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11/3【全日本】金児が蹴り技、神田が足関節で奮戦 石原軍団が全日マットでプロレスデビュー

『Lucha Fiesta Tour 2018 supported by AJP』開幕戦
東京・後楽園ホール(2018年11月3日)
エキシビションマッチ=○カーベル伊藤&金児憲史&神田穣vs佐野直&大久保一樹&原学×

 石原プロモーションに所属する俳優・金児憲史と神田穣がプロレスデビューだ。

 この日、「カーベルpresents 石原軍団襲来 スペシャルエキシビションマッチ」が組まれた。カーベルのCMに石原プロモーションのタレントが出演している縁で、この日、金児、神田がエキシビションマッチながらプロレスデビューを果たすことになった。

 二人はこの一戦へ向けて全日本の道場で練習を積んできたが、その成果を発揮した。神田は小柄ながらジェイク・リーと同じ道場で柔術を学んでいることもあって、その技術を随所で披露。原を相手にローキックで蹴り合うと、積極果敢に腕ひしぎ逆十字を狙う。フェースロックや脇固めに捕まっても金児のカットに助けられ、スリングブレイドをさく裂。ミドルキックで何度ねじ伏せられても立ち向かい、飛びつきヒールホールドで見せ場を作った。

 長身の金児は今年9月に40歳を迎えたばかりだが、年齢を感じさせない動きをみせた。大久保を相手にミドルキック合戦で真っ向から渡り合い、ショルダータックルを連発され、サッカーボールキックで蹴り飛ばされると、逆エビ固めに捕まったが、自力でロープに脱出。フロントハイキックで反撃すると、ジャンピングニーもさく裂。ミドルキック連打を浴びせると、ブレーンバスターで投げてみせた。

 最後は佐野が伊藤のマスクを剥いで反則裁定に。不本意な結果ながら金児&神田がプロレスデビューを勝利で飾った。少年時代からプロレスファンだったという金児は念願かなって「リングに立つともう一回やりたいって気持ちが凄くあるぐらい、本当に素敵な場所でした」と興奮を隠せず。試合中は「怖いって気持ちがまずありました。怖いから死ぬ気になれました」と開き直り、そのかいもあって「ひと皮むけました。いい40歳を迎えられました」と笑顔を見せた。

 一方、神田は「正直やってて凄い楽しかったです」と開口一番、振り返った。というのも、もともと格闘技好きで、それが高じて柔術を学んでいる。「こうやって後楽園に立てたのを光栄に思いますし、やってる時も日ごろ、格闘技で習ってることを活かせたと思って」と興奮気味に話し、「こうやって新たな自分を見出したこと、とてもうれしく思います」と充実感をのぞかせた。

 気になる今後については二人とも慎重姿勢。金児が「やっぱり役者の道もありますから。そこの両立が難しいという気持ちが凄くありまして、折り合いがつけばやらせていただきたい」との意向を示せば、神田も「機会があればぜひやりたいですけど、とりあえず役者の方に専念したいなとは思ってます」と当面は本業にまい進する構えをみせていた。

 この日は二人を取材するべく、芸能マスコミも多数会場に訪れていた。また彼らがお目当てであろうファンからの歓声もたくさん飛んだ。素人といえる二人の参戦に賛否両論は避けられないところだが、これをきっかけkに新規ファン獲得など全日本への波及効果も期待できるかもしれない。

【試合後の伊東&金児&神田】
▼伊藤「どうでしたか?」

▼神田「楽しかったです」

▼伊藤「初プロレス、初リング?」

▼金児「いやぁしびれました」

▼伊藤「ケガないですか?」

▼神田「大丈夫です」

▼伊藤「皆さん、みてくれましたか? チャレンジ=ビューティフル。リスクを冒してもそれを形にした俳優二人は素晴らしいと思います。ましてデビュー戦で不本意ながら反則ですけど、神田、金児、勝ちましたからね。歴史には残るはずです」

▼神田「でもカーベル社長にお誘いを受けてから、この中で自分ができるのかなと思ってたんですけど、全日さんのサポートとカーベル伊藤さんのサポートでここまで成長できて、こうやって新たな自分を見出したこと、とてもうれしく思います。ありがとうございました」

▼金児「本当に皆さんの支えがないと立てなかったリングなので、その支えていただいたすべてのスタッフの方、カーベル社長、全日の皆さん、石原プロの仲間たち、本当に感謝したいです。ひと皮むけました。今年たくさんデビューしましたんで、いい40歳を迎えられました。ありがとうございました」

――試合が決まってから特別なトレーニングは?

▼伊藤「やりましたよ」

▼金児「カーベル社長に、カーベル伊藤さんに受け身から、イチから指導し直していただいて、私は石原プロ入団当時、いろんな合宿生活でいろんなアクションの殺陣の練習とかさせていただいたんですけど、またそれをブラッシュアップしていただいて。あとは個人でイメトレなり何なり。で、神田は柔術をやってるんで、それが活きてました」

▼伊藤「強かったですよ、神田さん。レスリングの技術ね。何にもプロレスラーに負けてないサブミッションができてました」

――プロレスラーとして本格的にデビューする気持ちは?

▼神田「次は役者で」

▼伊藤「金児さんのこのナチュラルな体を活かして、あれだけの攻撃を見事に受けきってたんでね。やっぱり体がでかい俳優さんはいろんな可能性を秘めてるなと思いますね」

――リングに上がってアドレナリンが出た?

▼金児「怖いって気持ちがまずありました。怖いから死ぬ気になれました。そして受け止めてくださる相手の選手の方がいて成り立つものなので、そこは感謝します」

▼神田「僕は正直やってて凄い楽しかったです。格闘技がずっと小さい頃から好きで、ずっと親にも格闘技をやりたいと言ってたんですけど、断られ続けていて、念願のこうやって後楽園に立てたのを光栄に思いますし、やってる時も日ごろ、格闘技で習ってることを活かせたと思って。相手の距離感とかガードとかもしっかりできたんで、やっぱり日々の積み重ねは大切だなって改めて実感しました」

――ヒールホールドを極めたが?

▼神田「それよりもキックが痛すぎて、あの流れからどう返そうかって考えていて、その時にちょうど先週ぐらいに教えてもらったヒールが頭の中にあって、使おうと思って使いました」

▼伊藤「ドンピシャのタイミングでね、ヒールホールドが決まって素晴らしかったと思います」

▼金児「あとすいません。今日、僕、観に来てくれて一番うれしかった宮下裕治がいるんですけど、18年石原プロで一緒に…」

▼宮下「いやぁ、凄かった。新人の試合とは思えないぐらい。びっくりしました。今日もちゃんと試合になってましたし、金児に関してはブレーンバスターやってたんで。これは相当訓練したなとびっくりしました。楽しかったです」

▼伊藤「よく投げ切りましたよね。重たい選手をよく投げ切ったと思います」

▼宮下「あの張り合いが凄い見応えあったからね。どんどん真っ赤になっていくのがわかるから。顔から何から真っ赤になってね。普段、真剣にならない金児の顔がみれましたよ」

――今後については?

▼神田「機会があればぜひやりたいですけど、とりあえず役者の方に専念したいなとは思ってます」

▼伊藤「やるっていえば石原プロが難色を示すかもしれない」

▼神田「そうですね」

▼金児「リングに立つともう一回やりたいって気持ちが凄くあるぐらい、本当に素敵な場所でした。ただですね、そうするとちゃんと体を作らなきゃいけない。プロレスラーになっちゃいけない、やっぱり役者の道もありますから。そこの両立が難しいという気持ちが凄くありまして、折り合いがつけばやらせていただきたいと思います」

▼伊藤「お声掛けしますからね。

▼金児「待ってます。鍛えてます」

――異業種ながら石原プロとして強い男をみせなければいけなかったのでは?

▼金児「それは見てくださった皆さんが判断することで、僕らは強いと思ってやってないというか、胸を借りるという気持ちの方が大きくてですね。やっぱりプロの方ですから。僕らはしょせん何か月か練習して立たせていただいてる。そこに関しては胸を貸して下さった方々、そしてそれを見てくださった皆様が判断することだと思います」

――「顔はやめて」の声も飛んでいたが?

▼伊藤「めっちゃ聞こえました」

▼金児「そんなのはやってるうちですから、僕も殴られたことないわけじゃないですし、そういった痛みもわかってるんで。打ち身はどうだっていいと思ってるんですよ。関節とか痛めなければいいと思ってたんで、僕は顔はOKですっていうことは前に言わせてもらいました」

――プロレスは好き?

▼金児「世代ですからね。僕は土曜の4時にやってたんですね。ワールドプロレスリングが。それを見て育ってるんで、長州力さんとか、マサ斎藤さんとかヒロ斉藤さんとか。鶴田さんもそうですし、それを見て小学校4年の時、家でみんなで技をかけ合ってガラスを割ったとか、そういう苦い思い出もあります。だから夢でした、立てるのは」

▼神田「僕は20歳まで海外にいたんですけど、帰ってきてから格闘技のジムに行って、そこで全日のジェイク・リーさんと同じ道場で練習していて、日ごろから全日さんのプロレスの話をしていて、今回も全日さんの道場でも練習させていただいたんですけど、日ごろからジェイクさんとかにいろいろプロレスを教えてもらったりしてました」

▼伊藤「それが活きてたね、二人ともね。素晴らしいです」

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