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2/28【大日本】木高を真っ向撃破 伊東が6年ぶりVへ好発進

『一騎当千〜DeathMatch Survivor〜開幕戦』東京・後楽園ホール(2019年2月28日)
「一騎当千〜DeathMatch Survivor〜」Aブロック公式リーグ戦=○伊東竜二vs木高イサミ×

 伊東が『一騎当千』初戦で木高を真っ向撃破。6年ぶりの優勝に向けて好発進を遂げた。

 「一騎当千〜DeathMatch Survivor〜」開幕戦のメインイベントで、伊東と木高がAブロック公式リーグ戦で激突した。2人は2013年の決勝戦で対戦し、伊東が制して優勝。伊東は6年ぶり2度目の制覇を狙う。一方、木高は2013年だけでなく、2015年、2017年でも決勝進出を果たしたものの、無念の3大会連続準優勝に終わっており、悲願の初優勝を狙っての初戦となった。

 試合形式は「蛍光灯&ガラスボードデスマッチ」。ロープ2面に無数の蛍光灯が吊され、ニュートラルコーナーには2枚のガラスボードが設置された。奇襲を仕掛けた木高が蛍光灯に投げつけて先制したものの、伊東も同じように投げ返して反攻。ナックルパートを連打して、木高をガラスボードに叩きつけた。ガラスボードが砕け散り、その衝撃に場内は大きくどよめく。

 勢いを掴んだ伊東はパイプイスが折り曲がるほどの勢いで木高の背中を痛打する。あえて受け止めた木高だったが、伊東は折り曲がったパイプイスに反対方向からボディスラムで投げつけて、元の状態に戻した。さらに、伊東はタランチュラに木高を捕獲。雪崩式フランケンを食らってしまったものの、木高の脇腹に蛍光灯を挟んで、その背中を踏みつけると、破片が散乱するリングでノーザンライトスープレックスを繰り出した。

 木高はムーンサルトプレスを自爆させて反撃開始。蛍光灯ごと胸板を蹴り上げると、ガラスボードへ投げつけようと試みる。抵抗する伊東はエルボー合戦を強烈な連打で押し切ったものの、木高は不意を突く勇脚で挽回。伊東の頭部にヒザ蹴りをねじ込むと、倒れた体に蛍光灯を重ね、ダイビングダブルニードロップを落とした。ここが勝負所と踏んだ木高は、伊東の上にガラスボードを重ねると、パイプイスをヒザに固定してのダイビングダブルニードロップも披露。ガラスボードは爆音とともに弾け飛んだ。

 何とかフォールを返した伊東は試合の立て直しを図る。木高の雪崩式ブレーンバスター狙いをマットに叩き落として切り抜け、ドラゴンスプラッシュへ。これを読んだ木高はヒザを突き立てて撃墜すると、垂直落下式ブレーンバスターに繋げて決定機を掴んだ。

 木高は背後からカカト落としを放つと、側頭部をローキックで蹴り飛ばし、正面からは絶槍を一閃。一気に勇脚・斬の構えに。だが、これを避けた伊東は投げ捨てジャーマンを皮切りに一転して猛ラッシュ。ドラゴンキッカー、投げ捨てドラゴンスープレックスと畳みかけた。木高はふらつきながらもすぐに立ち上がったが、伊東はみちのくドライバーを見舞うと、巨大な蛍光灯の束を使い、今度こそドラゴンスプラッシュを投下。3カウントをもぎ取った。

 6年ぶりVに向けて、伊東が好発進。マイクを持った伊東は「2019年、デスマッチ、一騎当千、開幕しました。イサミ、正直に言おう。セミにやられちまったな」と吐露した。セミファイナルでは竹田誠志と佐久田俊行が後楽園ホールを揺るがす激闘を繰り広げており、それを意識しての発言だった。

 これに反応した木高は「僕には僕のデスマッチがあるんで。セミに負けたつもりは1つもないですけど、そんなこと言うのは伊東さんらしくないんじゃないですか。セミは盛り上がってましたよね。でも、俺はこの試合のほうが好きだよ。負けたけど」と対抗心を覗かせると、伊東も前言撤回し、「イサミ、言葉は足りなかった。確かにセミは凄かった。俺らも胸を張る試合をした。この続きは札幌、決勝戦でやろうじゃないか」と呼びかけた。

 木高は「伊東さん、それは僕が2年前に言ったヤツじゃないですか」と苦笑しつつ、「あと何試合あるかわからないですけど、もう伊東さんとリーグ戦で当たることはないので、次に会う時は決勝戦で会いましょう」と再会を約束した。

 リングに1人残った伊東は「デスマッチ一騎当千、今日から約1ヵ月半、札幌で決勝戦が行われます。その優勝者が5月5日、デスマッチヘビーに挑戦…いや! 一騎当千のチャンピオンがデスマッチのチャンピン(高橋匡哉)の挑戦を受ける日です。1ヵ月半、我々は戦い抜いて、大日本プロレス最強のデスマッチファイターを決めます。よろしくお願いします」と始まったばかりのリーグ戦に向けて気合いを入れ直した。

 セミファイナルの熱狂を受けて、改めて若い世代からの突き上げを感じた伊東だったが、「とはいえ、自分や小林のようなキャリアの長いデスマッチファイターにもう伸びしろがないかと言ったらそんなことはないですし。小林なんかはいろんな方向に伸びしろがありますからね。そういった点でもまだまだやっていけるんだ、20年がナンボのもんだと。自分は77歳までやるつもりでいるんで。まだまだ伸びていきます」とより一層闘志に火が点いた様子。6年ぶりの『一騎当千』優勝で自分の実力を満天下に知らしめる構えだ。

【試合後の伊東】
▼伊東「リーグ戦、まず1勝。今回は6試合ありますからね。全部落とすことなく全勝優勝を目指して。チャンピオン・高橋匡哉の前に立ちたいと思います。高橋匡哉に向かって行くのではなく。そんな感じです」

――木高選手とは以前、決勝戦でも対戦したことがあったが?

▼伊東「そうですね。3本勝負をやってますし。次、決勝でイサミと当たるなら、デスマッチ3番勝負をやりましょうと」

――試合後にセミの話が出たが、意識の中にあった?

▼伊東「前の試合だったので、実際見てはいないです。お客さんの歓声だけで、凄い沸いてると。お客さんが純粋に褒めた試合だったと思いますし。といった感じで、素直にポロッと言ったんですけど、やっぱりリングに上がって戦っている以上、そんな簡単に負けなんて言ってられないですからね。決してあれに劣ったとも思わないですし、イサミの言葉を聞いたからですけど、改めて思って。決して劣っているとは思わないですし、今日以上の試合を札幌の決勝では見せてやろうと改めて思いました」

――若いデスマッチファイターも実力をつけてきて、差が縮まってきているが?

▼伊東「とはいえ、自分や小林のようなキャリアの長いデスマッチファイターにもう伸びしろがないかと言ったらそんなことはないですし。小林なんかはいろんな方向に伸びしろがありますからね。そういった点でもまだまだやっていけるんだ、20年がナンボのもんだと。自分は77歳までやるつもりでいるんで。まだまだ伸びていきます」

【木高の話】「ああ、負けたな、クソ。いや、デスマッチドラゴンは沈むことを知らないですね。この間、僕は自分の団体BASARAでアラフォーの星になるって言ったんですよ。今、伊東さん何歳ですか? 強えもん。スゲエ強い。やっぱなんか試合をしながら改めて…。(自分は)欠場してたじゃないですか? 高橋との試合でベルトを獲っていれば、また見方も違ったんでしょうけど。今日の試合を通して、思って見れば初めの頃ってデスマッチハイスクールがあって、桂スタジオで伊東さんや(佐々木)貴さんにボコボコにされて。そこから、今の自分たちが形成されてきたわけじゃないですか。今の僕らの世代が。なんか改めて、伊東竜二が凄いんだぞっていうのを教わった気がします。伊東さんはなんて言ったんでしたっけ? 僕は結構胸を打たれたんで。まあ、ここから一騎当千、デスマッチサバイバーですから、生き残りを懸けた試合をこれからAブロックもBブロックもやっていきます。僕が言えるのは、もう2位はごめんですよ。もう2位はいいよ。獲るのはトップだけだよ。効いた…。やっぱ伊東さんのエルボーとかも効いたし、デスマッチハイスクールもあったけど、伊東竜二っていうのは僕にとって今でも憧れです」

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