9/17【新日本】鈴木軍乱入で後藤無法粉砕 タイチがNEVER王座初戴冠

『DESTRUCTION in BEPPU』大分・別府ビーコンプラザ(2018年9月17日)
NEVER無差別級選手権試合=○タイチvs後藤洋央紀×

　鈴木軍の面々を乱入させて勝機を掴んだタイチが奥の手・ブラックメフィストで後藤を粉砕。NEVER王座初戴冠を果たした。

　G1出場を逃してフラストレーションを溜め込んでいたタイチは、8・12日本武道館で後藤を襲撃して実力行使。6・5大阪城ホールで逃したNEVER王座奪取の機会を再び掴んだ。前哨戦では勝負度外視の反則暴走を繰り返し、後藤を何度もKOした。ベルトを幾度となく奪い取ると投げ捨て、とうとう一部を破壊していた。

　まずはタイチが心理戦を仕掛ける。ゆっくりとガウンを脱ぐと、ゴングが鳴ってもなかなか動かず、一旦場外に降りて距離を取った。後藤はリング中央であぐらをかき、悠然と構える。タイチがリングに戻ると、すぐさま襲いかかるが、タイチはまたもや場外に退避した。

　そして、セコンドのあべみほをリングに押し入れて注意を引きつけさせると、背後から後藤を襲撃。場外に投げ捨てると、セコンドに付いた金丸義信が介入した。後藤は返り討ちにするが、タイチがパイプイス片手に割り込み、そのまま観客席で後藤を暴行した。

　その後もタイチの時間が続き、再び場外戦へ。タイチは後藤の背中をパイプイスで痛打すると、花道でタイチ式ラストライドの構えに。こらえた後藤は逆にブレーンバスターでぶん投げると、倒れるタイチの上に金丸をブレーンバスターで叩きつけ、やっと反撃を果たした。リングに戻ると、串刺しニールキック、バックドロップと攻め立てる。

　しかし、タイチは牛殺しを阻止すると、打撃戦になってもジャンピングハイキックを一閃。ラリアットの相打ちでは押し負けたが、追尾合戦をアックスボンバーで制した。側頭部をミドルキックで射貫くと、ロングタイツを脱ぎ捨て、天翔十字鳳に。これが不発に終わっても、急角度のバックドロップでぶん投げると、再びジャンピングハイキックをグサリ。師匠・川田利明ばりの畳みかけを見せる。そして、ステップキックで顔面を蹴り上げると、タイチ式ラストライドを仕掛けた。

　意地のリバースでしのいだ後藤は、リストクラッチ式の変型バックドロップで投げ飛ばす。雄叫びを上げると、リング中央でスリーパーに捕獲。意識もうろうとなったタイチにGTRを狙った。

　だが、タイチは海野レフェリーを掴んで阻止。海野レフェリーが交錯に巻きこまれて場外に転落すると、鈴木軍の面々がここぞとばかりに次々と乱入した。

　一歩も下がらない後藤は金丸、そしてデスペラードをラリアットで排除。後藤を助けようとCHAOSのRPG 3Kが登場し、2人をバックステージに連行した。その隙に息を吹き返したタイチはマイクスタンドで殴りかかるが、読んだ荒武者はは牛殺しで鎮圧すると、昇天改を敢行。完璧に決まったが、フォールに入ってもレフェリー不在で勝利は奪えない。

　後藤はリングサイドでうずくまる海野レフェリーに声をかけると、タイチをミドルキックで胸板を蹴り抜き、ノーモーション頭突きから裏GTRを見舞った。海野レフェリーはリングに戻るが、タイチは3カウントを許さない。後藤は正調GTRで勝負に出る。

　しかし、アイアンフィンガーを装着した飯塚がエプロンに上がり込むと、後藤はGTRを自ら解く。そして飯塚をエルボーで場外に蹴散らしたが、レフェリーの注意がそちらに向いたのを見逃さないタイチは、急所蹴りからタイチ式外道クラッチでクルリ。あわやの場面を作り出した。

　止まらないタイチは天翔十字鳳を叩き込むと、タイチ式ラストライドを敢行するが、後藤はギリギリで肩を上げる。ならばとタイチは奥の手・ブラックメフィストをお見舞い。完璧な3カウントを奪い取り、タイチがNEVER王座初戴冠を果たした。

　試合後、タイチはNEVERのベルトを投げ捨てて、興味ないと言わんばかりに踏みつける。代わりにあべみほがベルトを高々と掲げて喜びの表情を浮かべた。タイチは笑顔を一切見せず、ベルトを持たぬまま憮然とした様子。それでもタイチがG1不出場の屈辱を晴らす形となった。