プロレス・格闘技の情報満載!全日本・ノア公式モバイルサイト

7/24【ISM】燃える闘魂健在…猪木がリング上でアキレス腱固め披露 ゴッチさん没後10年、アリさん没後1年イベント『ISM』開催

 アントニオ猪木による新イベント『ISM』が24日、東京・後楽園ホールで開かれ、故カール・ゴッチさんの没後10年、故モハメド・アリさんの没後1年の節目に、猪木も“アキレス腱固め"をリング上で披露して燃える闘魂の片りんをのぞかせた。

 IGFとの確執が何かと取りざたされる猪木ではあるが、今回の新イベント“ISM"はあくまで故ゴッチさんの「没後10年」、故アリさんの「没後1年」の節目に開催されたもの。猪木の師匠にあたるゴッチさんは2007年7月28日に82歳で死去。猪木と世紀の異種格闘技戦を行ったプロボクシング元世界ヘビー級王者のアリさんは昨年6月3日に74歳で亡くなっている。大会の収益は日本におけるゴッチさん墓碑(東京・荒川区の回向院)建立資金にあてられ、大会直前にはゴッチ門下のジョー・マレンコが分骨用の遺骨を持って来日した。

 大会の発起人には猪木のほか、藤原喜明、木戸修らゴッチ門下生が名を連ねた。発起人ではないものの、発表会見の席には同じくゴッチ門下の鈴木みのるも出席している。発起人のなかでも大会開催に中心的役割を果たしたのがゴッチさんの晩年につながりが深かった西村修で、「ゴッチさんの日本でのお墓を建てたい」と猪木に相談。「今年でちょうど10年。この機を逃せば次は無い」と猪木も承諾して大会開催へと至った。

 まずは西村とマレンコがゴッチさんの遺骨を持つなか、改めて追悼の10カウントゴングが捧げられて幕開け。猪木は第4試合後に登場した。やはり大イノキコールで迎えられた猪木が「元気ですか〜っ! 元気があればイベントもできる!」と叫ぶや、場内は大盛り上がりとなった。

 猪木はゴッチさん、アリさんへの思いを語りつつ、参院議員としても、何かとスキャンダルが渦巻く最近の政界を「嘘つきは泥棒の始まり。政治家は嘘つきのなれの果て」とチクリ。そしてかつて“ゴッチ教室"で教わったアキレス腱固めを、抽選で選ばれたファンにリング上で手ほどきし、久方ぶりに“リング上で技をかける燃える闘魂"の姿に場内も沸いた。

 この日は全7試合が行われ、猪木の格闘人生をなぞるようなカードが並んだ。猪木の代名詞ともいえる“異種格闘技"のトーナメントが開催され、4選手が参加。かつて“逆輸入ファイター"としてK-1で名をはせたノブ・ハヤシ、グレイシー柔術茶帯の日系ブラジル人・ヂエゴ安楽、関西の格闘家でありプロレスラー・安藤雅生、ブラジルのMMAファイターであるピーターソン・シャカルがエントリー。1回戦でハヤシ、決勝でシャカルを破った安楽が優勝し、猪木のルーツでもあるブラジル国旗がリング上を彩った。

 第4試合には“超竜"スコット・ノートンが参戦。佐藤光留とのコンビで、“ビル・ロビンソン最後の弟子"鈴木秀樹とタッグで対決し、最後は必殺の超竜ボムで鈴木と組んだ松本崇寿を仕留めてみせた。

 第5試合では41年前に行われた“猪木vsアリ"戦が蘇った。猪木イベントの常連でもありグラップリング世界王者のタカ・クノウと、ボクシング元WBF世界クルーザー級王者・西島洋介が対決。西島のパンチ連打に2度のダウンを喫したクノウだったが、“猪木vsアリ状態"からのアリキックで活路を開くや、ヒザ十字固めで飛びついて逆転勝ちをおさめてみせた。

 メインとなった第7試合では“アマゾンの大巨人"モンターニャ・シウバにロッキー川村が立ち向かった。川村のボディブロー乱打を仁王立ちで受け流したシウバが体格差を利して圧倒したものの川村も屈さず。ボクシング・グローブを脱ぎ捨てて突進し、生拳のパンチをヒットさせて辛くも勝利。かつて猪木がアンドレ・ザ・ジャイアントを破ったような逆転勝ちをおさめてみせた。

 メイン後には発起人の西村があいさつ。日本での墓碑建立までに約10年を要したことを強調した西村は「ご声援くださった日本の皆さんに、もう一度ありがとうと言いたいというゴッチさんの思いがようやく叶います」と感無量の面持ち。最後は猪木が「ゴッチさんも喜んでくれていると思います。もう一度格闘ブームが起きるように、先頭に立ってやる年ではありませんが、後ろからハッパをかけていきたいと思います」と語ったうえで、「1、2、3ダァー!!」の大唱和で大会の幕が下ろされた。

プロ格 情報局