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9/23【DDT】入江&里村と遺恨清算…ディーノがKO-D奪還、両国メインで佐々木と激突

『Road to Ryogoku 2018』東京・後楽園ホール(2018年9月23日)
KO-D無差別級選手権試合サバイバル3WAYマッチ ○男色ディーノvs入江茂弘vs里村明衣子×

 入江&里村との遺恨を清算したディーノがKO-D王座に返り咲き。10・21両国のメインイベントで佐々木大輔の挑戦を迎え撃つことになった。

 ディーノは8・14新木場で突然、いつでもどこでも挑戦権を行使し、その日2試合目となる入江を撃破してKO-D無差別級王座奪取に成功した。しかし、右肩負傷が響き、8・28新木場で里村に敗戦。史上初の女子王者が誕生した。里村にリベンジしたいディーノ、そのディーノへの雪辱を狙う入江…。3人の思惑が交錯し、3WAYによる勝ち残り形式のKO-D戦が実現した。この勝者が10・21両国でKING OF DDT覇者・佐々木の挑戦を受けることになる。

 タイプの違う3人の戦いは何度も攻守が入れ替わる混戦に。まずは入江がパワフルなエルボーやセントーンでリードしたが、ディーノがロープに飛び乗っての背面エルボーで2人を同時になぎ倒すと、男色殺法で里村を圧倒していく。引かない里村がディーノをトップロープの上に股間から落とすと、そこに入江が突進。ディーノごと場外に転落する。入江は場外で里村をマフラーホールドの要領で担ぎ上げると、客席を仕切る鉄板に叩きつける荒技を繰り出した。

 体格差はいかんともし難く守勢が続いていた里村だったが、入江を完璧な雪崩式ブレーンバスターで投げ飛ばし、場内を沸かせる。そこにそこに割り込んだディーノは、入江を転がすと、その身体の上で里村にパイルドライバーをお見舞い。入江が場外に転落すると、里村には垂直落下式ブレーンバスターを繰り出し、変型チキンウイングアームロックでギブアップを迫った。何とか里村がロープにエスケープすると、場内は大きな拍手に包まれる。

 2人の戦いを入江が強引に止める。里村とディーノを同時に担ぎ上げると、デスバレーボムを強行。ディーノは危険な角度でマットに突き刺さった。ここぞとばかりに、入江は里村にスライディング式エルボーをぶち込むと、ロープに足を固定しての変型コンプリートショットを敢行。復活したディーノは丸め込みで奇襲したものの、止まらない入江はデスバレーボムで黙らせる。が、その直後に里村が同じくデスバレーボムで投げ飛ばし、3人ともに大の字となった。

 死力を振り絞って立ち上がった里村は入江の背中にスリーパーで飛びつくが、入江は構わず里村を背負ったままコーナーでへたり込むディーノにキャノンボールを敢行。里村をタズミッションで捕らえて絞め上げる。しのがれても、カウンターのビーストボンバーを一閃。腕のサポーターを投げ捨てて、再度ビーストボンバーの構えに。しかし、割って入ったディーノは入江をリップロックに捕獲。さらに里村が背後からスコーピオンライジング(ヒザを踏み台にしてのカカト落とし)を浴びせると、すかさずディーノがゲイ道クラッチで丸め込み、入江を脱落に追い込んだ。

 休まずディーノは垂直落下式ブレーンバスターを里村に敢行。連発を狙う。これを読んだ里村は背後に回り込んでスリーパーに捕獲。同絞め式に移行して絞め上げた。しのがれても、右ハイキックを振り抜き、デスバレーボムに繋げて決定機を掴んだ。

 里村はスコーピオンライジングで勝負に出るも、空中でその身体を担ぎ上げたディーノがデスバレーボムをズバリ。最後は急角度の男色ドライバーで里村を仕留めた。

 入江と里村を連続撃破し、ディーノが1ヵ月ぶりにKO-D王座に返り咲き。両国のメイン出場を決めた。「正直言って、私がいくって思ってなかったでしょ。ざまあみなさい。私が2018年、両国のメインイベントで最後に入場してくる男色ディーノだ」とマイクでアピールしたディーノは一旦退場していた入江をリングに招き入れた。

 ディーノのプロデューサー体制に入江が噛みつき、両者はここまで激しい抗争を繰り広げてきた。ディーノは改めて入江の言動に理解を示すと、「DDTってリングの上で決着をつける団体だから。いろいろ言いたいのはわかる。シゲちゃんのぶんも私はちゃんと背負うつもりはあるから。私のことは嫌いでもいい。でも、信じて」と投げかけ、「1年間やってきてくれたことは感謝しているの。いろいろあれだけど、ごめんねって言ったら後ろ向きだと思うから…ありがとう。今日は握手してちょうだい。いろんな意味でありがとう」と右手で握手を求める。入江は「ディーノさん、その手を握ることはできません。握手は左手でしてくれよ。そのほうがハートと近いから」と応じ、遺恨を清算した。

 さらに、ディーノは「悔しい気持ちは置いといて、1勝1敗。ライバルとして握手してもらえない?」と里村にも提案。里村は潔く応じると、混迷が続いた3人の因縁に一応の決着が付いた。

 そんなディーノの言動に噛みついたのが、両国で対戦する佐々木だった。「おい、男色ディーノ。俺はな、お前のそういうところが嫌いなんだよ。お前が来るのが一番想定内だったけどな。お前のその夢、両国のメイン…俺はな、夢とか語るヤツが大嫌いなんだよ。両国メインだぞ」と不快感をあらわにすると、「お前がこのDDTの象徴とか言われているのは吐き気がするんだよ。今のDDTは俺だよ」と断言。それを聞いたディーノは「私、今、これ(ベルト)を持っているからね。一番分かりやすいんじゃない。私からベルトも象徴も剥ぎ取ってみなさい。両国のメインでね」と言い返し、2人は視線を交錯させた。

 最後に「さて、両国まであと1ヵ月。準備はいい? この男色ディーノ様が想像を超える両国にしてやるわ。カリ首洗って待ってなさい」と観客に呼びかけて大会を締めたディーノ。両国以降のDDTマットで主役に立つのは、遺恨を清算した王者・ディーノか? それともKING OF DDTを制した挑戦者・佐々木か?

【試合後のディーノ】
▼ディーノ「御チャンピオンさまですけど、なにかありますか?」

――改めて両国のメインが決まった感想は?

▼ディーノ「まあ、私がDDTのチャンピオンです。男色ディーノです。どうぞよろしく。両国、御メイン様です。よろしく(手を振る)」

――戦いを振り返ると?

▼ディーノ「きついですね、敵が2人って。途中、ヤベエと思うことがあって。ただまあ、比較的直線タイプが2人いてよかったと思っている。試合のことだけで言うと。私が力が上だなんて実は思っちゃいないのよ。ただ、組み合わせというか、かみ合わせがよかったんでしょうね。まあ、強い人が巻くベルトじゃないの。私に言わせればこれはね。一番DDTに相応しいかどうか。それがこのベルトを巻くのに必要とされてるものだと私は思っているから。それが今、私のところにある。これ以上のことは何もない。私より強い人はいっぱいいるでしょうね。でもね、それだけじゃこのベルトを獲ることはできないのよ。それが仮に、佐々木大輔であったとしても。このベルトの意味を知っているのは、おそらく私が一番。それはHARASHIMAさんでもない。高木三四郎でもない。この男色ディーノ。このベルトの意味が一番わかるのは男色ディーノ。重要なことだから2回言いました。覚えておいてください」

――試合後、入江選手に「ごめんね」と言っていたが?

▼ディーノ「あれは私、プロとしてあるまじきことなのよ。ごめんねと言うのは本当にいろんな意味。たぶん表に出すべきじゃない『ごめんね』なのよ。本当にいろんなことが…。ここからは記事にしてもらうかどうか、上に確認してもらいたいんだけど、『入江君という個を包み込んであげられなくてごめんね』という私の中のごめんねなので。この1年間、入江君があがいてきたこと。それを包み込んであげられるDDTじゃなくてごめんという意味。だから、そういうごめんね」

――改めて対戦相手の佐々木選手については?

▼ディーノ「本当に正直なことを言うわ。今の佐々木大輔は私にとって脅威なの、存在が。だから、トーナメントに伏兵で上がってきた佐々木大輔、この3WAYを伏兵で上がってきた私。このぶつかり合いというのは、意外と突発的なものだとみんな思っているかもしれないけど、私に言わせれば必然。DDTの中心にいるのはDAMNATIONじゃねえ、この私だっていう気持ちがある。でも、向こうはそう思わない。そのぶつかり合いよね。もう1回、これも大事なことだからはっきり言っておく。今の佐々木大輔は私にとって脅威です。だから、ぶっ潰す。そういう会話の仕方しか私は知らないので」

【試合後の里村】
――今回の結果については?

▼里村「最後は両国に出たいという気持ちがディーノ選手に叶わなかったというところも大きかったかなと思いますね。あの人の思いというのは戦いを通じて凄い強いものだと思いましたし、その意志っていうのが試合中に伝わったので。最後はそれで、どうしても自分が一枚諦めが早かったのかなと思います」

――KO-DベルトやDDTに対する思いは?

▼里村「この2ヵ月間は自分にとって、またDDTに挑戦したことによって、本当にステップアップできた2ヵ月でしたし、負けた今でもまだいけるんじゃないのかなって思うんですよね。ここからまた私が何か動くことによって、また変わるんじゃないかなって。負けた今でも、まだ希望が湧いてきます。それだけまったく女子として見なかった、本気で挑んでくれたディーノ選手と入江選手には、凄いプロレスラーとして惚れるものがありました」

【入江の話】「いっぱいいろいろと思うこと…いろんな気持ちがあるけど、とにかく今はスッキリしたって気持ちですね。いろいろあったけど、本当にやっぱり感謝しているし、自分にとってもいいところだったと思いますし。今のところは本当に、今日こうやって後楽園もお客さんがいっぱい入ってて。そんなところを見れて、僕は嬉しかったし。とにかくそういうのも含めて、全部自分はスッキリしました。ありがとうございました」

【佐々木の話】
▼佐々木「男色ディーノ、予想外だな。俺は正直、入江が来ると思ってたよ。だから、男色ディーノのことは何も考えてない。まあ、わかっているのはあいつが一番弱いってこと」

――やりやすい相手?

▼佐々木「やりやすくはないな。弱いけど。怪我もしてんだよな? 怪我なんてレスラーはしてて当たり前だろ。俺だってしてるよ。あいつは弱さをすぐ人前に出す。そういうところが俺は嫌いなんだよ」

――DDTの象徴という言葉もあったが?

▼佐々木「まずそもそもなんであいつがDDTの象徴とか呼ばれているのか、俺にはわからないし。今、第一線で身体張ってるのは俺だし、俺たちDAMNATIONだし。入江は破壊するって言ったけど、俺は破壊しないから。俺が作る」

――新しいDDTをDAMNATIONで作っていくと?

▼佐々木「ああ、そういうことだ。その通りだ」

――夢や希望という言葉は嫌い?

▼佐々木「夢も希望もないだろう、この世界。そんなの見せないよ」

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