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12/30【DDT】潮崎撃破で竹下がD王GP初制覇 2・17両国でKO-D王座挑戦へ

『D王 GRAND PRIX 2019 the FINAL!!』東京・後楽園ホール(2018年12月30日)
「D王 GRAND PRIX 2019」優勝決定戦=○竹下幸之介vs潮崎豪×

 竹下が潮崎を撃破し、D王GPを初制覇。2・17両国でのKO-D無差別級王座挑戦を決めた。

 14人参加のシングルリーグ戦『D王 GRAND PRIX 2019』優勝決定戦で、Aブロック代表の潮崎(ノア)とBブロック代表の竹下が対戦した。勝者が2・17両国でのKO-D王座への挑戦権を獲得する大一番。潮崎は現王者の佐々木大輔に敗れたのみの5勝1敗でブロックを突破した。一方、竹下は4勝2敗で青木真也と並んだものの、直接対決を制していることで優勝戦に駒を進めてきた。

 セミファイナルで吉村が首を負傷して救急搬送となった。先に入場した竹下は、マイクを持ち、「意識もあるし、体も動いているんで、必ずこのリングに元気な姿で戻ってきてくれることを僕は信じてます」と観客に説明。「今、吉村の一番力になるのは皆さんの声援だと思います。吉村コールをお願いします」と観客に呼びかける。大きな「吉村」コールに包まれると、「必ず吉村に届いていると思います。そして、すいません、入場前に申し訳なかったです。潮崎選手。僕はあなたの全てを受け止めた上で、絶対に勝ってみせますんで、遠慮なく思いっきり来てください」と潮崎をリングに呼び込んだ。

 潮崎が入場すると、決戦のゴングが打ち鳴らされる。まずは竹下がしつこくヘッドロックに固めて先手。ロープに振られてもショルダータックルのラリーで競り勝った。

 長時間捕まってしまった潮崎だったが、急角度のバックドロップでぶん投げて反撃開始。逆水平一発で場外に叩き落とす。場外戦でも逆水平を多用し、パイプイスに座らせた状態でも突き刺すと、首攻めに打って出た。場外でもDDTなどを繰り出すと、リング上でも首筋にダイビングニードロップを投下。逆水平を挟みつつ、フェイスロックや回転地獄五輪で絞めに絞める。

 耐え続ける竹下はこん身のエルボーを放つも、潮崎は重たい逆水平でメッタ打ちに。胸板を赤く腫らしながらも竹下は「負けるか!」とカウンターのゼロ戦キックを発射し、10分経過と同時に逆襲に転じた。

 フライングラリアットを皮切りに、串刺しジャンピングエルボー、ミサイルキック、DDTなどで攻め立てる。フロントハイキックも発射するが、潮崎はカウンターのドロップキックで反攻。マシンガン逆水平を見舞うと、竹下もエルボー連打で呼応し、激しい打ち合いとなった。

 潮崎はこれでもかと逆水平を乱れ打つと、コーナー上では式肩固めで絞め上げる。そして、強引に竹下を抱え上げ、捻りを加えた雪崩式ブレーンバスターでマットに叩きつけた。守勢に回った竹下はブルーサンダーで立て直し、新兵器・ファブル(リング上で座り込んだ相手へのスワンダイブ式サマーソルトアタック)で突っ込んだが、読んだ潮崎はヒザを突き立てて撃墜する。場内は再び「竹下」コールに包まれた。

 再び打撃戦になっても、潮崎の逆水平が猛威を振るう。負けられない竹下はローリング袈裟斬りチョップに合わせて、カウンターのエルボーを一閃。ランニングニーで顔面を射貫いたものの、直後に潮崎は左腕ラリアットを振り抜き、タメをタップリと作ってのジャンピングパワーボムで畳みかけた。潮崎はゴーフラッシャーで勝負に出るも、落下と同時にヒザを潮崎の顔面に突き刺した竹下はダブルダウンに持ち込む。そして、距離ができたところで、ランニングニーを発射したが、潮崎は豪腕ラリアットで黙らせ、ゴーフラッシャーを敢行。ショートレンジ豪腕ラリアットの構えに。

 粘る竹下は先に動いて逆水平3連発を放つが、潮崎もこん身の逆水平3連射でお返し。竹下が崩れ落ちると、今度こそと潮崎は豪腕ラリアットへ。だが、竹下はことごとく避けて投げ捨てジャーマンを2連発で敢行。ラリアットの相打ちから強烈なラリアットを突き刺した。さらに、太ももを抱えての変型ツームストンパイルドライバーをグサリ。リング上でへたり込んだ潮崎にファブルを叩き込むと、ロコモーション式で急角度のジャーマンを2連続で繰り出し、熱戦に終止符を打った。

 竹下がD王GP初制覇。同時に2・17両国でのKO-D王座挑戦権も獲得した。疲労困ぱいの竹下だったが、マイクを持つと「潮崎選手、このカードが決まった時、僕は潮崎選手を超えると言いました。今日のこの1試合で潮崎豪を超えることができたなんてこれっぽっちも思ってません」と潮崎へのリスペクトを口にする。その上で、「でも、12月30日、平成最後のこの12月、今日勝ったのはこの竹下幸之介です」と胸を張ると、「あなたの言う痛み、苦しみ…今まで味わったことのない最強クラスのものでした。まだまだやり足りないんで、またどこかで会った時は遠慮無くこの僕の大胸筋にチョップ、逆水平チョップを打ち込んでください。ありがとうございました」と感謝とともに再会を熱望した。去っていく潮崎には「潮崎」コールが送られた。

 所属選手たちがリングに集結すると、竹下は「2019年もDDT全員で、もっともっと面白いプロレス、楽しいプロレス、そして熱いプロレス…。皆さんに全力でお届けすることを約束しますんで、2019年もよろしくお願いします」と宣言。最後は観客とともに三本締めで2019年のDDTを締めくくった。

【試合後の竹下】
▼竹下「缶ビールがないですね、缶ビールが。リーグ戦優勝と言ったら缶ビールでしょ? そういうところがちょっと“インデー"ですね。いやでも、D王GPを優勝できたという実感、潮崎豪を倒すことができたという実感よりも、潮崎豪選手のチョップが強烈という実感しか今のところはありません。そして、豪腕ラリアット。あんなのは食らったことないです。チョップもラリアットも数々の選手のものを食らってきましたけど、ちょっとレベルが違うというか、本当に格が違うというか。でも今日、僕が最後まで戦い抜くことができて、ジャーマンスープレックスを潮崎選手に決めることができたのは、ひとえに皆さんの声援が…。お客さんの声援が本当に力になりました。ここまでお客さんの応援が力になったのは初めてでした。僕はこの優勝決定戦の前から言ってたと思うんですけど、最後に意地で頑張るとか、気持ちで負けなかったとか、そういう次元じゃないって僕はたぶんインタビューとかで言ったと思うんですけど、そういう火事場のクソ力ってあるんだなって、今日初めて潮崎選手と戦って思いました。初めてプロレスで本当の痛みを味わい、プロレスに酔いました。応援してくださった皆様、ありがとうございました」

――来年に向けては?

▼竹下「これで2月17日、両国大会のメインイベントが決まったんで。前回の両国大会を除いては、4大会連続でビッグマッチを、約2年間ずっと僕がメインイベントをチャンピオンとして張ってきて。前回の両国でベルトも落として、欠場してトーナメントも出れなくて、両国のメインというのが確実にないものになってしまった状況だったんですね。で、やっぱりメインイベントで僕は戦いたいと思いました。だから、このD王GPは本当に特別な気持ち、大きな気持ち、絶対負けたくないんだという気持ちを持って挑んだんで、それが1つ結果になって実ったんでね。努力が報われることは非常に嬉しいことですね」

――結果的にDDTvsノアという空間になったが、どう感じた?

▼竹下「潮崎選手と僕への応援がそういうふうに対抗戦感があって。ああいうシチュエーションで戦うことがなかなか僕はなかったんでね。ホームリングなのに僕が応援されないという状況が多かったんで、今日みたいなシチュエーションは本当に初めてだったんですけど、僕のスタンス、自分のテーマはDDTvsノアということではなく、竹下幸之介vs潮崎豪だったので。それを見せられたんじゃないかなと思います」

――プロレス人生にとってもかなり大きな意味を持つ試合になった?

▼竹下「ぶっちゃけ、後楽園とかじゃない時はいろんな地方を回って試合をしているんですけど、特にここ最近は…この半年ぐらいは毎回自分に実のある試合になってて。1試合1試合本当に大切に戦おうという気持ちで。それはDDTの選手みんながそういう気持ちでやってくれていると僕は思っているんですけど、僕は特にそういう気持ちを持って試合に挑んでいるんで。やっぱり対潮崎豪というのは特別なものではありましけど、でも勝ったから自信になりますということではなく、自分が今までやってきたこと、そして今やっていることが間違っていないんだという証明…それが何よりも自信になりますね。このD王GP、本当にいろんな対戦相手がありましたし、青木選手との対戦もありました。そして、潮崎選手との対戦もありました。特に他団体の選手からこの2つの勝利は僕が言い続けてきた『DDTを強い団体にしたい』ということに…。間違いなく面白い団体としては世界一なんで。あとは強い部分でも世界一にしたいという部分で、それに近づいているんじゃないかなと思いました」

【試合後の潮崎】
――試合を振り返ると?

▼潮崎「若さと強さが両方あったね。それが両方備わった選手だったと思います。今日の結果が全てっちゃ全てだろうけど、こんなんで終わりつもりもないし。まあ、DDTの意地というものを感じました」

――竹下選手から「また」という話があったが?

▼潮崎「こっちも3カウント取られたままじゃいられないので。機会があればいつでもいってやりますよ。いつでも目の前に立って、体に刻み込んでやろうと思います」

――竹下選手の気持ちはどう感じた?

▼潮崎「ほぼほぼこっちが攻めてた印象しかないけども、それでも立ち向かってくる表情、気合い、声。それはよかったと思ってます。まあ、決勝で彼とやれたというのは、自分にとってもマイナスではない。プラスだね。プラスな負けになりましたよ。でも、負けばかりじゃこっちも悔しいんでね。次にいつでもいってやります」

――今回、参戦して、初めて対戦する選手も多かったと思うが、感じる部分はあった?

▼潮崎「初戦から強烈な選手ばかりだったんで。それに、ヘビーとジュニアって特に(括り)がないですよね? その中で、みんな技術、気持ち、力、そういうものを全て出して試合ができたんで、このD王に出ると決めたことは間違いじゃなかったですね。自分にとって完全なるプラスになりましたよ」

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