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4/18【OWE】日本上陸初戦…中国人ファイター躍動でOWEコール発生 6・20新宿決定、イケメンが参戦表明

『上海OWE日本上陸記念大会』東京・新宿FACE(2019年4月18日)
○ワンジン&スコーピオ2X&ダーベンvsT-Hawk&ローガン・ファン&ルナティック・チューヤン×

 中国人ファイターが躍動して主役を奪取。客席からは日本上陸初戦で早くも「OWE」コールが発生した。T-Hawkが6・20新宿FACE大会の開催を発表すると、フリーになったばかりの黒潮“イケメン"二郎がリングに登場し、参戦表明をぶち上げた。

 OWE(Oriental Wrestling Entertaiment)は#STRONG HEARTSのCIMA、T-Hawk、エル・リンダマン、山村武寛が中心となり、2018年2月に上海で旗揚げした団体。プロレスが根づいていない中国で、少林寺を中心にスカウト活動を行い、従来のプロレスに中国武術やダンスを融合させた新たなスタイルを作り上げてきた。これまで上海で週1回の定期戦を開催。海外遠征にも積極的に取り組み、#STRONG HEARTSとともにWRESTLE-1やDDTなどに出場した選手もいる。そして、いよいよOWEとして日本上陸が実現。平均年齢20歳、キャリアは全員1年半という中国人レスラーが大挙して日本初登場を果たした。

 大会開始に先立ち、中国人レスラーたちがお揃いのコスチュームでリングに揃い踏み。長刀、槍、鞭を使った中国武術や連続バク転、バク宙などのアクロバティックな動きを織り交ぜたダンスを披露して場内を沸かせる。続いて、CIMAが開会宣言に登場。596人札止めの大観衆を見ると、早くも涙をにじませた。

 CIMAたちはプロレスをまったく知らない選手に日本流の厳しいトレーニングを課し、ルールを一から教えてきたという。最初は3カウントが入ったあとも試合を続けようとし、なんとかルールを教え込むと、今度はカウント0でキックアウトしようとした。チョップを受け止めろと言うと「なんでこんな痛いことをしないといけないんですか?」と質問してきた。そのたびにCIMAたちは初歩の初歩からプロレスの面白さを伝えてきた。

 そんな日々が頭によぎっての涙だったのだろう。CIMAは声援を浴びると、「僕じゃない。みんなが凄いんです。彼らがみんな凄い」と返し、「今日の大会が素晴らしかったり、いい点が見つかったら、全部選手たちを褒めてあげてください。で、この点はダメだったなと、何考えてるんやと、OWEふざけるなっていう点は全部僕にぶつけてきてください」と力強く宣言した。

 そんなCIMAの期待に中国人選手たちも試合内容で応えた。日本初上陸とは思えないスピーディな動きを披露。日本人選手に負けない戦いで場内を沸かした。CIMAも左肩脱臼の負傷を押し、オープニングマッチに出場して彼らにゲキを飛ばした。唯一の日本人訓練生・鬼塚一聖も日本デビュー戦で芦野祥太郎相手に奮闘した。

 メインイベントはWRESTLE-1王者でもあるT-Hawkを中国人5人が取り囲む形の6人タッグ戦だったが、師匠格のT-Hawkを差し置いて、OWE勢が躍動。それぞれが見せ場を作った。特にダーベンはT-Hawkと真っ向勝負を展開。一歩も引かずにチョップを打ち合い、そのポテンシャルを見せつけた。試合を制したのも中国人ファイターのワンジン。仲間たちに場外からリフトアップさせると、その勢いのままリング上に450スプラッシュを投下する荒技で熱戦を締めくくった。

 激闘を称えるかのように、客席からは「OWE」コールが発生。T-Hawkの口から6・20新宿大会の開催が発表されると、そのコールはさらに大きくなる。T-Hawkが「次回の日本公演は、俺たちOWEはもちろん#STRONG HEARTSにも絡んだことがある、そして俺たちに興味のある選手とやっていくのも楽しそうじゃないか? 俺たちは誰でも来いの精神だよ」と意気込むと、その言葉に呼応するかのように、突然、イケメンが登場。6・20新宿参戦を表明すると、メインで存在感を発揮したダーベンが掴みかかり、早くもライバル心を燃やした。

 思わぬ邪魔が入ったが、なにはともあれOWEの日本初戦は大成功に。「プロレスのルールから教えて、今日ここまで来たというのは、本当に何回も言うようですけど、素晴らしかったとしか言いようがないですね。彼らを褒めることしか僕はできないですね」と手放しで中国人レスラーたちを賞賛したCIMAは「年内は『OWEというのはどういうものですか?』というのを紹介して回るところだと思いますね」と今後の継続的な大会開催を示唆。「OWEの紹介が済んだあとは、OWEvs日本の団体とか、OWEvs日本のレスラーみたいな感じで持っていけたらなと。そしたら、それがお互いのシナジー効果を生むんじゃないかなと思ってますんで」とその先に他団体との対抗戦を視野に入れた。

 CIMAはOWE、AEW、#STRONG HEARTSの3つを平行して取り組んでいく構え。「僕は5月でキャリア22年、今年で42歳になりますんで、これが僕のプロレス人生の最後の勝負、集大成だと思っています」と気持ちを新たにした様子だった。

【CIMAの話】
▼CIMA「僕からは言うことないですね。中国語でチェンリーハイ、フェイチャンパン…素晴らしかったってことですね。僕だけ世代がずば抜けて上なんで。今日出ていたイーロンとか、ワンジンとかは18、19歳。今日、イーロンが18歳の誕生日とかなんで。訓練を見ているのが僕とT-Hawkなんで、たぶんメチャクチャしんどいとは思うんです。今のスタイルにはもしかしたら合ってないかもわからないですね。やる時は午前3時間、午後3時間とか、そういうのでやってましたし。最初にリングには2ヵ月ぐらい上げなかったんですよ。全部受け身から何から畳の上で、僕らが実践して。当時は山村と一緒にいたりとか、日本から通いで行ってたんですけど、畳の上で受け身が取れるようになってからリングに上げたり。まず受け身に入る前も、10km走をしたりとか、日本でいう古典的なスクワット1000回とか、プッシュアップ500回とか、腹筋何回とかいうのを経て。だから、最初はみんな『このおっちゃんは日本からプロレスを教えに来てるのに、なんでプロレスを全然教えてくれないんだ』となってたんですけど。僕もT-Hawkも古い考えかもわからないですけど、根性がないとプロレスはできないと思ってましたんで。スパーリングとかに入っても、3カウントで負けるという概念自体がないんで、みんなカウント3が入っても返さないんですね。レフェリーが1、2、3となっても、3のあとに返して、また試合を始めようとするんで、『お前ら終わりだ終わりだ』と。カウント3が入ったら負けなんだから、絶対2までで返せと。そう言ったら、今日リング上で言ったみたいに次はみんな0で返すんですよ。お前、そんなハーハー、ゼーゼー言っているのに、0で返したらしんどくないかと。そういう時は2まで待ってから返せとか、自分の呼吸を整えなさいと。その意味がわからないようで。でも、そういうところから今日みたいなところまで。僕から見たら言うことは本当にないですね。当時、僕が21歳とかの時に闘龍門で日本に上陸した時と同じような空気を感じましたし。特に彼らはプロレスファンでもなかったと、プロレスを知らなかったという中で、1年半ですか。2年弱でここまでもってこれたというのは、僕はもう言葉がないですね。感動しかないです。オープニングダンスを見た時点で泣いちゃったんで。その辺は文句なしですね。OWEというのはアメリカのAEWとも業務提携をしたんですけど、中国の国内で失敗する部分は日本から見えないんです。中国というのはいろんな面でスペシャルな国で、プロレスの最後のフロンティアだと思ってますんで。中国の国内の情報ってたぶん日本に入ってこないと思うんですよ。同じく中国国内には外部の情報がなかなか入って来ない。全部で13億人で全てが回っているんで。LINEとか、Googleとか、YouTubeとか、そういうのは基本的には見れませんし。でも、そんな中、プロレスのルールから教えて、今日ここまで来たというのは、本当に何回も言うようですけど、素晴らしかったとしか言いようがないですね。彼らを褒めることしか僕はできないですね」

――今日の大会は中国でやっているのをそのまま持ってきた感じ?

▼CIMA「基本的にはそうですけど、僕は日本バージョンに全部仕込みましたんで。対戦カードもそうですし、さっき言ったように中国国内で失敗しても見えないんですよ。でも、今日は前にも言いましたけど、良かったら彼らを褒めてあげてください。悪かったらCIMAを責めてください。これは本当に本音で。今日のお客さんというのはOWEを見たいから集まってくれたファンだと思いますので、プロフェッショナルではない観点から言わせてもらうと、多少の失敗があっても許してもらえる環境ではあったと。でも、お前らOWEやろ? 世界でやるんやろ? 世界をビックリさせるんやろ? じゃあ、失敗したらダメだよと。全部訓練でやったことを思い出してやりなさいと。その上で、一生懸命やって失敗するのは別に構わない。誰も悪くないし。でも、お前らはOWEやから、全部パーフェクトに決めろよと。というのが僕が彼らに言ったことです。あとはもうT-Hawkが完全に仕切ってくれているので。僕はさっき言ったように、世代が飛び抜けてますんで。OWEは副社長もやらせてもらっていますし、僕らは選手のことを訓練生って言っているんですけど、訓練生の全部を統括している部分もありますし、インターナショナルなブッキングも全部担当させてもらっていますので、僕はまたT-Hawkとかとは違う位置からOWEを眺めてますので」

――2ヵ月後にまた新宿FACEで興行を行うが、今後の日本の興行はどれぐらいのペースで?

▼CIMA「本当は後楽園ホールとか、大阪では世界館って素晴らしい会場でさせてもらうんですけど、やっぱり府立第2とかでやったり、何試合もやったりもしたいんですけど、上海でも大会があるということと、どうしても現実的な問題として渡航費とか、滞在費からなにからかかってくるんで。できるかぎりOWEというのを紹介したいですけど、OWEの紹介が済んだあとは、OWEvs日本の団体とか、OWEvs日本のレスラーみたいな感じで持っていけたらなと。そしたら、それがお互いのシナジー効果を生むんじゃないかなと思ってますんで。とにかく彼らの身体能力は今日見てもらった通り、ピカイチですので。ただ、プロレスというのはそれだけじゃできないですね。1から10まであってプロレスなんで。彼らOWEの選手というのは、1、5、6、8、10、この部分だけだったら凄いです。でも、1から10まで繋げる作業っていうのは、やっぱり身内だけでやっていたらダメだと思いますんで。いろんな選手と試合をさせたいと思ってます。いろいろビザとかそういう環境が、中国人と日本人は違いますんでありますけど、僕はAEWとも契約させてもらったんで、アメリカに#STRONG HEARTS、もしくはOWEの選手を連れていって、3ヵ月ステイさせて、あっちで試合をブッキングするとか、神戸にも拠点がありますから、神戸に何人か住ませて、W-1さん、DDTさん、九州プロレスさんにお世話になっているので、そういうところとか、毎週末、大阪でも小さなプロモーションが試合をされてますので、そういうところに頭を下げさせてもらって、経験を積ませてもらうと。そういうやり方で彼らの腕を磨いていきたいなと。と同時に、上海と平行で」

――OWEは今日来たメンバー以外にも選手がいる?

▼CIMA「今回のメンバーが1軍というか、一期生ですね。2017年8月に入門した一期生です。まだ二期生、三期生がいますけど、会社と相談して。全部僕が海外のブッキングをさせてもらっているんで、今日はこのメンバーだったら間違いないだろうというメンバーですね。あと何人かいますけど、年齢が足りなくてビザが落ちちゃったりとか、そういう状況があるんで、追って紹介していきたいなと」

――T-Hawk選手が様々な団体と次回の大会で対抗戦をやりたいと言っていたが、その時にはAEWの選手を日本で見せたいという思いはある?

▼CIMA「もちろん思いはありますけど、そうなると新宿のキャパでは収まらないかなと思いますし、そこは僕もOWE事業、それからAEW、#STRONG HEARTSの3つを同時進行にどうしてもなりますので、どれも手も抜けませんし、僕は5月でキャリア22年、今年で42歳になりますんで、これが僕のプロレス人生の最後の勝負、集大成だと思っていますんで。そういう気持ちでやっていますんで。AEWからは『OWE事業についてはCIMAは無制限で動ける』というオプションをもらってますんで。OWEのCIMAであり、AEWのCIMAであり、#STRONG HEARTSのCIMAで。これは何も変わらないです。拠点がどこになろうが変わらないです」

――OWEと他団体の絡みは6・20新宿から始める?

▼CIMA「まだ僕は紹介の段階だと思いますんで。年内は『OWEというのはどういうものですか?』というのを紹介して回るところだと思いますね。明後日は大阪に行きますし、次もまた新宿FACEと大阪なんですけど、その後は九州に行ったりとか、北海道とかも行きたいし、僕は訓練生の子らを連れていってあげたいんですね。日本ってこんな素晴らしいところだよっていうのを見せてあげたいですね。今回も桜を見たりとか、そういうのを喜んでましたから。そういう形で日本と中国が上手く繋がっていけば最高かなと思いますね。本当にプロレスの最後のフロンティアなんで。それを始めようとしたのは、今日、T-Hawkが紹介したFU社長が本当に熱い人なんで」

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