8/17【WRESTLE-1】9・2横浜文体で稲葉との因縁マッチへ W-1提供・児玉インタビュー
9・2横浜文化体育館大会で元パートナー・稲葉大樹との因縁対決を控える児玉裕輔。WRESTLE-1提供のインタビューは以下の通り。
【児玉インタビュー】
──児玉選手が芦野選手と結託したのは7月12日の後楽園大会でしたけど、あの行動は以前から考えていたことなんですか?
▼児玉「考えていましたね。だから、あの時に芦野が言ったように、僕は稲葉のことを好きでもなんでもなかったということですね」
──好きじゃなかった(笑)。いつ頃から考えていたんですか?
▼児玉「まあ、芦野が復帰して自己主張を始めた時からおもしろいなとは思っていましたね」
──芦野選手が復帰したのは昨年の12月ですよね。だから、結構早い段階で頭にあったということですよね。ということは、稲葉選手に対してストーカー的な行動を取っていろいろと頭を悩ませるようなことをしていたのも計画的だったということですか?
▼児玉「なんか普通に芦野に合流してもおもしろくないし、ちょっとNEW ERAを荒らして出ていこうかなと思って」
──相当荒らされたと思います。ただ、稲葉選手やNEW ERAに対しては割りと早い段階で見切りをつけていたということになりますよね。
▼児玉「最初は良かったんですけど、途中からテーマがぼやけたじゃないですか? それが一番おもしろくなかったというか、いてもこれ以上おもしろいことはないなと思ったんですよね」
──W-1を若い力で良くしていこうというテーマが児玉選手に響かなくなってしまったと。
▼児玉「響かなくなったというよりは、NEW ERA自体が目標に向かって突き進んでいく感じが見えなくなっていたんですよね、僕の中では」
──でも、一時期、みんなでベルトを獲ったりしたわけじゃないですか?
▼児玉「そこだけですよね。目標に向かっていたのはあそこまでだったと思います。あとは比較的若い世代の集団? ただそれだけの集団になってしまった感じがしたので、このままいてもおもしろくないなというのはありましたね」
──まあベルトを獲ったことによって、各々が先に見据えるものがバラバラになってしまった感じなんですかね?
▼児玉「まとまってなかったですよ。そうなったら、いてもしょうがないじゃないですか?」
──なるほど。それで、そうなった責任はリーダーである稲葉選手にあるということになるんですかね?
▼児玉「もちろんそうですよね。リーダーなんですから。最初は『しっかりしろよ』って思っていたんですけど、途中から『もういいや』ってなっちゃったんですよ。だから、『俺がわからせてやる!』っていう気持ちになりましたね」
──中を引っ掻き回していたのは『お前じゃまとまらないよ』っていうのを思い知らせるための行動だったということですか?
▼児玉「そうです。児玉裕輔1人抑えられなくて、何がリーダーだっていうことですよね」
──それは稲葉選手のリーダーシップを試していたところもあったんですか?
▼児玉「はい。どう動くのかなって思いながらやっていたところもあるんですけど、結局どうにもならないんで見切りをつけたという感じですよね」
──なるほど。逆に芦野選手のどういう部分に共感したんですか?
▼児玉「いいか悪いか、善か悪か、正しいか正しくないかということは関係なしに自分の信じていることに対してブレていないのを感じたんですよね。『彼が言っていることは正しい』とか、そういうことには僕は興味はないんです。自分が持っている信念に対して、ブレないっていうのが一番重要なんじゃないかなと思うんですよ。そういう芯の強さが芦野からヒシヒシと伝わってきたっていうことですよね」
──自分の目標に対してまっすぐ向かっている姿勢に共感したと。
▼児玉「そうです。あの感じはしびれますね。年下だし後輩ですけど、だからこそしびれるというか、おもしろい存在だなと思いましたね。まあ、一緒に試合に出る時とかはどっちかっていうと自分は後ろから支えたいっていう思いがありますよね。今、芦野がベルトを持っているっていうのもありますけど、彼はこれからさらにW-1の中心になる人物だと思うんで、自分の信念に対してブレない姿をお客さんにも見せてあげたい。それを後ろから支えたいし、そっちのほうが僕にとってもおいしいんじゃないかなって」
──稲葉選手とはだいぶ性格が違いますもんね。
▼児玉「違いますね。やっぱりベルトを巻いたり、W-1の中心になっていく人間っていうのはああいう感じなんじゃないかなと思いますね」
──稲葉選手のようなお人好しでは務まらないということですか?
▼児玉「僕はそう思います。もちろん稲葉についていく人はいると思いますけど、僕の性には合ってないということですね」
──なるほど。9.2横浜文体では一騎打ちが決定しましたけど、凄く辛辣な言葉を投げかけているじゃないですか? 「負けたらレスラーを辞めろ」とか。これはどういう気持で発しているんですか?
▼児玉「横浜文体の大会はW-1の最大のビッグマッチじゃないですか? このまま普通に仲違いした2人が闘いますっていうだけじゃおもしろくないし、お客さんにも響かないですよ。こっちは本気なんで、稲葉にもそれ相応の覚悟をもって文体に来いという意味も込めて、ああいうことを言ったんですけどね。まあ、それだけの覚悟がなければ僕が普通に勝つと思いますし、その覚悟で来るなら、凄い試合になると思うし」
──8・11後楽園大会で対戦した時のような感じだと、物足りないということですよね。
▼児玉「もっと自分を剥き出しにして向かってきてほしいですよね。やっぱりいい子ちゃんでまとまっちゃってるというか、無難な感じで試合をしてますよ。何を気にしているのかわからないけど、周りから何か言われることを恐れたり、周りの顔色を伺っているような感じがしますよね。それじゃあ普通の人と一緒ですよ。プロレスラーは人目に触れる職業なんだし、自分の主張を周りに納得させるだけの説得力がないといけないと思うんですよ。簡単に言っちゃうと気合いみたいなもんですよね」
──稲葉選手にはその部分が欠けているんじゃないかということですか。
▼児玉「ないですよね。だから、それが心の弱さだったり、お人好しな部分だと思うんですけど、そこを取っ払って自分を剥き出しにしてガーッと向かってきてほしいなって思いますね。稲葉は過去に無差別のベルトを巻いてましたし、W-1の中心人物にならなきゃいけないし、なるべき人間だと思っているんですよ。でも、今のままだとそうはならないですよね」
──なるほど。辛辣な言葉を投げかけるのも、実力的な部分は認めているからこそということですね。
▼児玉「弱いとは思ってないですから。でも、鍛えた身体とか技がどうとかっていうより、もっと大事な部分がプロレスにはあると思うんですよね。それが芦野のような自己主張だったり、ブレない姿勢だと思うんですけど、それこそがお客さんの心を動かすんだと思うんですけど、稲葉のプロレスはお客さんの心に届いてないんだと思います」
──それはW-1がこれからさらに良くなるためには稲葉選手が覚醒しないといけないという気持ちもお持ちなんですか?
▼児玉「それはちょっとありますね。ただ、それができないのであれば、僕が稲葉大樹をさっさと倒して、芦野たちと一緒に新しいW-1を作っていこうかなと思います。だから、文体は稲葉大樹の覚悟を図る試合になるんじゃないですか?」
──それがないなら文体で終わらせてやるということですね。
▼児玉「W-1に必要ないですから。そういう意味も込めての『辞めちまえ』ですからね。だから、稲葉は僕よりも身体もデカイし、身体能力でいったらあっちのほうが上ですけど、今のままなら勝つのは僕です」
──稲葉選手は児玉選手のことを理詰めで曲者的なプロレスをしてくるって言ってたんですけど、そういう児玉選手から見て、今の稲葉選手は攻略しやすいですか?
▼児玉「攻略しやすいですね。NEW ERAを出ていく時にも簡単に手のひらで転がしてましたからね。試合もああいう感じになるんじゃないかなと思います。お人好しじゃないところっていうか、爆発した稲葉大樹を出さないと僕が適当に手のひらで転がして終わる試合になりますよ。そういう試合にする自信もあります」
──今のお人好しのままではまったくやりがいがないと。
▼児玉「闘牛士のようにひらひらと操って終わりです」
──わかりました。あと一つ、8・11後楽園大会のリザルトチャンピオンシップが反則絡みの荒れた試合になったので、Enfants Terriblesが他の試合でもあのようなことをしてくるんじゃないかという憶測もあるんですけど、それについてはどうですか?
▼児玉「ああ、それは絶対にやらないですよ。稲葉戦ではそんなことは絶対にやらない。以上です」