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9/2【NOAH】北宮猛攻も…連日30分超・杉浦がタフぶり誇示の逆転V5 中嶋が仇討ち名乗り

『方舟新章2018』東京・後楽園ホール(2018年9月2日)
GHCヘビー級選手権試合 ○杉浦貴vsマサ北宮×

 GHCヘビー級王者・杉浦が30分を超える肉弾戦の末に北宮の挑戦を退け、薄氷の逆転V5。連日の30分超え熱闘を戦い抜き、タフさが売りの北宮に“真のタフっぷり"を誇示した。試合後には北宮の相棒・中嶋勝彦が挑戦を表明、10・4後楽園大会での王座戦が決まった。

 興奮空間となった丸藤正道デビュー20周年興行・両国大会から一夜。『方舟新章2018』と銘打たれた後楽園大会のメインで、48歳の王者・杉浦が新世代の北宮を約2年ぶりに王者として迎え撃った。

 金髪のモヒカンで気合を入れてきた北宮と、序盤から男くさいショルダータックルで真っ向からぶつかり合った。北宮がエプロンサイドでのニークラッシャー発射を端緒としたヒザ攻めで監獄固めへの布石を打てば、杉浦も場外マットを剥がしたネックスクリューで応戦、逆に頭部への集中砲火で予選スラムへの布石を打つ展開となった。

 中盤過ぎには北宮が満を持しての監獄固めに持ち込んだものの、杉浦もギブアップはせず。逆にこん身の左ラリアットや鬼のエルボー乱打で巻き返したものの、ここから北宮は驚異の粘りで持ち味の“タフガイっぷり"を遺憾なく発揮。

 あらゆる杉浦のエルボー乱打を浴びても、ワナワナと体を震わせて立ち上がり続け、予選スラムが完璧に決まっても肩を上げる。逆に起死回生の生拳攻撃で杉浦を腰砕けにするや、投げ捨てジャーマンを発射。続けてこん身のラリアットをぶっ放すと、必殺のサイトースープレックスで完璧にぶん投げ、場内はカウントの大合唱となった。

 杉浦も何とか肩を上げて場内は重低音ストンピングに包まれる。さらに北宮は2発目のサイトースープレックスも完璧に決めたものの、念を入れるようにカバーにはいかない。ぐったりする杉浦を強引に引きずり起こして3発目を狙った。

 だが、杉浦は上空で体を入れ替えると、フロントネックロックで切り返す。北宮も抵抗したが、杉浦は自ら後方回転。ロープから遠ざけたリング中央で強烈に絞めに絞め上げた。みるみるうちに北宮の顔からは生気が消え、呼びかけに反応しない姿に危険と判断した中山レフェリーが試合を止めた。

 31分あまりの肉弾戦を制して、杉浦が5度目の防衛に成功。前夜の両国ではタッグマッチながら全日本の秋山準と30分フルタイムの激闘を戦っていただけに、連日の30分超え熱闘で、新世代の“タフガイ"北宮に“真のタフっぷり"を誇示した形となった。

 試合後には北宮の相棒・中嶋が不敵な笑みを浮かべつつ、仇討ちの挑戦表明。杉浦も「俺は止まらねえって最近言わねえのか? 言ってみろよ? 俺がお前の息の根、止めてやるから」と受けて立つ構えをみせ、10・4後楽園大会での王座戦が決まった。

 最後は「今日はどうもありがとう。おととい、高山さんの興行に参加させてもらって、昨日の両国も凄く良い大会で、3日間いろんな大会に出たけど…やっぱりプロレスはいいよね。昨日も素晴らしかったし、今日も素晴らしかった。なんで素晴らしいかって、みんなが集まってこうして最高の空間を作ってくれるから。みんな今日はありがとう!」と素直な言葉で感謝し、万雷の拍手喝采のなかで48歳のGHC王者が『方舟新章2018』を締めくくった。

 これで上位世代の王者として、防衛戦で新世代軍の4人(小峠、拳王、潮崎、北宮)を撃破。残る新世代軍は中嶋、清宮の二人だけとあって、見据えている“新世代軍6人総なめ"も完全に射程圏に入ってきた。

【試合後の杉浦】
――北宮はどうだった?

▼杉浦「キツいね、当たりが。若さもあるし、パワーもあるし。キツいよ。一撃、一撃が」

――サイトースープレックス2発目を食らった時点でカバーに入られていたら…

▼杉浦「そうだね。あそこが勝負の分かれ道だったかもしれないね。でも最後はアレしかなかった。俺もあそこから立って相手をぶん投げる体力も無かった。抱きついて絞めるしかなかった」

――2年ぶりの北宮とのタイトルマッチだったが、2年前とは違った?

▼杉浦「そうだね。敵だけど、いつもあれくらいのテンション、あの位置で戦いをしてもらいたいね。くすぶってる部分も大きいんで、もっと上でやって欲しいね」

――試合後には中嶋がきたが?

▼杉浦「へらへら、ニヤニヤしてたけど、ようやく来たね。ちょっと待ってた部分もあったよ」

――今まで戦ってきた中嶋勝彦とは雰囲気が違うが?

▼杉浦「うん、前の若さだけの感じじゃなくてね。ちょっとスカしたところもあるし、戦い方も変わってると思うから。倒しがいがあるよ」

――新世代軍としては5人目の挑戦者となるが、世代闘争の枠組みのなかで、どう中嶋を迎え撃つ?

▼杉浦「まぁボスキャラっていうかな、裏のボスみたいな感じだよな。中嶋に勝ったらあと誰だ? 清宮? 井上は? 井上雅央は? あいつどこ世代軍だ? 化石軍か? 世代レス軍か?」

――3日間で70分を戦ったが?

▼杉浦「時給上げて欲しいね(笑) まぁ毎日内容が全部違ったんで。高山さんのチャリティーで女子プロの選手と組んでちょっと考えなきゃいけないところもあったり、両国では秋山準と相対することでタイトルマッチと同じくらいのモチベーションで臨んだし、そして3日目の今日。キツかったけど充実してましたね。最後もマイクで言ったけど、プロレス楽しいし、最高だなと。昨日も凄く良い空間だったし、高山さんの大会も凄くいい空間だったし、今日も凄くみんな声出して応援してくれたし」

――昨日、今日で良い時代の空気感が戻ってきた実感はある?

▼杉浦「うん、それが数字に現れてきてくれればいいよね。この充実感が結果、数字に現れてくれれば。積み重ねが必要? うん、俺がやることはそれしかないでしょ。いきなりイケメンで売って女の子呼べないだろ? 何笑ってんだテメー!(笑)」

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