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4/7【新日本/ROH】札止めMSG酔わせた! オカダがジェイを熱戦撃破、10ヵ月ぶりIWGPヘビー返り咲き

『G1 SUPER CARD』米ニューヨーク州・ニューヨーク マディソン・スクエア・ガーデン(2019年4月6日※現地時間)
IWGPヘビー級選手権試合 ○オカダ・カズチカvsジェイ・ホワイト×

 ROHとの共催という形ながら新日本がマディソン・スクエア・ガーデン(MSG)に初進出。集まった16534人(札止め)の観衆を熱狂させた末に、オカダがジェイを撃破し、10ヵ月ぶりにIWGPヘビー級王座に返り咲いた。

 昨年後半に外道と結託し、BULLET CLUB入りをして勢いを加速させたジェイは1・4東京ドームでオカダを撃破すると、2・11大阪では棚橋を下し、IWGP初戴冠まで果たした。一方、どん底まで落ちたオカダだったが徐々に復調。必勝を期して臨んだNEW JAPAN CUPでは並み居る強豪をなぎ倒して6年ぶりに優勝を遂げ、MSG決戦でIWGP王者・ジェイに雪辱するチャンスを掴んだ。

 新日本がかつて“プロレスの殿堂"と称されたMSGで興行を行うのが今回が初めて。ROHとの共催ながら、70年代後半から80年代前半にアントニオ猪木、藤波辰爾、初代タイガーマスクらが出場した大舞台に久しぶりに新日本のレスラーが立つことになった。

 札止めとなった16534人の大観衆による「オカダ」コールで迎えられたレインメーカーに対し、真新しくなったIWGPのベルトを腰に巻いたジェイにはブーイングが降り注ぐ。ジェイはゴングが鳴ってもなかなか組み合わず、その後も老かいなファイトを展開。セコンドの外道も巧みに介入してアシストする。場外戦になると、ジェイはフェンスめがけてハーフハッチを強行。ブレードランナーに繋げるべく、首攻めで王者ペースが続いた。

 主導権を奪い取ろうと、オカダはフラップジャックから逆襲へ。ジェイをコーナー上に据えると、ドロップキックで場外に蹴落とし、妨害を狙う外道もろともフェンス超えのフライングボディアタックでなぎ倒す。反撃を受けても引かずに、リバースネックブリーカードロップで黙らせた。

 そして、一気に攻勢を強めたオカダだったが、ジェイはわざとらしく何度も倒れ込んでのらりくらりと矛先を逸らす。かまわずオカダはダイビングエルボードロップからレインメーカーに繋げる得意パターンに持ち込むも、ジェイがまたまた崩れ落ちて不発に終わった。ブーイングが飛ぶも、ここからペースはジェイに傾く。立ち上がった瞬間、コンプリートショットで奇襲すると、ぶっこ抜き式ジャーマン、コーナーへのハーフハッチ、裏投げと大技ラッシュ。ロープ際で場外めがけてバックドロップを繰り出すと、すぐにリングに押し入れ、キーウィークラッシャーも繰り出した。

 しかし、オカダもスリーパースープレックスは阻止して打撃戦を仕掛けると、ツームストンパイルドライバーをグサリ。両者大の字に持ち込む。立ち上がると、感情的になった2人はエルボー合戦で火花。逆水平でメッタ打ちにされたオカダだったが、強烈なドロップキックを連続して見舞い、ニューヨークのファンを熱狂させた。そして、レインメーカーで総仕上げにかかるが、ジェイも譲らず、スリーパースープレックスで再逆転。今度はジェイがブレードランナーの体勢に。互いに大技を狙ってポジションが何度も入れ替わるが、オカダは後頭部へのドロップキックを見舞うと、ローリングレインメーカーを一閃。大歓声の中、正調レインメーカーをぶち込んだ。

 カウントの大合唱となったが、ジェイはギリギリでキックアウト。場内は騒然となる。オカダは険しい表情を浮かべながら、ツームストンを仕掛けるも、不時着したジェイが負けじとブレードランナーをズバリ。だが、ダメージを引きずってフォールにはいけず、ダブルダウンとなった。

 試合時間は30分を経過し、2人の余力はあとわずか。いよいよクライマックスに。外道がエプロンに上がって海野レフェリーの注意を引きつけると、ジェイはローブローで無法攻撃。大ブーイングがこだまするが、ジェイは構わずブレードランナーへ。粘るオカダはこれをかいくぐると、ジャーマンを敢行した。

 オカダがレインメーカーを放てば、避けたジェイが逆さ押さえ込みからブレードランナーへ。これを切り抜けたオカダも同じく逆さ押さえ込みで転がしてレインメーカーに行くもやはり空転。必殺技を狙うスリリングな攻防が展開されるが、オカダはカウンターのドロップキックでアクセルを踏む。ジェイがエルボーを乱射しても、手首は離さず、ショートレンジ式のレインメーカーを2連発で発射。沈まないジェイはそれでもブレードランナーにこだわるったが、オカダはスピニングツームストンで鎮圧し、正調レインメーカーを振り抜いて、熱戦に終止符を打った。

 オカダが10ヵ月ぶり5度目のIWGPヘビー級王座戴冠。札止めの観客の前でレインメーカーポーズを決め、プロレスの殿堂に新たな歴史を刻んだ。昨年6月の大阪城ホールでケニー・オメガに敗退して以来、オカダは試行錯誤を繰り返し、苦しい戦いも潜り抜けてきたが、再び虎の子でもあるIWGP王座を腰に巻き、完全復活を遂げた。MSGを揺るがす激闘で世界にその名前を轟かせたレインメーカーが、再び新日本のリングに金の雨を降らせるだろう。

プロ格 情報局