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12/22【全日本】井上が邪道ルール合意書へのサイン拒否 大仁田がアジアタッグV1戦ボイコットを示唆

 1・2後楽園大会でアジアタッグ選手権試合を控える王者・大仁田厚(パートナーは渕正信)、挑戦者・井上雅央(パートナーは秋山準)が22日、東京・水道橋の闘道館で会見。大仁田は「エニウェアストリートファイトトルネードバンクハウスタッグデスマッチ」ルールを提示し、それを双方が認める“合意書"を用意。井上が「これは秋山社長に持ち帰りという形で」とサインを拒むと、「合意しなければアジアタッグは行われない。それだけだよ。俺、1月2日、寝てるよ」とボイコットをちらつかせて邪道ルール採用を迫った。

 11・27両国大会で大仁田は渕正信との同期タッグで第100代アジアタッグ王者に君臨。試合後、挑戦の名乗りを上げたのが井上だった。ベルト戴冠によって全日マットでの生き残りを狙う井上はパートナーに秋山準を指名。1・2後楽園大会でのタイトルマッチが決まった。

 だが、ルール問題が紛糾したまま今に至っている。大仁田はPWF会長のドリー・ファンク・ジュニアにハードコアルールを採用するよう要求。これを拒まれ、秋山からは「タイツでリングに上がるなら電流爆破や有刺鉄線の使用を認める」と発言されたが、大仁田は「ルールについては、言い出しっぺの井上選手と直接話をつけるのが筋」と主張。この日、井上を呼び出し、公開ルール会議に臨んだ。

 大仁田が考える1・2アジアタッグ戦のルールは「エニウェアストリートファイトトルネードバンクハウスタッグデスマッチ」。タッチによる交代はなく、会場のどこでも対戦相手からフォールを奪うことができ、あらゆる凶器の使用が認められるもので、言うまでもなく大仁田の土俵といえる形式だ。用意周到な大仁田はその文言を記した合意書を用意。「だいたい挑戦表明したのはあなたなんだよ。秋山選手はこうやって構えて解説席にいただけなんだよ。はっきり言うとあなたと俺の戦いでもいいわけよ。秋山選手と渕選手なんて俺から言わせれば刺身のつまみたいなもんだよ」と井上を持ち上げまくった上で、「あくまでも挑戦を表明したのは井上選手だから、井上選手と合意すれば俺はいいのかなと思って今日お呼びしたんですよ。よかったらこの内容を読んで、合意できれば合意してもらいたい」と迫った。

 だが、井上は「馬場さんに指導を受けた4人でタイトルマッチをやるのであれば全日本のスタイルでやる方が僕はいいのかなと思います」と主張し、サインに応じない。ならばと大仁田は「馬場さんの歴史の中でデスマッチは存在してるよ。アメリカではジャイアント馬場さんといえど、数々の地域のチャンピオンとやってデスマッチは存在してるからね」と譲らず。確かに故・ジャイアント馬場さんは海外のみならず、75年7月25日、日大講堂でフリッツ・フォン・エリックとテキサスデスマッチで対決したこともある。この時は場外カウントなしでリング上以外でも勝敗が決する形式でエニウェアフォールと同じようなものだった。

 師匠もデスマッチの経験もある。その現実を突きつけられても、井上は首を盾に振らず。最終的に「僕の一存では決めれないことなので、これは秋山社長に持ち帰りという形で」との意向を示した。

 これには大仁田も不満顔だったが、合意書を井上に預けた。が、これで引き下がる邪道ではない。「合意しなければアジアタッグは行われない。それだけだよ。いいよ、それだけだよ。俺、1月2日、寝てるよ」と秋山&井上から逃げ場を奪うようにボイコットを示唆。王者として第一挑戦者の選択権があることも強硬に主張した。

 「私、大仁田厚は全日本プロレスに対して全然、敵意とか全くありませんので。あくまでも古巣に対して貢献したい」。そう考える大仁田の要求に対し、秋山と井上は受けざるを得ない状況に追い込まれつつある。

☆1/2(月)東京・後楽園ホール『2017ニューイヤーウォーズ』12:00開始

▼アジアタッグ選手権試合
[挑戦者組]
井上雅央
秋山準
(1/60)
大仁田厚
渕正信
[第100代王者組]
※渕&大仁田初防衛戦


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合意書

井上雅央(以下甲という)と、大仁田厚(以下乙という)は、以下について合意します。



2017年1月2日後楽園ホールにて開催の、「全日本プロレス・ニューイヤーウォーズ」における、アジアタッグ選手権ルールにつきまして、PWFルールにこだわらず、自由な選択権の元に(なんでもあり)、机、椅子、有刺鉄線、等々あらゆる凶器が認められる「エニウェアストリートファイトトルネードバンクハウスタッグデスマッチ」のルールを採用することを、承諾いたします。


【会見の模様】
▼大仁田「まだ全日本プロレスの井上選手が到着していません。今回、ルールで押し問答をやってるんですけど、私、大仁田厚は全日本プロレスに対して全然、敵意とか全くありませんので。あくまでも古巣に対して貢献したいな、また古巣に対していろんな思いがあります。ルールに関して秋山選手が昔のタイツでこいと言われたんですけど、僕は25年以上あのスタイルでやってるもんですから、あれが身についてお肌から離れないと。あのスタイルが定着してますので。今回、井上選手をお呼びしたのはあくまでも(11・27)両国におきまして、井上選手が嘆願して、そのサポート役として秋山選手、秋山社長を指名したという形になってますので、あくまでも挑戦者は井上選手であるという僕の中で思ってますので。申し訳ありませんが、簡単に言いますと僕と井上選手の戦いかなという。僕は先日、ドリー・ファンク・ジュニアさんと会いまして、一応、僕はハードコアルールでやりたいという意思はきちんと本人に伝えましたので。PWFルールでやってほしいということは言われましたが、あくまでも僕は25年以上、このルールを貫いてますので。僕としては合意書を作ったんですけど、これに全日本プロレスに合意してもらいたい」

▼井上「お疲れ様です。遅くなりました」

▼大仁田「いいよ、いいよ。お茶でも飲んで」

▼井上「ありがとうございます」

▼大仁田「いろいろ補足した説明をしてるんですけど、僕としては全日本プロレスはよき古巣であると。ただ僕としては25年以上このスタイルを貫いてますので、もしよかったら、人生の中でいろんな経験って必要だし、井上選手も崖っぷちだということを聞いて、あくまでも挑戦を表明したのは井上選手だから、井上選手と合意すれば俺はいいのかなと思って今日お呼びしたんですよ。よかったらこの内容を読んで、合意できれば合意してもらいたいなと私は思っておりますけど、どうでしょう?」

▼井上「これを読ませていただいて、大仁田さんの気持ちは凄くわかります」

▼大仁田「いや、僕の気持ちじゃないんだよ。僕の生き方だし、全日本プロレスというのはある種、王道というものを貫いてるのもわかるんだけど、新しい波も必要かなという。WWEがECWを吸収した時のように、秋山社長にそのぐらい吸収するぐらいの気持ちでいてほしいなと俺は思うけどね。どうかな?」

▼井上「やっぱり馬場さんに指導を受けた4人でタイトルマッチやるというのは、まずめったにないというか、この先あるかどうかわからない状況…」

▼大仁田「井上選手も馬場さんに指導受けたんだ?」

▼井上「はい。馬場さんにプロレスを教わったので、この4人でやるのであれば全日本のスタイルでやる方が僕はいいのかなと思います」

▼大仁田「俺、非常にわかるけど、申し訳ないけど馬場さんもアメリカ修行時代、デスマッチやってるからね。馬場さんの歴史の中で全くデスマッチがないといったら、それはうそだよ。(コーヒー)おいしい?」

▼井上「おいしいです」

▼大仁田「コンビニのじゃないから。ちゃんとコーヒー屋で買ってきたから。井上選手、馬場さんの歴史の中でデスマッチは存在してるよ。猪木さんもそうだ。ネールデスマッチやったり。アメリカではジャイアント馬場さんといえど、数々の地域のチャンピオンとやってデスマッチは存在してるからね。だから王道、王道というけど、所変われば状況も変わる。人が変わればルールも変わるという。ねぇ、人が変わればルールも変わるんだよ。俺はPWFルールに対して、ドリー・ファンク・ジュニアに対してあくまでPWFルールじゃないと。今、俺がチャンピオンだから。俺がルールを決めるってことをちゃんと筋を通したから。それを秋山社長がタイツとシューズでこいって、あれ10代の写真だよ。10代の時に全日本プロレスのルールでやる。それは当たり前。俺、新人だもん。俺は何で井上選手を呼んだかというと、だいたい挑戦表明したのはあなたなんだよ。秋山選手はこうやって構えて解説席にいただけなんだよ。はっきり言うとあなたと俺の戦いでもいいわけよ。だけど一応、タッグのベルトだから秋山選手と渕選手がいなければ成り立たない。だけど秋山選手と渕選手なんて俺から言わせれば刺身のつまみたいなもんだよ。あんたと俺の戦いだよ。刺身のつまだろ。トロかなんかに白いやつがついてんじゃん。誰もみやしねぇよ、そんなの。あんたと俺の戦いだよ。だからこれ合意してくれって言ってるんだよ」

▼井上「そう言っていただけるのはありがたいですけど、僕の一存では決めれないことなので、これは秋山社長に持ち帰りという形でいいですか?」

▼大仁田「ほら。あのな、持ち帰りとかさ、やめてくれよな。持ち帰ってどうするんだよ? ここにチョチョイとサインすればいいだけじゃん。首になったら俺とやりゃあいいんだよ(笑)」

▼井上「タッグなんで、ここは。シングルマッチならもちろんサインは…」

▼大仁田「首になったら新・全日本プロレスとか作ればいい。俺、参戦するよ」

▼井上「そんな余裕ないです(苦笑)」

▼大仁田「日にち書いておこうか。書いておくからさ」

▼井上「持ち帰りでいいですか?」

▼大仁田「(日付を記入後)持ち帰り? 持ち帰ってどうするの? なくしたらどうするの?」

▼井上「子どもじゃないんで、なくさないんで大丈夫です(笑)」

▼大仁田「そう? 持ち帰り…持ち帰りかぁ。じゃあ一応こういう合意書を渡したってことで」

-―パートナーの渕はこのルールを承知している?

▼大仁田「電話かけたけど留守番電話だったから、留守番電話に入れといたよ。だけど井上選手、聞いてくれ。俺、悪いけど両国でよ、渕選手の説得で俺は(電流爆破バットのスイッチを)消したわけじゃん。いったん引いたわけじゃん。そしたら今回は俺の主張を通したっていいだろってことなんだよ。全日本プロレスは電流爆破を許したわけじゃん。電流爆破の装置をつけたんだから許したわけじゃん。何で今回許されないんだよって話なんだよ、俺からしたら。王道だとか、井上選手も固いこと言ってるけどさ。俺が言いたいのは今回引いたんだからってこと。(渕は)留守番電話で出ねぇんだよ。留守番電話に入れといたんだよ。『電流爆破、俺はちゃんとスイッチ切ったから、渕選手、今回は俺の主張を通してくれ』と。それが筋だろうと。うんともすんとも言わないから。それからコールバックも全くないんだよね。たぶん田舎に引っ込んだから電波が通じないんだよ。圏外かもしれない。凄ぇ田舎なんだよ。代々木にいたのによ」

――映像を見るとドリー会長は明らかに「ノー」と言っていたが?

▼大仁田「だから筋を通したというのは、はっきり言って主張をしたという。それが俺の筋なんだよ。井上選手の筋はこの合意書を秋山社長のところに持っていくという筋。だからいいよって。だけど合意しなければアジアタッグは行われない。それだけだよ。いいよ、それだけだよ。俺、1月2日、寝てるよ。なぁ?」

▼井上「なぁと言われても困りますけどね(苦笑)」

▼大仁田「あんた、面白いな。まぁお茶でも飲みなよ。だから俺は申し訳ないけど、敵意も何もないって。愛情だけだよ。全日本プロレスに対する愛情だけだよ。愛情の裏返しってあるだろ。好きで好きでしょうがないんだ、全日本プロレスが。俺、井上選手の大先輩だよ。全日本プロレスの入門第1号だよ。あんた土壇場というか崖っぷち?」

▼井上「崖っぷちです。崖っぷちもいいところです」

▼大仁田「崖っぷちだったら落ちるか落ちないかと言ったら落ちた方がいいだろう?」

▼井上「いや、落ちるの意味がちょっと違うんじゃないですか(苦笑)」

▼大仁田「井上選手、好きよ。いいね」

▼井上「ほぼ初対面なんですけどね」

▼大仁田「ホントだよ。持ち帰る?」

▼井上「はい。大仁田さんの意思は伝えます。あとはドリー・ファンクのそっち(判断)も必要ですよね」

▼大仁田「もう年取ってるからな。頭固くなってるんじゃないの。だってノー、ノーって言えばいいと思ってる。聞いてないんじゃないか、俺の話を。通じてんのかな? PWFルールしかダメなんだ、みたいな…頭固いんだよ。困ったもんだ。PWF会長自身がTシャツ着てんじゃねぇかって。だったら脱げよって。会長自身がTシャツ着てんのに、何で俺が脱がなきゃいけねぇんだよ。Tシャツなんて何ミリだぜ。関係ねぇだろ、あまり。(井上に)着てんじゃん、Tシャツ」

▼井上「今は着てますけどね。今、脱いでたら変な人ですけど(苦笑)。試合の時は着てないです」

▼大仁田「知ってる? エニウェアストリートファイトトルネードバンクハウスタッグデスマッチ。一応ルールを教えとくよ。何でもありなんだよ。基本的に何でもあり。エニウェア、後楽園ホールのどこでもあなたをフォールできるってことなんだよ」

▼井上「リング上じゃなくても?」

▼大仁田「全然。後楽園の敷地内ならどこでもいい。売店の上でもいいし、グッズの上でもいいし。リング下はダメ。お客に見えないから。ある程度見えるところで。ストリートファイトってのは俺が考えた、ジーパン履いたりする、格好は自由だよと。秋山選手がパンツ履いていようと、あなたがパンツ履いていようと何してようと関係ないよ、フリーだよと。トルネードはタッチとかそういうのは必要ないんだよ。バンクハウスというのはあらゆる凶器を持ち込めるという。このルールを採用することを承知してくださいと。給料、誰からもらってるの? ギャラ」

▼井上「誰からって、出た試合の…」

▼大仁田「誰からもらってるの? 社長から出てるの? だからか。弱いな」

▼井上「立場的には末端ですから」

▼大仁田「まぁ、しょうがねぇな。だけど持ち帰って近日中にアレしないと時間ないから」

▼井上「お預かりします」

▼大仁田「言っといて、秋山社長に。万が一、合意できない場合はアジアタッグは行われないと。よーく聞いといて。あのね、国際ルール、ボクシングもそうですよね。チャンピオンになった時点で、第一挑戦者の選択権はチャンピオンにあるんですよね。だから僕はあなたを拒否することもできるんだよ、今回」

▼井上「ボクシングの場合ですよね?」

▼大仁田「俺、大先輩だから」

▼井上「すいません(苦笑) わかりました」

▼大仁田「ボクシングもプロレスも、国際ルールがそうだから。だから俺の言ってることはある種、王道なんだよ。全世界が認めるボクシング機構が認めることを俺はちゃんと言ってるんだよ、主張してるんだよ。選択権は俺にあるんだよ。だからここで『井上さん、バイバイ、さよなら。あなたいらないよ、挑戦権与えないよ』。それまでなんだよ。それもよーく秋山社長に伝えること。ということでありがとうございました」

▼井上「こちらこそ」

▼大仁田「(コーヒー)持っていって」

▼井上「ありがとうございます」

▼大仁田「秋山選手に井上選手、大きな声で嘆願していただきたいなと私は思います」

▼井上「伝えます」

▼大仁田「どうぞ」

▼井上「お先に失礼しちゃって大丈夫ですか?」

▼大仁田「いいよ、(コーヒー)持っていって」

▼井上「失礼します」

※井上が退席後
▼大仁田「今回、合意に達しませんでしたが、井上選手が秋山社長に持ち帰るということで、もし万が一これが受けられなければ、チャンピオンに選択権がありますから挑戦者の。1回目の防衛戦に関しては挑戦者を決めるのはチャンピオンに僕はあると信じてます。それが僕は真の王道だと思ってます。拒否する可能性も十分あると。今日はどうもありがとうございました」

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