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1/9【DNA/DDT】高木社長もゲキ、試練の新人プロジェクト第2戦は所属全敗 メイン出場の宮武は宮本裕向と対戦へ 新宿大会(写真あり)

 DDTの新プロジェクトDNAの第2回大会が9日、新宿FACE行われ、メインイベントで宮武俊が葛西純と一騎打ち。果敢に攻めたものの完敗を喫した。DNA所属選手の全敗という結果となったが、高木三四郎は「お前らが主役なんだ」と猛ゲキ。次回2・6北沢で宮武は宮本裕向とシングルマッチで対戦することになった。

 DNA(DDT NEW ATTITUDE)はDDTが立ち上げた若手中心のプロジェクト。昨年の11・28北沢タウンホールで産声をあげた。主役は若い選手たち。すでにDDTやユニオンで活躍していた勝俣瞬馬や河村智哉のほか、宮武俊ら6人の新人が旗揚げ戦でプロデビュー。彼ら8選手がDNA所属となり、新たな舞台でしのぎを削っていくことになった。基本的にDDTブランド所属選手は出場せず、先輩相手の試合では他団体のレスラーに胸を借りる形となる。2回目の興行となった今大会には葛西純、中嶋勝彦&北宮光洋、鈴木秀樹などが出場し、新人たちの前に立ち塞がった。

 予想通りと言うべきか、DNA勢全敗で迎えたメインイベントでは宮武がデスマッチファイター葛西との一騎打ちに臨んだ。宮武は昨年3月に練習生としてDDTのエキシビションマッチに出場。DNA旗揚げ戦でやっと正式デビューを果たすと、DDTマットでは飯伏幸太率いるゴールデン☆ストームライダーズに加入し、先日の後楽園大会ではKO-D6人タッグ王座にも挑戦した経験を持つDNAの中心メンバーだ。

 試合は開始早々に葛西が場外乱闘に持ち込んでペースを奪取。リングに戻っても格の差を見せつけるように圧倒していく。パイルドライバー、DDTと大技で畳みかけると、宮武が痛める左肩にストンピングを連射し、すかさず脇固めに捕獲。デスマッチのリングでは見られないベーシックな動きで宮武を攻め立てた。

 宮武も奮起。パイプイスめがけてボディスラムで投げ飛ばすと、イスごとエルボースマッシュで打ち抜き、豪快なスパインバスターまで披露したが、余裕は奪えず。葛西はチキンウイングフェースロックで絞め上げ、垂直落下式ブレーンバスターで追い討ち。パールハーバースプラッシュで仕留めにかかる。これを間一髪避けた宮武は決死の反撃へ。

 スピアーを突き刺すと、雄叫びを上げてパイプイスを何度も葛西の脳天に振り下ろした。しかし、不死身の葛西には通じない。反対にイスを奪い取った葛西は全力で頭に叩き落として宮武の攻勢をストップさせると、リバースタイガードライバーから今度こそパールハーバースプラッシュを落として、3カウントを奪い取った。

 試合後、葛西は「正直まだまだだよ。でもお前、チ○コは小さいけど、なかなかいいもの持ってるじゃねえか」と宮武を高評価。「俺っちがこんなことを言うのは珍しいんだぞ。お前がもう一段階、もう二段階強くなる方法を俺は知ってるよ。DDTとかDNAとか言ってねえで、俺っちと組んでデスマッチをやろうじゃねえか?」とまさかの勧誘に動いた。

 宮武は「僕がDNAでトップを取って、葛西さんともっと熱い試合ができるようになったら…その時はやりましょう。それまで待っててください」と返答。葛西は「振られちゃったみてえだな」と苦笑してリングを去って行った。

 先輩相手に全敗を喫したDNAの選手たち。全力でぶつかっても追い込むには至らず、プロレスの基本的な技術やインサイドワークで翻ろうされ、為す術なく敗北してしまった。各選手が改めて目の前に立ち塞がる高い壁を体感し、悔しさをあらわにしていた。メインで完敗した宮武も肩を落とすばかりだったが、ここで今大会を第1試合から見守っていた高木三四郎がリングイン。選手たちを呼び寄せると、「会社はお前たちに試練を与えた。今日やってみてどうだった?」と問いかけた。

 そして、間髪入れず「バカ野郎!」と絶叫。「リングに上がったら、先輩も後輩も、ベテランも新人も関係ねえ。目の前に立ったヤツをぶっ飛ばせばいい話だ」とレスラーとしての姿勢を説く。さらに、「てめえらは今日、心の底からぶっ飛ばせたか? こんなのは試練のうちに入らない。これを当たり前と思わなくちゃいけねえんだ。このDNAのリングはゲストが主人公じゃねえ。誰が主人公かわかるか? お前たちだ。これからも会社はお前たちに試練を与え続ける。お前たちはそれを試練と思うな」とゲキを飛ばした。

 さらに、次回2・5北沢の決定対戦カードとして宮武と宮本裕向の一騎打ちを発表。2大会連続となる大物との一騎打ちを聞かされた宮武は、天を仰いだ。それでも、大会の締めを任されると、「今日はDNA勢が全敗となってしまいました。でも、僕はこの結果に満足してないです。次の試合では全員勝って、DNAは凄いんだというところを見せてやりたいと思います」と力強く宣言。「死ぬ気で毎日練習し、試合をし、2月5日に向けて仕上げていきたいと思います」とアピールすると、最後は「3、2、1、DNA!」と唱和し拳を突き上げた。

 改めて先輩たちとの差を感じた若きDNA戦士たち。しかし、気持ちはどこまでも前向きだ。悔しさをバネにして、愚直に練習に励むのみ。その先には必ずや明るい未来が待っているはずだ。

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