プロレス・格闘技の情報満載!全日本・ノア公式モバイルサイト

4/28【DDT】大石奮闘も届かず…遠藤が薄氷のKO-D王座V1 石井がいつどこ権行使予告

『MAX BUMP 2019』東京・後楽園ホール(2019年4月28日)
KO-D無差別級選手権試合=○遠藤哲哉vs大石真翔×

 大石があらゆる手段を使って奮闘したものの悲願のKO-D王座奪取には届かず。遠藤が薄氷の勝利で初防衛に成功した。試合後、いつでもどこでも挑戦権を保持するガンバレ☆プロレスの石井が5・18後楽園での行使を予告した。

 4・4ニューヨークで佐々木が竹下を撃破してKO-D無差別級王座に返り咲いたが、その直後に遠藤がいつでもどこでも挑戦権を行使。圧倒的有利な状況を活かして、KO-D王座初戴冠を果たした。遠藤は初防衛戦に向けて「100回やって100回勝てる相手を次の挑戦者に指名する」と表明し、大石を名指し。その言葉通りに前哨戦は遠藤有利で進んだものの、大石も4・20横浜で左ヒザ攻めでギブアップを奪取し、「前哨戦を全部通して彼の弱点は見つけました」と豪語した。大石はすでにEXTREME王座、アイアンマン王座、タッグ王座、6人タッグ王座を戴冠した経験があり、悲願のグランドスラム達成の懸かった一戦となった。

 互いの出方をうかがうような技術戦で幕開けしたが、先の読み合いから遠藤がパワーボム式バックブリーカーを繰り出して先手。サスケスペシャルで華麗に舞うと、腰攻めでリズムを掴んだ。

 いきなり追い込まれた大石だったが、プランチャをキャッチされた場面でスイング式DDTに持ち込んで逆転。ねちっこい首攻めで主導権を握る。焦る遠藤がエプロンで反撃を狙ったが、これを読んだ大石はヒザから鉄柱に自爆させる。そして、前哨戦でも痛めつけた左足攻めに打って出た。鉄柱を使った足4の字固め、ドラゴンスクリュー、ヒザ十字固めなどで徹底的に痛めつける。

 頭を抱えて苦しんだ遠藤はスワンダイブ式エルボーやゆりかもめなどで立て直しを図るが、大石は止まらない。トーチャーラックボムを腕十字固めで切り返し、ハンドスプリング式レッグラリアットを空中で捕獲してヒザ十字固めに持ち込む。そして、リング中央で足4の字固めに捕獲。場内は沸騰した。

 決定的場面だったが、遠藤のセコンド、ポーリーが松井レフェリーを浴びせ倒して強引にカット。ならばと大石はトップロープからのケブラーダで決死のダイブを決めて、遠藤をリングアウト寸前まで追い詰めた。打撃戦になっても、ヒザを蹴り飛ばし、さらには首を突き出して「打ってこい」と挑発してから、何度も避けて翻ろうする。

 その動きを多用したのが仇となり、先読みされてジャンピングパワーボムの餌食となった大石だったが、倒れながらもアリキックで反攻。旭志織の阿吽やモダンタイムス、男色ディーノのリップロックや男色ドライバー、さらには妻・大畠美咲の裏拳と仲間たちの技を駆使して遠藤を追い詰め、直伝トルネードクラッチで丸め込んだ。

 場内は大盛り上がりとなったものの、惜しくもカウントは2。悔しがる大石に対し、一気に大攻勢に転じた遠藤はハンドスプリング式レッグラリアットを連発。粘る大石をトーチャーラックボムで投げ飛ばすと、最後はシューティングスタープレスで何とか3カウントをもぎ取った。

 遠藤が薄氷の初防衛。惜しくも敗れた大石だったが、客席からは大きな「大石」コールが送られた。次期防衛戦は6・2松山が予定されている。「余韻に浸る暇もねえのかよ。6月2日、松山? いいよ、やってやるよ。ただし、挑戦者は俺が決めさせてもらう」と強がった遠藤だったが、その前にいつでもどこでも挑戦権を保持しているガンバレ☆プロレスの石井が登場し、「5月19日、後楽園、俺が挑戦する!」と表明した。

 今年から「いつでもどこでも挑戦権」のルールは行使宣言後、即挑戦しなければならない形となり、事前告知は認められない。今林APに「現時点では遠藤vs石井、組むことができません」と指摘された石井だったが、「俺がこれを持ってて、5月19日に挑戦すればいいんだろ? 5月19日に行くからな」と挑戦宣言は撤回せず。「最後に…小橋さん、ファンです」と実況席の小橋建太さんに呼びかけてからリングを去って行った。

 そんな石井に「お前はDDTから逃げた人間なんだよ。5月19日、このリングに上がったことを後悔させてやる」と通告した遠藤は、明日(29日)から開幕するKING OF DDTに出場するDAMNATIONのメンバーたちを「大田区のメインで会おう」と激励。最後は「世の中には2種類の人間がいる。KO-D無差別級王者の遠藤哲哉とそれ以外だ。俺たちは群れない、媚びない、結婚しない。このマザーアースは俺たちDAMNATION中心で回ってるんだ!」と締めくくった。

 いつどこ権行使を前提としないため、遠藤は5・19後楽園で通常通りに試合が組まれる予定。もし石井が挑戦してくれば1日2試合を余儀なくされ、自分のKO-D初戴冠に繋がったルールに今度は苦しめられる立場となる。令和初の後楽園大会に向けて熾烈な戦いが続きそうだ。

【試合後の遠藤】
▼遠藤「見ての通り。俺が言った通り、大石真翔は俺が100回やって100回勝てる相手だった。横浜のあれは1000分の1、1万分の1、1億分の1、そんなところだ。ラッキーが横浜じゃなくて、ここで出ればよかったな。どうだ、大石? 大声援、気持ちよかっただろ? また聞きたいなら、もう1回、俺に興味を持たせてみろ。そうしたら、またこのベルトを懸けて、やってやるかもしれねえからよ。大石についてはそんなところかな」

――試合後、石井選手がいつどこ権行使を宣言したが?

▼遠藤「あの人、DDTにいる頃よりヤバくなってるなと思った。まあ、19日、挑戦してこようが、勝つのは俺だよ。DDTから逃げた人間がこの俺に勝てるわけがねえから」

――19日は通常の試合を組まれた上で、石井選手とのKO-D戦になると思われるが?

▼遠藤「別に1日何試合だろうが関係ねえよ。何試合やろうが、このリング上で一番強えのはこの俺だからよ。19日、石井慧介が俺に挑戦してこようが、最後に勝つのはこの俺だ」

――明日からKING OF DDTが始まるが、遠藤選手の中では誰が勝ち上がってくると思う?

▼遠藤「俺の中でというか、もう今日見に来た人間、そして世界中の人間が誰が勝ち上がってくるかわかってる。佐々木大輔様、高尾蒼馬、マット・ポーリー、島谷常寛、この4人が勝ち上がって、大田区のメインで戦うんだよ」

――それ以外はありえない?

▼遠藤「ありえない」

――KO-D無差別級王者としてメインを戦い終えた感覚は?

▼遠藤「俺はよ、常に平常心。いつもと同じ気持ちでリング上に立っている。特別な感情はない。まあ、強いて言えば、今日に関しては大石を光らせることをちょっと頑張って意識してみたかな」

――その結果に関しては満足?

▼遠藤「まあ、最終的に満足するのはあいつだから。さっきも言ったけど、またこの光景を見たいんだったら、地の底から這い上がってこい。それだけだ」

【試合後の大石】
▼大石「(涙ながらに)こんな悔しいとは思わなかったですね。みんな期待はしているけど、俺が勝つとは思ってないだろうし、気楽じゃないですけど、たぶんどこかで負けて元々もと思っていたと思うんですけど…。こんな悔しいのは久しぶりというか何というか。勝ちたかったですね。僕の大好きなレスラーである遠藤哲哉に真っ向勝負で挑んで勝ちたかったです。他に何の感情もないですね。でも、悔しいってことは、たぶんどこかで諦めていたわけじゃないですけど、見限っていたプロレスラー・大石真翔の未来が見えたんじゃないかな。だってこんな悔しいんだもん。凄え悔しいよ。なんで勝てねえんだよ、あんな若造によ。負けてらんねえよ。またこのDDTの中でKO-D無差別の挑戦権を掴むって、生半可な努力じゃできないってことは重々わかってるんで。何年かかっても…来年かもしれないし、10年後かもしれないけど、絶対KO-Dのベルトに辿り着きます。これは約束です。大石真翔がKO-Dのチャンピオンになるまで見ててくださいよ、皆さん。記者の皆さんもファンのみんなも。絶対辿り着いてやるよ。ふざけるな、クソッタレだよ」

――途中、旭選手やディーノ選手、奥さんの技まで出した。今回の王座挑戦を仲間たちが後押ししてくれたと思うが?

▼大石「そうですね。旭にもディーノにも奥さんにも教わって、完璧じゃないかもしれないけど、今できる完璧な形でモダンタイムスなり…男色ドライバーは完璧じゃなかったかもしれないけど、裏拳だったりも。それでも勝てなかった。凄えな。凄えよ。だから悔しいんだよ」

――試合では敗れたが、最後に大石コールが巻き起こっていた。ファンもあと一歩だと思ったのでは?

▼大石「あと一歩じゃダメなんだよ、だから。ベルトを手にしてあの大歓声を聞きたいよね。こうなったらね。もっと凄いんでしょうね。ベルトを獲って、後楽園、両国、どこでも…。ベルトを獲った俺に大石コールさせてやるよ、絶対よ」

――戦前、遠藤選手が「大石選手をキレさせたい」と言っていたが、そういう感情はあっ?

▼大石「僕はあんまり怒りの感情って沸かないんで、わからないですけど、絶対勝ちてえっていうのが大石真翔の感情として芽生えたってことは、ある意味、キレたのかな。絶対勝ちたいと思わなきゃあんな攻撃できないし。悔しいです」

【石井の話】
▼石井「改めて5月19日に挑戦します」

――今年からいつどこ権は予告できずに、宣言したら即行使しなければならないルールになっていたが?

▼石井「ガンプロに集中し過ぎたというか、そのルールをまだ理解してないですし、よくわからないですけど、たぶん持っているから挑戦できると思うんで。あとで文で見て、理解できたら理解しておきます、ぐらいで」

――現王者・遠藤選手の印象は?

▼石井「まあ、もちろんそれは凄い選手だと思っているし、DAMNATIONもみんな実力のある集団だっていうのはわかっているけど、そろそろDAMNATIONが中心というのは、個人的なのかもしれないけど、そろそろいいかなっていうのがあるんで。ガンプロに移って半年間。ガンプロにいた半年間のことを証明するってわけでもないですけど、ガンプロにあのベルトを持ち帰ったら爽快だろうなと思います。そして、次で6度目の挑戦になるんですよ。これ以上、噛ませ犬おじさんと言われるわけにはいかないので、もう獲らないと。そう若くないからね。もう6度目ですから、このチャンスは確実にしたいですね。まずこれを守ってないと挑戦できないんで。それはちゃんと理解しているんで。これを守り切ってね。5月19日に照準を絞っちゃったんで、予定に入れちゃったんで、自分の中で。期待しててください」

――ガンプロでやってきて、DDTの頃とは違う形で挑戦できそう?

▼石井「それはもちろんです。ガンプロ行ってプラスにしかなってないんで。プラスになった部分を見せて、チャンピオンになりますよ」

プロ格 情報局