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12/30【WRESTLE-1】「征矢は甘い方向に逃げている」かつての相棒から愛あるメッセージ AKIRA&タナカ岩石インタビュー

 12・10後楽園大会で征矢学との一騎打ちに敗れたタナカ岩石だが、本人の「しつこく行くぞ!」という宣言通り、今度はタッグマッチでの対戦を要求。そして、今回自身のパートナーとして連れてきたのは、征矢がかつてnew Wild orderとしてタッグを組んでいたAKIRAだった。1・8後楽園大会で久々のW-1参戦が実現するAKIRA。岩石と組んで征矢&NOSAWA論外組と対戦するが、変貌を遂げてしまったかつてのパートナーに、愛のある痛烈なるメッセージを送った。


【AKIRA&タナカ岩石インタビュー】

──AKIRA選手がこうしてW-1の試合に出るのは久々なんですけど、征矢選手と会うこと自体、久々だったんですか?

▼AKIRA「久々ですね。会場ですれ違っても、あの男はやたらとシャイだから(笑)」

──征矢選手はシャイなんですか?

▼AKIRA「シャイですね。6月に大和選手がやった君津の興行でトークショーに出たんで、そこで会ったんだけど、近藤選手に「野上さんが来てるんだから挨拶しろよ」って言われないと挨拶に来ないというか、こっそり隠れているような男なんですよ」

──それで半年ぶりに会見で会ったら金髪になっていたという感じですか。

▼AKIRA「そうですね。写真とかではちょろっと見ていたんですけど、似合わねえなあって思っていて。実際に本物を見たら案の定でしたよ」

──似合ってないと(笑) 今回タッグを結成する岩石選手はAKIRA選手の教え子に当たるわけですよね?

▼AKIRA「プロレス総合学院の2期生ですからね。当時からとってもおもしろい子だなと思って高く評価していました。技術がいい、身体能力がある、身体ができているっていう選手がそれぞれいるんだけど、岩石選手は魂の爆発力があるタイプだったんだよね。闘魂型というか、そこがとっても目を引きましたね」

──魂の爆発力というものはレスラーにとって必要な要素なんですね

▼AKIRA「僕はそこを一番評価しますね。何かの技ができるっていうよりも、なんかあった時にすぐに反応できて、観客を巻き込む熱を発散できる人間がプロレスラーだと思うんですよ。岩石選手はその素質を持っていたし、それをぐっと引き伸ばしたい、引き出したい、大きくしたいと思って指導に当たっていましたね」

──その教え子とこうして組むことになることについてはどのように思われますか?

▼AKIRA「うれしいですね。ただ、僕もプロレスの第一線でやっているわけじゃないし、身体がちょっと落ちているのも悔しいんですけどね。それまでにコンディションを整えて試合に臨みたいと思っていますんで」

──なるほど。岩石選手にもお話をお聞きしたいんですけど、征矢選手と抗争を続ける中で、今回パートナーとしてAKIRA選手を連れてきたのはどういう理由があるんですか?

▼岩石「ずっと言ってるように、征矢さんを昔の熱い征矢学に戻したい。そう考えた時に、あの頃の熱い征矢さんを知っている人を連れてくるのがいいんじゃないかと。その人物こそ、new Wild orderで組んでいた野上さんだと思ったんですね。何よりも僕が学院生の頃に教わっていた方だったので、是非とも一度は組んでみたいなと思ってお願いしてみました」

──当時、AKIRA選手から教わったことは現在リング上で発揮できていますか?

▼岩石「そうですね。さっき野上さんもおっしゃってくださったんですけど、魂の爆発力というものを学院生の頃に評価していただいていたので、僕自身磨くじゃないですけど、そこをいかに武器にするかを考え、自分なりに伸ばしていくかを追求していくことで自信をつけさせてもらって、今年1年やってきました」

──タッグ王座に挑戦もしましたし、征矢選手たちと組んでUWA世界6人タッグも獲ったりと、結果も出すことができましたもんね。

▼岩石「学院生の当時に評価していただいたことが、今につながっていると思うんですね。僕は身体能力が高いわけでもないし、華がある人間でもないです。ただ、今回征矢さんに対して怒りをぶつけたのもそうですけど、そこが現在につながっているんだろうなと思っています」

──裏を返せば、お二人は今の征矢さんには魂の爆発力が欠けているとお考えなんでしょうか?

▼AKIRA「うん。もちろんそれは彼も持っているんだけど、方向性の部分で甘いところに逃げちゃっているからね。お笑いのほうに走って、本来の自分を逆にさらけ出せてないよね。もっとわがままでいいから、大胆にやってくれよって思いますよ。周りに敵を作ってもいいじゃない。やっかみを買おうが、どう思われようがいいじゃない。自分の好きな道を進んでくれよって思うんですけどね」

──先程、征矢選手はシャイだというお話がありましたけど、照れ隠しの部分で笑いに走ってしまっているということですか?

▼AKIRA「僕はそう思いますね」

──岩石選手もそう感じますか?

▼岩石「なかなか言葉に出さないですよね。そういう部分でシャイなのかなと思うことはありますね」

──new Wild orderをやっていた当時は甘い方向に逃げそうな時、AKIRA選手がそこを巧くコントロールしていた感じなんですか?

▼AKIRA「そうですね。葛西選手とかとやっていた時はやらなきゃみたいな空気になったし、周りが過度に笑いに走ることはなかったんで。それはやっちゃダメだっていうのはわかってましたよね。それが誰もコントロールする人がいなくなって、横道に逃げちゃってるなっていう感じがするんですよね。笑いなんて客を安心させるためっていうか、興味をこっちに向けるだけのエッセンスだけでいいんですよ。ずっとやっていることじゃないんで」

──征矢選手が今まで組んでいた人って、歳上の人たちばかりじゃないですか? そういう人がいなくなって、タガが外れてしまった部分もあるんですかね?

▼AKIRA「それもあるかもしれない。多分、あいつ遠慮していると思うね」

──遠慮ですか

▼AKIRA「うん。自分が突っ走ったらやっかみを買うみたいに思ってんじゃないかな。プロレスラーはそういうことを考えなくていいんだよね。団体の中で折り合いをつけていこうとしたら、そのまま終わっちゃうから。浮かばれない存在になっちゃうよ。そっちのほうが怖いし、自分がいけるなと思ったら、それを押し通すぐらいのほうがいいんだよね。俺も長いことやってきたから、終わりのほうに近づいてきてわかってきたんだけどさ。確かに周りの奴らは押し潰してくるし、ちょっとでも遠慮したらドドドって食ってかかってくる。でも、プロレスラーって身体が続く限りは、ドンドン上向いていかなきゃいけないんですよ」

──遠慮することないと。そういう姿勢は岩石選手にも闘いを通して伝えていきたいと思っていらっしゃいますか?

▼AKIRA「いや、すげえ頼もしく思います。マイクパフォーマンスにしろ大したもんですよ」

──岩石選手がデビューしてから試合はご覧になったりしていますか?

▼AKIRA「YouTubeのダイジェストみたいなのは見たことあるんですけど、地方の会場で武藤さんの付き人としてやってきた時に一緒になったことがあって、そこでの試合を見たことがありますよ。先輩レスラーたちの細かい評価はあったと思うけど、俺が見た印象ではとっても良かったんで。だから、むしろ今回は俺が岩石選手に引けを取らないようにがんばらないとなって思いますね」

▼岩石「いや、僕こそ、野上さんが隣にいてくれるのは本当に心強いんですよね。そういう部分でも試合が楽しみでもありますし、対角線には征矢さんがいますけど、今回は一人じゃないし、とても心強いです。ただ、今回も全力でぶつかっていくというのは同じですからね。例え野上さんが隣にいようと、僕の気持ちはブレてないです。征矢さんと違って」

──お二人にしてみたら、征矢選手のそういうブレを修正してやりたいという気持ちが強いんですか?

▼AKIRA「僕としては純粋にプロレスをやるという意味で楽しみだけど、楽しみだけで終わりたくない。このメッセージは受け取ってもらわないといけねえなと思っています」

▼岩石「僕も以前にように強かった征矢さんに戻ってほしいんで。何度も言うようですけど、戻ってくれるまでは何度でもつきまといます!」

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