…めんどくさかったら外してください(笑)」

――改めて同門対決ということで、闘うことで“M's alliance"の力量を知らしめる…という側面もあるのかもしれない

▼武藤「もしかしたら(※元日に配信されることをかんがみて)初めてプロレスを観るっていう層もいるのかも。だから“分かりやすいプロレス"を提供してえよな。茶の間で集まった親戚に『プロレス面白いから見てみようぜ』ってなった時に、その人たちも巻き込めるようなさ。まあ、ぶっちゃけそんなに複雑なこともできねーんだけどな、こっちも(笑) 何度も言うけど、俺自身だから。闘う相手は」

――まだまだタッグチームとして、タッグチャンピオンとしてスタートしたばかりだが、来年はチームとしてどこまで到達したい?

▼丸藤「行けるところまで行きたいっすね」

▼武藤「あとはベルトに価値を持たせたいよな。『ノアのタッグチームといえば丸藤&武藤だ』って、今までのノアの歴史を踏まえても、誰もがそう思う存在に。今の日本のプロレス界って、“タッグ屋さん"がそういねえよなあ」

――特に最近は少ないかもしれない

▼武藤「うん、ちょっと(タッグが)軽んじられてる気がするよな」

――タッグマッチこそプロレスの醍醐味、という意見もあります

▼武藤「今さ、オリンピックとか見てても、卓球とかさ、バドミントンとかさ、ダブルスっておもしれーんだよな。すごい攻防が激しかったりして、ダブルスのほうが逆に。奥深さもあるし、チーム愛っていうかパートナーとの信頼関係とかもホントに見えたり。卓球なんか見てても絆が強いチームがやっぱり勝ってるもんね。…俺たちの絆は大丈夫かな…」

▼丸藤「…大丈夫です(笑)」

▼武藤「でも、望月&田中も絆あんのかよ?」

▼丸藤「あの二人はここ1年くらいM's allianceで組むことも多かったですし、ウチ上がる前も組んだりしてたんですよ」

――丸藤選手はGHCタッグの歴史と価値をもう一度見つめ直したいと言っていました

▼丸藤「やっぱりシングルが団体の顔っていうのは、それで良いんですけど、あまりにも“差"が開きすぎてるというか、タッグが霞んでしまっている部分があったんで。しっかり輝かせたい」

――タッグリーグも今年は開催されていないだけに、タッグのタイトルマッチがより重要になるのかもしれない

▼武藤「シングルよりはタッグのほうが、愛とか絆とか、そういうものを伝えやすいよね。シングルは個の闘い、いうなれば自分勝手な闘いであってさ」

――改めて武道館ではどんな試合をして、どんな勝ち方をして、どんなメッセージを伝えたい?

▼丸藤「メッセージはさっきずっと話していたようなことを伝えていきたいと思うし、本当にやってみなければ分からない…って日になると思うんですけど、おそらく120点満点っていうのは難しいと思うので、そういった意味では、一年のスタートとしては色んなものが見えるんじゃないかなって思うんで。レスラーもスタッフ側も大きな勉強になると思うんで、そこも大事だと思うし、試合に関しては分かりやすく、そして自分たちも楽しく。自分たちが楽しくないと、観てる人たちも楽しくないと思うんで。シングルとは違うプロレスをしっかりと見せて、一年の良いスタートを切りたいと思います」

▼武藤「やっぱり『丸藤&武藤というチームは強いな』と。そういう印象は与えたいよな。プラス再来年も1月1日の元旦に日本武道館大会をやる。そういう興行になると思うんだよ。だからさ、その時までずっとベルト巻いてようかな…なんて思ってるよ。1年間通してさ。再来年の元日の日本武道館でもタッグのタイトルマッチやりてえな!って思いますよ」