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6/10【全日本】7度目の挑戦へ佐藤「負ける人生にケリつける」 6・19世界ジュニア戦へ青木と会見

 6・19札幌大会で世界ジュニアヘビー級選手権試合を控える王者・青木篤志、挑戦者・佐藤光留が10日、神奈川・横浜市の全日本事務所で会見。これが7度目の挑戦となる佐藤は「負ける人生にケリつけて、勝つ佐藤光留、そのスタートに立つために札幌で頑張ってベルトを獲りたい」と悲願である世界ジュニア初戴冠にかける決意をにじませた。

 全日本のレギュラーとして長らく活動してきた佐藤。その間、未だ手が届いていないのが世界ジュニアのベルトだ。これまで王座決定戦も含めて6度挑戦し、いずれも敗戦に終わっており、「今のままだとどんなに佐藤が頑張ったといわれても結局は世界ジュニアを取れなかった人生で終わってしまう」と危機感を抱くのも無理はない。

 最近では挑戦をアピールしまくった自分ではなく、竹田誠志を挑戦者に選んだ青木に対して不満をあらわにしていたが、その原動力となっている出来事があった。2・21大阪大会でのJr.BATTLE OF GLORY優勝戦だ。空位となった世界ジュニアのベルトもかけられた大一番で佐藤は青木に敗れ去った。「負けて勝利者賞をもらってる青木さんを見て、リングを降りた時に自分の手にも腰にも肩にも何もかかっていない事実に、こんなに悔しいことがまだあるんだって思うぐらい悔しかった」との感情を抱いた。その時の気持ちを今も忘れていないからこそ、佐藤は世界ジュニア獲りにあくなき執念を燃やしている。

 特異な個性が際立つ佐藤だが、その根底に根付いているのは「負けても負けても絶対逃げるな。その恥ずかしさ、惨めさから逃げるな」というパンクラス道場での教え。そして腐らず戦い続けてつかんだ今回の7度目の挑戦。佐藤は「負ける人生にケリつけて、勝つ佐藤光留、そのスタートに立つために札幌で頑張ってベルトを獲りたい」と決意たっぷりに宿願である世界ジュニア初戴冠を誓った。

 相当な覚悟を胸に挑んでくる佐藤は、王者・青木にとってまさに望んでいた挑戦者の姿勢だ。「どっちが強いか、どっちがこのジュニアのベルトにふさわしいかということをかけてやれることが一番」とEvolutionの盟友の挑戦を歓迎。もちろんベルトを譲るつもりはなく、「自分もそれには負けないぐらいの気持ちがあるつもりなんで、申し訳ないけど、その気持ちもわかったうえで、しっかり勝って防衛して次に進みたい」と返り討ちを宣言し、「世界ジュニアがほしいという人とずっと防衛戦をしていきたいのがある」と自らの手で世界ジュニア戦線をさらに活性化させていく構えをみせていた。

【会見の模様】
▼佐藤「今回でタイトルをかけた試合はもう片手じゃ効かないぐらいになりました。もちろん毎度毎度、勝つつもりでやってはいるんですけど、今のままだとどんなに佐藤が頑張ったといわれても結局は世界ジュニアを獲れなかった人生で終わってしまいますので。負ける人生にケリつけて、勝つ佐藤光留、そのスタートに立つために札幌で頑張ってベルトを獲りたいと思います」

▼青木「今、世界ジュニアのベルトを自分が巻いてるのは大阪で佐藤光留選手と優勝決定戦並びに世界ジュニアの王座決定戦というのをやって巻いてるわけで、そこで自分は勝つには勝ったけど、その前に佐藤選手は進出決定戦をやってることもあって、自分の中で本当だったら自分がリーグを抜けて優勝決定戦にいってるんで当たり前だと思ってるけど、新たにこれをかけて戦いたいなというのがあります。佐藤選手がこれを獲って新しい自分のスタートにしたいと言ってますけど、僕はさせるつもりはないです。自分は佐藤選手にしっかり勝って、まだまだベルトを持ってやりたいことに挑戦していきたいと思ってるので、しっかり防衛したいと思います」

――Evolution対決でジュニアのトップを争うシチュエーションだが?

▼青木「今の全日本のジュニアのトップ、ベルトは今、自分が持っているとはいえ、この二人が実力は一番抜けてると思ってるので。もちろんEvolutionというチームもありますけど、そこはあえてチームのためではなく、どっちが強いか、どっちがこのジュニアのベルトにふさわしいかということをかけてやれることが一番だと思ってるんで。あんまりそこを意識しすぎると話が脱線しそうなものもあるといえばあるんで、とにかく今はこのベルトにかけたていきたいなと思います」

――何度も挑戦してきて世界ジュニアのベルトへの思いというのは強くなっているのでは?

▼佐藤「2月に青木さんと決定戦をやった時に、佐藤はもう1試合やってるからというのがあったけど、結局それも予選で勝てなくて、欠場者が出て決定戦になったんで、それはあくまで自分に足りなかったものを自分で補いなさいというルールですから。その上でやってるんでフラットだと思ってる。でもやっぱり負けて勝利者賞をもらってる青木さんを見て、リングを降りた時に自分の手にも腰にも肩にも何もかかっていない事実に、こんなに悔しいことがまだあるんだって思うぐらい悔しかったですね。運も味方して、実力でも紙一重で上に行って、100パーセントあるものが全部出てたかもしれない。それでも届かなかった現実が本当に悔しくて、涙も枯れ果てるじゃないけど、泣いてベルト獲れるんだったら泣きましたけど、そうじゃないんで。それからずっと青木さんの横にはいましたけど、常にあの気持ちは忘れてないです。とにかく負ける人生にケリをつけたい。世界ジュニア王者・佐藤光留が僕の人生には必要だろうと。それじゃバランス取れないだろうと。だから必死になって戦いたいと思います」

――今回の挑戦が最後ぐらいの覚悟?

▼佐藤「獲れなくても死ぬわけじゃないんですけどね。じゃあ今まで俺、6回死んでるのかって話ですから。でも死んじゃったら全部終わりじゃないですか。僕、家にいろんなものを置いてますけど、例えば僕が死んだら誰かが入ってきて、佐藤こんなもの持ってたんだって。でもそれを感じることもできない。僕はいないんですから。負けても負けても絶対逃げるな。その恥ずかしさ、惨めさから逃げるなというのがパンクラスに入って教わったことですから。その結果、今、全日本プロレスでタイトルマッチを1週間後に控えた立場に立ってるんで、それは間違ってなかったと思う。ただ、いつまで経ってもその負けっぱなしじゃよくないですよね。何のために負けても続けるのか、生きてるのか。それはいつか勝つためですから。だから死にはしないですよ。その代わり死ぬよりもっと重いものを背負うことになる」

――相当な覚悟を持った凄い挑戦者を迎え撃つことになるが?

▼青木「このベルトほしい人が挑戦者だと思ってるんで、今までも3回防衛していろんなタイプの選手とやって、いろんな過去を持った選手がいましたけど、確かに佐藤選手、同じチームとしてもタッグパートナーとしてもやってるので、彼の考え方は何となくは感じてるんですよね。この世界ジュニアに対する思いというのも物凄く大きいと思います。自分もそれには負けないぐらいの気持ちがあるつもりなんで、申し訳ないけど、その気持ちもわかったうえで、しっかり勝って防衛して次に進みたいと思ってます」

――やりたいことに挑戦したいとのことだが?

▼青木「世界ジュニアの価値といったら変だけど、僕なりに防衛をどんどんしていって、とにかくこのベルトがほしい、このベルトを巻いてみたい、理由は様々でいいと思うんですけど、そういう選手と防衛戦やりたいのがあるので。ただ普通に挑戦者が現れてやらせてくれっていうんじゃなくて、自分が負けたからやろうじゃなくて、世界ジュニアがほしいという人とずっと防衛戦をしていきたいのがあるんで、それをやるためには落としちゃいけないと思ってるんで、ここもしっかり防衛してこれをずっと続けていきたい気持ちがあります」

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