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6/2【NOAH/インタビュー企画】6・12後楽園に向けて GHCタッグ王者・丸藤正道

 ノア6・12後楽園大会に向けたインタビュー企画。矢野通との新王者コンビで、前王者の“K.E.S."ランス・アーチャー&デイビーボーイ・スミスJr.組との再戦に臨む丸藤正道の心境やいかに――。


【丸藤正道インタビュー】

――GHCタッグのベルトを巻くのは、矢野通&飯塚高史組に獲られて以来なんですね。その矢野選手と組んでベルトを獲ることになるというのも不思議ですね。

▼丸藤「そうか! あのヤロー(笑) まあ、何が起こるかわからないってことですよ」

――では5・28大阪大会を振り返って、勝因はどのように分析していますか

▼丸藤「体格的には明らかにあの中では俺が不利ではあるし、やっぱり前々から言ってるように、いかに俺がアイツらの猛攻を耐えられるか。そこにかかっていたと思うので、その結果じゃないですかね」

――攻め込まれるのは承知の上で闘っていた?

▼丸藤「そうですね。タイトルマッチということもあって、相手もいつも以上に気も入ってくるだろうし、俺は自分からヘビー級戦線に入り込んだからにはそんなことは覚悟してきただけど、今までの中でも想像以上にきつい相手でした(苦笑)」

――そのきつい攻撃を乗り越えられた要因は?

▼丸藤「それは自分が見てきた、自分を育ててきてくれた先輩がみんなそうだったじゃないですか。やられてもやられても立ち上がって、最後はしっかり結果を残して勝って、会場を最高の空気にするっていう、それを俺も見てきましたから。18の頃からいろんなものに耐えられるように練習してきたし。今までもタイトルマッチとかいろいろあったけど、積み重ねてきたものの集大成がけっこう詰まってたかなって感じですね」

――入門した18歳の時といえばジャイアント馬場さんも健在で、まずは受け身を徹底的に教えられたそうですね。

▼丸藤「そうです。毎日受け身ばかりでした」

――そういう体に染みついてきたものがあったから、ランス・アーチャーのすごいショルダースルーや、数々の大技を食らっても耐えられたのでしょうね。

▼丸藤「言うならば普通の人ならあのショルダースルー一発で体がどうにかなってしまう、ヘタしたら命がどうにかなるぐらいのものだと思うんですよ。でもさっき言ったように、18の頃から毎日200本くらい受け身をとってきましたから。デビューしてからもそれは続いたし、試合の中でもそれを繰り返し、繰り返しされてきたわけですから。そういうことをやってきた自信と、先輩方の背中を見てきたものが力になったと思います。口で教えられたわけではなくて、見て感じて体で覚えてきたものですから」

――パートナーの矢野選手とはレスラーとしての育ちも歩みも違います。それがいい方向に働いのでしょうか?

▼丸藤「そうですね。やることなすことすべてが真逆…、真逆どころから逆という比べ方もおかしいくらい方向性が違うパートナーなんですけど、組む時に言ったように歯車が合った時に何かが起きる。そういうものが今回は結果として出たと思います」

――闘っていくごとに勝利への形が見えてきていると。

▼丸藤「そうだと思います。たとえば俺が何か強烈な技を食らって倒れている時に横目でふと見ると、矢野選手がしっかり二人を抑えてたり、俺が身動きできない時に助けに来てくれたりだとか、口で言わなくても歯車が合うようになっていますね」

――動きどころをわかっているんですね。

▼丸藤「それが多すぎても少なすぎてもダメだと思うし、絶妙なタイミングで必要最小限の動きでやってくれています(笑)」

――矢野選手はタッグがうまい印象があります。

▼丸藤「うまいですね。矢野さん的にもタッグでパートナーが動いてくれると自分の負担が少なくなるから、余計に頭が働くんじゃないですか。矢野さんの頭脳をフル回転させるために俺がひたすら動けば自ずと試合は回る」

――6・12後楽園大会でKESとの再戦が決まりました。短いスパンでの再戦に関してはどのように感じていますか?

▼丸藤「全然問題ないです。それは俺たちの気持ちも相手の気持ちもファンの気持ちも冷めないうちにやって、そこでまた白黒ハッキリつけたほうがスカッとすると思うし、別に中3日でも中5日でもいいですよ」

――ベルトは獲る時よりも守る時のほうが難しいと言われます。KESも今度は奪いに来るのでより厳しい闘いが予想されますね。

▼丸藤「リーグ戦の決勝の時と、大阪のタイトルマッチと、また違う試合展開にもっていけるような状況を作らないと厳しいことはわかってるし、同じことが通用する相手ではないってことは試合をしながらわかっています。たとえば不知火の体勢に入ったらアイツらは頭の中にインプットしているので、いろんな返し方をしてきているし。何か違う展開に持っていけるように勝利の方程式を考えないといけないですね。勝利という答えは一緒でも、公式を変えようかなと思っています」

――同じやり方では勝てないという思いはある。

▼丸藤「あります。そこはハッキリ言うけど、同じでは勝てないです」

――KESのほうはリーグ戦決勝でもタイトルマッチでも、自分たちが上だと気持ちに余裕を持ちながら闘っていたと思います。今度はチャレンジャーなので気持ちも違うかもしれませんね。

▼丸藤「それでもなお俺たちのほうが上だっていう感じでくると思いますよ」

――記者会見でも矢野選手が再戦に動揺を隠せない様子でした。ここはどのようにモチベーションを高めていこうと考えていますか?

▼丸藤「まだ試合も終わったばっかりだし、俺も矢野選手も会見の時に初めて再戦を知ったんでね。もしも試合当日に再戦がすぐ決まったなら気持ちの持っていき方も違ったかもしれないですけどね。KESは一発、一発が交通事故みたいなヤツらなので、もう1回やるとなったら気持ちをもう1回しっかり持っていかないとやられますね」

――丸藤選手はこれからメキシコ遠征になりますが、そこは矢野選手とコミュニケーションをとって意思確認をしていくと。

▼丸藤「そうですね。ただ、矢野さんはLINEやってないからね(笑) メールなんでやや面倒臭いですね(笑)」

――そこも含めて試合に向けていかにいい準備をするかがポイントですね。

▼丸藤「はい。たしかに強力な相手だし、タイトルマッチですけど、あまり思いつめないように持っていきたいですね。少し心の余裕を持たないと逆に勝てないんじゃないかなと思います」

――わかりました。では副社長の立場としてお聞きしたいのですが、潮?選手がGHCヘビーのベルトを杉浦選手から奪いました。このことに関しての意見を聞かせてください。

▼丸藤「タイトルマッチだけの話ではなくて、彼がこのリングに戻ってきてからのことを考えると、再びノアのリングに戻ってきた一発目の後楽園(2015年11月20日)の反応と大阪の反応を比較すれば、自ずと彼に対するみんなの本当の気持ちっていうのがわかると思いますよ。でも、そこに甘えることなく彼がやってきたからこその結果だと思うしね。そういった部分で、これからも余裕を持たずにやってほしいね」

――このタイトルマッチを経て一つ階段を昇った印象ですか?

▼丸藤「それはわからない。彼の目の前に階段があるのか、もしかしたら平らな場所を歩いているだけなのか、まだわからない。下り坂かもしれないしね。それを見せていくのがこれからなんじゃないですか。まだ一歩目の足っていうのは浮いてると思うので、それが上にいくのか、下なのか平らなのか。これからじゃないですか」

――獲って満足ではなく、これからが大事なんですね。

▼丸藤「あの結果はハッピーエンドではなくて、ハッピー。エンドではないから。それはこれから彼がどうしていくか。もう俺たちがどうのこうのいうレベルの人間じゃないし、言われているようじゃあ上にはいけないと思うし。この人についていこうってファンが思うようなチャンピオンであってほしい。これが最後のチャンスだと思うし」

――今度のタイトルマッチは6月12日、三沢さんの命日の前日です。

▼丸藤「去年ああいう形で一区切りをつけたわけですけど、そうであっても選手の中でもお客さんのなかでも、そういうことは残っていると思うので、潮?がこのタイミングで防衛戦をするってことの意味を深く考えて、発言なり、行動なりに出した時、それがリアルならお客さんに響くと思うんでね。だからある意味、運命なんだと思いますよ」

――丸藤選手自身は6月13日の前日にタイトルマッチをやるということに関してはどういう気持ちですか?

▼丸藤「(命日と)近い日にタイトルマッチをやるということは、雲の上の人に何かメッセージを伝えるいい試合になると思うし、しっかり内容と結果を残すことが自分にもいいプレッシャーになると思います。ただ、さっきも言ったように、心に少し余裕を持ってやらないと勝てない相手なので、あまり思いつめないほうがいいかなと(笑)」

――では、最後に6・12後楽園大会に向けてファンの方へのメッセージをお願いします。

▼丸藤「会場で今のノアというものを見ていただきたいし、明らかに去年1年とは違う流れになってきていると思うので、これぞノアという試合を俺たちが見せていこうと思います。何度も言うけど、タッグ選手権にノアのメンバーは俺しかいなかったとしても、俺がそこにいる限りはノアなので、しっかり会場に見に来てほしいなと思います」

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