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1/29【全日本】Jrリーグ制覇へ佐藤が同志・桜木師範と居合いで精神修行 「他の9人と差ができた」(写真あり)

 『Jr. BATTLE OF GLORY』(2月7日開幕)に出場する佐藤光留が29日、都内・掣圏真陰流本部道場 興義館で練習を公開。桜木裕司師範指導のもと、居合い特訓で精神修行に取り組んだ佐藤は、「客観的に第三者として自分と他の9人を見た時、差ができてしまったなという感覚」とリーグ戦へ向けて好感触を得た。

 2年連続のジュニアリーグ戦出場となる佐藤は昨年150試合以上をこなした。大みそ日にはDEEPさいたま大会にも参戦し、久々のMMA戦ながら藤沼弘秀に1R一本勝ちを収めた。多くの試合をこなす中で佐藤は「いつの日か勝手に試合の時にスイッチが入って、試合がない時はオフになる感覚をつかみ始めた」との境地を開きつつあるという。「こういう経験してるのはリーグ戦に出場する中で僕だけ。その部分をつかむためにきっかけがほしい」と考えた時、脳裏に浮かんだのはリアルジャパンの道場でもある興義館で師範を務める桜木の存在だった。

 桜木師範とは2006年1月、パンクラスで対戦し、わずか1R55秒、KO負けを喫している。その戦いを通じて「同志」の絆が芽生えた。佐藤はこの日、桜木師範の教えを請い、居合いによる精神修行に臨んだ。

 居合いと一言でいっても、ただ刀を鞘から抜くだけという単純なものではない。「無の境地に持っていく。より集中力を高めていく」と桜木師範が言うように雑念を振り払って神経を研ぎ澄ます状態を目指すのが目的。「自分を映し出す鏡だと思って刀を抜く。微妙なブレをいかに落ち着かせて同じ位置にもっていけるか」と桜木師範からの助言を受け、道着に身を包んだ佐藤は正座の状態で精神統一してから片ヒザをつき、刀を鞘から抜いた。

 最初は刀が引っかかって抜けなかったりもしたが、数を重ねるごとに、徐々にスムーズに刀を抜き、刃筋も水平になってきた。途中、趣味の釣りやパチンコといった雑念もよぎったが、気づけば30分以上も没頭。「ずっとやってたい。全日本の若手みんなやった方がいい」と充実感をのぞかせた。

 これには見届けた桜木師範も「だいぶは筋はよくなってきた。今のままだといい状態だと思います。道着に袖を通して刀を抜いたことで何かつかめたと思う」と評価。「本来の修行は瞬間、瞬間で自分の世界に入れるか。居合いは一つの手段であって、考え方がわかればどんな形でも修行できる。その中で何かつかんでもらえれば」とアドバイスを送った。

 「ゼロをイチにするというのは非常に大きいことですので、全日本ジュニアの最先端にいくためにも修行したい」。そう言い切った佐藤はこの日学んだ精神修行をリーグ戦開幕まで継続していくつもりだ。

 試合数の増加とともに佐藤は「自分のやりたいこと、好きなことが日常にある。どんどん自分が研ぎ澄まされている感覚。それはリーグ戦に出ている10選手の中で自分だけ」と確信するほど、戦うことが当たり前のようになってきているという。だからこそ、桜木師範のもとでさらに研ぎ済ませたい思いに駆られた。「決勝の相手は誰でもいい。他の9人は今、カボチャかキャベツかという感じ」と無の境地となりつつある佐藤は、「差をつけてしまったというより、差ができてしまった。差を作るというのは差をつけたい欲なんです。客観的に第三者として自分と他の9人を見た時、差ができてしまったなと」と出場メンバーとの違いを強調し、リーグ戦優勝に手応えをつかんだようだった。
※佐藤のコメントは別項に掲載します

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