【DDT】佐々木&石川と熱戦ドロー 竹下がKO-D返り咲きへ決意あらた、丸藤との対戦も熱望 2018/10/28 23:40

『DDT LIVE! マジ卍 後楽園ホールスペシャル!!』東京・後楽園ホール(2018年10月28日)
スペシャルタッグマッチ=△佐々木大輔&石川修司vs丸藤正道&竹下幸之介△

 竹下&丸藤の越境タッグが佐々木&石川と熱線の末に20分ドロー。KO-D王座返り咲きへの思いを強くした竹下は丸藤との対戦を熱望した。

 メインイベントは豪華スペシャルタッグマッチが組まれた。10・21両国大会で男色ディーノを破って2年5ヵ月ぶり2度目のKO-D無差別級王座戴冠を果たした佐々木が久々の参戦となる石川とDAMNATIONタッグを結成。対するは竹下とノア・丸藤の越境タッグだ。

 まず魅せたのは石川と丸藤だ。佐々木が竹下との先手会争いでしのぎを削ってから、石川にタッチを渡すと、石川は丸藤にリングインを要求。呼応した丸藤も竹下と交代し、序盤から注目対決が実現した。まずは石川が手四つによる力比べで圧倒。丸藤もショルダータックルを連発し、フロントハイキックを打ち込んだが、石川はショルダースルーで高々と投げ飛ばして黙らせ、コーナーに追い込むと丸藤の背中に逆水平を連発した。

 劣勢となった丸藤だったが、スワンダイブの要領で石川を飛び越えて竹下にタッチ。ドラゴンスクリュー、フロントハイキックで
攻め立てた竹下だが、石川がニーリフトで動きを止める。場外戦になると石川がエプロンからのファイアーサンダーを敢行して竹下をテーブル葬にした。

 動きが鈍った竹下に石川がサーフボードで捕らえながらコーナーに叩きつける荒技で追い討ちをかけたが、引かない竹下は佐々木をエクスプロイダーで投げて劣勢を打開。丸藤がドロップキック、コーナーに追い込んでの逆水平で挽回し、レフェリーのブラインドを突いてナックルパンチをお見舞い。起き上がり小法師式逆水平、ステップキックと川田利明殺法で佐々木を圧倒した。

 佐々木もクロスフェースで捕らえて反撃。丸藤がすぐさまロープに逃れても、石川が串刺しラリアット、ダイビングフットスタンプの連続攻撃で追い討ちをかける。ファイアーサンダーは丸藤が不時着し、逆水平とエルボーの打ち合いで火花を散らすと、石川の串刺し攻撃を阻止してハイキック、スピンキックを立て続けに浴びせて流れを吊った。

 すかさず竹下がミサイルキックで続き、佐々木が乱入しても旋回式ブルーサンダーで返り討ち。ブレーンバスターで石川の巨体を引っこ抜いたが、ラリアットは石川が相打ちに持ち込む。3発目を大外刈り式バックブリーカーで切り返した。佐々木もエルボー合戦で押し込まれながらも、カウンターのドロップキックをズバリ。石川がチョークスラムで竹下を叩きつけると、佐々木がダイビングエルボードロップで急降下。さらにダブルインパクトを狙った。

 すると竹下が不時着し、コーナー上の佐々木を雪崩式フロントスープレックスで叩き落とした。すかさず丸藤が加勢し、竹下のフロントキック、丸藤のランニングフットスタンプを連続してさく裂。竹下のランニングニーと丸藤の後頭部への虎王によるサンドイッチ攻撃も呼吸ピッタリに決まった。

 石川がカットに入っても丸藤が資格からのトラースキックで返り討ち。佐々木に不知火を仕掛けたものの、石川がキャッチしてファイアーサンダーで突き刺した。ならばと竹下がラリアットで石川を撃退したが、佐々木がミスティカ式クロスフェースで捕獲。これを丸め込みで切り抜けた竹下は佐々木がウラカンラナを仕掛けてもパワーボムで切り返した。

 ここで石川がカットに入ったが、丸藤が不知火をさく裂させて返り討ち。竹下が串刺しフロントハイキック、ジャーマン、ラリアットで佐々木にたたみかけたものの、ジャーマンは佐々木が不時着。ウラカンラナで丸め込む。竹下が反転して丸め込み合戦に発展。残り時間が少なくなった中、佐々木と竹下はエルボー合戦で意地を張り合い、佐々木が竹下にヒザをつかせたところでタイムアップを告げるゴングが鳴らされた。

 豪華スペシャルタッグマッチは決着つかず、時間切れ引き分け。場外で打撃戦を展開していた石川と丸藤は試合後も互いを指差して挑発。佐々木は意味ありげにKO-Dのベルトを丸藤にみせつけるように掲げた。マイクを持つと「竹下、丸藤さんよ、今日はマジ卍最終回でこの俺がKO-D無差別級チャンピオンとしてやってきたのによ、引き分けか」と切り出した。石川も「毎週毎週、楽しみでしょうがなかったDDTマジ卍が最終回ってホントですか!? でもホントだったらやっぱり歌で終わらせないと。じゃあみなさん手拍子でお願いします。曲は石川修司でサライ」と熱唱を始めたものの、佐々木がマイクを奪って石川の頭をゴツン。強制終了させた佐々木は「俺たちは最終回とかな、どうでもいいんだよ。オイ巨人、カラオケボックス行って続き聴くぞ」と石川とともに去っていった。

 リングに残ったのは竹下と丸藤。竹下が「確かにこのマジ卍ね、1回目、僕メインイベント任されて樋口とメインイベントやって、最終回も今日、丸藤選手と組んでメインイベントやらせていただきました。こんな機会ないんでね、最後はですね、丸藤選手にサライを唄ってもらいたいと思います」と呼びかけると、場内もサライコールの大合唱。困惑する丸藤だったが、歌い出しのみ披露し、「皆さん、今日はどうもありがとうございました。このマジ卍、僕を呼んでくれてありがとうございました。竹下選手ありがとう」と感謝。「対戦相手だった佐々木チャンピオン、そして石川修司、プロレスラーとしての魅力は最高だけど、歌手としてはまるで興味がない」と言い切ると、「またこのリングに俺が必要とされれば、いつでもここにコスチュームで上がらせてもらいたいと思います」と宣言。「竹下選手、DDTをしっかり守りぬいて、盛り上げてください。今日はありがとう」とメッセージを送った。

 丸藤と握手を交わした竹下は「次は僕と戦ってくださいよ。このリングでも、ノアさんのリングでもいいんで。組むのもいいですけど、対戦したいです。よろしくお願いします」と熱望。サライコールに応えて歌を披露すると、「正直言います。僕はこのマジ卍かけてました。だから1回目のメインイベントを任されたと思ってるし、マジ卍で僕は常にベストを出せたと思ってます。でもまだまだ力足らずで、こうして最終回を迎えてしまったことは僕だけじゃないかもしれないけど、僕に責任があると思ってます。すいませんでした」と謝罪。一方で「でもマジ卍が終わっても、DDTはまだまだ突っ走っていきます。そして僕がもう一度KO-D無差別のベルトを巻いて、このリングで締めれるよう僕ももっともっと強くなっていきますので、皆さん、これからもよろしくお願いします」と誓ってみせた。

 この日のメインイベントを戦ったことで、竹下の中にさまざまな思いが交錯した。KO-D王座戴冠間もない佐々木との対戦を通じて「もっともっとやりたいし、あのベルト狙っていきたいなって改めて再認識しました」と頂点返り咲きへの思いを強くした。来月からシングルリーグ戦『D王 GRAND PRIX 2018』が始まる。竹下は「そこでリーグ戦をまず獲る。そして(2・17)両国でもう一度ベルトを巻く」と青写真を描き、明言はしなかったものの、丸藤とKO-D王座をかけての対決もその先に見据えた。

 一方、丸藤もKO-D王座について「そこに俺が興味を持つことが今必要なのか、必要じゃないのかというのをしっかり見極めたうえで」と前置きしつつ、興味を示した。ただ、現段階の最優先はノアでGHCヘビー級王者に返り咲くこと。「自分がシングルのベルトを持った状態でそれを狙ったら、もっとおいしいんじゃないか」とのスタンスを強調していた。

【試合後の竹下&丸藤】
▼竹下「いろんな思いがありました、今日の試合に。やっぱり僕のライバルである石川修司が対角線にいた。年は20歳ぐらい違うんですけど、僕はライバルだと勝手に思います。ずっとキャリアがまだ僕がデビューして間もない頃から幾度となくシングルマッチした回数が多い佐々木大輔が先週、両国でチャンピオンになって、僕自身いろんな気持ちがありました。両国前から決まってましたけど、このカードは。こうやってマジ卍の最終回でぶつかれたのは自分にとってもいい経験になりましたし、もっともっとやりたいし、あのベルト狙っていきたいなって改めて再認識しました。そしてパートナーの丸藤選手。一度だけ対戦、KO-Dタッグ選手権で戦ったんですけど、もちろんその時からこう触れ合うことで血液の中にDNAが、方舟のエキスが吸収されるというか。組んだらまた違う吸収の仕方ができるかなと思って、ロープの間からみてました」

▼丸藤「竹下選手と一緒に組んでいて、DDTというグループのやっぱり未来であり、現在である、トップを走ってる選手だというのはしっかり感じました。この流れの中に丸藤というものは特には関係なかったかもしれないけど、一つのスパイスとして参戦できたことは僕もうれしいし、感謝してるし。少しでも何かきっかけになったらと思った中でチャンピオンである佐々木選手、俺もそうなんだけど、けして体が大きくない中でもしっかりしたものを持っていて。その隣にはバカでかい、俺ずっと興味あった石川修司という選手。やっぱり凄いですね想像以上に。シングルはやりたくないな。やりたくないけど、もっと試合してみたいな。とにかく20分じゃちょっとさすがに短いなというのがあったんで、またもしかしたらこのカードかもしれないし、違うかもしれないし、隣に立つことがあれば力になりたいし、また対角線に立つかもしれないし、その時はぜひよろしくお願いします」

――KO-D王座、王者・佐々木への興味は?

▼丸藤「どうですかね。そこに俺が興味を持つことが今必要なのか、必要じゃないのかというのをしっかり見極めたうえでの部分では、やっぱりちょっと興味はあるよ。今、やっぱり自分はノアの丸藤正道なんで、しっかりノアのベルトを狙って、自分がシングルのベルトを持った状態でそれを狙ったら、もっとおいしいんじゃないかなと。その時がきたら、誰がチャンピオンかわからないけど、竹下選手かもしれないし」

――マジ卍最終回となり、1月からスーパーが始まることになったが?

▼竹下「僕が去年1年間ベルトを持ってるタイミングでマジ卍が始まったんで、僕がずっとオープニングVとかもトップを張らせていただいて、それでやってきたんで、またね、1・3までに間に合うかわからないですけど、必ず僕がベルトを巻いて、観てる人にも竹下が中心、竹下がトップなんだって思ってもらえるようにオープニングを飾りたいなと思ってますし、ノアさんもリーグ戦始まりますけど、僕らも来月からリーグ戦が始まります。そこで勝てば次の両国のメインイベント確定するんで、そこでリーグ戦をまず獲る。そして両国でもう一度ベルトを巻く。そして丸藤選手と……皆までは言いませんけど。ありがとうございます」

――ノアとDDTの交わりが深まっているが?

▼丸藤「そうですね。そういった意味で俺もDDTさんだけじゃなく各団体に上がらせてもらって、ノアには丸藤だけじゃなくて、いい選手たくさんいるんだよというのも同じように見てもらいたいし。ノアが持ってないコンテンツというものをたくさん持ってる団体さんがいっぱいあるんでね。そこは申し訳ないけど、うまく利用させてもらって。DDTさんとは違うプロレスラーがウチにはいっぱいいるんで。プロレスが活性化すればいいんじゃないですか」

▼竹下「僕はプレイヤー側なんで、DDTとノアさんがどんないい関係になって、どんな文化が交わろうが、戦うことで学びたいし、吸収したいし、自分のいいところももっと伸ばしていきたいし。その経験をどんどん積ませてもらえるなら、こんなありがたい話はないんで。僕は来年、海外にもどんどん出ると言ってますけど、デビューして6年なんで、中心に立ちながら、トップ走りながら、まだまだ強くなっていきたいと思います」