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9/1【NOAH/インタビュー企画】引退試合へ平柳玄藩インタビュー 「ツバを吐くのもキン○マ握るのも最後、一緒に手拍子してファイナル祭囃子をしましょうよ」

 9・10後楽園大会で約11年間のレスラー生活にピリオドを打つ平柳玄藩。引退を決断した背景や、11年間の思い出をしんみりせずに語った。引退試合では潮崎豪、マイバッハ谷口、キャプテン・ノアと組んで、杉浦貴&鈴木みのる&金丸義信&タイチ組と対決。「ツバを吐くのもキン○マ握るのも最後。一緒に手拍子してファイナル祭囃子をしましょうよ」と呼びかけた。引退試合に向けた玄藩のインタビューは以下の通り。


【平柳玄藩インタビュー】

――改めての質問になりますが、引退を決めた背景を教えてください。

▼玄藩「もうプロレスに飽きたので(苦笑)」

――違いますよね。8・6有明のトークショーでは家族の存在をあげていましたね。

▼玄藩「そうそう。プロレスより家族を選んだって言われがちなんですけど、そういうことではないんです。単純に順番が変わったんです。仕事と家族を比べるのはおかしいかもしれないけど、自分、不器用じゃないですか。だから仕事は仕事なんて割り切れないので。家族と離れるのが嫌なんですよ。巡業に出ると、1週間とか10日以上家をあけることになる。そうなると、嫁一人で子どもが三人もいて。しかも下の二人なんか保育園の年齢ですから」

――奥さんの負担は大きいですね。

▼玄藩「自分も休みの日は子どもを見ていますけど、大変ですよ。家の中は空き巣でも入ったんじゃないかってくらい荒らされてますから(笑) そういうのも普段は嫁が一人で見てるわけですから。小さい子どもは急に熱出したりとかもありますし。こっちは巡業に行っちゃってると、電話がかかってきても何もできないじゃないですか。そういうことがあると、嫌だなって思うこともあったんです。もちろん、試合は試合で自分の好きなことですから楽しいんですけど、家族のことを考えるとこれでいいのかなって思うこともありました。最近では一泊くらいの巡業でも家族のことは気になるようになっていました」

――家族のことを考えると大きなケガなくリングを降りたいという思いもありましたか?

▼玄藩「まあ、僕の試合を見てもらえればわかると思いますけど、ケガの心配はないので(笑) でも、いずれ引退する時は来るじゃないですか。そう考えた時に俺なんか年くってから引退して、何かプロレスの裏方をできるかって言ったら、できることがないんですよ。今36歳でもうすぐ40。高卒で資格もないので、今でさえギリギリなんですよね」

――そういういろいろな背景を加味して今回の決断に至ったと。

▼玄藩「そうです」

――デビューして11年。この11年間はどんな11年間でしたか?

▼玄藩「楽しかったっていう以外ないですよね」

――入門時は苦労も多かったんじゃないですか?

▼玄藩「そうですね。ただでさえできない人間だったし、デビューするのにも1年半以上かかりましたしね」

――同期や後から入った練習生が辞めても、デビューまで頑張れた要因はなんだったんですか?

▼玄藩「サラリーマンをやってたからっていうのもありますし、24歳という年齢だったこともありますね。仕事を辞めてまでプロレスに入って、周りはどうせ逃げて帰ってくるんだろうって感じだったんですよ。そうしたなかで、“やっぱり無理でした"なんて言って帰れないですよね。デビューにたどりつけたのは逃げて帰れないっていう気持ちですよね。本当は毎晩枕を涙で濡らしてましたよ」

――それは嘘ですよね。

▼玄藩「はい(笑)」

――入門時は潮崎選手も寮にいたんですよね?

▼玄藩「ザキさんが一番長く一緒にいましたね。あとから入ってきた谷口、青木は強いし実績があるし、後輩って感じではなかったですよね」

――約11年間やってきてとくに印象に残っている出来事はなんでしょう?

▼玄藩「デビュー戦はたしかカワバタケさん(川畑輝鎮)だったと思いますけど、それよりもデビューしてちょっとしてからザキさんとディファでやったシングルが印象に残ってますね。自分の中では本当のデビュー戦みたいな感じでした」

――なぜその試合が印象に残ってるんですか?

▼玄藩「やっぱり合宿所で一番長く一緒に住んでたし、いろいろ教えてもらった先輩だし。あとは当時は一番嫌いだった人だし(笑) 今となっては本人を目の前にしてもそれを言えるぐらいですけど、当時は本当に嫌いでしたね」

――潮崎選手とのシングルが印象深いのですね。他にもベルトを獲った試合などタイトルマッチ、あるいは対抗戦などいろいろあると思いますが。

▼玄藩「あとは武道館の第1試合で健介オフィスの起田と宮原とやったタッグマッチも印象に残っていますね」

――06年にSEMが旗揚げした頃ですね。

▼玄藩「パートナーは伊藤(旭彦)でした。相手の2人には悪いけど、試合のこととかでいろいろうっ憤が溜まっているなかでぶつけさせてもらいまいした。その試合は印象に残っています」

――GHCジュニアタッグは獲得しましたが、最後までシングルには手が届きできませんでした。そのあたりはどんな思いがありますか?

▼玄藩「もちろんベルトはほしいし、シングルを巻きたかったっていう思いはあります。何年もかかってやっとジュニアタッグのベルトを獲ったけど、やっぱりシングルのほうがほしかったですね」

――ジュニアタッグはパートナーだったSUWA選手の欠場を受けて返上することになってしまいました。

▼玄藩「そうでしたね。返上になった時は“えー"って思いましたね。防衛戦もほとんどできなかったので残念でしたね」

――玄藩選手といえば、KENTA選手(現・イタミ・ヒデオ)にかわいがられていた印象があります。引退の報告はしたんですか?

▼玄藩「もちろん。いろんな意味でかわいがってもらいましたからね。今でもメールとか電話でやりとりはしてるんです。だからレスラーではいちばん最初に相談とかはしていましたね。実は去年の7月ぐらいから、そういう考えを持ってたんです。引退しようかどうしようかっていう。そういう話をKENTAさんにはしていました」

――引退を報告した時はどんな反応でした?

▼玄藩「KENTAさんは何をしても尊重はしてくれるんです。去年の7月の時点で、『今年いっぱいで辞めようと思ってます』って話をしていて、ちょっと経っててからやっぱり…という話をしたら、『だったらとことんまでやれよ。やりたいならやってみろよ』って話をしてくれました。でも今回は完全に引退を決めてからの報告だったので。引退するというメールをしたら向こうから電話がかかってきたんです。たぶん、心配してくれたんですけど、僕はその時、家で一人で酒を飲んでました(笑) 『オマエ、酔っぱらってるじゃねえかよ』って怒られました。『まだ一本目なので酔っぱらってないです』って言ったら『その喋り方は酔っぱらってるよ』って(笑) でも本当にKENTAさんにはいろいろなことを教わったので感謝しています」

――9月10日、後楽園ホールでの引退試合では、潮崎選手、谷口選手、キャプテン・ノア選手とのタッグを主張しました。このメンバーを選んだ理由は?

▼玄藩「ザキさんと谷口さんはずっと合宿所で生活した人だし、引退試合というと思い入れとかそういうものを感じたいわけじゃないですか。あとはキャプテン。ノアに来てからはずっと組ませてもらっているので」

――対戦相手には杉浦選手を指名しました。

▼玄藩「今は鈴木軍としてやっていますけど、入門した当時から一緒にいた人だし、俺も田上さんの付け人をしてて、その前の付け人だった先輩だったので。言ってみればザキさん的な存在でもあるわけですよ。ザキさんには仕事のことをいろいろ教わって、杉浦貴にはそういう田上さんの仕事とかをいろいろ教わった。ノアにいた時はよく飲みにも連れて行ってもらったりもしたので、最後に闘いたい相手なんです」

――引退試合ではどんな平柳選手を見せてくれますか?

▼玄藩「もうきっと人の顔にツバを吐くのも、キ○タマをつかむのも最後になると思うし。普通の仕事でそれをやったらクビになっちゃいますらかね。だから最後の最後は大いに楽しませてもらいます」

――やりたいことを全部出し切る?

▼玄藩「そうですね。そこにKENTAさんがいれば組むのでも闘うのでも絡んでほしかったなっていうのはありますけどね」

――では最後にファンの方へのメッセージをお願いします。

▼玄藩「最後のツバ、最後のキ○タマ握り、最後の昇龍玄藩は決まるかどうかわからないですけど。あとは最後のフェニックス・スプラッシュ」

――それはやったことないですね。

▼玄藩「ハハハハ。とにかくファイナル祭囃子になるわけなので、一緒に手拍子して祭囃子をしましょうよ」

――ちなみに今日はいつもの服装じゃないですね。

▼玄藩 家を出る時には思い出したんですけど、やることがいっぱいあったので、まあいいかって(笑)。保育園の送り迎えとかいっぱいあるじゃないですか」

――あの格好でお迎えにはいかないんですか?

▼玄藩「当たり前でしょ(笑) 9月10日の試合を最後に普通の平柳玄藩に戻ります」

――(※本名の)平柳努に戻るのでは?

▼玄藩「ああそうか、努だ。忘れてた。けっこう長いこと玄藩だったので思い入れはありますよね。こっちのほうが好きですね。とにかく最後の平柳玄藩をやって、9月11日以降は普通の平柳努です」

――満足のいくレスラー人生でしたか?

▼玄藩「それはもちろん。約11年、楽しくすごさせてもらいました。だから満足の行くレスラー人生だったと思います」

☆9/10(土)東京・後楽園ホール『FINAL 祭BAYASHI〜平柳玄藩引退記念試合〜』11:15開場、12:00開始

▼8人タッグマッチ
清宮海斗
友寄志郎
熊野準
石森太二
vs
大原はじめ
拳王
原田大輔
小峠篤司

▼タッグマッチ
小川良成
齋藤彰俊
vs
エル・デスペラード
飯塚高史

▼シングルマッチ
マサ北宮
vs
デイビーボーイ・スミスJr.

▼シングルマッチ
中嶋勝彦
vs
ランス・アーチャー

▼GHCタッグ選手権試合前哨戦
クワイエット・ストーム
vs
矢野通

▼GHCタッグ選手権試合前哨戦
モハメド ヨネ
vs
丸藤正道

▼平柳玄藩引退試合
キャプテン・ノア
平柳玄藩
マイバッハ谷口
潮崎豪
vs
タイチ
金丸義信
鈴木みのる
杉浦貴

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