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2/16【マッスル】山里がネットニュース時間差掲載マッチでクロちゃんと激突、身代わり肛門爆破 メインで本多とニラが映画『クリード』再現

 16日、『マッスルマニア2019 in 両国〜俺たちのセカンドキャリア〜』両国国技館大会が行われ、お笑い芸人の山里亮太とクロちゃんが「敗者キャプテン肛門爆破ネットニュース時間差掲載タッグデスマッチ」で激突。最後は山里が身代わりになって、肛門爆破の刑に処された。また、メインではアントーニオ本多とDJニラが映画『クリード』を再現した。

 『マッスル』はプロレスに演劇やお笑いの要素を加えたDDTの別ブランド。マッスル坂井が中心となり、2004年10月に産声を上げた。「行こうよ!プロレスの向こう側!」のキャッチコピーからもわかるように、「まったく同じ内容で追加公演」、「これまでの興行の総集編をリング上で再現」、「試合中に観客も巻きこんでレスラーにドッキリ」、「リング上で大喜利」など実験的な試みに挑戦した。象徴的な演出はスローモーション。興行のクライマックスで「エトピリカ」(『情熱大陸』のエンディングテーマ)が流れると、攻防がスローになるという手法だ。

 2010年10月、坂井の結婚&引退とともにマッスルは一旦幕を閉じたが、2012年に坂井の化身であるスーパー・ササダンゴ・マシンがDDTに登場すると、散発的にマッスルに準じた興行や試合が行われ、今回正式な形で復活を遂げた。

 ラジオパーソナリティとしても知られるラッパーのライムスター宇多丸による開会宣言で興行はスタート。ラジオで映画の魅力を熱く語っている宇多丸は、映画『ロッキー』シリーズとその続編『クリード』の面白さを熱弁。この映画たちとマッスルを重ねた上で、大会開始を高らかに宣言した。

 DDTでは肛門爆破の刑に処された経験もあるお笑い芸人の山里、クズキャラ・炎上キャラとして世間を騒がすお笑い芸人の安田大サーカス・クロちゃん、昨年の『NHK紅白歌合戦』に出場した純烈のリーダー・酒井一圭は、プロレスの試合ではなく「プロレスラー格付けチェック」で激突した。それぞれ男色ディーノ、スーパー・ササダンゴ・マシン、アントーニオ本多と組んで、大家&大石&ウラノを加えた4軍で格付けチェックに臨んだ。

 プロレス味覚を争う「利きプロテイン」、プロレス音感を争う「チョップ音の聞き分け」、プロレス感性を争う「高石の引退セレモニーの演出家当て」の3種目に挑戦。最終的にディーノ&山里組とササダンゴ&クロちゃん組が勝ち残ると、マッスル総合演出の鶴見亜門が「どうしても決着つけたいのだったら、レスラーらしくプロレスで決着をつけてもらおう」とタッグマッチを提示。両軍の対戦が電撃決定した。

 しかし、鶴見と高木三四郎は普通に戦うだけでは明日のDDT両国大会のプロモーションに繋がらないと判断。そこで、『水曜日のダウンタウン』(TBS)のプロデューサーである藤井健太郎氏にこの試合のプロデュースを依頼したことを明かした。藤井のアイディアを活かし、ネットニュースを先にアップし、それに合わせて試合を展開して、敗者が肛門爆破の刑を受ける「敗者キャプテン肛門爆破ネットニュース時間差掲載タッグデスマッチ」という前代未聞の形式に決定した。

 勝手に形式を決められて困惑する4人だったが、ニュース記事としてアップされた「南キャン・山里亮太、国技館のリングで失神! 猪木舌出し以来の大失態!」、「クロちゃん、リングでアイドルと乱闘!警官(?)も出勤して大パニック」、「南キャン・山里亮太、プロレスの試合中にアイドルとのキス写真流出」といったニュースの見出しを、フェイクニュースにはせず、必死に現実のものとしていく。

 そんな中、クロちゃんは意外なプロレステクニックを披露。スペースローリングエルボーやシャニングウィザードなど武藤殺法を連発したが、同時にクロちゃんの自宅を繋いだ中継では、HARASHIMAがMAO相手に武藤殺法を繰り出し、最後は液晶テレビの上でパイルドライバーを敢行した。呆然とするクロちゃんをよそに、それに合わせて、ディーノも坂井を男色ドライバーで下し、試合は終了となった。

 本来ならばクロちゃんの肛門爆破となる予定だったが、ネットニュースですでに報じられていたため、最終的に山里がまたも肛門爆破の刑に処され、悲鳴を上げて試合はお開きとなった。

 大盛り上がりとなった山里たちの試合を抑えて、坂井がメインに組んだのは本多とDJニラの一騎打ちだった。坂井は得意の煽りパワポでその理由を説明。「マッスルでまだやるべきこと」として、「他の団体が両国のメインでできないこと」を掲げ、よく勝つ選手や超有名人ではなく、「いつもはわりと負けがちで、そこまで有名じゃない人」同士の試合を提案し、本多とニラをリングに呼び込んだ。

 本多のセコンドには父親の俳優・渡辺哲が、ニラのセコンドにはロッキー川村がつく。本多とニラは互いに足を攻め合って長時間やりあったが、クライマックスに突入すると、マッスル恒例のスローモーションに。

 途中でモノローグが流され、ニラの父親であるアポロ・ニラはロシア人ボクサー・渡辺哲に敗れて死亡し、ニラ自身はロッキー(川村)の指導を受けて、父親のライバルの息子である本多と戦っていることが明かされる。映画『クリード』はロッキーがかつてのライバルであるアポロの息子・クリードを育てる物語。オープニングの伏線が回収され、この戦いの意味がやっと明らかとなった。2人は拳で語り合うように激しい打ち合いを繰り広げたが、最後はセコンドが同時にタオルを投げ込んで引き分けに。

 マイクを持った本多はニラと坂井への感謝を涙ながらに絶叫した。坂井も「引退して、新潟帰って、8年経って、今日初めて一番本当に僕がやりたかったマッスルというプロレスの形ができました」と感極まりながらメッセージ。「こんなやることの決まってない、実体のないイベントに、入場券だけで3000万円近くお金が動いてます。皆さん、変な仮想通貨に投資しているのと一緒ですからね? 逆に世界が僕は心配です」と独特の言い回しでファンに感謝した。

 大団円を迎えると、坂井は「年に2回も3回もやってますと、心と精神がパンクしてしまいますので、また1年に1回でもできたら…。ぜひまたマッスルに観に来てやってください」と継続開催を示唆。明日のDDT両国大会をPRすると、「3、2、1、マッスル! マッスル!」で締めくくった。

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