プロレス・格闘技の情報満載!全日本・ノア公式モバイルサイト

3/30【WRESTLE-1】「変化する状況は自分で作り出す」 クルーザー王座戦へアンディ・ウー インタビュー

 3・20後楽園大会で新クルーザー王者となった吉岡世起に突じょ挑戦表明をしたのは、セコンドで応援していたNEW ERAのチームメイトのアンディ・ウーだった。4・19後楽園大会で早速同王座に挑戦することも決定。同志でありライバルでもある吉岡との一戦を前に、元王者は何を語るのか――。


【アンディ・ウー インタビュー】

──吉岡のクルーザー王座戴冠時、即座に挑戦を表明したが?

▼アンディ「同じNEW ERAのチームメイトである吉岡選手がクルーザーに挑戦したんですけど、その対戦相手は自分が年始に負けたMAZADA選手だったんですよね。だから、ここは吉岡選手に勝ってもらいたいと思って、セコンドで応援しようと思ったんですよ。実際、試合中はずっと応援してましたからね。素直に勝ってもらいたいと。でも、いざ吉岡選手がベルトを取り、マイクを持って『クルーザーの今を作る』って言った瞬間に変わりましたね」

──応援する気持ちが?

▼アンディ「獲った瞬間はうれしい気持ちもあったんですけど、悔しさみたいな気持ちも湧いてきたんですよね。『それは俺がやる!』っていう気持ちのほうが強くなって。だから、その場で居ても立っていられずに、気づいたらリングでマイクを持っていましたね」

──リングに上ったことも分からなかったぐらいの衝動が湧いてきた?

▼アンディ「『俺のやりたいこと、俺のやるべきことを取られた』みたいな感情はありましたよね」

──クルーザーベルト自体は先に獲得しているが?

▼アンディ「そうですね。ただ、あの時ももっと防衛を重ねたかったし、チャンピオンとして経験できることってあると思うんですよ。僕はベルトはそのためにあると思っているんで。一度落としてから何度か挑戦しているんですけど、取るには至らなかったので、スキあらばいこうというのが常に頭にはありますね」

──吉岡はアンディ選手に同志的な気持ちがあると言っていたが?

▼アンディ「たしかに旗揚げから一緒なんですけど、僕は旗揚げ戦出てないんですよね。メキシコにいたんで(笑) まあ、1カ月遅れでこっちに合流してなんか孤独な感じはあったんですけど、吉岡選手のことは僕も常に意識していますね。当時から意識していましたし、それこそメキシコにいても意識する存在でしたからね。歳も同じぐらいだし、階級も同じだし。で、毎回闘っていて、勝ち負け抜きにして凄く楽しいという感覚があります。結果的に勝った負けたはあるんですけど、ガンガンやり合える相手なんでね。吉岡選手もそうかもしれないですけど、自分の持っている物をすべて出せる。凄く楽しい相手なんですよね」

──そういう感覚は他の相手だとなかなかない?

▼アンディ「ないですね。だから、今回のタイトルマッチは凄く楽しみですね。もちろんベルトを取ることも重要なんですけど、吉岡選手との闘いが楽しみです。前に僕がベルトを持っている時にもタイトルマッチ(2015年12・24後楽園)をやっているんですよ。あの試合は僕が勝ちましたけど、ギリギリの闘いをやって、凄く楽しかったのを覚えています」

──手が合う?

▼アンディ「そうですね。まあ、シングルの戦績だと僕が一つ負け越しているので、今回は僕が勝ってイーブンに持ち込んで、その後の初防衛戦も吉岡選手を指名して、それにも勝って勝ち越しを狙いたいです」

──NEW ERAとして互いに日々の成長を実感している?

▼アンディ「蹴りの切れ味が以前より増して怖くなってきたかなと思いますね。前は『受けたるわ』っていう感じでやっていたんですけど、最近は当たるとやばいなというのがありますね。ゾッとする瞬間があるんですよ。ベルトを取る前は自分の型というか、形にハマっていたという部分があったと思うんですよね。だから、キレが増したというよりも、形をなくしたんですよ」

──形をなくした?

▼アンディ「はい。キレが増したというのはその結果だと思います。以前はカンフーのバックボーンがあるからカンフーの技をやらなきゃとか、ルチャの修行に行ったからルチャをやんなきゃっていうのがあったんですよ。でも、今は形に拘らず、自分の身体を空にして、水のような感覚になっていますね。動きは中国武術じゃなくても、その要素は武術なんですよ。つまり、これまで僕が習得してきた中国武術やルチャという形はいらなくなるために必要だったということなんです」

──武術の真髄に近づいている感じ?

▼アンディ「そうですね。相手を騙している感覚もありますね。例えばキレがない普通の動きをする。ところが、それが逆にキレにつながることもある。その状態ならその先のキレにも到達することができる。だから、まず自分を弱くしておくことですね。そして、ここぞという時に自分の力をポンと出す。そういう技術もあります。ただ、それはリング上でやってみないとわからないんですよね(笑)」

──練習して得られるものではない?

▼アンディ「感覚ですね。僕はブルース・リーの影響も受けているんですけど、『考えるな。感じろ』って言うんですよ。ただ、考えてしまうし、考えてるようで考えてないような時もあります。その時の体調とか観客の温度とか、環境によって変わってくることもあるんですよね」

──ルチャの修行をしてきたからルチャの技を出さなきゃいけないとか、そういった形にとらわれなくなってきたと

▼アンディ「そうですね。そこにとらわれていました。ただ、それはそれでいざという時にルチャの引き出しを身につけられたんで必要な修行だったんですよ。でも、それは身についたらいらないわけで」

──アンディ・ウーのプロレスがしっかりと固まり始めてきた?

▼アンディ「そうです。固まり始めてきましたね」

──吉岡は『アンディはベルトを落としてから、波がある』と言っていて、タイトルマッチにはキレッキレの状態で来てほしいと。

▼アンディ「波があるのはたしかですけど、言われるまでもなくキレッキレで行きますよ。体調は絶好調ですし、僕はケガをしたことがないんでね。欠場もしたことないですし、万全の状態で後楽園ホールのタイトルマッチに臨めると思います」

──W-1も新体制になり、その一発目の後楽園大会でタイトルマッチを若い世代でやる形となるが?

▼アンディ「一言で言うとおいしいなって(笑) あと、応援してくれている人たちから『W-1大丈夫?』って言われるんですけど、『大丈夫です』と言いたいですね。体制が変わろうが、自分は自分でい続けることが大事だと思うんですよ。周りが変わったから自分も変わるのではなく、まず自分で変わると。変化する状況は自分で作り出す。その結果、周囲が変わればいいと思ってますから。もし不安を持っている人がいるなら、それを忘れさせるぐらいの試合を吉岡選手と2人でやりますよ。まあ、全力で闘いにいきますんで、4月19日の後楽園大会は楽しみにしていてください」

プロ格 情報局