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12/27【WRESTLE-1】カズ25周年記念試合へ「ここでカズとやれるのは俺にとっても初心に戻れる」 W-1提供・武藤インタビュー

 1・8後楽園大会でデビュー25周年記念試合となるカズ・ハヤシと6人タッグマッチで対戦する武藤敬司。全日本に移籍した2002年以来15年間、行動をともにし続けてきたカズからのオファーに応じ、久々にホームリングであるWRESTLE-1マットに出場する。「俺と比較してないでさ、カズ流のものを作っていかなきゃいけないよ。これを機会にリング上でももっともっと前に出ていってほしいよね」と社長でもあるカズにエールを送った武藤は、「この1年を通じて、いろんな団体に上がったけど、リングで闘ったり、組んだりした奴らはみんな初対面の奴らばっかりだったよ。そういう中でここでカズとやれるっていうのはある意味、俺にとっても初心に戻れる」と2018年初戦へ向けて意気込んでいる。W-1提供・武藤インタビューは以下の通り。

【武藤インタビュー】
──1月8日の後楽園ホール大会で行なわれるカズ選手のデビュー25周年記念試合ですけど、武藤さんも出場することが決定しました。

▼武藤「W-1の大会に出るのは久々だよな」

──カズ選手とは、武藤選手が新日本プロレスから全日本プロレスに移籍した際に、アメリカにいたところをスカウトして来て以来、このW-1まで15年間、ずっと一緒に行動を共にしています。改めてどういう存在なんでしょうか?

▼武藤「まあ、俺が新日本という大きな団体にいて、そこを出たんだけど、ある意味独立したわけだ。そっちが言ったようにさ、ずっと一緒だからね。独立した俺から過ぎ去った奴ら、あるいは俺の前を通りすがった奴らは何人もいたわけだけど、カズだけなんだよな、ずっと一緒なのは」

──そういう意味では武藤さんにとっても特別な存在ということですよね。

▼武藤「そういうことになるよね」

──そもそもカズ選手とは武藤選手がアメリカのWCWにいた頃にその才能を見出して、自分が全日本に移籍する際に引っ張ってきたんですよね。

▼武藤「その時はWCWがWWEに吸収されていて、あいつはWWEと契約していたからね。そこから俺がチョイスしたわけだ。まあ、カズはメキシコとかアメリカでやってきてさ、いろいろなものを見ているし、いろいろなプロレスを見ているじゃん。そういう人間って強いよね」

──その強いというのは具体的にはどういう強さなんですか?

▼武藤「要するに世界中のプロレスのいろいろな情報を持っているし、いろいろなネットワークも持っているし、文化やスタイルも知っているし、それを自分の中にも持っているよね。今でこそ、日本にもいろいろなプロレスがあるけど、その当時はまだスタイル的にも限られたところがあったし、そういう中でメキシコやアメリカで実際に体験して、そこのプロレスを知っている人間っていうのは生き抜く力があるってことだからね。俺もそうだけど、カズもそこを生き抜いてきたわけで、強いっていうのはその生き抜く力のことだよね。タフな環境を、それこそタフに生き抜いてきた力」

──そういう部分を買ったと。

▼武藤「うん。やっぱりさ、これから団体をやっていこうという中で、そういうタフに生き抜いてきた力や経験って必要になると思ったんだよね」

──でも、その生き抜く力でずっと武藤さんの片腕として支え続けてきたわけですし、W-1の社長を引き継いでもらったのも必然的だったということですかね。

▼武藤「まあ、そうなるよね。今も社長としてW-1を引っ張ってもらっているけどさ、ずっと身近にいて俺のことを観察し続けていたし、そのノウハウも持っているだろうからね。ただ、これからはカズ流のものを作っていかなくちゃいけないよな」

──現在のW-1を4月から武藤さんから引き継いで社長として奮闘しているわけですけど、チャンピオンの芦野選手やイケメン選手を中心として、若い選手もドンドン育ってきていますよね。そういう意味ではカズ流のものも少しずつ作られてきているのかなと思うんですけど。

▼武藤「若返りという部分ではプロレス界でも類を見ないぐらいだよね、今のW-1は。何年か先の未来を感じさせてくれるしさ、プロレス総合学院とか畑の部分もしっかりとしてきたし、あとはその素材を使って工場でドンドンいい選手やプロレスを生産してくれればね。まあ、俺の時代に比べればだいぶコンパクトだけどな」

──まだ大きくなる前の段階という感じですかね。

▼武藤「いや、俺の時代は大きくやっていかなきゃいけなかったからね。それこそ背伸びしてでも、大きくやらなきゃいけなかったんだよな、プロレス団体として生き残っていくには。ただ、そこは時代も大きく変わったし、プロレス界の状況も昔とは違うからね。そこでカズ流のものを作ってくれればいいよ」

──なるほど。そんなカズ選手の頼みだからこそ、なかなか縦に振らない首を縦に振って、記念試合への参戦を決めてくれたんですね。

▼武藤「まあヒザは痛えけど、カズの頼みだし断りきれねえよ(苦笑)。ただ、俺にとっても2018年の一発目の試合になるからね。W-1のリングからはしばらく遠ざかっているけど、楽しみではありますよ。まあ、俺もさ、今年はいろんな団体に出たよな。ノアとか信州プロレスとか九州プロレスとかさ。全日本プロレスにも出たしよ。でも、そうやって旅に出るにしてもさ、W-1のリングを守ってくれる人間がいないと出かけられないからね。そういう意味ではカズがW-1を守ってくれていたからこそ、出られるということだよね。だって、1月はまた全日本プロレスの甲府大会にも出なきゃいけないし、アメリカに行かなきゃいけないからね」

──アメリカ遠征も決まっているんですよね。新年早々忙しいですね。

▼武藤「まあまあおかげさまでね」

──では、カードについてですけど、カズ・ハヤシ&近藤修司&ディック東郷vs武藤敬司&ウルティモ・ドラゴン&ザ・グレート・サスケというカードになりましたけど、どのような印象を受けましたか?

▼武藤「俺だけ身体がでけえからな。ただ、それほどコンディション良くない中だけど、精一杯やろうと思っているよ」

──この中だと東郷選手は初対決になりますよね。

▼武藤「彼もカズじゃないけど、いろんなところでいろんなプロレスを見てきている人間だよな。そういう意味では初顔合わせになるけど、楽しみだよね。ただ、俺の両サイドが一癖も二癖もある奴らだからな」

──ウルティモ選手とサスケ選手ですからね(笑)。

▼武藤「協調性がないよな、きっとね(笑)。チームとしてはバラバラになるというか、そうなる可能性は大きいよ。サスケにしてもウルティモ・ドラゴンにしても、知らないわけじゃないけど、詳しく知っているわけでもないしさ。俺らのチームは『俺が! 俺が!』っていう奴ばっかりだよ。よくこんな協調性のなさそうな連中ばかり集めたよな、カズも(笑)」

──一方のカズ選手のチームはみんな大人な感じはありますよね。元々カズ選手のパートナーだった人たちだし。

▼武藤「ただ、この1年を通じて、いろんな団体に上がったけど、リングで闘ったり、組んだりした奴らはみんな初対面の奴らばっかりだったよ。名前を聞いてもわかんねえ奴もいたしね。そういう中でここでカズとやれるっていうのはある意味、俺にとっても初心に戻れるよね。気持ち的にね」

──そこの部分は楽しみではあると。

▼武藤「うん、カズとやるのも久々だし、新年早々、初心に戻ってやりますよ」

──わかりました。では、最後に25周年を迎えたカズ選手にメッセージをいただけますか?

▼武藤「まあ、早くも25周年っていう感じだよな。時が流れるのは早いというかさ。ただ、社長業だけでなく、選手としてもまだまだがんばってもらわねえとな。25周年だからといって、そこでピリオドを打つわけでもないわけだし、この先も先頭に立って続けていってほしいからね。今は若い奴らを持ち上げようとしているけど、彼らにとっても壁は高いほうがいいわけだから。その高い壁を乗り越えてこそ、若い奴らも成長していけるんだから、これを機会にリング上でももっともっと前に出ていってほしいよね」

──この間の『冬フェス』でも、カズ選手は武藤選手の背中を見続けてきたと言っていましたからね。同じように高い壁となってほしいということですよね。

▼武藤「俺も高い壁として今でも見せているという自負はあるからね。ただ、俺と比較してないでさ、カズ流のものを作っていかなきゃいけないよ。幸いなことに芦野とかイケメンとかいい選手が育ってきているからね。コンパクトだけど、今のW-1はいい感じじゃない。このままいい感じを続けていってほしいよね。そうじゃないと、俺が自由に羽ばたけないからさ(笑)。

──武藤さんが自由に旅に出るためにも(笑)。

▼武藤「うん、社長、頼みますよ(笑)」

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