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4/29【全日本】ジェイクとの激闘で聖地熱狂 宮原初V、史上7人目の三冠王者によるCC制覇で「令和のエース」宣言

『2019 Champion Carnival』東京・後楽園ホール(2019年4月29日)
「2019 Champion Carnival」優勝決定戦=○宮原健斗vsジェイク・リー×

 ジェイクとの激闘で聖地を熱狂させた宮原がシャットダウンスープレックスで勝利し、チャンピオン・カーニバル初制覇。史上7人目の三冠王者による優勝を成し遂げた最高男は「令和のエース」を宣言した。

 激戦となったAブロックを1位通過した三冠王者・宮原と、野村とのBブロック代表決定戦を制して勝ち上がってきたジェイクが、平成最後のカーニバル優勝決定戦で激突した。

 どちらが勝っても初優勝となる大一番は緊張感溢れるせめぎ合いで幕開けしたが、ジェイクが先手。ロープ際でブレイクすると見せかけてミドルキックを叩き込むと、これを合図にリング内外でミドルキックやニーリフトを乱射した。宮原もキッチリ挽回したものの、止まらないジェイクはカウンターのニーリフトを土手っ腹にぶち込んで鎮圧。豪快なサイドスープレックスで放り投げると、エプロンから断崖式サイドスープレックスの構えに。

 宮原は必死の抵抗。場外に叩き落とされながらも、エプロンのジェイクが繰り出したローキックをキャッチし、ジャーマンで投げ飛ばしてやっと勢いを掴む。串刺しブラックアウトを叩き込むと、ジェイクの反撃にあいながらも、ブレーンバスターで黙らせ、後頭部へのブラックアウト、ジャーマン、ブラックアウトと怒とうの畳みかけに出た。

 しかし、ジェイクも大反攻。胸板に重たい掌底を突き刺し、左右のミドルキック、掌底、串刺しハイキックを間髪入れずにぶち込む。崩れ落ちた宮原を見逃さず、ジャイアントキリング、ランニングローキックを発射。パーフェクトストレッチでギブアップを迫った。宮原も屈せず、串刺しニーを避けた瞬間、スタンディング式ブラックアウトを見舞うと、今度がジェイクが崩れ落ちる。即座に宮原は二段式ジャーマンで追い討ち。粘るジェイクもドクターボムでやり返すと、「健斗」コール、「ジェイク」コールが交錯した。

 その声援がさらに大きくなる。ジェイクのバックドロップを押し潰した宮原が後頭部へのブラックアウトから二段式ジャーマンを見舞ったものの、シャットダウンは決まらず。負けじとジェイクは宮原の髪の毛を鷲づかみにすると、非情なニーリフト連打で最高男を黙らせる。そして、こん身のジャイアントキリングをズバリ。吹き飛ばされながらも宮原が沈まないとみるや、豪快なバックドロップで勝負に出た。歓声と悲鳴が同時に飛ぶ中、宮原がギリギリで肩を上げると、後楽園ホールは“重低音ストンピング"に包まれる。

 興奮のるつぼと化した聖地で勝利を飾るべく、ジェイクは右ヒザのサポーターを下げて、生ヒザ式のジャイアントキリングで勝負に出る。が、一瞬先に踏み込んだ宮原がスタンディング式のブラックアウトを一閃。カウンターでクリーンヒットした。勝負を捨てないジェイクも右ハイキックでやり返し、なおもヒザにこだわるが、これを間一髪で避けた宮原は再びスタンディング式ブラックアウトをぶち込んだ。壮絶な打撃戦に両者とも倒れ込んだが、先に動いた宮原が正調ブラックアウトをグサリ。ジェイクはギリギリで肩を上げて、さらに後楽園を沸騰させたものの、勝負所を逃さない宮原は全身全霊で両手を絡め取り、シャットダウンスープレックスホールドで激闘を制した。

 聖地を熱狂させた大一番で勝利し、宮原が初優勝。2001年の天龍源一郎以来、18年ぶり史上7人目の三冠王者による優勝を成し遂げた。これにより、体重制限のあるジュニア王座以外、全日本にある全ての称号を手に入れた形になる。

 優勝トロフィーを受け取り、三冠のベルトを腰に巻いた宮原は「全日本プロレスの歴史を動かしたぞ」と雄叫び。自身をあと一歩まで追い詰めたジェイクを「今日、新たな出会いがあった。ジェイク・リー。お前は俺のライバルだ」と称えると、場内は拍手に包まれる。「今日、平成最後だ。平成最後のリングに立っている俺はどうかな?」と満足げな宮原は、「平成最後だ。5月から令和だ。令和のプロレス界のエースは俺だろ? 2019チャンピオン・カーニバル覇者、そして三冠ヘビー級チャンピオンとして、全日本プロレス、5月からさらに令和のエースが上へ持っていく」と宣言した。

 エースの休息は短く、三冠防衛戦はすでに5・20後楽園で決定している。「チャンピオン・カーニバルを制した、それがチャンピオン。ということは、次のチャレンジャーは…誰だ? 前例がないんだ。誰だ? 誰だ? 5月20日後楽園ホールで三冠ヘビー級選手権試合は決まっているが…誰だ?」といつものように観客に問いかけて、様々な声を浴びたが、さすがに「今日はこのトロフィーとチャンピオンベルトを獲ったんだ。余韻に浸らせてくれ。次のチャレンジャー、5月以降に関しては明日にしてくれ」と返答して場内を沸かした。

 最後はもちろん「最高」締めだ。「2019MVP確定、ならびに令和のエース、宮原健斗」と自らを改めて紹介し、「平成最後、叫んじゃう?」と場内を煽ると、超満員札止めの観客とともに「全日本プロレス最高」の雄叫び。鳴り止まない「健斗」コールで2019年のチャンピオン・カーニバルは幕を閉じた。

 「歴史を動かしたな。いやあ、あまり満足したことないんだけどね、今まで生きてきて。今日ちょっと満足した」と春の祭典を振り返った宮原は、「とにかく歴史を動かすのが今日の最大の目標だったから。それを果たすことができた。今日は俺を褒めてあげたいと思います」と自らを手放しで賞賛した。

 「ファンの皆様に、俺はもっと最高の景色を見せることになるしね。俺を見てれば、自ずとその景色を見ざるを得ない状況になるんで。皆様もこの2019チャンピオン・カーニバル覇者、そして歴史を変えた男、そして令和のエースから、5月からも目を離さないでください」と宮原。あと数日で平成が終わりを迎え、新たに令和の戦いが始まるが、その中心に立つのはやはりこの男以外いない。

【試合後の宮原】
▼宮原「歴史を動かしたな。いやあ、あまり満足したことないんだけどね、今まで生きてきて。今日ちょっと満足した。ちょっと満足して、なんかね、感情がこみ上げてきたね。なんだろうね、この感情は? 初めての感情だった。4月4日から始まったこのチャンピオン・カーニバルというものを応援してくださったファンの皆様のエネルギーが僕に乗り移ったかのような…。皆さんのエネルギーのおかげで初めて味わった、この感情は。とにかく歴史を動かすのが今日の最大の目標だったから。それを果たすことができた。今日は俺を褒めてあげたいと思います」

――初優勝、しかも久しぶりとなる三冠チャンピオンによる優勝を成し遂げた達成感はある?

▼宮原「今日は…今日だけはね。常に先を見ている俺だけど、今日だけは今日の余韻に浸らせてもらおうと思う。それぐらいの快挙だから。歴史を動かした男がこれからどうするのか? 皆さん、大注目でしょう。まあ、俺も見てればわかりますよ。そして、全日本プロレスがどうなるかも俺を見てればわかります。そして今日、新たな出会い、ライバル、ジェイク・リー。やっと出会った。ライバルに出会った。チャンピオン・カーニバル制覇と同じぐらい大きい。今日が始まりだ」

――平成最後のチャンピオン・カーニバル決勝を平成生まれの2人で争った。全日本の新しい時代の幕開けという意味合いもあると思うが?

▼宮原「新しい時代は俺がチャンピオンになって数年前から始まっているんで。ただ、俺と違った新たなエネルギー、新たな時代が出てきたということ。俺の時代に、新たな時代が出来上がったと。そういうことだと思います。ただね、この歴史を動かした男、背負っているものは大きいぞ。プロレスの神様という言葉を俺はよく使うけど、なぜプロレスの神様と言うのかといったら、俺はエースだ。エースというものは他のレスラーのプロレスの価値観について理解することができない。一緒に共感することができないのがエースなんだ。自分で道しるべを作っていくのがエースだからね。だから、俺はプロレスの神様とのみ会話をして、今まで答えを探してきた。そして、それをファンの皆様が後押ししてくれて今があるんでね。そのファンの皆様に、俺はもっと最高の景色を見せることになるしね。俺を見てれば、自ずとその景色を見ざるを得ない状況になるんで。皆様もこの2019チャンピオン・カーニバル覇者、そして歴史を変えた男、そして令和のエースから、5月からも目を離さないでください」

※ジェイクはノーコメント

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