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10/4【NOAH】中嶋ねじ伏せ杉浦堂々V6 新世代軍、フーリガンズら包囲網も…GL制覇に照準

『GLOBAL Jr. LEAGUE 2018 最終戦』東京・後楽園ホール(2018年10月4日)
GHCヘビー級選手権試合 ○杉浦貴vs中嶋勝彦×

 手段を選ばず非情の猛攻を仕掛けてきた中嶋の猛威をしのぎ切った杉浦がGHCヘビー級王座6度目の防衛に成功。試合後には新世代軍、フーリガンズらに詰め寄られる包囲網が敷かれたが、自身はグローバル・リーグ戦優勝に照準を切り替え“完全制圧"を見据えた。

 “ダークサイド勝彦"の猛威ばかりが目立った。不敵な笑みを絶やさず、ゴングが鳴るなりリング上に寝そべって杉浦を挑発。王者の怒りを煽ったうえで鉄柱誤爆を誘うと、一気に鉄柵や本部席に叩きつけ、迷いなく座位が抜けるほどの勢いでパイプイスを脳天に振り下ろした。

 杉浦もスピアーや雪崩式ブレーンバスター、ハイクラッチジャーマンで反撃したものの、中嶋は素早いギアの切り替えで王者を翻ろう。それでも杉浦はフロントハイキックの相打ちに持ち込むや、アンクルホールドでギブアップを迫る。逃れられてもターンバックルジャーマンで投げ捨て、馬乗りになって鬼のエルボーを連打、連打、また連打。ランニングニーで連続して顔面を射貫き、後頭部にもエルボーを突き刺すと、一気に五輪予選スラムを狙った。

 ところが中嶋は中山レフェリーをつかんで踏ん張るや、すかさずセコンドの北宮がレフェリーを引きつける。このスキにプッシュアップバーをリングに持ち込んだ中嶋は、杉浦の側頭部を躊躇なく殴りつけ、絞首刑まで繰り出した。

 ブーイングに快感の笑みすら浮かべたものの、杉浦もカウンターの左ラリアットを発射。一瞬でブーイングを歓声に塗り替えるや、一気に予選スラムで投げきったものの、3カウントは入らない。

 逆に中嶋は続く予選スラムをフランケンシュタイナーで切り抜けると、猛攻に転じた。トラースキック7連射で杉浦の顔面を射抜きまくり、投げ捨てジャーマンで引っこ抜くと、前後からサッカーボールキックでメッタ打ちに。倒れ込む杉浦の腕を掴んで強引に何発もミドルキックをねじ込み、四つん這いになった王者の顔面を容赦なく蹴り上げる。戦慄の一撃に場内は異様などよめきに包まれた。

 サディスティックでサイコパスな笑みを浮かべた中嶋は踏みつけフォールを自ら解くと、バーティカルスパイクを敢行。完璧に決まったが杉浦はギリギリで肩を上げた。逆に左右の張り手を振り回すも力はない。逆に中嶋は猛烈な張り手、エルボーの猛連打を浴びせて王者は崩れ落ちた。

 ところが、続く右ハイキックは崩れ落ちたことで結果的に“回避"。ならばと中嶋はまたも顔面を蹴り上げようとしたが、避けた杉浦は顔面をストレートパンチ連打で射貫いて逆転だ。さらにはアンクルホールドに捕獲すると、ロープを目指す中嶋をリング中央に引きずり込み、これしかないとばかりに絞めに絞め上げる。しばし耐えた中嶋だったが、最後は無念のギブアップ。杉浦が逆転勝利で6度目の防衛に成功した。

 最後は執念で中嶋をねじ伏せて杉浦がGHCヘビー級王座6度目の防衛に成功。“上位世代の壁"をまたしても破れなかった新世代軍の面々、潮崎、拳王、北宮、清宮がリングインしたものの、そこへ長井、マイバッハ、コーディ、KAZMAのフーリガンズ勢も現れた。

 マイクを握った長井は杉浦には「GHCヘビー級のベルト、このフーリガンズも狙わせてもらうぞ」と宣言したが、新世代軍のなかで唯一杉浦に未挑戦の清宮も「おい、お前らじゃねえんだよ。俺がいってやるよ」と叫んだ。

 だが、当の杉浦はどの声にも耳を貸さず。「おい、その前にな、10月30日から『GLOBAL LEAGUE』が始まるんだよ、ヘビー級のな。そこでナンバーワンを決めようぜ。それからでも遅くないだろ? しっかりベルトを磨いといてやるから、目指して来いよ、お前ら、若い衆」と通告した。

 当然自身もグローバル・リーグ戦制覇を譲る気はない。「りあえず若い連中は一通り倒して。まあ、清宮はあれだけど、清宮はその前に拳王との決定戦で負けてるからね。そういう意味では一通り倒したんで。ここでリーグ戦を盛り上げてやって。まあ、俺がそこで勝ったら、ノアでは完全に俺がキングだってことになるんで。それが面白くないと思ってみんな来るなら、リーグ戦は面白くなると思うよ」。驚異的なタフネスを見せつけた“48歳の全盛期"王者が、新世代総ナメ&リーグ戦制覇で“方舟完全制圧"を目指す。

【試合後の杉浦】
――挑戦者の中嶋選手はどうだった?

▼杉浦「今までと違うタイプでね。まあでも、前哨戦ずっとやってきて、スカされたりしてるから。最後は結構蹴られたしやられたけど、まあ、最後は殴り合ったんじゃないのかな。なんだろう、オヤジ狩りってこんな感じで合うのかな? ボッコボコに蹴られて殴られて(笑) わけがわからないよ」

――だいぶ蹴られたが、なぜ耐えられた?

▼杉浦「なんでだろうね? わかんないよ。そんなこと考えてやってないもんね。身体が動くから。わかんない」

――最後はアンクルホールドで決めた

▼杉浦「もう掴んだら離さないっていうね。打撃は何回もスカされてたんで、避けられたんで、もう何か掴んで離さないでやろうと思ったら、ああいう形になったけど」

――試合後には他の選手たちが出てきたが?

▼杉浦「やっぱりこんだけ俺が防衛していると、面白くないって思っている連中がたくさんいるんでね。そういう部分で集まってきたと思う」

――防衛回数を重ねるごとに内容が過酷なものになっているように見えるが、実感している?

▼杉浦「内容はちょっと自分ではわからないんだけど、お客さんが…。凄いやりやすいよね。俺を応援してくれて。そういう意味では自分でやりやすくて、いいものを見せてると思う。お客さんの声援がそこに繋がっていると思うんで」

――次はリーグ戦。そのあとに防衛戦を?

▼杉浦「そうなるでしょうね。今、誰が来るんだって考えた時に、長井がなんか言ったけど、客の反応もいまいちだったし。とりあえず若い連中は一通り倒して。まあ、清宮はあれだけど、清宮はその前に拳王との決定戦で負けてるからね。そういう意味では一通り倒したんで。ここでリーグ戦を盛り上げてやって。まあ、俺がそこで勝ったら、ノアでは完全に俺がキングだってことになるんで。それが面白くないと思ってみんな来るなら、リーグ戦は面白くなると思うよ」

――自分で「旧世代」という言葉を言ってしまったが?

▼杉浦「だってなにがあるの?(笑)」

――6度も防衛しているので「旧」ではないと思うが、他になにかある?

▼杉浦「名前? だったらナウは? ナウ世代? だせえな(笑) なんでもいいよ。俺は俺だから」

――スター選手らしく最後の締めも段々と様になってきている気がするが?

▼杉浦「それはスターゆえにスターたるゆえん…(笑) それは場数で、何回も締めてたらそうなるよ」

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