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4/25【リアルジャパン】S・タイガーとのレジェンド王座戦で見据えるは「決闘」 4・27後楽園へ大谷晋二郎インタビュー

 4・27後楽園大会でスーパー・タイガーとのレジェンド王座3度目の防衛戦を控える大谷晋二郎。初代タイガーマスクが掲げるストロングスタイルを「たとえ1分、たとえ5分でも目の離せない、言うならば試合ではなく決闘を見せてくれって佐山先生は言っているんじゃないか」と解釈し、「ゴングが鳴っても体に触れず、にらみ合いだけで3分が経つ。それでもお客さんが視線をそらしたくないって思う試合――そのぐらいの決闘をスーパー・タイガー選手が受けてくれるなら僕はしたい」と挑戦者に呼びかけた。リアルジャパン提供の大谷インタビューは以下の通り。

【大谷晋二郎インタビュー】
――レジェンド王座のベルトが体の一部のように非常にしっくり来ていますね。

▼大谷「うちは普通の興行にプラスお祭りであったり様々な場所で試合をするんですけど、そのほとんどで僕はこのベルトを巻いて上がっています。なので、さすがにここまで僕がつきまとうとベルトも根負けしたというか、僕のことを好きになりかけている、なっている感じがあります」

――会見では自分とベルトの関係は「相思相愛」という言葉がありました。

▼大谷「ベルトには魂がありますから、僕は誰に笑われても言い続けます。ベルトは生きているんです。そしてこのベルトが『今日も勝ってよ』とか時に言葉を投げ掛けてくる。会話ができるんですけど、その話し掛けてくれる頻度が最近増えてきました」

――「ベルトが自分から離れたくないと言っている」、そんな風にも言われていましたね。

▼大谷「今回は本当に佐山先生の一番弟子が、満を持して“意地でも奪い取ってこい"という形でスーパータイガー選手が指名されたと思っているので、彼に勝ったら遂にベルトが『やっぱりあなたが好き』と言ってくれそうな気がしています。もしそうなったらもう僕から離れないですよ。でも、僕の中では佐山先生が本腰を入れて“あのベルトをリアルジャパンに取り戻せ"という気持ちで今回の試合が組まれたんじゃないかと思っています」

――「自分は今でも自信を持ってプロレスファン」という言葉も会見の中で印象に残りました。

▼大谷「僕は地方へ行ってお客さんたちと食事に行ってプロレスの話とかをすると負けたくなくなってくるんです(笑)。『あの時はこうでしたよね?』って言われるのに対して、『なに言ってるんですか、あの時はこうでしたよ』って(笑)。本当に応援してくださっているお客さんにでも、“プロレスファン"ということに関しては僕は張り合いますから。僕の方がファンですよって(笑)。プロレスラーになってもう25年が経ちますけど、僕はプロレスに対して幻滅したとか、大好きな気持ちが冷めたということはこの25年でみじんもありません」

――これだけプロレスをやってきて、“もういいや"でしたり飽きるという気持ちはない?

▼大谷「25年経って、間違いなく折り返し地点は通り過ぎていると思います。でも今の僕はこれは投げやりな気持ちじゃなく、次の試合でレスラー生命が絶たれても後悔しない自信があるんです。“次の試合で終わってもいい"とか、そういうわけじゃないですよ。けど大怪我をする可能性だっていっぱいあるし、いつダメになっても後悔しない自信があります。それはもしかしたらプロレスラーが持つべき中で一番強いものじゃないかなって気がするんです。“いつダメになっても後悔しない"――その気持ちがあるっていうのは、対戦相手からしてみたらこんなに怖い奴はいないと思います。試合の中でいえば、何度やられてもその度に立ち上がってくる。会見でも言いましたが、そういうゾンビみたいな男が一番怖いんです」

――それがプロレスラーとして一番の武器ではないかと。

▼大谷「『一番強い人ってどういう人か分かる?』って聞くと、子どもたちは『ケンカが強い人』『負けない人』とかって言うんです。でも僕の考えは違くて、人はいつかは絶対負ける、負けることがある。けど『本当に強い人っていうのは負けた時に立ち上がっていく人、何度でも立ち上がっていく人のことを言うんだ』って偉そうですけど僕は言うんです。僕はプロレスラーとして“いつレスラー生命が絶たれても後悔しない、それまでは何度でも立ち上がってやる"、そういう気持ちを持ってやっています。

――その信念がプロレスラー大谷晋二郎の土台であり一番の武器になっているのですね。

▼大谷「これも偉そうに言わせてもらえば、その気持ちをスーパー・タイガー、あなたは持っていますか?って。そこを僕は試合で見せたいです。佐山先生は『いい試合を期待しています』と言っていますが、それは裏を返せば『スゴい試合をやってくれ』ということだと僕は思うんです。『スゴい試合』っていうのは30分、60分やるんじゃない。たとえ1分、たとえ5分でも目の離せない、言うならば試合ではなく決闘を見せてくれって佐山先生は言っているんじゃないかって、僕はこの世界に25年いて思います」

――凄みのある試合と言いますか。

▼大谷「『いい試合』って言うと、普通噛み合う試合のことだと思うじゃないですか。でも、おそらく先生はそういう試合を求めていない。だから佐山先生は『ストロングスタイル、ストロングスタイル』って言うんです。“ストロングスタイル"を説明できる人は誰もいないですけど、僕は“いい試合"というのをストロングスタイルの世界でたとえると“スゴい試合"だと思っています」

――それは大谷選手のストロングスタイル観にも繋がってくる話ですね。

▼大谷「僕は歓声より驚きの声を上げさせたい。よそ者の僕が言うのも何ですけど、それがリアルジャパンというリングの本道じゃないのかなと思います。それは会見の雰囲気にしろこの道場の雰囲気にしろ、何にしろ感じることです。噛み合う試合、スイングする試合もいいですよ。そういう試合があってもいい。でもリアルジャパンのベルトを争う試合は、“スゴい試合"というものでなければと僕は思っています。佐山先生が『ストロングスタイル』を連呼するのはそういうメッセージだと僕は勝手に受け取っています」

――“スゴい試合"こそ、リアルジャパンのメインやタイトルマッチにふさわしいと。

▼大谷「ゴングが鳴っても体に触れず、にらみ合いだけで3分が経つ。それでもお客さんが視線をそらしたくないって思う試合――そのぐらいの決闘をスーパー・タイガー選手が受けてくれるなら僕はしたい。リアルジャパンのあのベルトを争う試合はそういう決闘じゃなきゃいけないと僕は解釈しています」

――スーパー・タイガー選手からも噛み合う試合や上手いプロレスをやるつもりはないというコメントがありましたから、ストロングスタイルでぶつかり合う試合が見られそうです。

▼大谷「会見で出た“殺人キック"がどういうものか分からないですけど、“殺人キック"と言われて怖くないわけがない。でも、仮にそれを受けてしまっても俺は立ち上がるよと。だから逆に言えば、殺人キックとやらを出した瞬間が大谷晋二郎一番の必殺技が出る時だと思っています。何度でも立ち上がってくる男が一番怖いんです。僕は25年間このプロレス界にいて、すごい技術がある人間より、やられてもやられても立ち上がってくる人間が一番怖い。そしてそういう男が最後には頂点を極めるという僕の理論があるんです。その世界にお前は足を踏み入れられるのか? というのをスーパー・タイガー選手には言いたいです」

――そして今回3度目の防衛を果たすと。

▼大谷「最近は肩にポンと置いたら、接着剤でもついているのかと思うぐらいベルトが肩から離れないんです。全国いろんなところへ持っていって、僕もベルトに非常に愛着が湧いてきました。リアルジャパンさんは早く取り戻したいのかもしれないですけど、しょうがないですよ、ベルトが僕から離れないんですから」

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