9/14【NOAH】初戦完勝の鼓太郎が「GHCジュニア封印」視野に ノアJr.の“存在価値"完全否定
『GLOBAL Jr. LEAGUE 2018』熊本市食品交流会館(フードパル)(2018年9月14日)
Aブロック公式戦 ○鈴木鼓太郎vs諸橋晴也×
古巣・ノアのジュニアリーグ戦に参戦した鼓太郎が、初戦で諸橋に完勝。ノアジュニアの“存在価値"を完全否定したうえで、GHCジュニア王座の封印まで視野に入れた。
丸藤正道デビュー20周年興行で退団以来、約5年9ヶ月ぶりに緑のマットを踏んだ鼓太郎。ノアジュニア勢を一蹴し、引き下がれなくなった大原はじめから「これで終わりじゃないですよね?」とジュニアリーグ戦参戦をうながされた。承諾した鼓太郎は「今のノアジュニアは最弱」と発言。大乱闘となったばかりか、現GHCジュニア王者・原田大輔は「誰一人、鼓太郎には負けるな」とユニットを越えた大号令を発し、たった一言で憎悪の的となっていた。
緑のマットから離れて約6年。鼓太郎はかつて支えた“ノアジュニア"を疑問を持ちながら眺めていたという。試合前の鼓太郎は、「ジュニアの存在価値が無くなってきてるんじゃないか…とは感じてましたね。ヘビー級の体重には見えないのに、ヘビー級に転向する人が多くて。だったらGHCヘビーを無差別に変えてみんなで争えばいいんじゃないかな…って思ってました。客観的にみて」と話した。
確かに現在のプロレス界は体重別の階級であるはずの“ジュニア"と“ヘビー"の枠組みがあいまいとなっている。特にノアマットは杉浦貴、丸藤正道、中嶋勝彦…と体重が100キロに満たない元ジュニア勢がひしめいており「だって今、熊野は90キロ以上あるワケでしょう? でも、今のヘビーには90キロなさそうな人もいるワケで、それってメチャクチャ矛盾してないですか? ジュニアのベルト…というか、“ジュニア"の価値ってなんなんですかね。『俺、明日からヘビー級!』って言うだけでなれちゃうワケだから」と、生涯ジュニアにこだわるからこそノアジュニアの“存在価値"を否定した。
リーグ戦を制覇すればGHCジュニア王座挑戦への道が拓けるのが通例ではあるものの、鼓太郎は「今回のリーグ戦には自分から出たいと言ったワケでもないし、チャンピオンが出てるリーグ戦に出て優勝したら、俺が一番強いワケでしょ? チャンピオンが出てないんだったら話は別だったけど、今回のリーグ戦にはノアジュニア全員出てるワケだから、チャンピオンも倒して優勝したら、俺からベルトに挑戦させろっていう理由がない。ベルトなんて獲る必要ないでしょ。『やっぱりお前ら弱かったね』で終わり」と基本的には“挑戦拒否"の構え。
逆に王者から指名されることはあり得るが、「仮に挑戦したとしても、獲ったベルトを見た時にやっぱり輝きを感じなかったら封印してもいいかな…って思ってる」と“封印"まで視野に。GHCヘビー級王座を事実上“無差別級化"させる青写真すら描き、「気になる選手? 丸藤正道、杉浦貴、中嶋勝彦、拳王…とか。みんな100キロないでしょ? 俺はそこらへんとやりたいな…“ジュニア"として。まだ勝ててない選手もいるし、俺も外に出ていろんな選手とやって力つけてきたんで、今やったら面白いんじゃないの?って」とノアジュニア勢を無視してヘビー勢に喧嘩を売った。
この日のリーグ戦初戦ではノアジュニアに定期参戦するフリーの諸橋と対決。徹底したボディ攻めを効かせたうえで、最後はローリングエルボーからのタイガードライバーで完勝した。「俺が負ける相手じゃないね。だから言ったんだよ。ノアのジュニアは“フリー含めて"最弱だ…って。そういうことだろ?」。ともあれ、とにかくこの男を止めぬことには、ノアジュニアの存続自体が危ぶまれることになる。
【鼓太郎ミニインタビュー】(※試合前)
――まず古巣ノア参戦について抵抗感はなかった?
▼鼓太郎「俺の中では無かったですね。俺の中では。メンバーも半分くらい違うし。だから、懐かしいような新しいような、ひじょうに複雑な気持ちですね。正直」
――外から見ていて古巣ノアにはどんな印象を持っていた?
▼鼓太郎「ジュニアの存在価値が無くなってきてるんじゃないか…とは感じてましたね。『みんなでGHCヘビーを争えばいいじゃん』って思ってましたね」
――ヘビー級への転向が相次いだことに疑問をもった?
▼鼓太郎「そうですね。ヘビー級の体重には見えないのに、ヘビー級に転向する人が多くて。だったらGHCヘビーを無差別に変えてみんなで争えばいいんじゃないかな…って思ってました。客観的にみて。だって今、熊野は90キロ以上あるワケでしょう? でも、今のヘビーには90キロなさそうな人もいるワケで、それってメチャクチャ矛盾してないですか? ジュニアのベルト…というか、“ジュニア"の価値ってなんなんですかね。『俺、明日からヘビー級!』って言うだけでなれちゃうワケだから」
――そういった状況も踏まえて総合的にみて価値が落ちていると感じたからこそ『今のノアジュニアは最弱』という発言がでた?
▼鼓太郎「そう。素直に思った。だって俺がノアジュニアにいた時なんて、ヘビー級になる…なんて思いもしなかったことだから。逆に俺が辞めてから6年。その間にジュニアはジュニアでしっかりとした価値観を創り上げてたら、そうは言わなかったと思うから」
――ヘビーとジュニアを体重で線引きしない…という流れはノアに限ったことでもないが?
▼鼓太郎「それが最先端の形といえば、そうなのかもしれない。俺の考えが古いだけなのかもしれない。でも、俺は“しっかり線引きし直したほうが良い派"です」
――ただ、“最弱"と言ってしまうと選手のみならずファンからも反発がありそうだが?
▼鼓太郎「まぁこうやってノアのリングにフリーとして参戦する以上は、温かく迎えてもらう気は一切ないんで」
――逆に言うと“最弱"の一言を発しただけで、完全にノアジュニア一丸で憎悪の的とされたが?
▼鼓太郎「まぁ俺が逆の立場なら、ふざけんなよ!ってなるから。何も思わないんだったら、感情どっかに行っちゃってんじゃないの?って思うし」
――ジュニア王者の原田選手は『鈴木鼓太郎と当たる選手は誰一人負けるな』とユニットを超えた大号令を発した
▼鼓太郎「それを言ったチャンピオンとは同じブロック。直接対決もあるワケだから、手っ取り早いですね」
――それは“ベルトを狙う"という意味で、手っ取り早い?
▼鼓太郎「いや、ベルトに関しては挑戦する必要があるのかどうか分からない。今回のリーグ戦には自分から出たいと言ったワケでもないし、チャンピオンが出てるリーグ戦に出て優勝したら、俺が一番強いワケでしょ? チャンピオンが出てないんだったら話は別だったけど、今回のリーグ戦にはノアジュニア全員出てるワケだから、チャンピオンも倒して優勝したら、俺からベルトに挑戦させろっていう理由がない。ベルトなんて獲る必要ないでしょ。『やっぱりお前ら弱かったね』で終わり」
――最弱が証明されたカテゴリのベルトには興味がないと?
▼鼓太郎「どうだろね。仮に挑戦したとしても、獲ったベルトを見た時にやっぱり輝きを感じなかったら封印してもいいかな…って思ってる。その時に『もう一度輝かせてやろうかな』と思うかもしれないけど、まずは獲ってみないことには分からない」
――GHCジュニアを封印して、GHCヘビーを事実上の“無差別ベルト化"させると
▼鼓太郎「そうそう。俺は今日からヘビー級って言えば、ジュニアでもヘビー級になれるんだから。だったらみんな無差別のベルトを狙えばいい。100キロでしょ? 105だったり90だったり、団体によってジュニアとヘビーの境界線はバラバラだけど、ここの団体は100キロなワケだから。俺はそう思ってずっとここでやってたから。昔のノアはそこがしっかり分かれてたからこそ、“ノアジュニア最強"って言われたと思うし。“ジュニアのままヘビーを獲る"ってことはカッコいいと思うんですよ。小川さんみたいに。だって小川さんは一度も『俺はヘビー級だ』とは言ってないでしょ? だからあえてヘビー級転向って言う必要はないと思う」
――となると、今のノアで興味のある選手は?
▼鼓太郎「丸藤正道、杉浦貴、中嶋勝彦、拳王…とか。みんな100キロないでしょ? 俺はそこらへんとやりたいな…“ジュニア"として。まだ勝ててない選手もいるし、俺も外に出ていろんな選手とやって力つけてきたんで、今やったら面白いんじゃないの?って。まぁ、まずは今日から戦ってみて、だね」
【試合後の鼓太郎】
――初戦を突破したが?
▼鼓太郎「あそこまで言って、ここで転ぶワケにはいかないでしょう。次だよ、次」
――諸橋はどうだった?
▼鼓太郎「どうだろうね。良くも悪くもまとまってるんじゃない? 俺が負ける相手じゃないね。だから言ったんだよ。ノアのジュニアは“フリー含めて"最弱だ…って。そういうことだろ?」