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6/13【NOAH】四天王&天龍が『偲ぶ会』で三沢さん語らう、22時10分には黙とう(写真あり)

 13日、広島大会終了後、リーガロイヤルホテル広島で『三沢光晴さんを偲ぶ会』が開催され、三沢さんとともに“四天王"として激闘を繰り広げた川田利明、田上明社長、小橋建太さんが出席。天龍も特別ゲストとして参加し、三沢さんとの思い出を語り合った。

 4人はそれぞれ三沢さんとの関係性は大きく違う。川田にとっては足利工業大学附属高等学校時代からの先輩であり、小橋さんにとってはプロレスラーとしての先輩にあたる。小橋さんが初めて会った時は入門したタイミングで、三沢さんが2代目タイガーマスクだった時期。小橋さんは「入門した時にあいさつしたら、マスク越しにニコッと笑ってくれた」と思い出を振り返った。田上社長にとって三沢さんは「年下の先輩」。アドバイスされたこともあったようだが、内容は「忘れました」ととぼけて笑いを誘っていた。

 天龍は2代目タイガーマスクと幾度となく対戦経験があり、マスクを何度も剥いだ時期もあった。天龍は「躊躇している部分というか、タイガーマスクになりきらなきゃいけない三沢光晴が垣間見えた気がしますね。でも、キックを憶えたら、いい蹴りをしてきましたよ」と三沢さんのファイトを思い返していた。

 当然、プライベートの話題も。三沢さんは酒豪としても知られているが、川田は「もともとお酒を飲める人じゃなかったんです。天龍さんが強くしたって聞いてます」と指摘。天龍は「憶えているのは、夕方の6時か7時ぐらいから飲み始めるでしょ。夜中の12時頃になると、三沢はお酒に弱いからそのまま寝ちゃうんですよ。深夜2時頃になって、じゃあそろそろ帰ろうかって頃に目が醒めて、『飲みましょう』って言ってくるんです。それで7時や8時ぐらいまで飲んでましたよ」と当時のエピソードを明かした。

 小橋が「ずっと飲んでて、僕はそのまま寝ないで朝の合同練習に行ったとか」と語れば、川田は「1月2日の試合後に新年会に行って、次の日の朝8時過ぎまで飲んでて、その後に昼の試合をやってました」と破天荒な思い出話に花が咲くと、川田は超世代軍時代に殴り合ったエピソードを披露。酒の席で三沢さんとケンカになってしまい、「殴られたんで、僕もお酒が入ってたから、ちょっと反撃しちゃったんです」と苦笑した。

 小橋さんと菊地毅が割って入ったが、川田は菊地を振り払って三沢さんに突進。結果的に三沢さんを止めていた小橋さんが羽交い締めにしてアシストするようになってしまったという。お酒の席での話は止まらず、笑いが絶えなかった。

 とはいえ、リングに上がると、三沢さんは常にシビアな戦いを繰り広げてきた。特に90年代に巻き起こった四天王ブームの時が各選手にとっても強い印象に残っていた。

 川田は当時の三冠を巡る激闘を思い出し、「初めて投げっぱなしジャーマンを食らった時はきつかったですよ。今時見る投げっぱなしジャーマンじゃなかったですから。タイガードライバー91もそうですけど、いつも俺は実験台だなと思ってました。食らった瞬間はこのまま起き上がれないだろうなと思いました」と当時の心境を明かした。

 小橋さんにとっても三沢さんとの戦いは大きな意味を持っていた。全日本やノアで幾度となく戦ってきた歴史に思いを馳せると、「本当に思い出に残っています。1つ1つが自分のベストだと思います」と噛みしめるように語り、「覚悟を持って試合に臨むことが身につきました」と振り返った。

 田上社長は昔の試合をほとんど憶えてないと話していたが、川田と同じくタイガードライバー91を食らった時に「こんな技、二度と食らいたくない」と思ったことは強烈な印象が残っていると明かした。

 1時間に渡るトークショーは、出席者やファンが一緒に三沢さんが亡くなった22時10分に黙祷を捧げてお開きに。最後のあいさつを求められた小橋さんは「三沢さんが僕たちに一生懸命生きる意味を教えてくれました。この意味を次の世代に伝えていかなくてはいけないと今日強く思いました」と決意を新たに。川田は「あれから6年経つんだなあという気持ちと、こうしてこのメンバーがここで顔を合わせられて、ファンの人たちと出会えたってことは、三沢さんのおかげなんだなと思って、感謝しています」と寂しそうな表情を垣間見せた。

 天龍は「今日この大会に出させてもらって、昔の仲間で思い出を語ることができ、三沢光晴のことを思っている人たちと同じ気持ちで同じ時を過ごせたのは凄く貴重なことだと思っています。広島のファンの方には嫌な思い出とともに、今回の懐かしく貴重な時間が重なったと思いますが、三沢光晴を忘れないで、ずっとプロレスを愛していってほしいと思います」と呼びかけた。

 最後に田上社長が「プロレスリング・ノアは三沢イズムをすっかり心に植え付けて、これからも上昇していこうと思います。皆様もご声援よろしくお願いします」と前向きにあいさつ。最後まで笑いの絶えない会となり、改めて三沢さんの人柄が偲ばれた。

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