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9/1【NOAH】“KENTA"と死闘34分…丸藤激勝で20周年興行飾る

『サミー ぱちんこCR真・北斗無双第2章 presents 丸藤正道20周年記念大会 “飛翔"』東京・両国国技館(2018年9月1日)
丸藤正道20周年記念試合 ○丸藤正道vsヒデオ・イタミ×

 丸藤が6000人以上を動員したデビュー20周年興行のメインで、WWEから特例の参戦となったヒデオと34分を超える死闘を展開。“KENTA"全開で襲いかかってきた永遠のライバルを打ち破り、20周年を激勝で飾った。

 基本的に他団体出場を認めないWWEが特例でヒデオの参戦を許可し、丸藤20周年興行のメインで至高のブランドマッチ「丸KEN対決」が復活。。ヒデオのノア参戦は2014年5・17後楽園以来、約4年3か月ぶり。そして丸藤とヒデオの一騎打ちは、2013年7・7有明コロシアム大会のGHCヘビー級選手権試合以来、約5年2か月ぶりとなった。

 WWEの『205Live』では「SHOW ME RESPECT」を合言葉としたヒールのヒデオだが、両国では完全にノアで一時代を築いた“KENTA"が蘇った。

 メイン前から期待感が充満するなか、口々に「KENTA!」の声で迎えられたヒデオは、着ているTシャツを脱ぎ捨ててコーナー上から観衆に“プレゼント"するKENTA時代同様の入場パフォーマンスを展開。そのヒデオを上回る歓声で“主役"丸藤が現れると、6000人以上が詰めかけた場内は熱気が充満した。

 試合では「自分がどれだけやれるか確かめたかった」という“KENTA"が押しまくった。強烈な蹴りを軸にじわじわと丸藤を追い込み、現在WWEでは使っていないパワースラムやブサイクへのヒザ蹴り、STFを繰り出していく。

 苦境が続いた丸藤も中盤に入って反撃。エプロンサイドのパイルドライバーで流れを変えるや、リング上では不知火・改も発射だ。さらなる競り合いも後ろ回し蹴り式のトラースキックで制し、さらには不知火も放つ。

 ところが“KENTA"も続く虎王を避けて丸藤に絡みつくや、こちらもGAMEOVERを解禁。逃れられてもブサイクへのヒザ蹴りを解禁し、串刺し低空ドロップキックからのgo 2 sleepも発射。現在WWEでは使っていない“KENTAの代名詞技"を連発して丸藤を徹底的に追い込んだ。

 だが、丸藤は肩を上げ続ける。30分前後には再びGAMEOVERで絡め取られ、顔面蹴りの連打、2発目のgo 2 sleepも浴びたものの、丸藤コールに支えられて乗り切った。

 そしてヒデオがトドメの生ヒザ式go 2 sleepを予告したところで、不意打ちの虎王をズバリ。立て続けに虎王2連発を叩き込むや、ラリアットを狙って前に出てきたヒデオの腕をカカト落としではね除け、またもや虎王を発射。さらに死角からのトラースキック(フックキック)、虎王を乱れ打つ。そして、コブラクラッチ式の虎王を後頭部にねじ込むと、最後はポールシフト式エメラルドフロウジョンへ。形が崩れながらも気持ちでヒデオに覆いかぶさり、3カウントをもぎ取った。

 34分を超える死闘の末に“蘇ったKENTA"を打ち破って、20周年記念試合を勝利で締めくくった丸藤。試合後には“永遠のライバル"に深々と頭を下げてから抱擁し、場内は感動的な空気に包まれた。

 その後は、自らが完全プロデュースした20周年興行の出場選手と一枚の写真におさまった丸藤。万雷の丸藤コールのなかでマイクを握った“主役"は「本日は丸藤正道20周年・飛翔、ご来場誠にありがとうございました。本当に18歳から入門して、18歳でデビューして、いろんな出会いと別れがあって、いいことも悪いこともあって。だけど、20年、今俺はこのリングに立ってます。まず本当に俺の対戦相手、ヒデ…KENTAに感謝するとともに、本当に幸せな時間をありがとうと伝えたいです。今日はどうもありがとう」とまずは観衆と盟友に感謝の言葉を送った。

 丸藤は続ける。「そして、秋山さんをはじめ、本当にフリーの選手…。俺たちはいろんな形でこのリングで別れを告げたけど、今日こうやってみんなイヤな顔を1つせずに、本当に全力で試合をしてくれました。そんな皆さんにも大きな拍手をお願いします。そして、今日ここに集まってくれた約6000人の人々。俺にとってはあなたたち全員が主役です。ありがとう」と語り、場内からは何度も大きな拍手が起こった。

 そして「プロレスリング・ノア、2年後は20年だ。そしたら、もっとデカいところで、もっとたくさんのファンのみんなの前で、俺たちは試合がしたい」と宣言。「わかるか? 単純計算でだ。今日来た人間がもう1人連れてきたら、12000人だぞ。そんな夢を捨てずに、俺は…いや、俺たちは、このリングでこれから…いや、明日からまた戦います。今日は本当にどうもありがとうございました」と改めて“ノア再興"の誓いとともに記念興行を締めくくった丸藤。ノアとしても、ここ数年では一番の観客動員となった今大会。方舟を支え続ける天才の輝きと存在感は、一層強まった。

【試合後の丸藤】
――試合を終えた今の心境は?

▼丸藤「やっぱり最高の男でしたね。やってていろんなものを思い出したし、いろんな感情が湧き出てきたし。何よりも、なんて言うのかな、昔やった感覚をしっかり身体が覚えてて。でも、数年前にやった彼とは違うところをしっかり俺は感じることもできたし。『ああ、こういうところをあっちでしっかり学んでるんだ』っていう。それはあえてここでは言わないけども、俺なりにそれは凄く感じました」

――「いろいろなことを思い出した」とのことだが、どんなことを思い出した?

▼丸藤「それは彼がデビューした時、そして組んだ時、戦った時、別れた時…。年数にしたら、長いことかもしれないけど、このものの30分ぐらいですか。その中で、本当に全てを思い出しましたね」

――先輩であり、パートナーであり、ライバルであり、いろいろな形があったと思うが、今のヒデオ選手はどんな存在?

▼丸藤「そうだな、悔しいけど、憧れか。一番上の存在に行っちまったからな。やってて、正直そう思うよ。今まで言わなかったけど。世界を股にかけて試合をしているあいつは羨ましいし。だけど、だからこそ、俺は彼がいないこのステージでしっかり試合をしていこうと思うし。ここに残って、今日、みんな第1試合から凄くいい試合をしてくれて、お客さんも満足してくれたと思うんで。また、この緑のマットにしっかり足を付けて、根を張って、若い人間の壁になって。しっかり戦いたいなと思います」

――本当に多くのレスラーが集まって、丸藤選手の20周年を祝ってくれた

▼丸藤「そうですね。本当に俺のワガママですよ。本来なら、いろんな形で来ることができない人もいたでしょう。それはKENTAをはじめ、他の人間もそうだと思います。だけど、プロレスの力って凄えなって思うし、感謝しかないですね」

――「20年で一番のビッグイベントにしたい」という話もあったが、手応えは?

▼丸藤「俺的にも、全ての1から10まで、最後まで、見ていても凄く素晴らしかったし。引退する時も、これ以上ないんじゃないかなと思うんで、次、何かの時にどうしようかなと思って。何かイベントやるのも引退する時か。引退する時も、こんなことできないかもしれないから、どうしようかなって。今日じゃなくて、明日からまた悩みます(笑) ってことは、まだまだ引退できないってことだね」

――ファンにメッセージを

▼丸藤「本当に18の頃から応援してくれている人、途中から応援してくれている人、今日初めて俺を見た人。皆さんのおかげで、今日は最高の空間を作ることができたんで、本当に感謝してます。これから…さっきリングで言ったように、明日からまた俺たちの新しい戦いが始まるんで。新しくするもしないも、俺たち次第と思うし、それをまた会場に観に来てもらって。面白いと思ったら、いろんなところに観に来てほしい。いろんな人を誘って観に来てほしい。つまらねえと思ったら、来ないのはしょうがないな。それは俺たちの責任だ。だからこそ、俺たち全選手がしっかり素晴らしい…小さい会場でも、今日以上の大会ができるように。みんなで心がけて、しっかり頑張っていきます」

――go 2 sleepを食らった感想は?

▼丸藤「久々に食らったから、よくわからなかったです。でも、意地で返した部分もありますね。2発連続でやった時、1発目も十分かすったのは効いたんですけど、もう1発来たら、もう1発も効いちゃって。見た目以上に効く技なんで、アメリカでも禁止したほうがいいんじゃないですか」

――最後は変型?

▼丸藤「ポールシフトのエメラルドです。ちょっと崩れただけじゃないですか。狙ってたんですけどね。今さら、新しい技なんてないです(笑)」

――今のヒデオ選手に勝ったことで、自信は付いた?

▼丸藤「そうですね。年を取ってキャリアを積んで、ちょっと自信がなくなってきた部分を、もう1回今日で勢いづいたような感じがします。また明日から、若いヤツらに『かかってこいよ』ってことです。ありがとうございました」

【試合後のヒデオ】

――試合後の率直な感想を

▼ヒデオ「厳しい戦いでしたね。負けてしまって残念です」

――約4年ぶりのノアマットだったが丸藤と対戦してみて?

▼ヒデオ「やり合ってきた仲なんで、不思議とそういう(久々な)感じがなくて」

――go 2 sleepとブサイクへのヒザ蹴りも出したが?

▼ヒデオ「そうですね。自分のフィニッシュですから。出さないほうが…出せないほうがおかしい。思う存分出しました。返されましたけど…」

――丸藤が20周年を迎えたことについては?

▼ヒデオ「やっぱり凄いですよ。たた流れていった20年では、丸藤さんの場合はないと思うし、その20周年の記念大会にこういう形で参加することができて光栄に思います」

――先輩でもありライバルでもあり、戦友でもあるが?

▼ヒデオ「いや、変わらないですよ。活躍はいつも見てるし、それは変わらない」

――改めてファンの皆さんへのメッセージを

▼ヒデオ「久々でもこうして温かく迎えてもらって、凄く嬉しかったし、やっぱりこういう必要とされる感じが自分が求めているものなんだな…と強く痛感しました。また(アメリカに)戻って、そういう場所を見つけたいと思います」

――もう一度、日本のリングでヒデオさんを見られる?

▼ヒデオ「将来のことは誰にも分からないですから。ちょっと前にも、こうやって試合をすることも予想もつかなかったことですから。先のことは分からないし、イエスかもしれないし、ノーかもしれないし。分からないです」

――負けたこと以上に悔しい思いがあるようにも見えるが?

▼ヒデオ「そうですね。自分のなかで、今日の試合で『自分はまだできる』っていう確認したい気持ちが強くあって。自分の満足いくところまでは行かなかったですけど、少なからず『まだ俺はできる』っていう気持ちにはなりました」

――ヒデオではなくKENTAという声が口々に飛んだが?

▼ヒデオ「呼ばれ方については、今回こだわりはまったくなかったんで。呼びやすいほうに、盛り上がりやすいほうに、楽しめるほうに呼んでもらえれば良いと思ってたんで。それがKENTAならそうだし、ヒデオならそうだし。イタミならそうだし、小林ならそうだし……」

――緑のマットに上がってなにか蘇るものを感じた?

▼ヒデオ「懐かしかったです。控室でもいろんな人の笑い声とか、話してる声とかが聞こえてきて、ホント懐かしかったです」

――ノア同窓会的なメンバーが揃ったが、どんな人とどんな話をした?

▼ヒデオ「ほとんどの人とあいさつして。印象に残ってるのは百田光雄さん。会って『お久しぶりです』って言ったら、『おう、お前なんで来てんだ?』って言われました…。試合に出ることを知らなかったみたいです。それが印象に残ってます」

――WWEのヒデオ・イタミというものを見せたいという気持ちはなかった?

▼ヒデオ「ヒデオ・イタミの試合をご覧になったことあります? あんまり無いですか。ヒデオ・イタミのキャラクターはこの記念大会にはふさわしくないと思いました。この発言が良いのか悪いのか分からないですけど。今日はKENTAとしても、ヒデオ・イタミとしても上がりましたけど、『自分がまだこれだけやれるんだ』っていうのを確認したかったんで。……もういいですか? リスペクト・ミー……」

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