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1/3【全日本】後輩・藤田との技巧戦制す TAJIRIがGAORA王座V5

『2019 NEW YEAR WARS』東京・後楽園ホール(2019年1月3日)
GAORA TVチャンピオンシップ=○TAJIRIvs藤田ミノル×

 TAJIRIがかつての後輩・藤田との技巧戦を制し、GAORA王座V5だ。

 GAORA王座獲りに乗り出した藤田は12・11後楽園大会に来場し、TAJIRIを最前線から追放すると宣言。この日、タイトルマッチを迎えた。両者はかつて大日本の先輩後輩の間柄だが、TAJIRIはあくまでも今の藤田を当時とは別人と捉えてV5戦を迎えた。

 デスマッチファイターとしても活躍する藤田だけに、荒れた展開も予想されたが、両者はまるで原点回帰を図るような技巧戦を繰り広げた。試合は固い握手で幕開け。TAJIRIが脇固め、レッグロックと流れるように決め、腕の取り合いを十字固めで制すれば、藤田もヘッドロックで執拗に絞め上げて譲らず。一転して巻き投げ合戦で試合が動いたかに思われたが、藤田が再びヘッドロックで捕らえ、TAJIRIが指に噛みついて逃れても、スリーパーでねちっこく絞め上げた。

 これをTAJIRIが逃れると、いよいよ立体的な攻防へと突入した。藤田が串刺しニーを突き刺し、逆水平でもん絶させると、TAJIRIもハンドスプリングエルボーを発射。バズソーキックは藤田がかいくぐり、延髄斬りを連発していく。ツームストンが不発に終わると丸め込み合戦でしのぎを削り、TAJIRIが放ったハンドスプリングエルボーを藤田が逆さ押さえ込みで切り返し、バズソーキックもかいくぐってアンクルホールドで捕獲。トペスイシーダも発射して一気に攻め立てた。

 コーナー上での攻防になると、意外なものが勝負を分けるキーポイントとなった。藤田が入場時にかぶってきた袋だ。ニュートラルコーナーにかぶせておいた袋をTAJIRIの頭にかぶせて視界を奪った藤田はダイビングボディプレスを発射。スピアーを突き刺した。見かねたレフェリーが袋を引っぺがしたが、TAJIRIはこの瞬間を見逃さなかった。レフェリーが背を向けたのを確認してから、コーナーからダイブした藤田にグリーンミストを噴射。すかさず首固めで丸め込んで3カウントを奪った。

 技と頭脳を競い合うような攻防を制し、かつての後輩・藤田を返り討ち。TAJIRIがGAORA王座5度目の防衛を飾った。試合後、藤田と握手、抱擁を交わしたTAJIRIは「昔と比べて見てくれは変わったんですけど、やっぱ藤田ミノルは藤田ミノルですね。シャイで素直なヤツです。なんかあれ、照れ隠しだな」と再会を総括。試合前から「今日はあの袋、何か使ってきたら、何か使い返し甲斐が凄くあるアイテムじゃないか」と念頭に置いていたことが功を奏した格好となった。

 V5を果たし、いよいよ長期政権も視界に入ってきた。「やっぱり俺が持っているのがたぶん一番面白いんですよ」と断言したTAJIRIは、今後も継続して挑戦者を募るつもり。一方で「もしこのベルトを俺以上に使って、全日本プロレスをもっともっと盛り上げることができるヤツがいるなら、その時はこのベルトはそっちに行くんだと思う」との考えもあり、「誰とは言いませんけど、俺はこの選手ならいいんじゃないかなっていう。次、もし俺からこのベルトを奪って、全日本プロレスを盛り上げることができるとしたら、この男じゃないかなっていうのは、実は頭の中にあります」と具体名こそ挙げなかったものの候補者の存在を示唆した。

【試合後のTAJIRI】
▼TAJIRI「昔と比べて見てくれは変わったんですけど、やっぱ藤田ミノルは藤田ミノルですね。シャイで素直なヤツです。なんかあれ、照れ隠しだな、あいつの。そんな気がしました」

――最後は作戦勝ちとなったが?

▼TAJIRI「なんか今日はあの袋、何か使ってきたら、何か使い返し甲斐が凄くあるアイテムじゃないかなっていうのを最初から思ってですね、そこに頭をずっと集中させて、試合中、ずっとそっちばっかりに頭使ってました」

――藤田選手相手に納得できる試合ができた?

▼TAJIRI「まあ、そうですね。たぶんなんですけど、あいつはあんなヤツだから、本気でベルトを欲しかったわけじゃないと思うんですよ。そういうヤツじゃないと思うんで。俺はベルトを持ちたいヤツをサポートする人だよっていう、そんなヤツなんですよ。昔はね。で、今もたぶん変わってないと思う。だから、あんなことを言いつつ、本当は盛り立てに来てくれたんじゃないかなっていう、そんな感じが今はしてて。で、藤田にもそうやって盛り立ててもらっちゃって、このベルトはまだまだ…。やっぱり俺が持っているのがたぶん一番面白いんですよ。だけど、もしこのベルトを俺以上に使って、全日本プロレスをもっともっと盛り上げることができるヤツがいるなら、その時はこのベルトはそっちに行くんだと思う。そして、誰とは言いませんけど、俺はこの選手ならいいんじゃないかなっていう。次、もし俺からこのベルトを奪って、全日本プロレスを盛り上げることができるとしたら、この男じゃないかなっていうのは、実は頭の中にあります。かなり以前から。それは誰かは今、言いません」

――次の挑戦者については変わらず名乗りをあげてくればと?

▼TAJIRI「募集中ですね、とりあえずね。その男がこのベルトに色気を示して、乗ってきた時は本当に凄いような気がする。そんな潜在能力を持った選手が1人…。このベルトが凄く似合うんじゃないかなって僕は思ってます。たぶん誰もそのことを気がついてもいないと思う。俺の勘違いかもしれない」

【試合後の藤田】
▼藤田「クソ…。袋より目が見えなくなるね、やっぱり毒霧は。まあ、なるほどね。いやでも、インディーで去年120試合やりましたが、2018年。でも、ジックリした試合展開だったかもしれないですけど、こんなもんなんだなって。それをジックリ見てくれてたのか、背もたれにもたれながら見てたのかはわからないですけど。いやいや、まあ、いい勉強になりました。獲れなかったら、すぐには全日本のレギュラー、準レギュラーの座は掴めなかったですけど、必ず掴んでみせますよ。もう本当にインディーとかメジャーとかは取っ払って今年も行きたいんで。まあ、支持率80%とは言わなくても、60%はどんな団体に出ても取れるように活躍したいですね。今日はまだまだでした」

――準レギュラーの座を掴むための参戦だった?

▼藤田「そうですね。で、GAORA(王座)を獲れば…。いろんなスポーツをやってますから、GAORAは。そこに出れば、知名度も上がるんじゃねえかと思って。GAORAですね。全日本さんは勉強になるんですけど、手っ取り早い目標はGAORA TV選手権ですかね。またTAJIRIさんとの間には次の話もあるんですけど、全日本に上がるモチベーションとしてはGAORA TVを獲って、田舎に行っても『知ってるな、袋の人』って。そんな知名度を2019年は付けていきたいですね。沸かせられなかったのは僕の実力でしょう。それはしょうがないです。でも、僕は僕でいいプロレスをやっているつもりなんで。そこは譲るつもりはないですよ」

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