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1/16【DRAGON GATE】近藤が14年ぶりに“里帰り" 望月をキングコング弾で撃破「1つだけ確かなこと…俺はこの団体出身なんだ」

 『OPEN THE NEW YEAR GATE 2019』後楽園ホール大会が16日、行われ、近藤修司が約14年ぶりに“里帰り"。望月成晃と一騎打ちをキングコングラリアット連発で制した。試合後、近藤は「1つだけ確かなこと。俺はこの団体出身なんだ。どんなことがあろうとも、これだけは覆らない」と感慨深げに吐露した。

 「団体設立20周年記念特別試合」の第1弾として「望月vs近藤」が実現した。望月のデビュー25周年記念の意味もある一戦だ。近藤がDRAGON GATEに参戦するのは、2004年12月に「素行不良および職務怠慢」を理由にユニット・悪冠一色として解雇されて以来、約14年ぶり。昨年の夏に全日本マットでタッグマッチながら“再会"を果たしたが、一騎打ちは近藤の退団以来初となった。

 両選手が入場しただけで場内は異様な熱気に包まれる。序盤、近藤が場外で放ったキングコングラリアットを避けて鉄柱に自爆させた望月はそこから右腕攻めを仕掛けた。ミドルキックで何度も蹴り飛ばすと、脇固めや腕ひしぎ逆十字固めで絞め上げる。

 一方、近藤は怪力を活かし、腕に絡みつく望月を強引に担ぎ上げると、パワーボムの要領で投げ捨てた。先ほどのお返しとばかりに、鉄柱に左ヒザから叩きつけると、負けじと一点集中攻撃へ。ドラゴンスクリューやゴリラクラッチを繰り出した。試合は激しい消耗戦となる。

 望月は痛む足を気にせず、蹴って蹴って蹴りまくるが、近藤も右腕へのダメージをものともせずに、ショートレンジのキングコングラリアットを振り抜く。さらに、ラリアットとハイキックが何度も正面衝突するが、近藤はそこから掟破りのツイスターをズバリ。望月を危険な角度でマットに突き刺した。

 しかし、望月は真っ向勝負をやめない。近藤のキングコングラリアットを仁王立ちで受け止めると、自らこん身のラリアットをぶち込んだ。場内が沸騰する中、回し蹴りや真・最強ハイキックでラッシュ。そして、三角蹴りの構えに。

 これを読んだ近藤はコーナーを目指して突っ込んできた望月に、振り向きざまの左腕ラリアットを一閃。雪崩式ブレーンバスターで一気にぶん投げる。望月はすぐに立ち上がってどよめきを誘うと、キングコング弾連発を受け止めてダウンを拒否。ならばと近藤は再び左腕をフルスイングで突き刺した。望月はカウント1でフォールを返すなど意地を見せたが、近藤は勝負所を逃さず、これでもかとキングコングラリアットを乱れ打ち、最後は右腕を3連続で喉元に叩き込んで、接戦を制した。

 14年ぶりの参戦を勝利で締めくくった近藤は、「言いたいことは山ほどあるよ。まずDRAGON GATE、解雇した人間によくオファーしたもんだな」とマイクで話し始める。「俺の14年のこの思いはちょっと話すだけじゃ伝わらないかもしれないけど、ちょっとだけ語らせてくれ」と宣言すると、DRAGON GATEファンからは拍手が巻き起こった。

 「いろいろあるよな? 過去にも、今だって、未来だってあるかもしれない。でも1つだけ確かなこと。俺はこの団体出身なんだ。どんなことがあろうとも、これだけは覆らない。俺は正真正銘、この団体で育った。まあ、不良息子が家出して、また帰ってきた。そう思ってもらえば、知らない人にはわかりやすいと思う」と心境を吐露すると、客席からは「お帰り」という声も飛ぶ。近藤は「こんな歳になってしまったけど…望月さん、ありがとうございました」と素直に頭を下げた。

 望月は「近藤。当時はお前も若かった。団体も若かった。相容れない部分はたくさんあったと思う。でも、14年かかって、お前がここに帰ってきた。それが答えじゃないか?」と理解を示し、「改めて今日は14年ぶりにDRAGON GATEに上がってくれてありがとう」と感謝の言葉を返した。

 近藤は感慨深げな表情を垣間見せるも、「DRAGON GATE20周年、望月さん25周年、おめでとうございます。家出息子は1回限りでもういいかもしれませんね。何かあった時は、またコッソリヒッソリこのDRAGON GATEに帰ってきます」と言い残してリングを去っていく。その背中に観客は大きな近藤コールを送った。バックステージで近藤は「DRAGON GATEは全部リングの中で言うんだろ? 裏じゃ俺は喋らねえ。リングで言ったことが全て」と多くを語らなかった。

 一方、リングに残った望月は「プロレスはただプロレスラーが戦うだけじゃない。お客さんが来ないと成立しないジャンルだと思います。その声を、自分は1つ1つ拾ってここまで成長できたと思っています。それは観に来てくれるお客さんの声援のおかげだと思っています。ありがとうございました」と改めて観客に感謝の意を表す。その上で、「自分はこれからも、自分に伸びしろがあるかわかりませんが、自分の体力の続くかぎり、自分の可能性を信じて、最後の最後まで悪あがきしてやろうと思っています。このプロレス界で、DRAGON GATEで生き抜いてってやろうと思っています」と今後の精進を誓った。

 最後に「DRAGON GATEは俺より5年若い団体。まだまだ発展途上だと思っています。今日、若いヤツらもいい試合してました。さっきの言葉じゃないですけど、若いヤツらをどうぞ皆さんで育てていってください。2019年、必ずまたDRAGON GATEは皆さんに面白いものを提供していきますんで、今年1年どうかよろしくお願いします」と団体を代表して2019年の抱負を語った望月。気持ちも新たに前を向いたベテランを称えるように、後楽園ホールは大きな望月コールに包まれた。

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