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8/26【全日本】石川5冠ならず ゼウスが30分超の激闘制して三冠初防衛

『2018 SUMMER EXPLOSION』最終戦
千葉・キッコーマンアリーナ(流山)(2018年8月26日)
三冠ヘビー級選手権試合=○ゼウスvs石川修司×

 石川の5冠制覇ならず。ゼウスが30分超の激闘を制して三冠ヘビー級王座初防衛を飾った。

 7・29大阪で5度目の三冠挑戦となったゼウスは地元で悲願の至宝ベルト初戴冠を果たした。初防衛戦となったこの日、迎え撃ったのは世界タッグ王者で「平成最後の5冠制覇」を宣言している石川。前哨戦で2度の直接黒星を喫しているゼウスは大巨人の猛攻に大苦戦を強いられた。

 開始早々、真っ向勝負の肉弾戦を展開。バイセップスエクスプロージョンで場外に叩き落として気を吐いたゼウスだが、場外戦でみちのくドライバーを敢行されて完全に先手を取られた。ねちっこい絞め技に捕まって体力を奪われ、ヒザ攻撃を連発されてしまう。トップロープ超えのトペスイシーダで反撃ののろしを上げ、ブレーンバスター合戦や追尾し攻撃合戦で渡り合ったものの、フルネルソンスープレックスで投げられ、ランニングニーリフトを食らって劣勢が続いた。

 それでもゼウスはスプラッシュマウンテンを食い止め、シュバインで突き刺してようやくペースをつかんだ。バイセップスエクスプロージョンを連発し、ファイアーサンダーで反撃されても、バイセップスエクスプロージョンとラリアットの打ち合いに競り勝った。

 だが、石川はノーモーション頭突き、カミゴェ、ランニングニーリフトと打撃技を連発して逆襲。スプラッシュマウンテンも敢行した。何とか3カウント寸前に返したゼウスだったが、エプロン上から場外にブレーンバスターで叩き落とされて大きなダメージを負った。

 もはやゼウスに残されているのは闘争本能だけ。ランニングニーリフトを連発されてもジャイアントスラムは阻止。バイセップスエクスプロージョンを叩き込み、左ハイキックで石川の動きを止めた。こん身のバイセップスエクスプロージョンで追い討ちをかけると、この日2度目となるジャックハマーを爆発させて3カウントを奪った。

 30分を超える激闘の末、ゼウスが対石川初勝利を挙げ、三冠王座初防衛に成功。意地で至宝ベルトを死守し、防衛ロードの第一歩を踏み出した。試合後のリング上で「これが自分の三冠戦です」と胸を張ったゼウスは恒例の「わっしょい!」三唱で夏のビッグマッチを締めた。

 試合中は敗北の2文字が頭をよぎったというが、精神力でV1を果たし、「まだまだ俺は強くなれるなって、まだまだもっと俺は強いチャンピオンになれるな」と確信することができた。万人が認める三冠王者となるためにも、ゼウスは「これからの三冠戦も1試合1試合、今日と同じ気持ち、この間の宮原健斗さんとやった時と同じ気持ち、全身全霊の試合を重ねていきます。その1試合1試合が僕の人生の糧になり、プロレスラーとして頂点の道へなっていくと僕は自分で信じてます」と改めて王者としての覚悟を示した。

 石川を突破し、9月の王道トーナメントには三冠王者として出場することになる。これまで三冠王者の優勝はない。ゼウス自身も未制覇で、初優勝を果たせば、史上初となる三冠王者の優勝も成し遂げることになる。しかも決勝戦の舞台は地元9・24大阪。ゼウスは「もう自分の中では用意出来上がってるなと思ってます。ファンの皆さんが思うとおりゼウス優勝です。その気持ちでいきます」と言い切った。

 「1年前のゼウスより、3年前のゼウスより、5年前のゼウスより今が一番強いなって、自分でわかっていってるんで。俺は強くなってるなって、そう思ってるんで、もっともっと強くなりますよ」。第1関門を突破したゼウスが三冠ベルトとともにこれからさらなる進化を遂げていく。

【試合後のゼウス】
▼ゼウス「ありがとうございました。何と言っていいのか…防衛戦、この1試合にかける思いでやってまいりました。こういう試合を短いスパンで毎回毎回重ねたら、体は確実に潰れていくかなと正直、自分でもわかります。けど、この防衛戦で、この間7月29日に獲ってからまだ1ヵ月経ってないんですけど、この1回目の防衛戦がどんな意味を持ってるのか、僕はファンの皆さんが思ってる気持ちがわかってます。三冠王者としてのゼウスの試合が見たい、三冠王者としてのゼウスがどういう男か知りたい。その声に応えるために今日の試合をさせていただきました。ありがとうございます」

――石川は最強の挑戦者だった?

▼ゼウス「いやぁ、やばいですね。正直、もう一回やれば、これが昨日試合やったら勝てたかどうかわかりません。明日試合でも勝てたかどうかわかりません。今日が試合やったから勝てたんやなと僕はそう感じます。けど、自分の中で燃える戦う魂、闘魂というものがあって。猪木さんが言うてた言葉なんですけど、全日本ですけどね、ここで使わせていただいたら燃える僕の中で闘魂というのがあって。今日この試合が終わったら燃え尽きてしまうんじゃないかなと思ってましたけど、まだまだ燃え尽きてません。まだメラメラと燃えてるんで。ただ、自分の中で今日、何度も負けかけました。何度も負けかけて自分の弱い心を見た時にね、まだまだ俺は強くなれるなって、まだまだもっと俺は強いチャンピオンになれるなって、そう試合中に感じました。今日は負けそうになった時、ここで絶対負けたらアカン、立ち向かえって。負けかけた時って顔に出るんですよね。負けかけた顔になっちゃうんですよ。違うなって。よっしゃ、いったらなアカン。体は動かなくても目は生きてると思うんで、心は生きてるんで。体は動かんでも心はいったろって心をもって挑んでいったら絶対道は開けるって僕は信じてるんで、そういう気持ちで全身全霊でさせていただきました。これからの三冠戦も1試合1試合、今日と同じ気持ち、この間の宮原健斗さんとやった時と同じ気持ち、全身全霊の試合を重ねていきます。その1試合1試合が僕の人生の糧になり、プロレスラーとして頂点の道へなっていくと僕は自分で信じてますんで、どうかこれからも温かいご声援をお願いします」

――王者として王道トーナメントに出場することになるが?

▼ゼウス「そうですね。もう勝つことしか考えずに前を向いて。それはリングの上でも話しましたけど、弱気になる時もありますよ。3回も連続で負けたら弱気にもなりますよね。でも今回の王道トーナメントで、初めて全日本のトーナメント、初めてゼウスが制覇して、この三冠王者の力をみせたいと思ってます。決勝は大阪なんで、もう自分の中では用意出来上がってるなと思ってます。ファンの皆さんが思うとおりゼウス優勝です。その気持ちでいきます」

――初防衛のプレッシャーも強敵だった?

▼ゼウス「プレッシャーだらけでしたよ。プレッシャーに完全に勝ったとはいえないですね。ただ、プレッシャーがあったから、今日の試合を乗り越えられたし、これからの1戦1戦というのは毎回プレッシャーがあると思います。試合の前からプレッシャー、決まった時からプレッシャー、試合当日もプレッシャー。いつもプレッシャー。試合中は自分の心に負けないようにいくのみなんですよね。このプレッシャーがあるから強くなっていくんじゃないですか。僕は自分でわかってます。1年前のゼウスより、3年前のゼウスより、5年前のゼウスより今が一番強いなって、自分でわかっていってるんで。俺は強くなってるなって、そう思ってるんで、もっともっと強くなりますよ。もっともっとガンガン、これからもプレッシャーのある試合重ねていかな強くならないでしょ。プレッシャーのない試合なんか強くならないでしょ。俺は瀬戸際で戦ってる人間やから、人生の糧ができるんじゃないですか。もともと戦国時代とかみんな命をかけてこの国を作ってきたわけやから。たくさんの多くの方が亡くなりましたし、その方のご冥福をお祈りしますし、その方が日本という国を作って、僕らが今この平和な国で何を表現していくか。自分の己に勝つ強さ、何事にも負けない強さってものを。人生っていろいろなことがあるじゃないですか。人と戦うんじゃなくて病気と戦う、貧乏と戦う、いろんなことがありますよ。けど、何事にも戦っても負けない精神力、強さってものを僕はプロレスを通じて表現していきたい、そう思ってます。信念ですね」

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