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5/5【大日本】小鹿も笑顔、“飛艶”河上&菊田が歓喜のアジア奪取 ジェイク&岩本敵地で陥落

『Endless Survivor 2019』神奈川・横浜文化体育館(2019年5月5日)
アジアタッグ選手権試合 ○菊田一美&河上隆一vsジェイク・リー&岩本煌史×

 ジェイク&岩本が敵地で陥落。Sweeperから逆転勝利をあげて、“飛艶"河上&菊田が歓喜のアジアタッグ王座奪取した。アジア獲りに執念を燃やしたグレート小鹿会長も大喜びで、笑顔で2人を祝福した。

 ジェイク&岩本は全日本の3・21名古屋で行われた新王者決定トーナメントで高橋匡哉&植木嵩行、橋本大地&神谷英慶の大日勢を連破し、アジアタッグ王座を腰に巻いた。そんな新王者に噛みついたのが河上&菊田だ。全日本の3・27横浜で岩本を試合後に蹂りん。実力行使で挑戦を決めた。飛艶は2月にも同王座に挑戦(当時の王者は野村直矢&青柳優馬)。ベルト獲りを逃しており、今年2度目の挑戦となる。元王者でアジアに熱い思い入れのある小鹿会長は河上たちを特訓で直接指導。「絶対獲れ!」と大号令を上げていた。

 小鹿会長がタイトルマッチ宣言を代読すると、飛艶の奇襲で幕開け。世界ジュニア王者の岩本に照準を絞ると、菊田がサッカーボールキックや胸板への掌底、河上はエルボーやスリーパーを繰り出して先制した。しかし、岩本がカニバサミで菊田をセカンドロープに叩きつけると、場外からジェイクが蹴り飛ばして主導権を奪取。空手殺法で抵抗する菊田を代わる代わるに攻め立てる。ジェイクのヒップトス、岩本の低空顔面ドロップキック、ジェイクのサッカーボールキックが立て続けに決まった。

 Sweeperペースで試合は進み、チャンピオン・カーニバルで準優勝を飾って自信をつけたジェイクのブレーンバスターやサイドスープレックスも完璧に決まったが、ホームリングで声援を浴びた菊田はバックドロップを何とか阻止。レッグラリアットで蹴り倒し、やっと河上にタッチを渡した。

 河上は逆水平とエルボーを交互に連射し、グーパンチやラリアットまで浴びせるが、ジェイクも譲らず。ニーリフトからのDDTで巻き返す。あとを受けた岩本も続き、ショルダータックルや一本背負い、大外刈りで畳みかけたが、意地の河上もエクスプロイダーでお返し。菊田にスイッチする。

 菊田は河上と合体。同時正拳突きを見舞う。しかし、バックエルボー&トラースキックは岩本が回避すると、大外刈りで反攻。ジェイクが加勢に入ると、ジェイクのニーリフト、岩本のネックスクリュー、ジェイクのランニングローキック、岩本のニードロップと連続攻撃が菊田にさく裂。岩本が決定機を掴んだ。

 ジャーマンスープレックスが完璧に決まるも、菊田はギリギリでキックアウト。岩本のドラゴンスープレックスを未遂に終わらして、土手っ腹にトラースキックを見舞う。今度こそ河上とトラースキック&バックエルボーを放つと、バックブリーカー&ダイビングニードロップもクリーンヒット。菊田はこん身のミドルキックをぶち込んだ。

 しかし、ジェイクが助けに飛び込むと、ジャイアントキリングを乱れ打って再び形勢逆転。雄叫びをあげた岩本はドラゴンスープレックスでぶん投げる。菊田はフォールを返して大声援を巻き起こすと、ここで河上は場外デスバレーボムでジェイクを足止めして菊田の反撃を待った。

 これに菊田が応える。孤高の芸術を踏ん張ると、河上がラリアットで援護射撃。ブレーンバスター式牛殺しを放つと、菊田もトラースキックで続く。決定的場面に場内は沸き返る中、菊田は右ハイキックを一閃。逆転の3カウントを奪い取った。

 飛艶が悲願のアジアタッグ奪取。小鹿会長は大喜びでトロフィーを渡して祝福した。菊田は嬉しいタイトル初戴冠。「デビューしてから常に同期に前を走られて、後輩にも抜かれて、誰にも注目されないで。劣等感しかなかったんだから、俺。劣等感しかなかったけど、それでも諦めないで続けてきたら、アジアに辿り着きました。諦めなくてよかったなって思いましたね」とこれまでの道のりを振り返ると、河上もベルトにほおずりし、「とりあえず…今の大日本プロレスタッグチャンピオン、浜&中之上、宙に浮いてるな? 俺らアジアタッグチャンピオンが今ここで挑戦表明。どうする? 受けるか受けないかはチャンピオン次第だ」と二冠獲りを次なる目標に掲げた。

 そんな2人を頼もしげに見守っていた小鹿会長は「最初から諦めるっていうんじゃなく、最後まで目標を持って一生懸命やれば、為せば成ると。ありがとうございました」と最後まで笑顔で、バンザイまで飛び出した。

【試合後の河上&菊田、小鹿】
※小鹿が叫び声をあげて喜びをあらわにすると

▼河上「大きい声はちょっと響くんで…」

▼小鹿「よし、やったな、おい!」

▼河上「やっぱりジェイク&岩本、強えわ。チクショウ。あんなの強すぎるわ。でも、勝ったのは俺たち。どんなもんじゃい、全日本。ジェイク&岩本、どんなもんじゃ、オラ。情けねえな、オラ。情けねえな、乗り込んできて獲られるなんてざまあねえわ」

▼菊田「ざまあないのはあれですけど、まず挑戦権利をありがとうございました。メチャクチャ強かった。ただ、デビューしてから常に同期に前を走られて、後輩にも抜かれて、誰にも注目されないで。劣等感しかなかったんだから、俺。劣等感しかなかったけど、それでも諦めないで続けてきたら、アジアに辿り着きました。諦めなくてよかったなって思いましたね」

▼河上「(ベルトにほおずりすると)かわいい、やっぱり。俺のベルトだ」

▼菊田「素直に嬉しいんでね」

▼河上「10年で辿り着いた」

▼菊田「僕もこれ、テレビで初めて見たから、獲るまで20年かかりましたから。感慨深いですね。こうやって感傷に浸るのは今日までで。明日からはチャンピオンだから。チャンピオンとしてスタート。終わりじゃないんだよ。ゴールじゃない。スタートだから」

▼河上「とりあえず…今の大日本プロレスタッグチャンピオン、浜&中之上、宙に浮いてるな? 俺らアジアタッグチャンピオンが今ここで挑戦表明。どうする? 受けるか受けないかはチャンピオン次第だ」

▼菊田「正直しんどかったです。あいつら強いですね。強いけど、それに勝ったから嬉しいし、自分のところに来た…グレート小鹿のところに来たんだから。一個壁を越えたでしょう、これで」

――菊田選手は世界ジュニア王者の岩本選手から勝利した形となったが?

▼菊田「意識してないですね。基本もう僕は大日本に入った時から常に無差別を意識してたから。向こうはチャンピオンだからね。どうってことないんじゃないですか。僕はヘビー級なんで、しっかりこれ(ベルト)を守っていきたいです」

▼河上「ジェイク・リー選手。遊んであげるから。どっちでもいい。大日本でも全日本でもどっちでもいいから、俺とやりなさい」

※ここで小鹿が再び2人を称えてバンザイをする

▼小鹿「2人は目標に向かって、人間の死に物狂いが出たね。最初から諦めるっていうんじゃなく、最後まで目標を持って一生懸命やれば、為せば成ると。ありがとうございました」

【試合後のジェイク&岩本】
▼ジェイク「なんだよ、あれ。初っぱなから来やがってよ。それでもってグーパンチか?」

▼岩本「最後、なんでしたか?」

▼ジェイク「ハイキック」

▼岩本「ハイキック? ダメだ。全然わけわかんねえ」

▼ジェイク「まあ、いい。負けは負けで認めてやるよ。負けは負けだ。だが、河上、覚えてろよ、コノヤロー」

▼岩本「勝ったヤツが強い。負けたヤツは弱い。今日、俺は弱かっただけだ。あいつらが勝ったから、今日はあいつらのほうが正しいんだ。でも、今に見てろ。今より強くなって、もう1回、俺とジェイクでやらせろ。それまでお前ら、アジア守っとけ、コノヤロー! ああ、クソ!」

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