7/9【WRESTLE-1】「僕がタップさせた人たちのトーナメント」W-1王者がGP辛口予想 芦野祥太郎インタビュー
W-1王者として最多防衛記録を作った芦野祥太郎。7月12日の後楽園ホール大会で開催される『W-1 GP 2017』には出場せずに、その優勝者を9月2日の横浜文化体育館大会で迎え撃つことになった。誰が自らの目の前に立つのか。王者自身に予想してもらった。
【芦野祥太郎インタビュー】
──チャンピオン!『W-1 GP』の日が近づいてきました。誰がグランプリを制するのか? そして9月2日、横浜文化体育館で誰が自分の目の前に立つことになるのか?その予想をしてください
▼芦野「じゃあ、トーナメントの山順にやっていきましょうか」
──よろしくお願いします! では、まずは1回戦の河野真幸vs稲葉大樹ですね
▼芦野「実力を考えれば河野さんですね。稲葉さんはチャンピオンでしたけど、みんなそのことを忘れていますからね。それぐらい存在感の薄いチャンピオンでしたから。それじゃダメなんですよ。だから、ここは普通に河野さんが勝ち上がりますね」
──この2人は昨年の11月にタイトルマッチでぶつかっているんですよね
▼芦野「やってますね。凄く熱い試合だったんで、そういう試合をここでも見たいです。で、河野さんは3月でしたっけ?」
──芦野選手とのタイトルマッチですか? それなら3月20日の後楽園ホール大会でしたよね
▼芦野「そうそう。アンクルロックでタップを奪っています。で、稲葉さんが2015年ですね。デビューした年の11月にシングルでやって、やっぱり僕がタップを奪ってます」
──その試合は2015年11月27日の後楽園ホール大会ですね。たしかに変形アンクルロックでタップさせてます
▼芦野「つまり2人とも僕がタップアウトさせた人間っていうことです」
──なるほど(笑)
▼芦野「まあ、2人と闘った感じだとさっきも言ったように圧倒的に河野さんです。ということで、次にいきましょう」
──次は近藤修司vs伊藤貴則。伊藤選手は7月2日に行なわれたACE新木場大会の出場者決定トーナメントを勝ち上がってきてのエントリーですね
▼芦野「立花との決勝もいい試合でしたね。僕は立花に来てほしかったんですけど、そこは実力差が出たと思います。伊藤はまだキャリア9カ月ぐらいで凄いと思いますよ。技術的にはまだまだ浅いところもありますけど、負けん気が見えてくるんで。それが今の彼の一番の魅力なのかなって思います。一方の近藤さんは文句なしで強いです。ただ、W-1のチャンピオンシップには縁がない」
──無差別級のベルトを取ってないんですよね
▼芦野「そうなんですよね。ただ、近藤さんは頭脳を使ったプロレスをしてきますから。伊藤がそれに対してどこまで対応できるのか?キャリアで判断するのは好きじゃないんですけど、さすがに違いすぎますよね。伊藤は直線的な闘い方しかできないし、体格では上回っていても簡単にひっくり返されてしまうでしょう。河野さんと近藤さんのシングルも見たいので、ここは近藤さんですね。で、近藤さんは4月ですね」
──あ、またタップアウトを奪った日ですか? これは4月19日の後楽園ホール大会でのタイトルマッチでしたね
▼芦野「はい。で、伊藤も4月に札幌でシングルをやってるんですよ」
──4月9日の札幌大会ですね
▼芦野「これもタップさせてます」
──この2人も芦野選手がタップアウトを奪った者同士の試合ということですね(笑) さて、次は征矢学vs熊ゴローというカードです
▼芦野「ああ、鈴木こと熊ゴローですね。鈴木は熊ゴローなんてふざけたリングネーム使ってますけど、甘えですよね」
──何に甘えてるっていうんですか?(笑)
▼芦野「リングネームに甘えてるんですよ。いま鈴木優也に戻っても誰も注目しないでしょう。人間としてもつまらないですから。まあ、これは征矢さんが完封しますよ」
──完封! 熊ゴロー選手もタッグ戦線でけっこういい結果を残しているんですけどね
▼芦野「でも、タッグ止まりなんですよ。シングルでは何も実績を残せてないじゃないですか?結局は誰かの金魚のフンなんですよ。前は征矢さんやAKIRAさんについていて、今は土肥さん。1人じゃ何もできない」
──同期に対しては異常に辛らつですね(笑)
▼芦野「まあ、上がってきてほしいとは思いますけど、冷静に考えれば無理でしょう。で、征矢さんは5月4日ですね」
──はい、後楽園ホール大会でタイトルマッチをやって、これもアンクルロックでタップさせてますね
▼芦野「鈴木に至ってはデビュー戦でタップさせてますから」
──2015年2月13日の後楽園大会ですね。お互いがデビュー戦でした
▼芦野「逆エビ固めでタップさせてますよ。いやあ、ここまで見事に全員シングルでタップさせてますね。我ながら凄いな」
──タップアウトコレクションですか(笑)
▼芦野「結局はこれは僕がタップさせた人たちのトーナメントってことですね。なんか弱いトーナメントだな」
──そんなことないですよ!(笑) では、1回戦の最後は土肥孝司vs黒潮“イケメン"二郎というNEW ERA対決ですね
▼芦野「NEW ERAというよりはTAJIRIチルドレン対決ですよね。TAJIRIイズムをもの凄く受け継いでいる児玉、イケメン。ちょっとそれている土肥っていう感じですね、僕から見たら。まあ、僕もこんだけ尖る前はお世話になりましたからね、この2人には。これは予想するのが一番難しい試合ですね……あ、ここはドローじゃないかな?」
──ああ、1回戦は15分1本勝負ですから、時間切れ引き分けの可能性もありますよね。ちなみに引き分けの場合は両者失格になります
▼芦野「じゃあ、ドローだ。この2人はハッスルから10年以上の付き合いなんでしょ? お互いに意地もあるから決着つかなそうですよね。ああ、やっぱりドローだ。ということは両者失格で、征矢さんが軽く決勝進出ですね」
──たしかにドローになる可能性もありますけど、イケメン選手は1カ月前に近藤選手にシングルで勝って勢いがありますよ
▼芦野「すんなり勝ちましたよね。あれは驚きですよね。でも、じつは近藤さん、ジャケット着たかったんじゃないですか?」
──じつはカツラを被って、あれをやりたかった、と(笑)
▼芦野「だからイケメンさんがすんなり勝てた可能性はありますよ。一方の土肥さんはNEW ERAでは一番主張が強いんですよ。ただ、僕は去年の12月に復帰してから、今年は2月以外は全部後楽園でシングルやっているじゃないですか? しかも、相手は全員アンクルロックで倒している」
──イケメン選手も1月8日の後楽園大会でタップアウトを奪っていますよね。土肥選手はそれこそこの間の6月6日の後楽園大会で勝ったばかりですし
▼芦野「だから、土肥さんは研究材料がたっぷりあったんですよ。それなのに覆すことができなかった」
──これだけ手の内を見せているのに
▼芦野「それだけ僕が強いからなんですけどね。まあ、僕もみんなが逃げ方を研究しても、それを上回る逃げられない研究をしているんで」
──強すぎるから仕方ないと(笑)
▼芦野「そういうことです。まあ、話を戻しますけど、イケメンvs土肥はドローで両者失格!」
──わかりました(笑) では、いよいよ準決勝です。まずは河野選手と近藤選手ですね。
▼芦野「これは事実上の決勝戦と言ってもいいんじゃないですか? ヒザvsラリアットになりますね。ただ、近藤さんは寝技はそんなに強くないんですよ。グラウンドの技術では河野さんのほうが上手ですよね。しかも体格差もあるし、僕のアンクルロックみたいに体格差関係なく仕掛けられる技もないですからね。パワー対決になっちゃうと近藤さんは分が悪いですね。この試合は相当おもしろそうですけど、ここは河野さんが勝つでしょう」
──ということは、決勝戦は河野選手と準決勝をせずに勝ち上がる征矢選手との対戦ということになりますか?
▼芦野「そうですね。征矢さんは3連覇がかかっていますけど、河野さんは意地でもそんなことさせないんじゃないですか? たしかに征矢さんはノーダメージで勝ち上がってきますよ。僕の予想が当たれば準決勝はしなくていいし、1回戦は鈴木ですからね。鈴木には一点攻めをする技術がないんで。セントーンしかないですからね。で、避けられてラリアットで負けるでしょう」
──同期に対しての愛情がまったくないですね
▼芦野「あるわけないでしょう。まあ、だから征矢さんのほうが有利だけど、河野さんが意地でも3連覇を阻むと。僕の願望も込めて、優勝は河野さんですね。おめでとうございます!」
──優勝は河野選手!ところで、以前からおっしゃっていますけど、河野さんともう一度やりたいという理由を改めて教えてもらえますか?
▼芦野「タイトルマッチで勝った時は一発逆転だったんでね。もっと僕のペースで勝ちたい。ねじ伏せたいんですよ。なんかインタビューとかで優勝したら新王座設立とか言ってますけど、そういうことは一切やらないでいただいて、純粋に僕のベルトに挑戦してきてほしい。まあ、結局はこのグランプリは僕への挑戦者決定トーナメントということになりますよね」
──構図としてはそうなってしまいますけど、グランプリ覇者にはちゃんと別の価値があると思いますよ
▼芦野「いや、W-1からのリリースに最強を決めるとかなんとかって書いてあったんですけど、訂正してほしいですね。ナンバー2を決めるトーナメント。挑戦者決定トーナメント(W-1 GP)という表記にしてほしいですね」
──でも、昨年のグランプリはケガで悔しい思いをされているじゃないですか? 今年はその雪辱で出てみたかったみたいな気持ちはありませんでしたか?
▼芦野「全然ないですね。3試合もしたくないんで。1試合で十分です。去年ケガでダメだったんですけど、あんま未練はないですよね。なんでトーナメントに出たかって言ったら、ベルトが欲しかったからなんで。復帰してすぐにベルト取っちゃったし、グランプリに関してはそこまでの思い入れもないですよ。だって、一番強いチャンピオンが出てないわけでしょ? しかも、今回のメンバーはみんな僕がタップアウトさせてる人ばかりですよ。大丈夫なんですか、このトーナメント?」
──いや、チャンピオンのこの言葉を聞けば、参加選手はみんな燃えますよ(笑) きっと素晴らしい大会になるんじゃないですか?
▼芦野「本当ですか? まあ、あくまでこれは予想なんで、一つも当たらない可能性もありますから」
──まあ、優勝予想は河野選手でしたけど、同世代の若い選手に来てほしいという気持ちはないですか?
▼芦野「いや、強い選手に来てほしいですね。同世代とかどうでもいいんで。キャリアは関係なく強い人としっかりとした試合をしたいというのが僕の思いですよ。僕を叩き潰したいっていう気持ちが見えれば若い選手でもいいですけど、NEW ERAとかはただ仲良しこよしでやっているだけですからね。まあ、誰が来ても横浜文体ではいい試合をしてアンクルロックでタップアウトさせますから」
──誰が優勝しても、最後はアンクルロックの餌食だと
▼芦野「はい。僕にはそれしかないんで、優勝した人は文体までに必死に逃げる方法を考えておいてくださいと。こっちは手の内を見せてるんですから。ただ、あと10種類ぐらいは見せてない入り方を持ってますからね。アンクルロックの入り方は世界一じゃないかなっていうぐらい持ってますから。お客さんにはそこを期待していてもらいたいですね。横浜では変幻自在のアンクルロックで、誰が来てもタップアウトさせるんで、楽しみにしていてください」