【全日本】諏訪魔が専務取締役を退任 2025年から月1、2試合限定出場、非常勤取締役&エボ女社長に就任 2024/12/9

 諏訪魔が9日、東京・湯島の全日本事務所で会見し、専務取締役退任を発表した。

 2004年に全日本でデビューした諏訪魔は今年、20周年の節目を迎えた。2014年から2015年に専務を務め、2021年3月には専務取締役に就任。“暴走専務"としてリング内外で全日本を支えてきたが、その役を降りることを決意した。

 諏訪魔は2024年いっぱいで専務取締役を退任し、2025年から女子プロレス団体Evolutionの社長に就任する。全日本の所属選手であることに変わりないものの、試合出場は月1、2試合に限定。一方で非常勤取締役として全日本にかかわっていく。

 この日、諏訪魔は福田剛紀社長、十枝利樹取締役、Evolution松木圭一会長同席のもと会見。「自分の中で全日本プロレスに入門して、いろんな先輩を見てきて、まず20年やりたいとずっと思ってたんですね。20年やったら一人前」との思いで活動してきたが、実際に20周年を迎え、「自分も27からプロレスを始めて遅かったですから、そう考えると、いい年になっちゃうんですけど。今48ですからね。じゃあ20年やれたんでね。自分としては次のステップに進みたい」との考えに至った。10月から福田社長、十枝取締役と話し合いを重ねた結果、「ファンを悲しませたくはないから、全日本プロレスには何かしらどんな形でもいいから、名前があった方がいいんじゃないか」と選手、非常勤取締役として全日本に引き続き籍を置くことになった。

 来年からレスラーと社長の二足の草鞋を履いて活動していくことになる。「こんだけ若い子が頑張ってくれてるんだったら、俺の役目は終わったんだろうと(笑) いい意味でね。で、次のことを考えることができた」と言うように今の全日本の充実ぶりも背中を押した。試合出場の機会は減るものの、「どんなカードでも何かしら意味は作りたいなと思いますよ。それがファンが喜ぶことだと思うんでね」と1試合1試合を大切に戦っていくつもり。「社長業って相当大変なことだと思うんですね。そこも優先していきたいところもある」と前置きしつつ、「プロレスラーですから。やっぱしどっかでうずくところがあると思うんですよね。プロレスラー諏訪魔をどっかで証明したいなって時も出てくることがあるかもわからないですね」との意向も示した。

 2025年から諏訪魔の新たな人生のチャレンジが始まる。


【会見の模様】

▼十枝取締役「当社の諏訪魔専務執行役員についてのご報告があります。まず諏訪魔専務執行役員、この職につきましては今年いっぱい、12月31日までの職とし、来年からは取締役、それも非常勤の弊社の取締役に着任いただきます。併せて選手契約でございますが、今はフル出場の選手契約を締結しておりますが、今後につきましてはスポットで、我々の方からここに出てくれというような相談をしながら月に1、2回の選手としての試合出場となる見込みです。併せて諏訪魔専務執行役員は来年からエボ女の代表取締役社長に就任いたします。私の方からは以上でございます。よろしくお願いします」

▼諏訪魔「全日本プロレスの諏訪魔です。専務執行役員を務めさせていただいて、福田社長、十枝取締役に非常に感謝しております。こういう経緯に至ったことに関してなんですけど、自分の中で全日本プロレスに入門して、いろんな先輩を見てきて、まず20年やりたいとずっと思ってたんですね。20年やったら一人前かなと。自分も27からプロレスを始めて遅かったですから、そう考えると、もういい年になっちゃうんですけど。今48ですからね。じゃあ20年やれたんでね。自分としては次のステップに進みたいなということですね。十枝さんにも福田社長にも相談させていただいたんですけど、最初はダメだと言われまして。何回も何回も話したんですけど、『ダメだ、お前は全日本に必要だよ』とうれしい言葉を投げかけてもらったんですけど。そこで話が出たのが非常勤の取締役という形ですね。試合は月1、2試合出ると。全日本プロレスとのかかわり、全日本プロレス諏訪魔というのは途絶えさせちゃいけないよという言葉もいただきましたし、僕もその通りだと思いますし。全日本プロレスのファンの皆さんが今、報道出ただけで不安になるかなと思うんですけど、そこは安心していただきたいなという形ですね。それとですね、全日本プロレスの(2022年の)日本武道館の50周年大会から応援していただいている株式会社ステータスの松木社長、今Evolutionの会長ですね。松木社長にも相談をさせていただいて、ぜひEvolutionの何か俺もやりたいなっていう話をしたら、『じゃあ社長どうだ?』って話をいただいたんでね。20年やってから、そういうタイミングが合致したというかね。そういう形ですね」

▼松木会長「株式会社ステータス松木と申します。Evolutionの取締役会長ということで、今回、諏訪魔選手と年明けから一緒にやっていきたいと思ってます。もともとの経緯が全日本プロレスとステータス本体が広告代理業で、スポーツ選手のマネージメント業務で業務提携していた中でEvolution、女子プロ団体を立ち上げて、全日本プロレスさんとは良好な関係で推移してますので、諏訪魔選手がEvolutionの代表になっても全日本さんとは良好な関係で業務をやっていきたいなというふうに考えております」

▼福田社長「今までのお話がありました通り、諏訪魔選手が新しいチャレンジに出るということで、ぜひ我々としても応援、プッシュしていきたいということで。新たな道を私も楽しみにしておりますので、今まで以上によろしくお願いいたします」

▼諏訪魔「ありがとうございます」

――来年から全日本における立場は所属選手のままになる?

▼十枝取締役「先ほど申し上げましたように所属選手の立場で月1、2回の試合出場してもらいます。併せて取締役という立場で非常勤ですけど経営に関与してもらうと。取締役会、役員会を月に1回必ずやっておりまして、契約の問題を議論、処理、あるいは確認しながら経営を進めていますが、月1回の取締役会には出席と。その他、何か大きな問題があって、諏訪魔取締役に確認、相談が必要であれば、臨時でも役員会を開いて、そこに参席していただく予定です」

――月1、2回の試合出場ということで出る意味のある試合になる?

▼諏訪魔「カード組んでるの僕じゃないんで何とも言えないんですけど、できれば意味のあるカードだったらいいなとは思います。これ意味ないなと思ったら、ちょっと寂しいじゃないですか。でも何かしら意味は作りたいなと思いますよ。どんなカードでも。それがファンが喜ぶことだと思うんでね」

――全日本プロレスとのかかわりが来年から変わるが、新たにやりたいこと、描いていることはある?

▼諏訪魔「全日本プロレスとのかかわり方って描いてるというか、どうなるか俺もわからないですよね。イメージがハッキリしない。受け入れてくれるかもわからないし。ただ、俺はファンを悲しませたくはないから、全日本プロレスには何かしらどんな形でもいいから、名前があった方がいいんじゃないかなって思ってますしね。逆に緊張しますよね。気が引き締まりますよ」

――自分の意思を伝えたのはいつ頃?

▼諏訪魔「10月ぐらいだったと思いますね。結構な話をさせていただいたんで。十枝取締役の意思も堅かったのもありますから」

――「全日本に必要な人間だと言われた」とのことだが? 相談した時は離れる決意だった?

▼諏訪魔「そうですね、はい。やっぱし全日本プロレスに残りながら他の代表をやるっておかしいじゃないですか。だから僕もその頃、非常勤の取締役という役割があるってわからなかったので。その時って白か黒だけだったんですね。そういう新しい形を提案していただいたんで、それならファンを悲しませることもないし、両方集中できて、いい形ができるんじゃないかなと思いました」

――次のステップを進めるうえで団体の今の状況も影響した?

▼諏訪魔「ハッキリ言って若い子がこんだけたくさんいて、昨日も後楽園にいっぱいお客さん来てくれてるし、どこ行ってもお客さん入れてますよ。それは若い子がたくさん頑張ってるからだと俺は思うんですよね。ここまで若い子が頑張ってくれてるんだったら、俺の役目は終わったんだろうと(笑) いい意味でね。で、次を考えることができた。それはスタッフも含めてですよ。すべて総合して、いい形になってると思いますよ、全日本プロレスは」

――来年からレスラーよりも社長業に力を入れていく?

▼諏訪魔「社長業って相当大変なことだと思うんですよね。そこも優先していきたいところもあるんですけど、プロレスラーですから。やっぱしどっかでうずくところがあると思うんですよね。プロレスラー諏訪魔をどっかで証明したいなっていう時も出てくることがあるかもわからないですね。ちょっとやってみないとわからないですね。ひょっとしたら今、試合数多いけど、試合数が減ると今度、俺らみたいなベテランからするとコンディションが上がるはずなんですよ。古傷が治ってきたりとか、そうなった時に考えますよね。今までだったら練習に集中できないですもん。それぐらいいろんなこと考えますから。練習に集中できるようになって、試合も集中できるってことになるかもしれないし。でも、お客さんも入れたいしっていう、そこのせめぎ合いというか悩みがいっぱいありますね」

――天龍さんの元を訪れたようだが今回のことを報告した?

▼諏訪魔「まあ、いろいろ天龍さんもそうですけど、今いろいろね、渕さんだったり、恩師だったり、いろんな関係は(報告)しました」

――次のステップで一番やりたいことは団体の経営なのか、それとも後進の育成なのか?

▼諏訪魔「団体の運営もそうですけど、基本、僕ね、若い子育てるの好きなんですよ。子供のレスリング教室、全日本プロレスジュニアレスリングクラブっていうのをやってますしね。その代表のままでいますから。当然、エボ女もそうだし、育てて、そして結果が出るというのは楽しいですよ。それが経営とうまく結びつけば、それが一番ベストですけどね。もっともっと女子に関しては増やしていきたいなと思いますよ」

――選手として今まで費やしてきた時間を後進の育成に費やす?

▼諏訪魔「いろいろ役割分担して、分けるの好きなんで、俺だけ一人で全部やろうなんて思ってないんでね。後進の育成という部分でもいろいろ指導者をそろえたいと思いますし。女子を教えるにしてもそうですね。いた方がいいんじゃないですか」

――来年から社長レスラーとなるが、思うところはある?

▼諏訪魔「社長レスラーって大変なことだと思うんですよね。見ててそうだし。本当の茨道だと思うんですけどね。そこは今まで散々、頑張ってきましたから、何とか両立したいですよね」

▼十枝取締役「今回、諏訪魔がこういう形になったのは全日本プロレスとして、諏訪魔に本当の社長のマネージメント、これを勉強してもらいたい。そういう気持ちを強く持って送り出しました。そこを皆さん、ご理解いただければありがたいなと。諏訪魔の経営者、人間としてのスキルが上がってきて、全日本プロレスの諏訪魔としてエボ女の社長になりますので、どうかよろしくお願いします」