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6/26【NOAH】「おじさんは簡単に負けない!」 拳王返り討ち、杉浦が死闘V3 指名・潮崎と決着戦へ

『Navig. with Emerald Spirits 2018』東京・後楽園ホール(2018年6月26日)
GHCヘビー級選手権試合 ○杉浦貴vs拳王×

 杉浦が死闘の末に復権に燃える拳王を返り討ちに。GHCヘビー級王座V3を成し遂げ、上位世代の砦を守った。試合後には新世代軍の潮崎を指名し、両者による王座戦が決定的となった。

 敵対していた同年代と“新世代軍"を組織し、約3か月前に敗れて王座を奪われた杉浦の前に再び立った拳王。杉浦のセコンドには田中、齋藤ら上位世代軍、拳王のセコンドには潮崎、小峠らが就く“世代闘争ムード"のなかでゴングが鳴らされたが、序盤から圧倒したのは杉浦だった。

 いきなり場外マットを引っぺがしてのネックスクリューを放って拳王の首に大ダメージを与えた杉浦は、必死に反撃を試みる拳王を徹底した首攻めでことごとく鎮圧。拳王も杉浦の断崖式中年ズリフトを阻止し、逆に場外ファルコンアローで活路を切り開きにかかったものの、戦況は大きく動かない。

 フロントハイキックの相打ちを合図に、2人は激しくせめぎ合う。アンクルホールド合戦に発展すると、拳王がホイップ式のミドルキックを土手っ腹に叩き込んだものの、杉浦も強烈なエルボーを何度も乱射して譲らず。ターンバックルめがけてのジャーマンやハイクラッチジャーマンで拳王を投げまくると、完璧な五輪予選スラムでぶん投げた。

 拳王も意地のキックアウト。ならばと杉浦は拳王の左手を掴んで自由を奪い、空いた右手でエルボーをこれでもかと突き刺す。だが、それでも沈まない拳王はカウンターの右ハイキックを一閃。崩れ落ちた杉浦にダイビングフットスタンプを落とすと、後ろ向きでコーナーに上がり、場内をどよめかせた。

 さらに拳王は秘策のムーンサルトフットスタンプを仕掛けるも、杉浦はギリギリで回避。フロントネックロックで長時間絞め上げて巻き返す。しかし、拳王もこれを丸め込んで脱出すると、またもや右ハイキックを発射。場内は“沸騰"した。

 続いては壮絶な打撃戦に突入。杉浦のエルボーと拳王のミドルキック、ビンタがいつ果てることなく交錯した。何度も汗がしぶきとなって飛び散り、どちらも倒れずに打ち合ったが、杉浦は左のビンタで押し切ると、今日2発目の五輪予選スラムを敢行。すぐに立ち上がってどよめきを誘った拳王だったが、視線は定まらない。杉浦はすかさずビンタやエルボーでねじ伏せ、最後はコーナー最上段からの雪崩式五輪予選スラムで、死闘に終止符を打った。

 拳王を連破して杉浦が“上位世代の砦"を守るV3。試合後にすかさずマイクを握った杉浦が「おい、ちょっと待て。なにノコノコ帰ってんだよ」と呼び止めた男が一人。潮崎だった。

 リングに戻ってきた潮崎に「俺はお前を待ってたんだよ。武道館でよくやったよな? 俺はお前を待ってたんだよ。6月10日に負けたのを俺は忘れてねえぞ」と決着戦を要求すると、潮崎も「世代交代、それ以上に俺は杉浦貴、お前に勝ちたい! 強いお前からこのベルトを奪ってやりたい! お前に勝ったことがそんなに忘れられないなら、次、俺がこのベルトに挑戦する! 俺にこのベルトに挑戦させてくれ!」と応じ、両雄によるGHC戦が決定的となった。

 ともあれ、強すぎる内容と結果を残した48歳に場内は拍手喝さい。「まだ…まだ齋藤さんもそうだし、田中選手もそうだけど、まだまだ若いヤツに負けない。オジサンが簡単に負けたらな、世間の厳しさ、マットの厳しさ、伝えられないからな。まだまだいくぞ!」と叫んで後楽園大会を締めくくった杉浦。新世代が仕掛けてきた“方舟世代闘争"の中心で、高すぎる壁としてまだまだ立ちふさがる。


【試合後の杉浦】
――試合を終えた感想は?

▼杉浦「いやあ、もういっぱいいっぱいだよ。勝つのがやっとだよ。あいつの蹴りは意識飛ぶよ、本当に」

――試合後に潮崎選手から挑戦表明があったが?

▼杉浦「拳王、中嶋とか下が伸びてくる中で、ノアの生え抜き? 1回どっか行ったけど、また戻ってきて。やっぱしあいつは俺の後輩だし、一番響いてほしいやつだったからね。待ってたよ。ようやく来たかって感じだよね。あいつはもっと上のステージでやってないといけないと思ってるから。だって、武道館であいつとタイトルマッチをやったことも何回もあるし、あいつはもっと上のステージでやってもらいたいから。待ってたよ」

――杉浦選手から見ると、今の潮崎選手は物足りない?

▼杉浦「物足りないな。もっとアピールして、もっとガンガン来てほしいよ」

――今日もベテランの強さを見せつける試合だったが、まだ時代は譲らない?

▼杉浦「譲ってないでしょ? ベテランって言ってもまだ俺はキャリア18年だからね。そんなベテランでもないでしょ? まあ、年齢はそういう歳かもしれないけど、あんまりベテランって気持ちでやってないから」

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